カテゴリー: Uncategorized

  • 1級土木施工管理技士の年収・キャリア徹底解説|資格手当の相場から監理技術者の市場価値まで

    1級土木施工管理技士の年収・キャリア徹底解説|資格手当の相場から監理技術者の市場価値まで

    BUILDNA
    キャリア・試験対策 | 用語辞典
    土木のキャリアと年収

    1級土木施工管理技士の年収・キャリア徹底解説
    資格手当の相場から監理技術者の市場価値まで

    最終更新: 2026.07.13 | 分野: キャリア・試験対策

    1級土木施工管理技士は「取ると何が変わるのか」。結論、法律上できる仕事(監理技術者)が変わり、手当と転職市場価値が変わります。この記事では公開求人・各種調査をもとに、年収の実態・資格手当の相場・キャリアパス4ルートを解説します。※金額は調査時点の目安です。

    1年収の実態 ― 数字で見る

    区分年収の目安
    土木施工管理(全体平均)約600万円弱(平均月給35万円前後)
    1級保有者600〜800万円が中心帯。大手・所長級で900万円台も
    2級との差100〜200万円の差がつくケースが多い
    発注者支援・CM系600〜800万円+残業減の傾向
    • 建設業全体の給与水準は上昇傾向。担い手不足を背景に、1級保有者の需給は完全に売り手市場です。

    2なぜ上がる? 1級にしかできない仕事

    • 監理技術者になれる ― 下請契約総額4,500万円以上(建築一式7,000万円以上)の工事で配置が義務。大型工事は1級保有者がいないと受注できないため、会社があなたに払う理由が明確。
    • 経営事項審査(経審)の加点 ― 1級技術者は会社の点数に直結。地場企業ほど1人の価値が大きい。
    • 専任配置・現場代理人格 ― 任される現場の規模が変わる=評価と手当が変わる。

    3資格手当の相場

    項目相場の目安
    1級土木の資格手当月1〜5万円(年12〜60万円)
    監理技術者として配置+月5〜10万円(年60〜120万円)の上乗せ例も
    合格一時金5〜30万円の会社が多い(会社規程による)
    手当ゼロの会社も存在します。就業規則・賃金規程の「資格手当」欄を先に確認。無い場合、それ自体が転職検討の材料になります。

    4キャリアパス4ルート

    ルート内容年収イメージ
    ①現場を極める監理技術者→所長→工事部長。王道700→900万円+
    ②発注者支援・CMへ監督支援・積算等。書類中心で夜勤/休出が減る600〜800万円
    ③転職で企業規模を上げる地場→準大手・大手へ。1級は応募要件を一気に突破+100〜200万円
    ④独立・技術者派遣経験+1級で単価商売。働き方の自由度重視案件次第(高単価も)

    5年収を上げる現実的な順番

    • ①まず今の会社の手当・監理技術者配置で+年50万円前後を確実に取る。
    • 監理技術者としての実績(工事経歴)を2〜3件作る ― 転職市場での値札はここで決まる。
    • ③実績を持って企業規模か働き方(発注者支援)を選ぶ。1級+監理技術者経験ありは書類がほぼ通ります。

    6取得コストと回収(ROI)

    • 投資: 受検料+教材/講座で数万〜10万円程度、勉強時間150〜250時間。
    • 回収: 手当だけで年12〜60万円 → 1年目でほぼ回収。監理技術者配置や転職まで含めると、生涯年収では数千万円規模の差になり得ます。
    • 結論: 建設業の資格投資として、1級土木は最もリターンが読みやすい部類です。

    これから取る人は2026年版の二次試験対策最短合格の裏技集、講座選びは通信講座ランキングへ。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    年収・転職のリアルな相談も、BUILDNAの「現場の質問広場」へ。匿名OKです。

    © 2026 BUILDNA ― キャリア・試験対策
  • 【2026年版】1級土木の通信講座おすすめランキング|「経験記述の添削」で選ぶ主要5社比較

    【2026年版】1級土木の通信講座おすすめランキング|「経験記述の添削」で選ぶ主要5社比較

    BUILDNA
    キャリア・試験対策 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 講座比較

    【2026年版】1級土木の通信講座おすすめランキング
    「経験記述の添削」で選ぶ主要5社比較

    最終更新: 2026.07.13 | 分野: キャリア・試験対策

    1級土木の通信講座は価格も中身もバラバラで、選ぶ基準を間違えると「高いのに添削がない」が普通に起きます。この記事では、編集部が「二次検定の経験記述添削」を最重要軸に主要5社を比較しました。※料金は変動するため目安です。申込前に必ず公式サイトで最新の内容・価格を確認してください。

    失敗しない選び方3軸
    経験記述の添削があるか・何回か(二次の合否はここで決まる)
    ②講義動画の質と量(活字が苦手なら動画型を)
    ③価格と範囲(一次のみ/二次のみ/両方セットか)

    1比較表 ― 主要5社ひと目でわかる

    講座価格の目安経験記述添削動画講義向いている人
    独学サポート事務局1万円台〜(一次二次セットあり)あり(コースによる)△(教材中心)とにかく安く添削と質問サポートが欲しい人
    SAT数万円台あり◎ Eラーニング特化スマホ動画で通勤学習したい人
    CIC日本建設情報センター数万円台あり(回数制限あり・メール質問10回程度)バランス型。映像+添削を程よく
    日建学院(通信/映像)10万円前後〜あり(手厚い)◎(一次約28回・二次約24回の本格講義)費用をかけても確実に環境を整えたい人
    地域開発研究所教材・講習会型コースによる定番テキスト・過去問集で独学の軸を作りたい人
    「受講料の平均は約10万円」というデータもありますが、それは通学・映像校込みの数字。通信に絞れば1〜6万円台が主戦場です。高い=受かるではなく、自分が続けられる形式かで選んでください。

    2タイプ別のおすすめ(結論)

    • 最安で二次の添削だけ確保したい独学サポート事務局。独学ベースの人の「保険」として最有力。
    • 動画でスキマ学習したいSAT。Eラーニングの完成度と満足度への投資。
    • 映像も添削もバランス良くCIC。法人利用も多く教材が実務寄り。
    • お金より確実性・強制力日建学院。講義回数が多く、ペースを作ってもらえる。
    • 独学派のテキスト補強地域開発研究所。過去問解説の定番。

    3各社の特徴レビュー

    • 独学サポート事務局 ― 「教材を送って終わり」ではなく質問回答と添削が付くのが強み。一次二次セットで1万円台からとコスト圧倒的。作文作成代行オプションの広告も見かけますが、代行丸写しは不正リスクがあるため、利用するなら添削までにしましょう。
    • SAT ― Eラーニング特化で動画・アプリの使い勝手が高評価。忙しい現場員の「毎日20分」に向く設計。
    • CIC ― 一次・二次を分けて取れるカリキュラム。経験記述添削(1回程度)+メール質問(10回程度)と、サポートの範囲が明確。
    • 日建学院 ― 一次約28回・二次約24回と講義量が別格。校舎映像・Web併用で「勉強する環境」を買うイメージ。
    • 地域開発研究所 ― 業界定番の過去問解説集の版元。講習会・教材のセットで、独学の軸として長年の実績。

    4申込前の注意点3つ

    • 「合格率○%」の広告は算出母数を確認(アンケート回答者のみ等が多い)。
    • 二次コースの添削回数と提出期限を必ず確認。1回きりなら提出タイミングが超重要。
    • ③申込みは試験日(2026年10月4日予定)から逆算して。二次の添削往復には2〜4週間かかります。

    5よくある質問

    QA
    独学だけで受かる?一次は独学で十分可能。二次は添削を1回も受けずに挑むのはリスク大。会社の1級保有者に見てもらえるなら独学もあり
    いつから始める?二次対策は3か月前(7月)が標準。詳しくは二次試験の完全対策
    会社は補助してくれる?資格取得支援(受講料補助・合格報奨金)のある会社は多い。申込前に総務へ確認

    最短で仕上げたい人はずるい最短合格の裏技集、取得後のリターンは年収・キャリア解説もどうぞ。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    「この講座どうだった?」の体験談も、BUILDNAの「現場の質問広場」へ。

    © 2026 BUILDNA ― キャリア・試験対策
  • 【ずるい最短合格】1級土木 二次試験の裏技7選|満点はいらない、60%を確実に取りにいく

    【ずるい最短合格】1級土木 二次試験の裏技7選|満点はいらない、60%を確実に取りにいく

    BUILDNA
    キャリア・試験対策 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第二次検定対策

    【ずるい最短合格】1級土木 二次試験の裏技7選
    満点はいらない、60%を確実に取りにいく

    最終更新: 2026.07.13 | 分野: キャリア・試験対策

    1級土木の二次検定は満点を取る試験ではありません。60%で合格です。この記事は、真面目に全部やる時間がない人のための「取れるところだけ確実に取る」ずるい戦略集。ただし最後に書くとおり、やっていい”ずるい”と、やってはいけない不正の線引きだけは間違えないでください。

    1裏技① 経験記述は「試験前に完成」させる

    • 経験記述は当日考える問題ではなく、当日は「準備した答案を思い出して書くだけ」の問題です。これが最大の裏技であり、合格者のほぼ全員がやっています。
    • 品質・安全・工程の3テーマで事前に書き上げ→添削→暗記。当日は指定テーマの答案を書き写す感覚になります。

    2裏技② 1つの現場を3テーマで使い回す

    • 3つの現場を用意する必要はありません。1つのよく知っている現場を、切り口だけ変えて3テーマ書く方が、工事概要を1つ覚えるだけで済むので暗記量が1/3になります。
    • 例(路体盛土工事): 品質=締固め度の確保 / 安全=重機と作業員の接触防止 / 工程=降雨による遅延対策と工程短縮。

    3裏技③ 文章は型に流し込むだけ

    暗記する型は1つだけ
    「本工事は(工事の条件)であったため、(○○の確保/防止)が技術的課題となった。」→「そこで(比較検討したこと)を検討し、」→「(実施内容+数値)を実施した。」→「その結果、(数値入りの成果)となり、課題を解決した。」
    どのテーマでもこの型で書けます。文才は不要です。

    4裏技④ 数値を3つ入れると答案が化ける

    • 採点者は具体性を見ます。「数値が3つ入っているか」をセルフチェック基準にしてください。
    • 使いやすい数値の在庫: 敷均し厚30cm/締固め度90%以上/スランプ8cm/かぶり○mm/朝礼時KY10分/バックホウ0.7m³/工程短縮5日 など、自分の現場の数字を3つ暗記しておく。

    5裏技⑤ 学科記述は頻出ワード15個から

    分野まずこれだけ(過去問頻出)
    土工サンドマット、プレローディング、盛土の敷均し厚、トラフィカビリティー
    コンクリートコールドジョイント、ブリーディング、レイタンス、湿潤養生、打重ね時間
    品質締固め度90%、スランプ±2.5cm、空気量±1.5%
    安全手すり85cm、昇降設備1.5m、点検(その日の作業開始前)

    まずこの15個前後を完璧にし、過去問で出会った語句を足していく。二次試験の完全対策記事に分野別の深掘りリンクがあります。

    6裏技⑥ わからない問題の部分点の拾い方

    • 記述問題で白紙は最悪手。「原則論+安全側」で書けば部分点の可能性が残ります。
    • 例: 知らない工法を問われたら→「施工前に試験施工により品質を確認し、規格値を満足することを確認して本施工に移る」のようなどの工種でも通じる管理の原則で埋める。

    7裏技⑦ 捨て問の見極めと時間配分

    • 選択問題は全部に手を出さず、得意2分野に絞って深く。60%取れれば残りは捨てていい。
    • 時間配分の目安: 経験記述60分→学科記述→最後に経験記述の誤字見直し10分

    8やってはいけない「ずるい」― 不正の線引き

    ここから先は裏技ではなく不正です。
    ・経験していない工事・他人の現場を自分の経験として書く(虚偽記載)
    ・代行業者が作った答案を、内容を理解せず丸写しする
    これらは不正受検として合格取消・受検禁止のリスクがあります。「事前に準備する・型を使う・絞って勉強する」までが正しいずるさ。添削サービスの利用はOKですが、答案の中身は必ず自分の現場・自分の言葉にしてください。

    添削込みで効率よく仕上げたい人は通信講座ランキング、取ったあとの伸びしろは1級土木の年収・キャリア解説をどうぞ。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    「この経験記述で大丈夫?」も、BUILDNAの「現場の質問広場」へ。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― キャリア・試験対策
  • 【2026年版】1級土木 第二次検定を完全対策!|経験記述の書き方から学科記述の頻出まで

    【2026年版】1級土木 第二次検定を完全対策!|経験記述の書き方から学科記述の頻出まで

    BUILDNA
    キャリア・試験対策 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第二次検定対策

    【2026年版】1級土木 第二次検定を完全対策!
    経験記述の書き方から学科記述の頻出まで

    最終更新: 2026.07.13 | 分野: キャリア・試験対策

    1級土木の第二次検定(実地)は、全問記述式・合格基準は得点の60%。マークシートの一次と違い「書けるか」が全てです。この記事では、2026年度(令和8年度)の試験概要から、配点の柱である経験記述の書き方、学科記述の頻出ポイント、勉強計画までを1本にまとめました。

    2026年度 第二次検定の概要(受検前に必ず公式確認)
    項目内容
    試験日2026年10月4日(日)実施予定
    形式全問記述式(経験記述+穴埋め・記述問題)
    合格基準得点の60%以上(満点は不要)
    合格発表例年1月上旬
    ※日程・申込期間は必ず試験機関(全国建設研修センター)の公式サイトで確認してください。

    1出題構成 ― 何がどう出るか

    • 問題1: 経験記述(必須) ― あなたが経験した工事について、指定テーマ(品質管理・安全管理・工程管理など)の課題と対応を書く。配点が最も重く、ここで失敗するとほぼ不合格と言われる最重要問題。
    • 問題2以降: 学科記述 ― 土工・コンクリート・品質管理・安全管理・施工計画などから、穴埋め(語句・数値)と短文記述。必須問題と選択問題で構成される。
    • 戦略はシンプル: 経験記述を試験前に完成させ、学科記述は頻出分野に絞って6割を確実に取る。

    2経験記述① 出題パターンと構成テンプレ

    • 出題テーマは例年「品質管理」「安全管理」「工程管理」のいずれか(近年は環境対策・出来形管理が絡む年もある)。どれが出ても書けるよう3テーマ準備するのが鉄則。
    • 記述する工事は自分が施工管理の立場で関わった実在の工事であること。工事名・発注者・工期・工種・数量を正確に。
    構成テンプレ(この4段で書く)
    段落書くこと例(品質管理)
    ①現場の条件課題が生まれた背景「本工事は軟弱地盤上の路体盛土であり…」
    ②技術的課題何を管理する必要があったか「盛土の締固め度の確保が課題となった」
    ③検討内容どんな選択肢をどう検討したか「試験施工により敷均し厚と転圧回数を検討し…」
    ④対応処置と評価実施したこと+数値+結果「1層仕上り30cm・振動ローラ8回とし、締固め度92%を確保。ひび割れ等の不具合なく完了した」

    3経験記述② 受かる書き方7か条

    • 数値を入れる ― 「入念に締め固めた」ではなく「1層30cm・8回転圧・締固め度92%」。数値が1つもない答案は評価されにくい。
    • 自分の判断を書く ― 「〜と考え、〜を採用した」。会社がやったことの報告ではなく、あなたの技術的判断を示す。
    • 結果で締める ― 「その結果、○○を確保し工事を完成させた」。
    • テーマからずらさない ― 品質管理と問われたら品質の話だけ。安全の話を混ぜない。
    • 専門用語を正しく ― 用語の誤字(締固め/レイタンス等)は印象を大きく下げる。
    • 行数の9割以上埋める ― 空白の多い答案は熱意も評価も下がる。
    • ウソを書かない ― 虚偽の経験記述は不正受検。発覚すれば合格取消のリスクがある。

    4経験記述③ NG例と改善例

    答案何がダメ/良いか
    NG「品質に注意して施工し、良い結果が得られた」何をどう管理したか不明。数値ゼロ。誰でも書ける
    OK「敷均し厚を35cm以下に管理し、RI計器による密度測定を各層3点実施。締固め度は平均92%(規格値90%以上)を確保した」手段・頻度・数値・規格値との比較がある
    「立派な工事」を書く必要はありません。小規模な舗装補修でも、課題→検討→処置→結果が具体的なら十分戦えます。逆に大工事でも抽象的なら落ちます。

    5学科記述の頻出テーマと対策

    分野頻出テーマ対策記事
    土工軟弱地盤対策の工法名、盛土の敷均し・締固め、法面保護土工の徹底攻略
    コンクリート打継目・養生・暑中/寒中、ひび割れの原因と対策コンクリート工の徹底攻略
    品質管理盛土の品質規定/工法規定、レミコン受入検査の数値品質管理の徹底攻略
    安全管理足場・土止め支保工・クレーンの数値基準安全管理の徹底攻略
    • 穴埋めは「数値」と「語句」の暗記勝負。一次で覚えた数字(敷均し30cm、スランプ±2.5cm、手すり85cm等)がそのまま出る。
    • 記述は「原因→対策」をワンセットで書く練習を。例: コールドジョイント→「打重ね時間間隔の管理と、先に打ち込んだコンクリートへの振動機の挿入」。

    6勉強計画(3か月/1か月)と当日の戦い方

    期間やること
    3か月前〜経験記述3テーマ(品質・安全・工程)を書き上げ、添削を受ける(会社の1級保有者か通信講座)
    2か月前〜過去問の学科記述を分野別に5〜7年分。頻出語句・数値をノート化
    1か月前〜経験記述を何も見ずに時間内で書き切る練習(週1回)。過去問2周目
    直前1週間経験記述の最終暗記+頻出数値の総復習。新しいことはやらない
    • 当日は経験記述から着手せず、まず全体を見て時間配分(経験記述60分・学科記述に残り)。
    • 選択問題は得意分野から。空欄は作らない(部分点の世界)。

    短期間で要点だけ拾いたい人は「ずるい最短合格」の裏技集、独学が不安な人は通信講座ランキングもどうぞ。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    経験記述の添削相談も、BUILDNAの「現場の質問広場」へ。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― キャリア・試験対策
  • 【1級土木施工管理技士】港則法を徹底攻略!特定港・航路と航法・工事の許可のすべて

    BUILDNA
    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 港則法 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「港則法」を徹底攻略!
    港長の許可・届出と航路・航法を1本で押さえる

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。全問に答える必要はありませんから、「これが出たら必ず取る」という得点源をいくつ持てるかで合否が決まります。その隠れた優等生が港則法です。

    港則法からは、毎年1問が安定して出題されます。海の仕事をしたことがない受験生ほど「船の法律なんて自分には関係ない」と敬遠しがちですが、これは大きな誤解であり、大きなチャンスです。というのも、港則法の出題範囲は極端に狭く、論点がほぼ固定されているからです。① 港長の「許可」が要るものと「届出」でよいものの区別、② 航路・航法のルール(右げん・左げん、右側航行、追越し禁止)、③ 特定港とは何か――出題されるのは実質この3点だけ。覚える量が最も少ない法令のひとつです。

    とくに土木施工管理の受験生にとっては、「特定港内または特定港の境界付近で工事・作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない」(法第31条)という条文が最頻出です。ケーソンの据付け、浚渫(しゅんせつ)、防波堤の築造、海上での杭打ち――港湾工事はすべてこの条文の世界です。この記事では、法の趣旨から定義、許可・届出の切り分け、航法までを図と表で整理します。ひっかけ総まとめと一問一答10問まで読み切れば、港則法の1問は確実に拾えます。

    1港則法の目的と適用範囲 ―「特定港」とは何か

    1-1 法の目的(第1条)

    港則法の目的は、港内における船舶交通の安全および港内の整とんを図ることです。

    ポイントは「安全」と「整とん」の2語。港は、大小さまざまな船が狭い水面にひしめき合う、海上で最も混雑する場所です。そこに工事の船(作業船・台船・浚渫船)が居座れば、当然に交通の妨げになります。だからこそ、港湾工事には「港長の許可」が必要なのです。この趣旨さえ掴んでおけば、条文を丸暗記しなくても正誤が判断できます。

    港長(こうちょう)
    港則法に基づいて、港内の船舶交通の安全と整とんに関する権限を行使する行政庁特定港には、海上保安庁の職員のうちから港長が任命されます。
    港則法において「許可」「届出」「指揮」「指示」「命令」の相手方は、原則としてすべて港長です。港湾管理者(自治体)・海上保安庁長官・国土交通大臣ではありません――ここが試験の最大の狙い目です。

    1-2 特定港とは(第3条)

    港則法はすべての港に適用されますが、そのうち特に規制が厳しいのが特定港です。港則法の規定の多く(工事の許可・入出港届・危険物の規制など)は、この「特定港」でだけ適用されます。

    特定港(とくていこう)
    喫水(きっすい)の深い船舶が出入りできる港、または外国船舶が常時出入りする港であって、政令で定める港をいいます。
    東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・北九州・博多など、全国で約90港が指定されています。「大きな船が入る港」「外国船が来る港」=特定港と押さえれば十分です。
    喫水(きっすい)
    船が水に浮かんだときの、水面から船底までの深さ。積荷が重いほど喫水は深くなります。「喫水の深い船舶」=大型船のことです。
    汽艇等(きていとう)
    汽艇(小型の蒸気船・モーターボート)、はしけ、および端舟(てんま船)その他ろかいをもって運転する船舶をいいます。要するに「小さい船」
    港則法では、この「汽艇等」が特別扱いされます。汽艇等は、港内では、汽艇等以外の船舶(=大型船)の進路を避けなければならないのが原則です。小さい船が、大きい船に道を譲る――大型船は急に止まれない・曲がれないからです。
    港則法の登場人物は「港長」ただ1人と思ってよいくらいです。許可も、届出も、指揮も、命令も、すべて港長
    そして規制の多くは「特定港」でだけ適用されます。「特定港内」「特定港の境界付近」というキーワードが出たら、港長の許可を疑う――これが基本姿勢です。

    2入出港・停泊のルール ―「錨地は港長が指定する」

    2-1 入出港の届出(第4条)

    船舶は、特定港に入港したとき、または特定港を出港しようとするときは、国土交通省令の定めるところにより、港長に届け出なければなりません。

    • これは「許可」ではなく「届出」港に入るのに許可は要りません
    • ただし、汽艇等および総トン数の小さい船舶(政令で定めるもの)は、届出が免除されます

    2-2 びょう泊(停泊)の場所(第5条)

    特定港内に停泊する船舶は、港長が指定する区域(=錨地/びょう地)に停泊しなければなりません。

    項目内容
    びょう地の指定特定港内に停泊する船舶は、各々そのトン数または積載物の種類に従い、港長が指定する区域に停泊しなければならない
    びょう地の指定の申請特定港に入港した船舶は、港長にびょう地の指定を申請することができる
    移動命令港長は、特定港内に停泊する船舶に対し、停泊すべき場所を指定し、または移動を命ずることができる(船舶交通の安全・港内の整とんのため必要があるとき)
    係留等の制限汽艇等以外の船舶は、特定港内において、みだりにけい船浮標・さん橋・岸壁その他の係船設備でないものに係留してはならない
    錨地(停泊場所)を決めるのは港長です。「船長が自由に選べる」「港湾管理者が指定する」は✕
    ちなみに「移動を命ずる」ことができるのも港長。港則法の条文は、ほぼすべて「港長は〜できる/港長の許可を受けなければならない」という形をしています。迷ったら港長――これで正答率が跳ね上がります。

    3航路と航法 ―「右げんに見るなら近寄れ、左げんに見るなら遠ざかれ」

    3-1 航路(第11条〜第13条)

    航路とは、港内において船舶が通るべき道として定められた水路です。狭い港で船が好き勝手に走ると衝突するので、「大きい船は決められた道を通れ」としているのです。

    ルール
    第11条汽艇等以外の船舶は、特定港に出入し、または特定港を通過するときは、国土交通省令で定める航路によらなければならない
    ただし、海難を避けようとする場合その他やむを得ない事由のある場合はこの限りでない
    第12条船舶は、航路内においては、投びょうし、またはえい航している船舶を放してはならない(=航路内での投びょう・えい航中の他船の放棄は禁止
    第13条航路内での航法の3原則(下表)

    3-2 航路内での投びょう禁止と、その例外【最重要】

    第12条は「航路内で錨を下ろすな」と定めていますが、4つの例外があります。この4つは、そのまま選択肢になります。

    航路内で投びょうできる例外(第12条ただし書)
    海難を避けようとするとき
    運転の自由を失ったとき(機関故障・舵故障など)
    人命または急迫した危険のある船舶の救助に従事するとき
    第31条の規定による港長の許可を受けて工事または作業に従事するとき
    ④が土木の受験生にとって決定的に重要です。浚渫船や起重機船が航路内に錨を下ろして工事ができるのは、「第31条の港長の許可」を受けているから
    つまり、港則法において「工事の許可(31条)」と「航路内の投びょう(12条)」は一本の線でつながっているのです。
    例外の覚え方は「カイナン(海難)・ジユウ喪失(運転の自由)・キュウジョ(救助)・キョカ工事(31条許可)」
    「船舶は、いかなる場合であっても、航路内において投びょうしてはならない」→ 4つの例外があります。とくに港長の許可を受けて工事・作業に従事する場合は投びょうできます。「いかなる場合も」「例外なく」という強い言い切りは、法規では大抵✕です。

    3-3 航路内の航法3原則(第13条)

    場面ルール
    他の船舶と行き会うとき右側を航行しなければならない(右側通行)
    他の船舶を追い越すとき追い越してはならない(航路内では追越し禁止が原則)
    並列航行航路内においては、並列して航行してはならない
    航路への出入り・横断航路外から航路に入り、または航路から航路外に出ようとする船舶は、航路を航行している他の船舶の進路を避けなければならない
    航路内の3禁止は「ナラばない(並列航行✕)・オイこさない(追越し✕)・イカリ下ろさない(投びょう✕)」。そして行き会うときは右側――車と同じ、と思えば覚えやすいですね(日本の道路は左側通行ですが、船は世界共通で右側です)。
    さらに、航路に「入る側」が、航路を「走っている側」に道を譲る本線を走る車が優先、合流する車が譲る――高速道路と同じ発想です。

    3-4 港内の航法(第14条〜第18条)【頻出の図解ルール】

    航路の外、つまり港内一般での航法です。とくに「右げん・左げん」のルールは、港則法で最も出題される図解問題です。

    ルール
    防波堤の入口付近
    (第15条)
    汽艇等以外の船舶は、防波堤の入口または入口付近で他の船舶と出会うおそれのあるときは、入航する船舶が、防波堤の外で出航する船舶の進路を避けなければならない
    出航船が優先/入航船が避ける
    右げん・左げんの原則
    (第17条)
    船舶は、港内において防波堤・埠頭その他の工作物の突端、または停泊中の船舶を——
    右げんに見て航行するときは、できるだけこれに近寄り
    左げんに見て航行するときは、できるだけこれから遠ざかって
    航行しなければならない
    速力(第16条)船舶は、港内では、他の船舶に危険を及ぼさないような速力で航行しなければならない
    帆船(第16条)帆船は、港内では、帆を減じ、または引き船を用いて航行しなければならない
    汽艇等(第18条)汽艇等は、港内では、汽艇等以外の船舶の進路を避けなければならない
    工事作業船(第18条)港長の許可を受けて工事・作業に従事している船舶には、他の船舶ができる限り近寄らないようにする(航路外での例外扱い)
    港内の航法 ― 右げんに見るなら近寄る/左げんに見るなら遠ざかる 突 端 (防波堤・埠頭・停泊船) A船 突端を右げんに見る → できるだけ近寄る B船 突端を左げんに見る → できるだけ遠ざかる 「右は近く・左は遠く」= ミギチカ・ヒダリトオ
    図1 港内の航法(第17条)― 突端・停泊船を右げんに見るなら近寄り、左げんに見るなら遠ざかる
    右げん(うげん)・左げん(さげん)
    船の進行方向を向いたときの、右側が右げん(starboard)、左側が左げん(port)です。「突端を右げんに見て航行する」=自分の右手側に突端がある状態で進むという意味です。
    なぜ「右げんなら近寄る」のか? 答えは「船は右側通行だから」です。
    突端が右手側にあるということは、自分は突端に近い側(=右側)の水路を走っています。だから突端に沿って近寄って進めば、水路の右側を保てる
    逆に突端が左手側にあるなら、突端は「対向車線」側にあるので、遠ざかって自分の右側を保つ。
    つまりこのルールは「右側通行を、突端まわりで具体化しただけ」なのです。理由が分かれば、暗記は不要になります。語呂は「ミギチカ・ヒダリトオ」
    「船舶は、港内において防波堤の突端を右げんに見て航行するときは、できるだけこれから遠ざかって航行しなければならない」→ 右げんなら「近寄る」左げんなら「遠ざかる」です。「近寄る」と「遠ざかる」を入れ替えるのが、港則法で最も多いひっかけ。図で覚えましょう。
    「防波堤の入口付近で行き会うおそれがあるときは、入航する船舶が優先し、出航する船舶が入航船の進路を避ける」→ 出航船が優先/入航船が防波堤の外で避けるです。「デル(出航)が優先」と覚えます。理由は、狭い入口の中にいる船は逃げ場がなく、外にいる船のほうが避けやすいから。エレベーターと同じ発想ですね。

    4工事・作業の許可(第31条)―「土木で最頻出」

    4-1 条文

    港則法第31条――「特定港内または特定港の境界附近で工事または作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない。」

    この1行が、土木施工管理技士の試験における港則法の中心です。港湾工事の実務は、すべてこの条文の下にあります。

    港則法第31条の許可(工事・作業の許可)
    対象特定港内、または特定港の「境界附近」で行う工事・作業。「境界の外側の付近」も含まれる点に注意。
    相手方港長港湾管理者ではありません
    具体例ケーソンの製作・えい航・据付け、防波堤・岸壁の築造、浚渫(しゅんせつ)、海底の掘削、埋立て、海上での杭打ち、水中作業、潜水作業、台船・起重機船の設置など。
    港長は、許可に必要な条件を付すことができます(作業時間の制限、警戒船の配置、標識の設置など)。
    ケーソン
    防波堤や岸壁の本体となる、巨大な鉄筋コンクリート製の箱。陸上またはドックで製作し、水に浮かべてえい航(引っ張っていく)し、所定の位置で中に砂や水を入れて沈めて据え付けます。えい航中も据付け中も、港内の交通の大きな支障になるため、港長の許可が必要です。
    浚渫(しゅんせつ)
    港や航路の海底を掘り下げて、水深を確保する工事。土砂が堆積すると大型船が入れなくなるため、定期的に行われます。浚渫船は航路上に居座ることになるので、港長の許可(第31条)+航路内投びょうの例外(第12条④)がセットで効いてきます。
    港湾土木の常識として、「特定港内・特定港の境界付近での工事・作業 → 港長の許可」を最優先で覚えてください。
    そしてこの許可が、他の条文の例外の入口になっていることも重要です。
    航路内での投びょうの禁止(12条)の例外 → 31条の許可があればOK
    他の船が近寄らない配慮を受ける(18条) → 31条の許可を受けた作業船だから
    31条は、港則法の「ハブ(中心)」なのです。
    「特定港内で工事をしようとする者は、港湾管理者の許可を受けなければならない」→ 港長の許可です。
    港湾管理者(自治体)港湾法に基づいて港の施設を管理する主体で、港則法の港長(海上保安庁)とは別人格です。「港則法=港長」「港湾法=港湾管理者」と、法律名から一発で判断しましょう。
    「工事の許可が必要なのは特定港の“区域内”に限られ、港の境界の外側で行う工事には許可は不要である」→ 。条文は「特定港内または特定港の境界附近」です。境界のすぐ外も対象。港の出入口の直前で工事をされたら、結局は交通の妨げになるからです。

    5許可がいるもの・届出でよいもの【総整理】

    港則法の出題の半分近くが「許可か、届出か」を問うものです。ここを表で完全に整理しておけば、それだけで得点できます。

    行為手続根拠
    特定港内・特定港の境界附近における工事または作業港長の許可第31条
    特定港内における危険物の荷役(積込み・積卸し)港長の許可第22条
    特定港内における危険物を積載した船舶の停泊場所の移動港長の許可第22条
    特定港内における竹木材の水上荷卸し、および いかだのけい留・運行港長の許可第34条
    特定港内における私設信号の設定港長の許可第29条
    特定港内における船舶の進水、またはドックへの出入港長への届出第32条
    特定港内における修繕・けい船(総トン数の大きい船舶)港長への届出第7条
    船舶の特定港への入港・出港港長への届出第4条
    危険物を積載した船舶が特定港に入港しようとするとき港の境界外で港長の指揮を受ける第21条
    びょう地(停泊場所)港長が指定する第5条
    港則法 ― 「許可」か「届出」か(すべて相手は港長) 港長の「許 可」 (危ない・交通を妨げる行為) 工事・作業(第31条)★最頻出 危険物の荷役・移動 竹木材の水上荷卸し・いかだの運行 私設信号の設定 「コウジ・キケン・チクボク・シンゴウ」 港長への「届 出」 (知らせておけば足りる行為) 入港・出港 船舶の進水・ドックへの出入 修繕・けい船 びょう地は「港長が指定」 「ニュウシュツ・シンスイ・ドック」
    図2 港則法の許可・届出の切り分け(相手方はすべて港長)
    切り分けの原理は「他船を危険にさらす・交通を妨げる行為 → 許可」「自分の船のことを知らせるだけ → 届出」
    工事、危険物、いかだ(流されたら大迷惑)、私設信号(他船が誤認する)許可
    入港・出港、進水、ドックの出入り届出
    語呂は許可=「コウジ・キケン・チクボク・シンゴウ」/届出=「ニュウシュツ・シンスイ・ドック」
    「船舶の進水は港長の許可が必要」は✕(届出)――これが最頻出の入れ替えです。
    「特定港内において船舶を進水させ、またはドックに出入りさせようとする者は、港長の許可を受けなければならない」→ これは「届出」です(第32条)。許可なのは「工事・作業」「危険物」「竹木材・いかだ」「私設信号」「許可」と「届出」を入れ替えるのは、港則法の最頻出パターンです。
    「特定港内でいかだをけい留し、または運行しようとする者は、港長に届け出れば足りる」→ いかだは港長の「許可」です(第34条)。竹木材の水上荷卸しも許可いかだが流されれば他船に衝突するので、届出では足りないのです。

    6危険物の取扱い ―「入港前に港の境界外で指揮を受ける」

    爆発物・引火性液体・高圧ガスなどを積んだ船は、港の中で事故を起こせば大惨事になります。そこで港則法は、危険物船に特別に厳しい手続を課しています。

    場面手続
    危険物を積載した船舶が特定港に入港しようとするとき特定港の「境界外」で港長の指揮を受けなければならない(第21条)。港に入ってから指示を受けるのではありません
    特定港内において危険物を荷役(積込み・積卸し)しようとするとき港長の許可を受けなければならない(第22条)
    危険物を積載した船舶が停泊場所を移動しようとするとき港長の許可を受けなければならない(第22条)
    港長の指定する場所港長は、危険物積載船に対し、停泊すべき場所を指定できる
    危険物船のキーワードは「境界外で指揮を受ける」
    危ない船を、港の中に入れる前に止めて、指示を出す――当然の発想です。「入港後、直ちに港長の指揮を受ける」「入港前に港長に届け出る」は✕「境界外」と「指揮」の2語がそろって初めて○になります。
    そして荷役も移動も「許可」。危険物は、何をするにも許可です。
    「危険物を積載した船舶は、特定港に入港した後、直ちに港長の指揮を受けなければならない」→ 「特定港の境界外」で、入港しようとするときに指揮を受けます。「入る前に止める」のがこの条文の眼目です。

    7廃物の投棄禁止と、港長のその他の権限

    7-1 廃物の投棄禁止(第24条)

    何人も、港内または港の境界外10,000m以内の水面においては、みだりに、バラスト、廃油、石炭がら、ごみその他これに類する廃物を捨ててはならないと定められています。

    項目内容
    投棄の禁止港内・港の境界外10,000m以内の水面に、廃物(バラスト・廃油・石炭がら・ごみ等)を捨ててはならない
    散乱の防止石炭・石・れんがその他粉じん・散乱するおそれのある物を、船舶に積み込み、または卸そうとする者は、これらの物が水面に脱落するのを防ぐため必要な措置をしなければならない(第25条)
    除去命令港長は、廃物を捨て、または散乱させた者に対し、その除去を命ずることができる(第26条)
    漂流物・沈没物の除去港長は、船舶交通の妨げとなるおそれのある漂流物・沈没物等について、その所有者・占有者に対し除去を命ずることができる(第34条の2)
    投棄禁止の範囲は「港内 + 港の境界外1万メートル以内」「1万m=10km」という広さがポイントで、「100m以内」「1,000m以内」に書き換えるひっかけがあります。
    そして除去を命ずるのも港長。繰り返しになりますが、港則法の主語はほぼすべて港長です。

    7-2 その他の港長の権限

    内容
    移動命令港長は、船舶交通の安全・港内の整とんのため必要があると認めるときは、特定港内に停泊する船舶に対し移動を命ずることができる
    灯火・信号船舶は、港内において、法令で定める灯火・形象物を表示する。私設信号を設ける場合は港長の許可が必要
    火災警報特定港内にある船舶で火災が発生したときは、汽笛またはサイレンをもって長音(約4〜6秒)を5回吹き鳴らす
    船舶交通の制限港長は、船舶交通の安全のため必要があると認めるときは、航路・区域を指定して、船舶の交通を制限し、または禁止することができる
    危険予防の措置命令港長は、爆発物その他の危険物を積載した船舶に対し、必要な措置を命ずることができる
    港則法の全体像を1枚のスライドにすると、こうなります。
    「港内の交通を守るために、港長が、許可・届出・指揮・指定・命令という5つの道具で、船を管理する法律」
    土木の受験生が押さえるべきは、その5つの道具のうち「工事・作業の許可(第31条)」ただ1つ。ここを中心に、周辺の許可・届出の切り分けと、航法のルールを固めれば十分です。

    8頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    特定港内で工事または作業をしようとする者は、港湾管理者の許可を受けなければならない港長の許可(第31条)。港則法の相手方はすべて港長(港湾管理者は港湾法の主体)
    工事の許可が必要なのは特定港の区域内に限られ、境界の外側は不要である条文は「特定港内または特定港の境界附近」境界付近(外側)も対象
    特定港内において船舶を進水させ、またはドックに出入りさせるには、港長の許可が必要これは「届出」(第32条)。許可は「工事・作業/危険物/竹木材・いかだ/私設信号」
    特定港内でいかだをけい留・運行するには、港長への届出で足りる港長の許可が必要(第34条)。竹木材の水上荷卸しも許可
    船舶は、いかなる場合であっても航路内で投びょうしてはならない4つの例外あり(海難回避/運転の自由喪失/人命・急迫危険船の救助/第31条の港長の許可を受けた工事・作業
    船舶が航路内で他の船舶と行き会うときは、左側を航行しなければならない右側を航行する(船は世界共通で右側通行)
    航路内においては、船舶は他の船舶を追い越すことができる航路内での追越しは禁止並列航行も禁止
    防波堤の突端を右げんに見て航行するときは、できるだけこれから遠ざかって航行する右げんに見るときは「近寄る」左げんに見るときは「遠ざかる」
    防波堤の入口付近で行き会うおそれがあるときは、入航する船舶が優先する出航する船舶が優先し、入航する船舶が防波堤の外で避ける
    汽艇等以外の船舶(大型船)が、汽艇等(小型船)の進路を避けなければならない逆。汽艇等が、汽艇等以外の船舶の進路を避ける(小さい船が譲る)
    船舶は、港内では最短時間で移動できるよう、できる限り高速で航行する他の船舶に危険を及ぼさないような速力で航行する
    帆船は、港内では帆を張ったまま航行してよい港内では帆を減じ、または引き船を用いて航行する
    危険物を積載した船舶は、特定港に入港した後、直ちに港長の指揮を受ける特定港の境界外で港長の指揮を受ける(第21条)
    特定港内における危険物の荷役は、港長への届出で足りる港長の許可が必要(第22条)。危険物船の停泊場所の移動も許可
    特定港内に停泊する船舶は、船長が適当と認める場所に停泊することができる港長が指定する区域(びょう地)に停泊しなければならない
    廃物の投棄が禁止されるのは港内のみである港内および港の境界外10,000m(10km)以内の水面で禁止
    船舶交通の妨げとなる沈没物の除去を命ずるのは港湾管理者である港長が除去を命ずる
    特定港とは、政令で定めるすべての港をいう喫水の深い船舶が出入できる港、または外国船舶が常時出入する港政令で定めるもの

    9章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。「許可か届出か」「相手は港長か」の2点を、必ず言えるようにしましょう。

    1. 特定港内または特定港の境界附近で工事または作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない。
      答: ○港則法第31条土木施工管理の試験で最も重要な1行です。ケーソンの据付け、浚渫、防波堤の築造、海上での杭打ちなど、すべてこの許可の対象。「港湾管理者の許可」は✕相手は港長です。
    2. 特定港とは、喫水の深い船舶が出入できる港、または外国船舶が常時出入する港であって、政令で定めるものをいう。
      答: ○「大きい船が入る/外国船が来る」+「政令指定」の3要素です。全国で約90港が指定されています。港則法の主要な規制は、この特定港でだけ適用されます。
    3. 特定港内において船舶を進水させ、またはドックに出入りさせようとする者は、港長の許可を受けなければならない。
      答: ✕ ― これは「届出」です(第32条)。港長の許可が必要なのは、①工事・作業、②危険物の荷役・移動、③竹木材の水上荷卸し・いかだのけい留運行、④私設信号の設定「許可」と「届出」の入れ替えは、港則法で最も出題頻度の高いひっかけです。
    4. 船舶は、航路内においては、原則として投びょうしてはならないが、港長の許可を受けて工事または作業に従事する場合は、この限りでない。
      答: ○ ― 第12条の4つの例外のひとつです。ほかに海難を避けようとするとき/運転の自由を失ったとき/人命または急迫した危険のある船舶の救助に従事するとき「いかなる場合も投びょう禁止」は✕
    5. 船舶は、港内において防波堤の突端や停泊中の船舶を右げんに見て航行するときは、できるだけこれに近寄って航行しなければならない。
      答: ○右げん=近寄る、左げん=遠ざかる「船は右側通行」という大原則を、突端まわりで具体化しただけのルールです。「ミギチカ・ヒダリトオ」と唱えて、図でイメージしておきましょう。
    6. 防波堤の入口または入口付近で他の船舶と出会うおそれのあるときは、出航する船舶が、入航する船舶の進路を避けなければならない。
      答: ✕ ― 逆です。入航する船舶が、防波堤の外で、出航する船舶の進路を避ける(=出航船が優先)。狭い入口の中にいる船は逃げ場がないので、外にいる入航船が待つのです。
    7. 汽艇等は、港内においては、汽艇等以外の船舶の進路を避けなければならない。
      答: ○小さい船(汽艇等)が、大きい船に道を譲るのが原則です。大型船は急に止まれず、急に曲がれないから。あわせて「港内では他の船舶に危険を及ぼさない速力で航行する」「帆船は帆を減じるか引き船を用いる」も押さえましょう。
    8. 危険物を積載した船舶は、特定港に入港しようとするときは、特定港の境界外で港長の指揮を受けなければならない。
      答: ○「境界外」で「指揮」を受けます(第21条)。危ない船は、港に入れる前に止めるという発想。「入港後、直ちに」は✕。なお、危険物の荷役、および危険物積載船の停泊場所の移動には、港長の許可が必要です。
    9. 特定港内に停泊する船舶は、各々そのトン数または積載物の種類に従い、港長の指定する区域に停泊しなければならない。
      答: ○びょう地(錨地)を指定するのは港長です。「船長が自由に選べる」「港湾管理者が指定する」は✕。港長は、必要があると認めるときは停泊船に移動を命ずることもできます。
    10. 何人も、港内においては廃物を捨ててはならないが、港の境界外であれば、距離にかかわらず廃物を投棄することができる。
      答: ✕港内および港の境界外10,000m(10km)以内の水面では、みだりにバラスト・廃油・石炭がら・ごみ等の廃物を捨ててはなりません(第24条)。違反した者に対しては、港長が除去を命ずることができます。
    港則法の要点を最後に1行で。目的=船舶交通の安全と港内の整とん/特定港=喫水の深い船が出入り or 外国船が常時出入りする政令指定の港/許可=工事・作業(第31条)、危険物の荷役・移動、竹木材の水上荷卸し・いかだ、私設信号/届出=入出港、進水・ドック出入、修繕・けい船/びょう地の指定・移動命令・除去命令はすべて港長/航路=汽艇等以外は航路による、航路内は投びょう✕(例外4つ)・追越し✕・並列✕・行き会うときは右側/港内=突端や停泊船を右げんに見るなら近寄り、左げんに見るなら遠ざかる、防波堤の入口は出航船が優先、汽艇等は大型船の進路を避ける、危険を及ぼさない速力/危険物船は境界外で港長の指揮/廃物は港内+境界外1万m以内で投棄禁止。試験直前はこの1行を見返せば十分です。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の使い方など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ
  • 【1級土木施工管理技士】騒音・振動規制法を徹底攻略!特定建設作業・届出・規制基準のすべて

    BUILDNA
    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 騒音規制法・振動規制法 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「騒音規制法・振動規制法」を徹底攻略!
    特定建設作業の届出・規制基準を数字で押さえる

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。全問に答える必要はありませんから、「この法令が出たら必ず取る」という得点源をいくつ持てるかで合否が決まります。その最有力候補が騒音規制法・振動規制法です。

    この2つの法律は、毎年合わせて1問(年によっては騒音規制法から1問、振動規制法から1問)が出題されます。ありがたいのは、2つの法律の条文構造がほぼ双子のように同じだということ。目的も、指定地域も、届出の仕組みも、規制基準の枠組みも、そっくりそのままです。違うのは「対象となる機械」と「dBの数値」だけ。つまり、1本の法律を覚えるコストで2本分の得点が取れる、極めて効率のよい分野なのです。

    そして出題論点は、① 特定建設作業に該当する機械・作業は何か、② 届出は誰が・誰に・いつまでに出すか(元請業者 → 市町村長 → 7日前まで)、③ 規制基準の数値(騒音85dB/振動75dB、作業時間、日数、休日)――この3点にほぼ固定されています。この記事では、その3点を図と表で徹底的に整理します。ひっかけ総まとめと一問一答10問まで読み切れば、この1問は確実に拾えます。

    12つの法律の全体像 ―「双子の法律」として覚える

    1-1 法の目的

    騒音規制法の目的は、工場・事業場における事業活動ならびに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行うとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することです。振動規制法も、「騒音」を「振動」に置き換えただけで、目的規定はほぼ同じです。

    ここで大事なのは、この法律が守ろうとしているのが「近隣住民の生活環境」だということ。作業員を守る労働安全衛生法とは、まったく視点が違います。「うるさい・揺れるという迷惑を、敷地の外に出さない」――これがすべての規定の出発点です。したがって、測る場所も「敷地の境界線」になります。この一点を理解しておくだけで、多くの選択肢が自力で判断できるようになります。

    1-2 2つの法律の対応表

    項目騒音規制法振動規制法
    規制の対象騒音(音)振動(揺れ)
    地域の指定都道府県知事(市の区域内は市長)が指定
    届出先市町村長
    届出期限作業開始の日の7日前まで
    届出義務者元請業者(建設工事を施工する者)
    特定建設作業の種類8種類4種類
    規制基準(大きさ)敷地の境界線において 85 dB を超えないこと敷地の境界線において 75 dB を超えないこと
    作業できない時間帯1号区域:午後7時〜翌午前7時/2号区域:午後10時〜翌午前6時
    1日の作業時間1号区域:10時間以内/2号区域:14時間以内
    連続作業日数連続6日を超えないこと
    休日日曜日その他の休日は作業しないこと
    勧告・命令市町村長が改善勧告・改善命令を行う
    この表が記事のすべてです。違うのは「85dB/75dB」と「対象機械」だけ。あとは完全に共通です。
    数値の覚え方は「ソウオン・ハチゴー(騒音85)、シンドウ・ナナゴー(振動75)」。音のほうが数字が大きい、と覚えます。

    2指定地域と規制の枠組み ―「知事が指定、市町村長が規制」

    2-1 指定地域

    騒音規制法・振動規制法は、日本全国どこでも適用されるわけではありません都道府県知事(市の区域内にあっては市長)が、住居が集合している地域、病院・学校の周辺地域など、生活環境を保全する必要がある地域を「指定地域」として指定し、その中でだけ規制がかかります。

    指定地域
    騒音・振動を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認める地域として、都道府県知事(市の区域内は市長)が指定した地域。
    指定するのは知事ですが、届出を受け、規制するのは市町村長――この役割分担が試験の狙い目です。「市町村長が地域を指定する」は誤り
    1号区域・2号区域
    指定地域は、規制の厳しさによって2つに分けられます。
    1号区域静けさが特に必要な区域(良好な住居環境地域、住居専用地域、住居地域、学校・保育所・病院・診療所(患者収容施設あり)・図書館・特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね80mの区域など)。規制が厳しい
    2号区域1号区域以外の指定地域(工業地域、商業地域の一部など)。規制はやや緩い
    登場人物の整理は「地域を指定するのは知事(市長)、届出を受けて勧告・命令を出すのは市町村長」
    試験ではこの2人を入れ替えるのが定番です。「現場の届出書を持って行く窓口は市役所・町村役場」――実務のイメージで覚えると間違えません。警察署長・労働基準監督署長・都道府県知事は届出先ではありません
    「特定建設作業の実施の届出は、都道府県知事に行わなければならない」→ 。届出先は市町村長です。都道府県知事(市長)が行うのは指定地域の指定「指定は知事、届出は市町村長」と唱えましょう。

    3特定建設作業とは ―「機械」ではなく「作業」を規制する

    特定建設作業とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音(振動)を発生する作業であって政令で定めるものをいいます。

    特定建設作業
    政令(施行令別表第2)で列挙された、著しい騒音・振動を発生する建設作業
    重要な性質が2つ
    規制の対象は「機械」ではなく「作業」。バックホウという機械そのものが規制されるのではなく、「一定規模以上のバックホウを使用する作業」が規制されます。
    その作業を開始した日に終わるものは、特定建設作業に該当しない(=当日中に終わる作業は届出不要)。2日以上にわたる作業が対象です。
    「その作業がその日のうちに終わるもの」は特定建設作業から除かれます
    理由は明快で、1日で終わる一過性の迷惑まで規制するのは過剰だから。ただし「1日で終わるつもりだったが翌日に及んだ」場合は、届出が必要な作業になります。この「開始した日に終わる作業は除く」という但書は、選択肢に頻出します。
    「騒音規制法は、著しい騒音を発生する建設機械そのものを規制の対象としている」→ 。規制の対象は「作業」です。同じバックホウでも、定格出力が基準未満なら特定建設作業にはなりませんし、その日のうちに終わる作業も該当しません。「機械」と「作業」の言い換えは、地味ですが確実に問われます。

    4騒音規制法の特定建設作業【8種類】

    騒音規制法施行令 別表第2に定める8種類です。カッコ書きの「除く」と「数値」が命――そこを書き換えるのが出題の常套手段です。

    特定建設作業(騒音規制法)除外されるもの・要件
    1くい打機、くい抜機、くい打くい抜機を使用する作業もんけん(くい打機)を除く/圧入式くい打くい抜機を除く/アースオーガー併用のくい打機を除く
    2びょう打機を使用する作業除外なし
    3さく岩機を使用する作業作業地点が連続的に移動する作業では、1日における作業に係る2地点間の最大距離が50mを超える作業を除く
    4空気圧縮機を使用する作業電動機以外の原動機を用いるもので、定格出力15kW以上のもの。さく岩機の動力として使用する作業を除く
    5コンクリートプラントを設けて行う作業混練機の混練容量が0.45㎥以上のもの。モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く
    5アスファルトプラントを設けて行う作業混練機の混練重量が200kg以上のもの
    6バックホウを使用する作業原動機の定格出力80kW以上のもの。環境大臣が指定する低騒音型建設機械を除く
    7トラクターショベルを使用する作業原動機の定格出力70kW以上のもの。低騒音型建設機械を除く
    8ブルドーザを使用する作業原動機の定格出力40kW以上のもの。低騒音型建設機械を除く
    騒音規制法 ― 3大建設機械の定格出力ライン(超えたら特定建設作業) 0 バックホウ 80 kW 以上 トラクタ ショベル 70 kW 以上 ブルドーザ 40 kW 以上 バ・ト・ブ 「ハチ・ナナ・ヨン(8・7・4)」でバックホウ・トラクタショベル・ブルドーザ
    図1 騒音規制法の建設機械3種 ― バックホウ80kW/トラクターショベル70kW/ブルドーザ40kW以上
    建設機械の出力は「バ・ト・ブ = ハチ・ナナ・ヨン(80・70・40 kW)」。大きい機械ほど出力が大きい、という順番どおりなので覚えやすいはずです。
    プラント系は「コンクリートは0.45㎥(容量)、アスファルトは200kg(重量)」単位が違う(体積 vs 重量)ことに注意。「アスファルトプラントは0.45㎥以上」は✕です。
    空気圧縮機は「電動機以外・15kW以上」電動機(モーター)は静かなので除外――理由から覚えられます。
    「バックホウを使用する作業は、原動機の定格出力が40kW以上のものが特定建設作業となる」→ バックホウは80kW以上。40kWはブルドーザです。3つの数値をシャッフルするのが定番のワナ。
    「環境大臣が指定する低騒音型建設機械を用いる場合であっても、定格出力が基準以上であれば特定建設作業に該当する」→ バックホウ・トラクターショベル・ブルドーザについては、低騒音型建設機械として指定されたものは除外されます。静かな機械を使えば規制外――低騒音型機械を普及させるためのインセンティブです。
    「コンクリートプラントを設けて行う作業は、モルタルを製造するために設ける場合も含めてすべて特定建設作業となる」→ モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業は除かれます。この但書は見落としがちです。

    5振動規制法の特定建設作業【4種類】

    振動規制法施行令 別表第2に定める4種類です。騒音より数が少ないので、こちらから覚えると効率的です。

    特定建設作業(振動規制法)除外されるもの・要件
    1くい打機、くい抜機、くい打くい抜機を使用する作業もんけん(くい打機)を除く/圧入式くい打機を除く/油圧式くい抜機を除く/圧入式くい打くい抜機を除く
    2鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業除外なし
    3舗装版破砕機を使用する作業1日における作業に係る2地点間の最大距離が50mを超える作業を除く
    4ブレーカを使用する作業手持式のものを除く1日における作業に係る2地点間の最大距離が50mを超える作業を除く
    振動規制法の4種類は「クイ・コウキュウ・ホソウバン・ブレーカ」(杭・鋼球・舗装版破砕機・ブレーカ)。
    そして重要なポイント2つ
    振動規制法には「さく岩機」「バックホウ」「ブルドーザ」「空気圧縮機」「プラント」は入っていません騒音の8種類と混同させる選択肢が頻出
    「1日50m」という移動距離の要件は、騒音のさく岩機/振動の舗装版破砕機・ブレーカの3つに共通。「50mを超えて移動する作業は除く」=1か所に居座らず動き回るなら、迷惑が集中しないので規制外、という理屈です。
    「振動規制法の特定建設作業には、バックホウ(定格出力80kW以上)を使用する作業が含まれる」→ バックホウは騒音規制法にしかありません。振動はくい打機等・鋼球・舗装版破砕機・ブレーカの4つだけです。
    「振動規制法において、手持式ブレーカを使用する作業は特定建設作業に該当する」→ 手持式のブレーカは除かれます。「除く」を「含む」に変えるのは、この分野の常套手段です。

    5-1 くい打機まわりの「除く」を整理する

    くい打機・くい抜機は、騒音と振動で「除かれるもの」が微妙に違うため、混乱しやすい箇所です。表で整理します。

    機械騒音規制法振動規制法
    もんけん(重錘を落として打つ原始的なくい打機)除く除く
    圧入式くい打機・くい打くい抜機除く(圧入式くい打くい抜機)除く
    アースオーガー併用のくい打機除く規定なし(対象)
    油圧式くい抜機規定なし(対象)除く
    「静かに・そっと打ち込む/抜く機械」は除かれると考えれば、丸暗記は不要です。
    圧入式=ぐいぐい押し込むだけ(叩かない)→ 騒音も振動も出ない → 両方除く
    油圧式くい抜機=油圧でじわっと引き抜く → 揺れない → 振動法で除く
    もんけん=そもそも重錘を落とすだけの単純な装置で、規制対象から外れています。「叩くやつは規制、押すやつは除外」――このイメージで9割解けます。

    6実施の届出 ―「元請業者が7日前までに市町村長へ」

    6-1 届出の3要素

    指定地域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、市町村長に届け出なければなりません(騒音規制法第14条/振動規制法第14条)。

    項目内容
    誰が建設工事を施工する者(=元請業者)下請業者ではありません
    誰に市町村長都道府県知事・警察署長・労働基準監督署長ではありません
    いつまでに特定建設作業の開始の日の7日前まで「工事の開始の日」ではなく「特定建設作業の開始の日」
    特定建設作業の届出 ― 誰が・誰に・いつまでに 元請業者 (工事を施工する者) 届出 市町村長 (知事ではない) 作業開始の日の 7日前まで 緊急時は「できる限り速やかに」 添付書類:作業場所付近の見取図 + 工程表
    図2 特定建設作業実施届出の流れ(元請業者 → 市町村長・7日前まで)
    「特定建設作業の届出は、実際に作業を行う下請業者が行わなければならない」→ 。届出義務者は建設工事を施工する者=元請業者です。「実際に機械を動かすのは下請だから下請が届け出る」という一見もっともらしい理屈が、そのままワナになっています。
    「特定建設作業の届出は、作業開始の日の14日前までに行う」→ 7日前までです。「10日前」「30日前」に書き換える出題もあります。「ナナ・シチョウソン(7日前・市町村長)」と語呂でセット暗記しましょう。

    6-2 届出事項と添付書類

    届出書には、次の事項を記載します。この一覧はそのまま選択肢になります。

    届出事項
    氏名または名称、および住所(法人にあっては代表者の氏名)
    建設工事の目的に係る施設または工作物の種類
    特定建設作業の場所および実施の期間
    騒音(振動)の防止の方法
    特定建設作業の種類、使用される機械の名称・型式・仕様
    特定建設作業の開始および終了の時刻
    (添付)特定建設作業を行う場所の付近の見取図
    (添付)特定建設作業の工程が明示された建設工事の工程表
    届出事項の骨は「氏名・住所/施設の種類/場所・期間/防止方法/機械/開始・終了時刻」、添付は「見取図+工程表」の2点セット。
    とくに「騒音(振動)の防止の方法」「開始および終了の時刻」が抜けている選択肢が定番です。また、「工事費用」「下請業者の商号」「作業員の名簿」などは届出事項ではありません。条文にない項目を混ぜてくる手口に注意してください。

    6-3 緊急時の届出(第14条第2項)

    災害その他非常の事態の発生により、特定建設作業を緊急に行う必要がある場合は、7日前までの届出はできません。この場合は――

    届出が不要になるのではなく、「できる限り速やかに」届け出なければなりません。

    災害その他非常の事態のため緊急に特定建設作業を行う必要がある場合には、届出は不要である」→ 届出は必要です。ただし「7日前まで」の期限が外れ、「できる限り速やかに」届け出れば足りるという扱いになります。「不要」と「事後でよい」はまったく別――ここを混同させるのが最頻出のワナのひとつです。

    7規制基準 ―「85dB/75dB」と作業時間・日数・休日

    7-1 大きさの基準

    特定建設作業に伴って発生する騒音・振動は、敷地の境界線において、次の値を超えてはなりません。

    法律測定位置基準値
    騒音規制法特定建設作業の場所の敷地の境界線85 dB を超えないこと
    振動規制法特定建設作業の場所の敷地の境界線75 dB を超えないこと
    敷地の境界線
    測定するのは「作業をしている機械の位置」でも「隣家の窓際」でもなく、あくまで工事現場の敷地の境界線です。「迷惑を敷地の外に出さない」という法の趣旨がそのまま現れています。「作業場所の中心」「機械から1m」などとした選択肢は誤りです。
    dB(デシベル)
    音の大きさ・振動の大きさを表す単位。85dBは「うるさい工事現場のすぐそば」、75dBは「立っていて揺れをはっきり感じるレベル」のイメージです。

    7-2 時間・日数・休日の基準

    大きさだけでなく、「いつ・何時間・何日やってよいか」も厳しく決まっています。ここが最大の暗記ポイントです。

    規制項目1号区域(静けさが必要な区域)2号区域(その他の指定地域)
    作業を行ってはならない時間帯午後7時 〜 翌日の午前7時午後10時 〜 翌日の午前6時
    (裏返すと)作業できる時間帯午前7時 〜 午後7時午前6時 〜 午後10時
    1日あたりの作業時間の上限10時間を超えないこと14時間を超えないこと
    連続日数連続して6日を超えて行わないこと(同一場所において)
    休日日曜日その他の休日は作業を行わないこと
    1号区域と2号区域 ― 作業できる時間帯(24時間軸) 1号区域 作業可(7:00 〜 19:00) 禁止 禁止 10h 2号区域 作業可(6:00 〜 22:00) 禁止 禁止 14h 0時 6時 7時 12時 19時 22時 24時 共通:連続6日を超えない/日曜・休日は作業しない
    図3 1号区域・2号区域の作業可能時間帯と1日の作業時間上限
    数字の覚え方はこうです。
    1号区域=「シチ・シチ(7時〜19時)・ジュウ(10時間)」――朝7時から夜7時まで、最大10時間。
    2号区域=「ロク・ニジュウニ(6時〜22時)・ジュウヨン(14時間)」――朝6時から夜10時まで、最大14時間。
    ・共通は「連続6日・日曜休み」
    「1号は静かな住宅地だから厳しい(短い)」という大原則さえ握っていれば、10時間と14時間のどちらが1号かで迷うことはありません。
    「1号区域における特定建設作業は、1日あたり14時間を超えて行ってはならない」→ 1号区域は10時間2号区域が14時間です。数値の入れ替えは最頻出
    「特定建設作業は、同一の場所において連続して7日を超えて行ってはならない」→ 連続6日を超えてはなりません。「6日+日曜休み」で1週間――そう考えれば自然な数値です。

    7-3 規制基準の例外

    ただし、次の場合には、時間・日数・休日の規制が適用されません(大きさの基準=85dB/75dBは、原則として適用されます)。

    • 災害その他非常の事態の発生により、特定建設作業を緊急に行う必要がある場合
    • 人の生命・身体に対する危険を防止するため特に必要がある場合
    • 鉄道・軌道の正常な運行を確保するため、夜間・休日に行う必要がある場合
    • 道路法・道路交通法の規定により、道路管理者・公安委員会から夜間工事を指示された場合など、昼間に作業することが著しく困難な場合
    • 変電所の変更工事など、法令で定める特別な事情がある場合
    夜間の道路工事が合法なのは、この例外規定があるからです。「交通量の多い道路は、警察・道路管理者から夜間施工を指示される」→ だから夜7時以降でも作業できる――現場の常識が、条文にきちんと書いてあるわけです。ただし、この場合でも「届出」は必要である点に注意。

    8改善勧告・改善命令と罰則

    8-1 市町村長の権限

    届出を受けた市町村長は、規制基準に適合しない作業に対し、次の措置をとることができます。

    段階内容行う者
    ① 改善勧告規制基準に適合せず、周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、騒音(振動)の防止の方法を改善し、または作業の時間を変更すべきことを勧告できる市町村長
    ② 改善命令勧告に従わないときは、期限を定めて改善または作業時間の変更を命ずることができる市町村長
    ③ 罰則改善命令に違反した者には罰則(罰金)。届出をしない者・虚偽の届出をした者にも罰則
    ④ 報告・立入検査市町村長は、施工者に対し必要な報告を求め、職員に立入検査をさせることができる市町村長
    流れは「勧告 → (従わない)→ 命令 → (違反)→ 罰則」の3段ロケット。いきなり命令や罰則にはなりません。そして勧告も命令も、行うのは市町村長――届出先と同じです。「知事が改善命令を出す」は✕
    「規制基準に適合しない特定建設作業に対して、都道府県知事は改善勧告を行うことができる」→ 改善勧告・改善命令はいずれも市町村長の権限です。この法律で知事が出てくるのは「指定地域の指定」の場面だけと覚えてください。

    8-2 騒音・振動を防止する実務的な方法(参考)

    届出書の「騒音(振動)の防止の方法」欄に書く内容です。第一次検定の施工管理分野でも問われる知識なので、あわせて押さえておきましょう。

    • 低騒音型・低振動型建設機械(環境大臣指定)を使用する
    • 防音シート・防音パネル・仮囲いを設置し、音源を遮蔽する
    • 作業を敷地境界からできるだけ離れた位置で行う
    • くい打ちは打撃工法ではなく、圧入工法・中掘り工法・プレボーリング工法を採用する
    • 機械は高負荷運転を避け、不必要な空ぶかし・アイドリングをしない
    • 作業の計画・工程を近隣住民に事前に説明する

    9頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    特定建設作業の実施の届出は、都道府県知事に行う届出先は市町村長都道府県知事(市長)が行うのは指定地域の指定
    特定建設作業の届出は、実際に作業を行う下請業者が行う届出義務者は建設工事を施工する者=元請業者
    届出は、作業開始の日の14日前までに行う作業開始の日の7日前まで
    災害その他非常の事態のため緊急に行う場合は、届出は不要である届出は必要。ただし「できる限り速やかに」届け出ればよい(7日前の期限が外れるだけ)
    届出書には、氏名・住所と作業の場所・期間を記載すれば足り、騒音の防止の方法は記載不要騒音(振動)の防止の方法作業の開始・終了の時刻も届出事項。添付は見取図+工程表
    騒音の規制基準は、作業場所の中心において85dBを超えないこととされている測定位置は敷地の境界線
    振動の規制基準は、敷地の境界線において85dBを超えないこと振動は75dB騒音が85dB
    1号区域における1日の作業時間は14時間以内である1号区域は10時間以内2号区域が14時間以内
    1号区域では、午後10時から翌日午前6時までの作業が禁止される1号区域は午後7時〜翌午前7時が禁止。午後10時〜午前6時は2号区域
    特定建設作業は、同一場所において連続7日を超えて行ってはならない連続6日を超えないこと。日曜日その他の休日は作業しない
    バックホウを使用する作業は、定格出力40kW以上が特定建設作業となるバックホウは80kW以上トラクターショベル70kW、ブルドーザ40kW
    低騒音型建設機械として指定を受けた機械でも、出力が基準以上なら特定建設作業となるバックホウ・トラクターショベル・ブルドーザは低騒音型建設機械として指定されたものを除く
    アスファルトプラントは、混練容量0.45㎥以上のものが対象であるアスファルトプラントは混練重量200kg以上0.45㎥はコンクリートプラント(単位が違う)
    空気圧縮機は、電動機を含め定格出力15kW以上のものが対象電動機以外の原動機を用いるもので15kW以上(電動機は静かなので除外)
    振動規制法の特定建設作業には、バックホウやさく岩機を使用する作業が含まれる振動はくい打機等・鋼球・舗装版破砕機・ブレーカの4種類のみ
    振動規制法において、手持式ブレーカを使用する作業は特定建設作業に該当する手持式のものは除かれる。また1日の移動距離が50mを超える作業も除外
    特定建設作業の規制の対象は、著しい騒音を発生する建設機械そのものである規制の対象は「作業」その作業を開始した日に終わるものは特定建設作業に該当しない
    規制基準に適合しない作業に対し、都道府県知事が改善勧告・改善命令を行ういずれも市町村長の権限。流れは勧告 → 命令 → 罰則

    10章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。「誰が・誰に・いつ」と「数値」の2点を、必ず言えるようにしましょう。

    1. 指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、市町村長に届け出なければならない。
      答: ○元請業者が、7日前までに、市町村長へ。この3点セットが騒音規制法・振動規制法で最も出題される論点です。「知事」「警察署長」「14日前」「下請業者」に書き換えるのが定番のワナ
    2. 騒音・振動を防止することにより住民の生活環境を保全する必要がある地域(指定地域)は、市町村長が指定する。
      答: ✕ ― 指定地域を指定するのは都道府県知事(市の区域内は市長)です。「指定は知事、届出・勧告・命令は市町村長」と、役割をきれいに分けて覚えましょう。
    3. 災害その他非常の事態の発生により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合には、届出をする必要はない。
      答: ✕届出は必要です。ただし「7日前まで」という期限は適用されず、できる限り速やかに届け出れば足りるという扱いになります。「不要」ではなく「事後でよい」――ここが引っかけの核心です。
    4. 騒音規制法の規制基準では、特定建設作業に伴う騒音が、特定建設作業の場所の敷地の境界線において85dBを超えてはならないとされている。
      答: ○測定位置は「敷地の境界線」、値は85dB。振動規制法は同じ位置で75dBです。「音は85、振動は75」とセットで暗記してください。
    5. 1号区域における特定建設作業は、午後7時から翌日の午前7時までの間は行ってはならず、また1日あたり10時間を超えて行ってはならない。
      答: ○1号区域=19時〜7時は禁止、1日10時間以内2号区域=22時〜6時は禁止、1日14時間以内1号は静かな区域なので、規制が厳しい(作業できる時間が短い)と理解しておけば迷いません。
    6. 特定建設作業は、同一の場所において連続して6日を超えて行ってはならず、また日曜日その他の休日には行ってはならない。
      答: ○連続6日・日曜休み。この2つは1号区域・2号区域に共通です。ただし災害・非常時、人命保護、鉄道の運行確保、夜間工事の指示があった場合などには、時間・日数・休日の規制は適用されません。
    7. 騒音規制法において、バックホウを使用する作業は、原動機の定格出力が80kW以上のものが特定建設作業となる。
      答: ○バックホウ80kW/トラクターショベル70kW/ブルドーザ40kW。「バ・ト・ブ=ハチ・ナナ・ヨン」。ただし環境大臣が指定する低騒音型建設機械は除かれます
    8. 振動規制法における特定建設作業には、さく岩機を使用する作業および空気圧縮機を使用する作業が含まれる。
      答: ✕さく岩機・空気圧縮機は騒音規制法の特定建設作業です。振動規制法は「くい打機等・鋼球を使用して工作物を破壊する作業・舗装版破砕機・ブレーカ(手持式を除く)」の4種類だけ。2つの法律のリストを混ぜてくる出題が非常に多いので、振動の4つを丸暗記してしまうのが最短ルートです。
    9. コンクリートプラントを設けて行う作業は混練容量0.45㎥以上、アスファルトプラントを設けて行う作業は混練重量200kg以上のものが特定建設作業となる。
      答: ○コンクリートは体積(0.45㎥)、アスファルトは重量(200kg)と、単位が異なるのがポイントです。また、モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業は除かれます
    10. 規制基準に適合しない特定建設作業により周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、都道府県知事が改善勧告を行うことができる。
      答: ✕改善勧告・改善命令を行うのは市町村長です。流れは「勧告 → (従わない)→ 命令 → (違反)→ 罰則」。この法律で知事が登場するのは指定地域の指定の場面だけです。
    騒音規制法・振動規制法の要点を最後に1行で。指定地域は知事(市長)が指定/届出は元請業者が作業開始の7日前までに市町村長へ(緊急時はできる限り速やかに=不要ではない)/届出事項は氏名住所・施設の種類・場所と期間・防止方法・機械・開始終了時刻+見取図と工程表/規制基準は敷地の境界線で騒音85dB・振動75dB/1号区域=19〜7時禁止・10時間以内、2号区域=22〜6時禁止・14時間以内、連続6日・日曜休み/改善勧告・命令は市町村長/騒音8種類(バックホウ80・トラクタショベル70・ブルドーザ40kW、空気圧縮機15kW(電動機以外)、コンクリートプラント0.45㎥、アスファルトプラント200kg、さく岩機・びょう打機・くい打機等)/振動4種類(くい打機等・鋼球・舗装版破砕機・ブレーカ)。試験直前はこの1行を見返せば十分です。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の使い方など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ
  • 【1級土木施工管理技士】火薬類取締法を徹底攻略!火薬庫・消費・火工所・発破のすべて

    BUILDNA
    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 火薬類取締法 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「火薬類取締法」を徹底攻略!
    火薬庫・火薬類取扱所・火工所と発破のルールを1本で押さえる

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。全問を解く必要がないぶん、「この法令なら絶対に落とさない」という得点源をいくつ作れるかが勝負になります。その筆頭候補が火薬類取締法です。

    火薬類取締法からは、毎年1問が安定して出題されます。しかも問われる論点はほぼ固定で、① 火薬庫における貯蔵上の取扱い(法第21条・規則第21条)、② 消費場所における取扱い=火薬類取扱所・火工所(規則第51条〜第52条の2)、③ 発破のときの取扱い(規則第53条・第54条)、④ 許可権者(=都道府県知事)――この4点に集中しています。条文の言い回しがほぼそのまま選択肢になるので、「してはならない」と書いてある行為を覚えるだけで1点という、極めてコスパの高い分野です。

    逆に、落とし穴もはっきりしています。最大のワナは「火薬と雷管を一緒に扱ってしまう選択肢」と、「火薬庫の中に持ち込んでよい物・悪い物」の入れ替え。そして「不発のときに何分待つのか」という数値です。この記事では、法の趣旨から定義、許可制度、貯蔵・消費・発破の各段階のルールまでを図と表で体系的に整理します。ひっかけ総まとめと一問一答10問まで通して読めば、火薬類取締法の1問は確実に拾えます。

    1火薬類取締法の目的と「火薬類」の定義 ―「火薬・爆薬・火工品」

    1-1 法の目的(第1条)

    火薬類取締法の目的は、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱いを規制することにより、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することです。

    ポイントは「災害の防止」と「公共の安全の確保」という2本柱です。つまりこの法律は、火薬類のライフサイクル(つくる → 売る → しまう → 運ぶ → 使う → 捨てる)のすべての段階に網をかけています。試験で問われるルールが「なぜそうなっているのか」を迷ったときは、「爆発させないため」「盗まれないため」のどちらかに必ず行き着きます。この2つの視点を持っていれば、初見の選択肢でも正誤が判断できます。

    1-2 火薬類の定義(第2条)

    この法律でいう火薬類とは、火薬・爆薬・火工品の3つをいいます。「火薬類=火薬」ではありません。この3分類は毎年のように選択肢に登場します。

    火薬(かやく)
    主として推進的爆発(ものを押し出す・飛ばす燃焼)の用途に使われるもの。黒色火薬、無煙火薬などが該当します。
    爆薬(ばくやく)
    主として破壊的爆発(ものを砕く爆轟)の用途に使われるもの。ダイナマイト、含水爆薬(スラリー爆薬・エマルション爆薬)、硝安油剤爆薬(ANFO)、カーリット、雷こう、アジ化鉛など。土木の発破で実際に岩を砕いているのは、この「爆薬」です。
    火工品(かこうひん)
    火薬・爆薬を加工して、特定の目的に使えるようにした製品工業雷管、電気雷管、導火管付き雷管、銃用雷管、実包、信号雷管、導爆線、導火線、電気導火線、信号焔管、信号火せん、煙火(花火)などが該当します。
    「火薬類」= 火薬 + 爆薬 + 火工品(3つで1セット) 火 薬 類(法第2条) ① 火 薬 推進的爆発が主用途 黒色火薬 無煙火薬 ② 爆 薬 破壊的爆発が主用途 ダイナマイト 含水爆薬・ANFO ③ 火 工 品(加工した製品) 工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管 導爆線・導火線・電気導火線 信号焔管・信号火せん・煙火
    図1 火薬類の3分類 ― 雷管・導爆線・信号焔管は「火工品」であって「爆薬」ではない
    雷管は何か?」は超頻出。工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管・導爆線・導火線・信号焔管はすべて「火工品」です。「爆薬」に分類する選択肢は✕。
    覚え方は「火薬類=カ(火薬)・バク(爆薬)・カコウ(火工品)」。そして「加工してあれば火工品」――雷管も導爆線も信号焔管も、すべて「製品」の形をしていますね。
    「電気雷管および導爆線は、火薬類取締法上の爆薬に分類される」→ 火工品です。
    硝安油剤爆薬(ANFO)は火工品である」→ 。これは爆薬加工品=火工品、素の爆発物=火薬・爆薬という切り分けで即答できます。

    2許可・届出の体系 ―「原則すべて都道府県知事」

    2-1 誰の許可を受けるのか

    火薬類取締法でいちばん問われるのが「許可権者は誰か」です。結論から言うと、土木の現場で関わる手続は、ほぼすべて都道府県知事の許可です。ここを押さえるだけで、選択肢を1つ2つ切れます。

    行為手続相手方
    製造(火薬類を製造する)許可経済産業大臣
    販売(火薬類の販売業を営む)許可都道府県知事
    譲渡・譲受(火薬類を譲り渡す・譲り受ける)許可都道府県知事(住所地または譲受地を管轄する知事)
    輸入許可都道府県知事
    火薬庫の設置・移転・構造/設備の変更許可都道府県知事
    消費(発破などで火薬類を使う)許可都道府県知事
    廃棄(不要になった火薬類を捨てる)許可都道府県知事
    運搬(車両等で運ぶ)届出(運搬証明書の交付)出発地を管轄する都道府県公安委員会
    盗難・喪失届出警察官または海上保安官
    許可権者の整理は「つくるのは大臣、あとは全部 知事。運ぶときだけ公安委員会」
    土木施工管理の受験生が現場で関わるのは「譲受・消費・火薬庫・廃棄」の4つ。この4つはすべて都道府県知事です。「市町村長」「労働基準監督署長」「経済産業大臣」を混ぜた選択肢は、その時点で✕と判断できます。
    「火薬類を消費しようとする者は、市町村長の許可を受けなければならない」→ 。正しくは都道府県知事の許可です。
    「火薬庫を設置しようとする者は、経済産業大臣の許可を受ける」→ 火薬庫も都道府県知事。経済産業大臣の許可が要るのは製造だけです。

    2-2 火薬類取扱保安責任者

    火薬庫の所有者・占有者や、一定数量以上の火薬類を消費する者は、火薬類取扱保安責任者を選任しなければなりません。

    火薬類取扱保安責任者
    火薬類の取扱いに係る保安(安全管理)を統括する者火薬類取扱保安責任者免状(甲種・乙種)を持つ者のうちから選任し、都道府県知事に届け出ます。あわせて代理者も選任しておく必要があります。
    取扱者の年齢制限
    火薬類の取扱いには18歳未満の者を従事させてはなりません(法第23条・規則)。「16歳未満」ではありません。労働安全衛生法の年少者規制ともつながる、頻出の数値です。

    3火薬庫と貯蔵上の取扱い ―「持ち込んでよい物・悪い物」

    3-1 火薬庫の設置は知事の許可

    火薬庫とは、火薬類を貯蔵するための専用の施設です。「火薬類は、火薬庫において貯蔵しなければならない」(法第11条)というのが大原則で、火薬庫以外の場所に長期間置いておくことはできません

    火薬庫(かやくこ)
    火薬類を貯蔵する専用施設。設置・移転、および構造・設備の変更をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません(法第12条)。火薬庫を「つくる」「動かす」「いじる」=すべて知事の許可と覚えます。

    3-2 貯蔵上の取扱い【最重要・条文がそのまま出る】

    法第21条と規則第21条は、火薬庫における貯蔵の技術上の基準を細かく定めています。第一次検定で最も出題頻度が高いのが、この一群のルールです。条文の言い回しがほぼそのまま選択肢になるので、丸ごと押さえてしまいましょう。

    火薬庫における貯蔵上の基準(規則第21条)
    火薬庫の境界内には、爆発し、発火し、または燃焼しやすい物を堆積しないこと(枯草・落葉・木材・油類など)
    火薬庫の境界内には、必要がある者のほかは立ち入らないこと
    火薬庫内には、火薬類以外の物を貯蔵しないこと
    火薬庫の境界内には、火気を扱ってはならない。また火薬庫内には、照明・電灯(電気設備)を設けない。庫内で灯火を必要とするときは安全な携帯電灯(防爆構造の携帯電灯)を用いる
    火薬庫内では、鉄類または鉄類を使った器具・工具を使用しないこと。使用する場合は銅(真ちゅう)製・木製・竹製の器具など、火花を発しないものを用いる
    火薬庫内の温度は40℃以下に保つこと。夏季は特に換気・散水等の措置を講じる
    火薬庫の出入口・窓には、鍵をかける(施錠する)こと。盗難防止のための措置を講じる
    火薬庫の境界内には、見張人を配置するなど、盗難防止上有効な措置をとること
    火薬庫の境界内には適当な消火設備を設けること
    火薬類を収納した容器を火薬庫内に置くときは、乱暴に取り扱わないこと。積み重ねる場合は崩れないようにする
    火薬庫内は、整理整とんし、清掃する。清掃には火花を発しない用具を用いる
    火薬庫内では、荷造り・荷解き・開かん(かい開)をしないこと。これらの作業は火薬庫の外(火薬類取扱所等)で行う
    火薬庫のルール ― ○ 持ち込んでよい / ✕ 持ち込んではならない ✕ 火薬庫に入れてはならない 照明・電灯などの電気設備 火気(マッチ・ライター・喫煙) 鉄類・鉄製の器具や工具 火薬類以外の物(資材・工具箱) 必要がある者以外の人の立入り 境界内に燃えやすい物を堆積 ○ 求められる措置 灯火は安全な携帯電灯のみ 器具は銅製・木製・竹製 庫内の温度は 40℃以下 出入口・窓は施錠する 消火設備・盗難防止措置 荷造り・荷解きは庫外で行う
    図2 火薬庫における貯蔵上の取扱い(規則第21条)― 電灯は✕、携帯電灯は○
    火薬庫のルールは、たった2つの原理から導けます。
    「火花・火気・熱をゼロにする」→ 電灯を設けない(携帯電灯だけ)/鉄類を使わない(銅・木・竹)/火気厳禁/温度40℃以下/燃えやすい物を堆積しない。
    「盗ませない・巻き添えを増やさない」→ 施錠する/必要のある者以外立ち入らせない/見張人/荷造り・荷解きは庫内でしない。
    この2軸で考えれば、初見の選択肢でも判断できます。
    「火薬庫内では作業に必要な明るさを確保するため、照明設備(電灯)を設ける」→ 火薬庫内には電灯・電気設備を設けてはなりません。灯火が必要なときは安全な携帯電灯を用います。「電灯」と「携帯電灯」を入れ替える、最頻出のひっかけです。
    「火薬庫内では、作業の効率を高めるため鉄製の器具・工具を用いる」→ 。鉄は打ち当てると火花を発します。用いるのは銅製・木製・竹製など火花を発しない器具です。
    「火薬庫内の温度は、50℃以下に保たなければならない」→ 。正しくは40℃以下。数値を1段上げるのが定番の書き換えです。

    4運搬・譲渡譲受・盗難時の手続

    4-1 運搬(法第19条)

    火薬類を車両等で運搬しようとする者は、出発地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て、運搬証明書の交付を受けなければなりません。ここだけ相手方が「公安委員会」である点に注意してください。

    項目内容
    届出先出発地を管轄する都道府県公安委員会到着地ではありません
    交付される書類運搬証明書。運搬中は車両に携帯する
    運搬の方法公安委員会は、運搬の日時・経路・方法その他必要な事項について指示することができる
    混載の禁止火薬・爆薬と、雷管等の火工品は、同一の容器に収納して運搬してはならない
    「火薬・爆薬」と「雷管」は絶対に一緒にしない――これは運搬でも、存置(保管)でも、消費場所への持込みでも、すべてに共通する大原則です。雷管は「起爆装置」、爆薬は「爆発物」。両者が同じ箱にあれば、それはもう「爆弾」だからです。理由から覚えれば絶対に忘れません。

    4-2 譲渡・譲受(法第17条)

    火薬類を譲り渡し、または譲り受けようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません(譲渡許可・譲受許可)。発破を行う施工業者は、火薬店から火薬類を買う(=譲り受ける)ときに、この譲受許可が必要になります。

    4-3 盗難・喪失(法第46条)

    火薬類を喪失し、または盗取された(盗まれた)ときは、遅滞なくその旨を警察官または海上保安官に届け出なければなりません。

    「火薬類を紛失・盗難されたときは、遅滞なく都道府県知事に届け出なければならない」→ 。盗難・喪失の届出先は警察官または海上保安官です。「盗まれたら警察」――常識どおりですが、火薬類取締法は「何でも知事」の印象が強いため、引っかかりやすいポイントです。

    5消費の許可と消費場所の3施設 ―「取扱所・火工所・発破場所」

    5-1 消費の許可(法第25条)

    火薬類を「消費」する――つまり発破や煙火の打上げのために火薬類を使うには、消費地を管轄する都道府県知事の許可(火薬類消費許可)が必要です。

    火薬類消費許可
    火薬類を爆発・燃焼させる(=使う)ための許可。許可権者は都道府県知事。申請書には消費の目的・場所・期間・数量、火薬類の種類、消費計画(発破の方法)、火薬類取扱保安責任者等を記載します。
    例外1日あたりの消費数量が少量(火薬・爆薬1kg以下など、政令で定める数量以下)の場合や、鉱山保安法の適用を受ける場合など、政令で定める場合は許可が不要です。「例外はあるが、原則は知事の許可」と押さえます。

    5-2 消費場所には「3つの場所」しかない

    消費(発破)を行う現場では、火薬類を置いてよい場所が3つに限定されています。これが火薬類取締法の最重要フレームワークです。

    場所何をするところか置ける火薬類
    ① 火薬類取扱所消費場所において火薬類の管理・出納(受払い)を行う場所。現場の火薬の「金庫兼帳場」1日の消費見込量以下
    ② 火工所薬包に雷管を取り付ける(親ダイをつくる)作業や、その包装作業を行う場所その日に親ダイをつくるのに必要な数量のみ
    ③ 発破場所実際に装てん・結線・点火を行う場所(切羽など)当該作業に必要な量を超えない

    そして、法はこう定めます――「消費場所においては、火薬類取扱所、火工所または発破場所以外の場所に火薬類を存置してはならない」。つまり、現場のプレハブ、車の中、資材置場などに火薬類を置くことは一切できません

    消費場所における火薬類の流れ ― 置いてよい場所は3つだけ 消費場所(工事現場) ① 火薬類取扱所 出納・保管の帳場 1消費場所に 1か所 1日の消費見込量以下 ② 火 工 所 薬包に雷管を取り付ける (親ダイづくり) 取扱所から離して設置 ③ 発破場所 装てん・結線・点火 必要量を超えて 携行しない この3か所以外に火薬類を存置してはならない
    図3 消費場所における火薬類の流れ(火薬類取扱所 → 火工所 → 発破場所)
    3施設の役割は「取扱所=しまう・記録する/火工所=つくる(親ダイ)/発破場所=使う」
    火薬類は必ず「取扱所 → 火工所 → 発破場所」の一方通行で流れます。そして余ったら、取扱所または火工所に返送する――発破場所に置きっぱなしにはできません。この流れを図で覚えてしまえば、規則第51条〜54条の大半が解けます。

    6火薬類取扱所と火工所の細則 ―「1消費場所に1か所」

    6-1 火薬類取扱所(規則第52条)

    項目基準
    設置数1つの消費場所につき1か所とする(複数設けることはできません
    位置通路・通路となる坑道・動力線・火薬庫・火気を取り扱う場所・人の出入りする建物等に対し、安全な距離を保つ
    存置できる数量1日の消費見込量以下の火薬類
    構造火薬類を存置する場所は、雨露を防ぎ、安全に保管できる構造とする。建物の内部は板張りとし、床面にはできる限り鉄類を表さない
    温度内部の温度は40℃以下に保つ
    立入制限定員(責任者・必要な作業者)以外の者を立ち入らせない
    帳簿責任者を定め、火薬類の出納を行う火薬類の受払い・消費残数量を、その都度(そのつど)帳簿に記録する
    掲示見やすい場所に取扱いに必要な法規・保安教育の内容を掲示する

    6-2 火工所(規則第52条の2)

    火工所は、薬包に雷管を取り付ける作業(=親ダイ/親ダイナマイトづくり)を専門に行う場所です。この作業を火工所以外でやってはいけない――これが最大のルールです。

    火工所(かこうしょ)
    消費場所において、薬包に雷管を取り付ける作業、およびこれに準ずる作業を行うために設ける場所。
    主な基準
    火薬類取扱所、他の火工所、火薬庫、火気を取り扱う場所、人の出入りする建物等に対し安全な距離を保ち、周囲に境界柵を設ける
    火工所以外の場所において、薬包に雷管を取り付ける作業を行ってはならない
    ・存置できるのは、その日に作業に必要な量のみ。作業終了後、残った火薬類は火薬類取扱所に返送する
    定員以外の者を立ち入らせない
    内部は、床面にできる限り鉄類を表さない火薬類を存置する場所には、見張人を配置する
    親ダイ(親ダイナマイト)
    薬包(ダイナマイト等)に雷管を挿し込んだもの。発破の「起爆役」になる薬包です。これをつくる作業が、発破工事のなかで最も危険な瞬間のひとつ。だからこそ専用の場所(火工所)を設け、そこ以外での作業を禁じているのです。
    火工所は「親ダイ工場」雷管と爆薬が初めて“合体”する危険な場所だから、
    取扱所や他の火工所から離す(1か所が爆発しても連鎖しないように)
    定員以外は立入禁止
    火工所以外では絶対に雷管を取り付けない
    という3点が要求されます。「火工所は1消費場所に1か所」とは限りません(複数設置できます)「1か所」に限定されるのは火薬類取扱所のほう――ここは強烈なひっかけです。
    「火工所は、1つの消費場所につき1か所と定められている」→ 「1消費場所に1か所」なのは火薬類取扱所です。火工所は複数設けることができ、その場合は「他の火工所」との間に安全な距離を保つとされています(=複数あることが前提の条文です)。
    「発破場所において、薬包に雷管を取り付ける作業を行った」→ 薬包に雷管を取り付ける作業は、火工所以外で行ってはなりません。「作業効率を上げるため切羽で親ダイをつくった」という選択肢は、必ず誤りです。

    6-3 存置・運搬時の容器のルール

    項目基準
    容器の材質木製その他、電気火花を発しない材料でつくった容器を用いる(鉄製の容器は不可
    容器の構造堅固で、かつ、蓋(ふた)のある容器とする
    混包の禁止火薬・爆薬と、雷管(工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管)は、同一の容器に入れてはならない
    持込量消費場所においては、必要な量以外の火薬類を持ち込まない
    取扱者18歳未満の者は、火薬類の取扱いに従事させてはならない
    「火薬類の運搬にあたり、能率を上げるため、爆薬と電気雷管を同一の容器に収めて運搬した」→ 火薬・爆薬と雷管は、絶対に同一の容器に入れてはなりません。この規定は運搬・存置の両方にかかります。火薬類取締法で最も出題頻度の高い1行と言っても過言ではありません。

    7発破の取扱い ―「不発は電気5分・導火線15分」

    7-1 装てん(規則第53条)

    項目基準
    携行量発破場所に携行する火薬類の数量は、当該作業に必要な量を超えないこと
    込め棒装てん(込め)には、木製または竹製の込め棒を用いる。鉄類は使用しない
    込め物装てん後の込め物(タンピング材)には、粘土・砂その他の発火性・燃焼性のないものを用いる。無煙炭など、燃えやすい物は用いない
    残った火薬類装てんが終わり、火薬類が残った場合は、直ちに火薬類取扱所または火工所に返送する
    存置発破場所に火薬類を残置・存置してはならない
    装てんの3点セットは「必要量だけ持って行く/込め棒は木・竹/余ったら即返送」
    「鉄の込め棒」は、摩擦火花で起爆するため厳禁。火薬庫の「鉄類禁止」と同じ発想です。この法律は一貫して「鉄と火薬は相性が悪い」と言い続けている、と覚えましょう。

    7-2 電気発破と迷走電流(規則第54条)

    電気雷管は、脚線に電流を流して起爆させます。したがって、意図しない電流(迷走電流・漏えい電流・静電気・雷)によって暴発する危険があります。

    迷走電流(めいそうでんりゅう)
    電車のレール、動力線、溶接機、変電設備などから大地に漏れ出して流れている電流。これが電気雷管の脚線に入り込むと、点火していないのに起爆してしまいます。
    項目基準
    迷走電流の測定電気雷管を使用するときは、あらかじめ迷走電流の有無を確認し、危険がある場合は電気発破を行わない
    電気機器からの隔離電線路・電気機器・動力線から隔離する。近接する場合は電源を遮断する等の措置をとる
    脚線電気雷管の脚線は、点火するまで短絡(ショート)させておく
    導通・抵抗試験結線後、導通試験・抵抗試験を行う。試験は発破母線を電源から切り離し、人が安全な場所に退避してから行う
    発破母線点火するまで、電源から切り離し、短絡させておく
    雷が発生するおそれのあるときは、装てん・結線・点火を行わず、直ちに退避する

    7-3 点火・退避・警戒

    • 発破に際しては、危険区域への立入りを禁止し、見張人(警戒員)を配置する
    • 点火前に警報を発し、退避を確認してから点火する
    • 点火は、発破の指揮者の合図によって行う
    • 導火線発破では、1人あたりの点火本数の制限があり、点火後は直ちに安全な場所に退避する

    7-4 不発(残留爆薬)の処理【最重要の数値】

    発破後、爆発しなかった(不発)可能性がある場合が最も危険です。すぐに近づくと、遅れて爆発(遅発)に巻き込まれます。そこで法は、発破後の一定時間は、発破場所に近づいてはならないと定めています。

    発破の方式発破後、接近が禁止される時間
    電気発破(電気雷管を使用)5分以上経過してからでなければ、発破場所に近づいてはならない
    導火線発破(導火線・工業雷管を使用)15分以上経過してからでなければ、発破場所に近づいてはならない
    発破後、何分たてば近づけるのか(不発・遅発への備え) 電気発破(電気雷管) 5 分以上 経過後でなければ近づけない 導火線発破(導火線) 15 分以上 経過後でなければ近づけない 導火線は「燃えている時間が読めない」から、3倍長く待つ
    図4 発破後の接近禁止時間 ― 電気発破5分以上・導火線発破15分以上
    数値の覚え方は「デンキ・ゴフン(電気5分)/ドウカセン・ジュウゴフン(導火線15分)」
    理由も明快です。電気雷管は「電流を流した=その瞬間に起爆した/しなかった」がはっきりしますが、導火線はジリジリ燃え進むので、いつ火が届くか読めない。だから導火線のほうが3倍長く待つのです。
    不発を発見した場合は、発破の指揮者(火薬類取扱保安責任者)の指揮のもとで、残留爆薬の所在を確認し、安全な方法で処理します。残った爆薬を掘り返して回収する行為は、原則として禁止されています。
    「電気発破を行った場合、発破後15分以上経過してからでなければ発破場所に近づいてはならない」→ 電気発破は5分以上導火線発破が15分以上です。この2つの数値を入れ替えるのが最頻出のワナ。「電気は速い(5分)、導火線は遅い(15分)」と直感で結びつけましょう。

    7-5 廃棄(法第27条)

    不発の火薬類や、古くなって使えなくなった火薬類を廃棄しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。火薬類は「勝手に捨てる」ことができない――これも頻出です。

    「不発となった火薬類は、危険なので直ちに現場で焼却して処分してよい」→ 廃棄には都道府県知事の許可が必要です(法第27条)。廃棄の方法も、規則で技術上の基準が定められています。

    8頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    火薬庫内では、作業に必要な明るさを確保するため電灯(照明設備)を設ける火薬庫内には電灯・電気設備を設けてはならない。灯火が必要なときは安全な携帯電灯を用いる
    火薬庫内では、作業能率を上げるため鉄製の器具・工具を用いる鉄類は火花を発するため使用禁止銅製・木製・竹製など火花を発しない器具を用いる
    火薬庫内の温度は50℃以下に保つ40℃以下に保つ
    火薬庫内には、火薬類のほか、発破に用いる工具や資材も一緒に貯蔵してよい火薬庫内には、火薬類以外の物を貯蔵してはならない
    火薬庫の境界内には、火災の延焼を防ぐため土のうや木材を積み上げておく境界内には爆発・発火・燃焼しやすい物を堆積してはならない。木材は燃焼物
    火薬類を消費しようとする者は、市町村長(または経済産業大臣)の許可を受ける都道府県知事の許可(法第25条)。火薬庫の設置・譲受・廃棄もすべて都道府県知事
    運搬にあたっては、爆薬と電気雷管を同一の容器に収めてよい火薬・爆薬と雷管は、同一の容器に入れてはならない(存置・運搬の両方)
    火薬類の運搬に用いる容器は、丈夫な鉄製の箱とする木製その他、電気火花を発しない材料でつくった、堅固で蓋のある容器を用いる
    火工所は、1つの消費場所につき1か所とする「1消費場所に1か所」なのは火薬類取扱所火工所は複数設けられる(他の火工所と安全な距離を保つ)
    作業効率を上げるため、発破場所(切羽)で薬包に雷管を取り付けた薬包に雷管を取り付ける作業は、火工所以外で行ってはならない
    火薬類取扱所に存置する火薬類は、1週間分の消費見込量以下とする1日の消費見込量以下
    火薬類の受払い・消費残数量は、1日の作業終了後にまとめて記録すればよいその都度(そのつど)帳簿に記録する
    装てんには、鉄製の込め棒を用いる木製または竹製の込め棒を用いる。込め物は粘土・砂など発火性・燃焼性のないもの
    装てん後に残った火薬類は、次の発破まで発破場所に置いておく直ちに火薬類取扱所または火工所に返送する。発破場所に存置してはならない
    電気発破を行った場合は、発破後15分以上経過しなければ発破場所に近づいてはならない電気発破は5分以上導火線発破が15分以上
    火薬類の取扱いには、16歳以上の者を従事させることができる18歳未満の者を火薬類の取扱いに従事させてはならない
    火薬類を盗取されたときは、遅滞なく都道府県知事に届け出る警察官または海上保安官に届け出る(法第46条)
    不発の火薬類は、危険なので現場で直ちに焼却して処分する廃棄には都道府県知事の許可が必要(法第27条)
    電気雷管および導爆線は、火薬類取締法上の爆薬に分類されるいずれも火工品。火薬類=火薬・爆薬・火工品の3分類

    9章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。「鉄と火は禁止」「火薬と雷管は別々」「数値」の3点を、必ず言えるようにしましょう。

    1. 火薬類取締法上の「火薬類」とは、火薬、爆薬および火工品をいい、電気雷管や導爆線は火工品に分類される。
      答: ○火薬類=火薬+爆薬+火工品工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管・導爆線・導火線・信号焔管はすべて火工品です。ダイナマイト・含水爆薬・ANFOは爆薬
    2. 火薬庫を設置し、または移転しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
      答: ○ ― 火薬庫の設置・移転・構造や設備の変更は、すべて都道府県知事の許可です(法第12条)。経済産業大臣の許可が必要なのは製造だけ。
    3. 火薬庫内では、作業に必要な照明を確保するため、防爆型の電灯を火薬庫内に設置しなければならない。
      答: ✕火薬庫内には照明・電灯(電気設備)を設けてはなりません。灯火が必要なときに使えるのは安全な携帯電灯だけです。あわせて庫内の温度は40℃以下鉄類の器具は使わず銅・木・竹製を用います。
    4. 火薬庫の境界内には、必要がある者のほかは立ち入らせてはならず、また爆発・発火・燃焼しやすい物を堆積してはならない。
      答: ○ ― どちらも規則第21条の基本です。加えて消火設備の設置、盗難防止措置(施錠・見張人)庫内で荷造り・荷解きをしないことも押さえましょう。
    5. 火薬類を消費しようとする者は、原則として、消費地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
      答: ○ ― 法第25条の火薬類消費許可です。ただし1日の消費数量が政令で定める少量(火薬・爆薬1kg以下など)の場合は許可不要という例外があります。
    6. 消費場所においては、火薬類取扱所、火工所または発破場所以外の場所に火薬類を存置してはならない。
      答: ○ ― 火薬類を置いてよいのはこの3か所だけ。現場事務所や車両内への保管は認められません。火薬類取扱所は1消費場所に1か所、存置量は1日の消費見込量以下です。
    7. 薬包に雷管を取り付ける作業は、作業の効率を考慮して、発破場所において行うことができる。
      答: ✕火工所以外の場所で、薬包に雷管を取り付ける作業を行ってはなりません。火工所は火薬類取扱所・他の火工所・火気を扱う場所から安全な距離を保ち、定員以外の者を立ち入らせないことが求められます。
    8. 火薬類を存置し、または運搬するときは、火薬・爆薬と工業雷管・電気雷管を、同一の容器に収納してはならない。
      答: ○火薬類取締法で最も重要な1行です。容器は木製など電気火花を発しない材料で、堅固で蓋のあるものを用います。鉄製の容器は不可
    9. 装てんが終わって火薬類が残った場合は、次回の発破に備えて発破場所に保管しておく。
      答: ✕直ちに火薬類取扱所または火工所に返送しなければなりません。そもそも発破場所に携行する火薬類は、当該作業に必要な量を超えてはならないと定められています。装てんには木製・竹製の込め棒を用います。
    10. 導火線発破を行ったときは、発破後5分以上経過してからでなければ、発破場所に近づいてはならない。
      答: ✕導火線発破は15分以上です。5分以上は電気発破のほう。「電気=5分、導火線=15分」と、数値を入れ替えるのが最頻出のひっかけです。不発の処理は、火薬類取扱保安責任者(発破の指揮者)の指揮のもとで行います。
    火薬類取締法の要点を最後に1行で。火薬類=火薬・爆薬・火工品(雷管は火工品)/製造は経済産業大臣、それ以外(販売・譲渡譲受・輸入・火薬庫・消費・廃棄)は都道府県知事、運搬は公安委員会、盗難は警察官/火薬庫は電灯✕(携帯電灯○)・鉄類✕(銅木竹○)・40℃以下・施錠・荷造り荷解きは庫外/消費場所は「火薬類取扱所(1か所・1日の消費見込量以下・その都度記録)→ 火工所(親ダイ・ここ以外で雷管を付けない)→ 発破場所(必要量のみ・余ったら返送)」/火薬と雷管は同一容器に入れない/不発は電気5分・導火線15分/18歳未満は取扱い禁止。試験直前はこの1行を見返せば十分です。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の使い方など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ
  • 【1級土木施工管理技士】建築基準法を徹底攻略!用語の定義・仮設建築物の緩和・危害防止のすべて

    BUILDNA
    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 建築基準法 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「建築基準法」を徹底攻略!
    土木の主戦場は「仮設建築物の緩和」と「工事現場の危害防止」

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。その中で建築基準法は1問。「土木の試験なのに、なぜ建築の法律?」と面食らう方が多い分野ですが、出題される論点は驚くほど限定されていて、実は最も少ない勉強量で1点になる法令です。

    なぜなら、土木の受験生に問われるのは建築の設計知識ではないからです。狙われるのは、① 用語の定義(建築物・主要構造部・大規模の修繕・建築 など)、② 仮設建築物に対する制限の緩和(第85条)、③ 工事現場の危害の防止(第90条:仮囲い1.8m、落下物の防護)の3つ。とくに②と③は、土木の工事現場に建てるプレハブの現場事務所・下小屋・材料置場の話であり、受験生が毎日目にしている現場そのものが題材です。

    逆にいえば、建蔽率・容積率・斜線制限といった「建築士が悩むところ」は、土木では深入り不要です。この記事では、土木にとって必要な範囲に絞って建築基準法を体系化します。定義 → 手続(確認・検査)→ 単体規定と集団規定 → 仮設緩和 → 現場の危害防止、の順に読めば、建築基準法の1問は確実に取れます。ひっかけ総まとめと一問一答10問まで通してください。

    1建築基準法の目的と全体像 ―「単体規定」と「集団規定」

    1-1 目的(第1条)

    建築基準法の目的は、建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康および財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することです。

    ここで大事なのは「最低の基準」という言葉です。建築基準法は「理想の建物」を定めているのではなく、「これだけは守らないと危ない」というギリギリのラインを定めているにすぎません。だから、これを下回る建物は建てられないのです。「最高の基準」「望ましい基準」と書き換える選択肢は✕です。

    1-2 単体規定と集団規定 ― 建築基準法を貫く二分法

    建築基準法の規定は、大きく2つに分かれます。この区別が理解できていないと、第85条の仮設緩和が絶対に理解できません。

    区分何を守るための規定か適用範囲主な内容
    単体規定
    (第2章)
    建物の中にいる人の安全(その建物自体の安全性)全国どこでも適用構造耐力、防火・避難(防火壁、非常用進入口、避雷設備)、居室の採光・換気、階段、便所、シックハウス対策 など
    集団規定
    (第3章)
    まちなみ・周囲の環境(近隣との関係)都市計画区域および準都市計画区域内のみ道路(接道義務)、用途地域、建蔽率、容積率、高さ制限(斜線制限・絶対高さ)、日影規制、防火地域・準防火地域 など
    単体規定(たんたいきてい)
    建物「単体」の安全性に関する規定。建物が倒れない、燃えない、逃げられる、健康に住めることを担保します。全国すべての建築物に適用されます(山奥の一軒家でも適用)。
    集団規定(しゅうだんきてい)
    建物が「集団」として建ち並ぶときのルール。道路の確保、日照・通風、まちなみの秩序を守ります。都市計画区域および準都市計画区域の内側でしか適用されません。だから、都市計画区域外の田畑に建てる小屋には、接道義務も建蔽率もかかりません。
    この二分法が「仮設建築物の緩和(第85条)」を理解する鍵です。
    工事現場の仮設事務所は、「まちなみを乱すか?」→ 乱さない(すぐ撤去する)ので、集団規定(第3章)はまるごと適用除外
    しかし、「中で働く人が下敷きになったら?」→ 死ぬので、構造耐力(第20条)は適用される
    「集団規定は免除、構造耐力は免除しない」――この一言で第85条は解けます(防火壁・避雷設備などの防火系単体規定も免除される点は、第7章で詳しく整理します)。

    2用語の定義① ― 建築物・特殊建築物・建築設備・居室

    建築基準法第2条は、用語の定義を延々と並べています。試験に出るのはそのごく一部です。ここでは土木で問われるものだけを、正確に押さえます。

    建築物
    土地に定着する工作物のうち、屋根および柱もしくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)、これに附属する門・塀、観覧のための工作物、地下・高架の工作物内に設ける事務所・店舗・興行場・倉庫等、およびこれらに附属する建築設備をいいます。
    重要:「屋根+(柱または壁)」が要件です。
    建築物にあたるもの:プレハブの現場事務所、下小屋、屋根付きの資材倉庫、門・塀(建築物に附属するもの)、地下街の店舗、高架下の店舗
    建築物にあたらないもの鉄道の線路敷地内の運転保安に関する施設、跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽(サイロ・タンク)など
    特殊建築物
    学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物。
    不特定多数が利用する、または危険性が高い用途のもの。一戸建ての住宅・事務所は特殊建築物ではありません
    建築設備
    建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙、汚物処理の設備、煙突、昇降機(エレベーター)、避雷針をいいます。建築設備は建築物の一部とみなされます。
    居室
    居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室
    「継続的に使用する」がキーワード。したがって、便所、浴室、洗面所、更衣室、廊下、階段、物置、機械室は居室ではありません事務室、会議室、教室、病室、作業場、リビングは居室です。居室には採光・換気の基準がかかります。
    「建築物」の定義は「屋根+柱または壁」プラットホームの上家、跨線橋、貯蔵槽(サイロ)は建築物ではありません――これは条文で明示的に除外されています。土木の受験生としては、「線路まわりの施設は建築物じゃない」と覚えておけば十分です。
    「便所や浴室、廊下、階段は、建築物の中で人が使用する部分であるから居室である」→ 。居室は「継続的に使用する室」です。便所・浴室・廊下・階段・物置は居室ではありません(だから採光・換気の基準がかからない)。

    3用語の定義② ― 主要構造部・構造耐力上主要な部分・延焼のおそれのある部分

    ここは似た名前の2つの用語が並ぶ、建築基準法最大の混乱ポイントです。目的がまったく違うことを理解すれば、暗記は不要になります。

    用語目的含まれるもの含まれないもの
    主要構造部
    (第2条五号)
    防火(火事のときに建物が持ちこたえるか)壁、柱、床、はり、屋根、階段基礎、間仕切壁、間柱、附け柱、最下階の床、小ばり、ひさし、屋外階段、局部的な小階段 など
    構造耐力上主要な部分
    (施行令第1条三号)
    構造(力学)(建物が自重・地震・風で壊れないか)基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい・方づえ等)、床版、屋根版、横架材(はり・けた等)階段、間仕切壁(構造耐力を負担しないもの)など
    この2つの決定的な違いを1行で。
    主要構造部(防火) → 「階段」は入るが「基礎」は入らない
    構造耐力上主要な部分(構造) → 「基礎」は入るが「階段」は入らない
    理由は明快です。火事のときは階段が燃え落ちたら逃げられない(だから防火の対象)。でも基礎は地中にあって燃えない(だから防火の対象外)。逆に、建物を支えているのは基礎(だから構造の対象)。でも階段は建物を支えていない(だから構造の対象外)。
    「防火は階段、構造は基礎」と唱えましょう。
    「主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根、階段および基礎をいう」→ 基礎は主要構造部に含まれません。基礎が含まれるのは「構造耐力上主要な部分」のほうです。この入れ替えは超頻出
    「構造耐力上主要な部分には、階段が含まれる」→ 。階段は主要構造部には含まれますが、構造耐力上主要な部分には含まれません
    延焼のおそれのある部分
    隣地境界線、道路中心線、または同一敷地内の2以上の建築物相互の外壁間の中心線から、
    1階にあっては 3m 以下
    2階以上にあっては 5m 以下
    の距離にある建築物の部分をいいます。隣の家が燃えたときに、もらい火をしやすい部分のこと。この部分には防火戸などの防火設備が必要になります。
    「1階3m・2階以上5m」は必ず数字で問われます。
    耐火構造・準耐火構造・防火構造
    耐火構造=火災が終わるまで倒壊・延焼しない構造(鉄筋コンクリート造など)。準耐火構造=それに準ずる構造。防火構造=建築物の外壁・軒裏について、周囲からの延焼を抑制するための構造。防火構造は「もらい火を防ぐ」ためのものであり、耐火構造より要求が低い点に注意。
    不燃材料・準不燃材料・難燃材料
    加熱開始後、燃焼せず・変形せず・有害な煙やガスを発生しない時間が、不燃材料=20分、準不燃材料=10分、難燃材料=5分「不20・準10・難5」と覚えます。

    4用語の定義③ ― 建築・大規模の修繕・大規模の模様替

    建築
    建築物を新築し、増築し、改築し、または移転することをいいます。この4つだけです。
    新築=更地に新しく建てる
    増築=既存建築物の床面積を増やす(同一敷地内に別棟を建てる場合も増築)
    改築=除却した部分と用途・規模・構造の著しく異ならない建築物を建てる(建て替え)
    移転同一敷地内で位置を移すこと
    注意:「大規模の修繕」「大規模の模様替」は”建築”には含まれません(別の概念)。ただし、どちらも建築確認の対象にはなります。
    大規模の修繕
    建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕
    「修繕」=既存と同じ材料・仕様で造り直すこと。「過半」=その部位の半分を超えること。
    例:屋根の半分を超える範囲を、同じ瓦で葺き替える → 大規模の修繕
    大規模の模様替
    建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替
    「模様替」=既存と異なる材料・仕様で造り替えること(性能・品質は同等以上)。
    例:木造の屋根の半分を超える部分を、金属板に葺き替える → 大規模の模様替
    設計者・工事施工者・建築主
    建築主=建築物に関する工事の請負契約の注文者、または請負契約によらないで自ら工事をする者
    設計者=その者の責任において設計図書を作成した者
    工事施工者=建築物に関する工事の請負人、または請負契約によらないで自らこれらの工事をする者
    工事監理者建築士法に規定する工事監理をする者(=設計図書のとおりに施工されているかを確認する建築士)。
    敷地
    1の建築物または用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地1つの敷地に1つの建築物が原則です(一敷地一建築物の原則)。
    「建築」に含まれるのは「新築・増築・改築・移転」の4つだけ。「シン・ゾウ・カイ・イ」と唱えます。
    「大規模の修繕」「大規模の模様替」は“建築”ではない――でも建築確認は必要。この「建築ではないが確認は要る」というねじれが、そのまま選択肢になります。
    なお、移転は「同一敷地内」での移動に限られます。別の敷地に移すのは、元の敷地では除却、移転先では新築の扱いになります。
    「建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、移転し、または大規模の修繕をすることをいう」→ 。「建築」は新築・増築・改築・移転の4つのみ。大規模の修繕・模様替は「建築」には含まれません

    5建築確認と検査 ―「4日以内」「7日以内」

    5-1 建築確認の流れ

    建築確認とは、建築物を建てる前に、その計画が建築基準関係規定に適合しているかを、建築主事または指定確認検査機関にチェックしてもらう手続です。

    建築主事(けんちくしゅじ)
    建築確認・完了検査などを行うために、都道府県・市町村に置かれる公務員確認済証・検査済証を交付します。近年は、民間の指定確認検査機関が確認・検査を行うことも一般的です。
    確認済証・検査済証
    確認済証=建築確認に合格したことを証する書面。これの交付を受けた後でなければ、工事に着手できません
    検査済証=完了検査に合格したことを証する書面。原則としてこの交付を受けた後でなければ、建築物を使用できません(一定規模のものについて)。
    手続内容期限
    建築確認申請建築主が、工事着手前に建築主事等へ確認申請書を提出着工前(確認済証の交付前は工事に着手できない
    中間検査特定工程(3階建て以上の共同住宅の床・はりの配筋工事など)の工事を終えたときは、4日以内に中間検査を申請特定工程終了から4日以内に申請
    完了検査工事を完了したときは、建築主は建築主事等の検査を申請工事完了から4日以内に到達するように申請
    検査の実施建築主事等は、申請を受理した日から検査を行う受理日から7日以内に検査
    検査済証の交付適合していると認めたときは検査済証を交付
    工事完了後の使用制限一定の建築物(特殊建築物等)は、検査済証の交付を受けた後でなければ使用できない(仮使用の承認を受けた場合等を除く)
    数字は2つだけ。「申請は4日以内、検査は7日以内」
    工事が終わったら4日以内に検査を申請し(申請書が4日以内に到達するように出す)、受理した建築主事等は7日以内に検査する。「ヨッカ・ナノカ」とセットで覚えます。

    5-2 工事現場に掲げる標識

    建築基準法第89条により、建築確認を受けた工事の施工者は、工事現場の見やすい場所に、建築主・設計者・工事施工者・工事現場管理者の氏名または名称、および当該工事に係る確認があった旨の表示(建築基準法による確認済 の表示板)をしなければなりません。

    また、工事施工者は、設計図書を工事現場に備えておかなければなりません(第89条2項)。

    6集団規定 ― 道路・接道義務・建蔽率・容積率・高さ制限

    集団規定は都市計画区域および準都市計画区域内でのみ適用されます。土木では深入り不要ですが、道路の定義と接道義務、建蔽率・容積率の意味だけは押さえておきましょう(第85条の仮設緩和で「何が免除されるのか」を理解するために必要です)。

    6-1 建築基準法上の「道路」(第42条)

    建築基準法上の道路
    原則として、幅員4m以上のもの(特定行政庁が指定する区域内では6m以上)。道路法による道路、都市計画法等による道路、既存道路、位置指定道路 などが含まれます。
    2項道路(みなし道路)
    建築基準法が適用された時点ですでに建物が建ち並んでいた、幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したもの。道路の中心線から水平距離2mずつ後退した線を道路の境界線とみなします(これをセットバックといいます)。
    → つまり、建て替えのときに敷地を後退させて、将来的に幅員4mを確保していく仕組みです。
    接道義務(第43条)
    建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない(自動車専用道路等を除く)。
    理由:火災のときに消防車が入り、人が逃げられるようにするため。
    数字は「道路は幅員4m以上、接道は2m以上」「ヨン・ニ」で覚えます。
    2項道路のセットバックは中心線から2mずつ(合計4m)。これも「4m」に帰着します。

    6-2 建蔽率・容積率・高さ制限

    用語定義目的
    建蔽率(けんぺいりつ)建築面積 ÷ 敷地面積の割合の最高限度敷地に空地を確保し、延焼防止・通風・採光を図る
    容積率(ようせきりつ)延べ面積 ÷ 敷地面積の割合の最高限度建物のボリューム(=人口・交通量)を抑え、インフラの容量とバランスさせる
    絶対高さ制限第一種・第二種低層住居専用地域等では、建築物の高さは10mまたは12mのうち都市計画で定めた限度以下低層住宅地の良好な環境を守る
    道路斜線制限前面道路の反対側の境界線から、一定の勾配で引いた斜線の内側に建物を収める道路の採光・通風を確保する
    隣地斜線制限隣地境界線上の一定の高さから、一定の勾配で引いた斜線の内側に収める隣地の日照・通風を確保する
    北側斜線制限低層・中高層住居専用地域で、真北方向の隣地の日照を守るための斜線制限北側隣地の日照を守る
    日影規制中高層建築物が、冬至日の一定時間帯に隣地に落とす日影の時間を制限する周辺の日照を守る

    6-3 防火地域・準防火地域・既存不適格

    防火地域・準防火地域
    都市計画で定められる、市街地における火災の危険を防除するための地域。建築物の規模に応じて耐火建築物・準耐火建築物とすることが義務づけられます。防火地域のほうが規制が厳しい(駅前・商業地の中心部など)。
    既存不適格建築物
    建築時には適法だったが、その後の法改正や都市計画の変更により、現行法の規定に適合しなくなった建築物
    重要:既存不適格建築物は「違法建築物」ではありません。建築基準法の規定は適用しない(第3条2項)とされています。ただし、増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替を行う場合には、原則として現行法に適合させる必要が生じます。
    「既存不適格建築物は、現行の建築基準法に適合していないので違法建築物であり、直ちに是正しなければならない」→ 。既存不適格建築物には現行規定が適用されません(第3条2項)。違法建築物ではありません。ただし、増築等を行うときは現行法に合わせる必要が出てきます。

    7仮設建築物に対する制限の緩和(第85条)― 土木の最頻出

    ここが土木の受験生にとって最重要の章です。建築基準法の問題で、この論点が出題される確率は極めて高く、ここだけ完璧にしておけば1点になることも珍しくありません。

    7-1 第85条とは

    建築基準法第85条第2項は、工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物について、建築基準法の多くの規定を適用しないと定めています。

    工事現場の仮設建築物(第85条第2項)
    工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物。
    土木の現場でいえば、プレハブの現場事務所、休憩所、鉄筋加工場(下小屋)、資材倉庫、仮設の作業員宿舎などが該当します。
    なぜ緩和されるのか工事が終われば撤去される一時的な建物だからです。まちなみの秩序や日照を長期的に損なうものではありませんし、いちいち建築確認を取っていたら工事が進みません。

    7-2 適用されない規定(免除されるもの)

    免除される規定内容
    建築確認(第6条)・完了検査(第7条)確認申請も検査も不要。現場事務所を建てるのに建築確認は要りません
    建築工事届・除却届(第15条)不要
    敷地の衛生・安全(第19条)不要
    接道義務(第43条)道路に2m以上接していなくてもよい
    建蔽率(第53条)・容積率(第52条)敷地いっぱいに建ててもよい
    高さ制限・斜線制限・日影規制(第55〜56条の2)不要
    防火地域・準防火地域内の建築物の制限(第61条・第62条)防火地域内でも、耐火建築物にしなくてよい
    用途地域による用途の制限(第48条)住居専用地域内でも現場事務所を建てられる
    外壁の後退距離、日影規制、その他集団規定(第3章)の全部不要
    大規模建築物の主要構造部(第21条)・屋根(第22条)・外壁(第23条)不要
    防火壁等(第26条)不要(延べ面積1,000㎡超でも防火壁の区画は求められない)
    便所(第31条)・避雷設備(第33条)・非常用の昇降機(第34条2項)不要(高さ20mを超えても避雷設備は不要
    特殊建築物等の避難・非常用の進入口(第35条)不要
    建築材料の品質(第37条)不要

    ただし、防火地域または準防火地域内にある延べ面積が50㎡を超える仮設建築物については、屋根の構造に関する規定(第62条)は適用されます(第85条第2項ただし書)。

    7-3 適用される規定(免除されないもの)―【最重要】

    ここが本命です。仮設だからといって、何でも許されるわけではありません建物が倒れる・中の環境が保てない、といった規定は仮設建築物にも適用されます

    適用される規定内容
    構造耐力(第20条)自重・積載荷重・積雪・風圧・地震に対して安全な構造でなければならない。プレハブが台風で飛んだり、雪で潰れたりしてはいけない第85条第2項の適用除外リストに第20条は入っていない
    居室の採光・換気(第28条)等の一般構造・衛生規定適用される(居室の環境確保に関する規定)
    電気設備(第32条)適用される
    防火地域・準防火地域内で延べ面積50㎡超の場合の屋根(第62条)第85条第2項ただし書により適用される
    工事現場の危害の防止(第90条)当然に適用(次章参照)
    第85条 仮設建築物の緩和 ―「免除されるもの」と「されないもの」 工事現場の仮設建築物 (現場事務所・下小屋・材料置場) ○ 適用除外(免除される) 建築確認・完了検査 接道義務・建蔽率・容積率 高さ制限・斜線・日影規制 防火壁(26条)・避雷設備(33条) 非常用進入口等(35条)・便所 大規模建築物の主要構造部(21条) ✕ 適用される(免除されない) 構造耐力(第20条) 居室の採光・換気(第28条) 電気設備(第32条) 防火地域等で50㎡超なら屋根(62条) 工事現場の危害の防止(第90条)
    図1 仮設建築物の緩和 ― 手続・集団規定・防火系の単体規定は免除、構造耐力は免除されない
    この章の結論を1行で。「建築確認・集団規定・防火系の単体規定(21条・26条・33条・35条など)は免除。しかし構造耐力(第20条)は免除されない
    判断に迷ったら、「これがなければ、建物そのものが倒れて中の人が下敷きになるか?」と自問してください。建築確認は要らないが、構造耐力は要る――「手続と防火の網は緩めるが、倒れない・飛ばないという最低線は譲らない」のが第85条の考え方です。「構造耐力は適用される」の一点だけは、絶対に落とさないでください。
    「工事現場に設ける現場事務所などの仮設建築物には、構造耐力に関する規定も適用されない」→ 構造耐力(第20条)は適用されます。第85条第2項の適用除外リストに第20条は含まれていません。免除されるのは建築確認・接道義務・建蔽率・容積率・防火壁・避雷設備などです。
    「工事現場に設ける仮設の現場事務所であっても、建築確認を受けなければならない」→ 。第85条第2項により、建築確認(第6条)は適用除外です。「確認は不要、構造耐力は必要」の組合せを正確に。
    「工事現場の仮設事務所は、高さが20mを超える場合には避雷設備を設けなければならない」→ 避雷設備(第33条)は第85条第2項により適用除外です。同様に防火壁(第26条)、非常用の進入口等(第35条)も適用されません「仮設でも避雷設備は必要」と書いてある教材は古い(または誤り)ので注意してください。
    「防火地域内に工事現場の仮設事務所を設ける場合は、耐火建築物としなければならない」→ 防火地域・準防火地域内の建築物の制限(第61条)は集団規定なので適用除外です。ただし、防火地域・準防火地域内で延べ面積が50㎡を超えるものは、屋根の規定(第62条)が適用されます(第85条第2項ただし書)。

    7-4 期間の制限がある仮設建築物(第85条第5項)

    なお、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗など、工事現場の仮設建築物以外の仮設建築物については、特定行政庁の許可を受けて、1年以内(一定のものは1年を超える)の期間を定めて建築することができます。工事現場の仮設建築物(第85条第2項)は、この「許可」も不要である点が異なります。

    8工事現場の危害の防止(第90条)― 仮囲い1.8m・落下物の防護

    建築基準法第90条は、「建築物の建築、修繕、模様替または除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物または工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない」と定めています。具体的な基準は建築基準法施行令 第7章の8(第136条の2の20〜)にあります。

    8-1 仮囲い(施行令第136条の2の20)

    仮囲い
    工事現場の周囲に設ける囲い。工事中の飛来落下物・粉じんから通行人を守り、第三者の立入りを防ぐためのもの。
    設置義務木造の建築物で高さ13m もしくは軒の高さ9m を超えるもの、または木造以外の建築物で2以上の階数を有するものについて、工事を行う場合は、その周囲に高さ1.8m以上の仮囲いを設けなければなりません。
    「1.8m以上」は必ず問われます。「1.5m」「2.0m」に書き換えるのが定番のワナ。

    8-2 落下物に対する防護(施行令第136条の5)

    工事現場から物が落ちてきて通行人に当たる――これを防ぐための規定です。

    場面必要な措置
    工事現場の境界線から水平距離5m以内で、かつ地盤面から高さ3m以上の場所から物を投下する場合ダストシュートを用いる等、落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。上から直接放り投げるのは禁止
    工事現場の境界線から水平距離5m以内で、かつ地盤面から高さ7m以上にあるくさび等から、飛来・落下のおそれのある場合工事現場の周囲、その他危害防止上必要な部分を、鉄網または帆布(防護シート)でおおう等の措置を講ずる
    はね出し足場・防護棚(朝顔)飛来落下物を受け止めるため、足場から水平方向に張り出した防護棚を設ける
    危害防止の数字は3つ。仮囲い=高さ1.8m以上/投下=高さ3m以上ならダストシュート等/防護(鉄網・帆布)=高さ7m以上、境界から5m以内
    「1.8・3・7・5」と唱えます。とくに「3m以上の高さから物を投下する場合はダストシュート等」は、労働安全衛生法にも同旨の規定(3m以上の高所からの投下には投下設備を設け、監視人を置く)があり、両方の法律で問われます
    「工事現場の周囲には、高さ1.5m以上の仮囲いを設けなければならない」→ 。正しくは1.8m以上です。「1.5m」「2.0m」への書き換えが定番。「イッテンハチ」と唱えて刷り込みましょう。
    「地盤面から高さ5m以上の場所から物を投下する場合は、ダストシュートを用いる等の措置を講じなければならない」→ 高さ3m以上です。「5m」は「工事現場の境界線からの水平距離」のほうの数字で、これを混ぜてくるのが典型的なワナです。

    8-3 根切り工事・山留め工事等(施行令第136条の3)

    土木の受験生にとって身近な規定です。

    項目基準
    建築物・工作物の基礎の危害防止建築物の建築等の工事における根切り・山留めについて、あらかじめ地下の埋設物等の調査を行い、これらを移設するなどの措置を講じる
    根切り工事根切り・山留めの工事は、地盤の状況に応じて安全な方法で行う。がけ・斜面に近接する場合は、その安全を確かめる
    山留め工事山留めを設ける場合は、土圧に対して安全な構造とする。切ばり・矢板・腹起し等の部材の応力度が、許容応力度を超えないようにする
    点検山留めについて、その架構の全体にわたって定期的に点検し、部材の変形・緊結部の緩み等を確認する。周辺地盤の沈下・地下水位の変動を観測する
    基礎工事用機械の転倒防止くい打機・くい抜機・アースドリル等の基礎工事用機械、および移動式クレーンを使用する場合は、敷板・敷角の使用等により転倒を防止する措置を講ずる
    第90条まわりの規定は、労働安全衛生法(労働者の安全)と内容が重なりますが、守ろうとしている相手が違います
    労働安全衛生法=現場で働く「労働者」を守る
    建築基準法第90条=現場の外にいる「第三者(通行人・近隣)」も守る
    だからこそ、建築基準法には「仮囲い」という、外向きの規定があるのです。

    9頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    建築基準法は、建築物の敷地・構造・設備・用途に関する最高の基準を定めたものである最低の基準(第1条)
    工事現場に設ける仮設の現場事務所は、建築確認を受けなければならない第85条第2項により建築確認は適用除外
    工事現場に設ける仮設建築物には、構造耐力に関する規定は適用されない構造耐力(第20条)は適用される。免除されるのは建築確認・接道・建蔽率・容積率・防火壁・避雷設備など
    防火地域内に工事現場の仮設事務所を設ける場合は、耐火建築物としなければならない防火地域内の建築物の制限(第61条)は適用除外。ただし延べ面積50㎡超なら屋根の規定(第62条)は適用
    工事現場の仮設事務所は、高さ20mを超えれば避雷設備を設けなければならない避雷設備(第33条)は第85条第2項により適用除外防火壁(26条)・非常用進入口等(35条)も適用されない
    主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根、階段および基礎をいう基礎は主要構造部に含まれない。基礎は「構造耐力上主要な部分」に含まれる
    構造耐力上主要な部分には階段が含まれる階段は主要構造部には含まれるが、構造耐力上主要な部分には含まれない
    「建築」とは、新築、増築、改築、移転および大規模の修繕をいう建築は新築・増築・改築・移転の4つのみ。大規模の修繕・模様替は含まれない(ただし建築確認は必要)
    大規模の修繕とは、主要構造部の一種以上について行う2分の1未満の修繕をいう過半(2分の1を超える)の修繕
    便所・浴室・廊下・階段は、人が使用する部分であるから居室である居室は継続的に使用する室。便所・浴室・廊下・階段・物置は居室ではない
    建築物の敷地は、道路に1m以上接しなければならない2m以上(接道義務・第43条)。道路の幅員は原則4m以上
    工事現場の周囲には、高さ1.5m以上の仮囲いを設ける1.8m以上(施行令第136条の2の20)
    地盤面から高さ5m以上の場所から物を投下する場合は、ダストシュート等を用いる3m以上。5mは「工事現場の境界線からの水平距離」の数字
    集団規定(接道義務・建蔽率・容積率)は、全国どこでも適用される集団規定は都市計画区域および準都市計画区域内でのみ適用。単体規定は全国で適用
    既存不適格建築物は違法建築物であり、直ちに現行法に適合させなければならない既存不適格建築物には現行規定が適用されない(第3条2項)。違法建築物ではない
    工事完了後の完了検査は、工事完了の日から7日以内に申請しなければならない4日以内に到達するように申請7日以内建築主事等が検査を行う期限
    プラットホームの上家跨線橋は、屋根と柱を有するので建築物である鉄道の線路敷地内の運転保安施設、跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽等は建築物から除外されている
    「延焼のおそれのある部分」とは、隣地境界線等から1階3m以下、2階以上4m以下の部分をいう1階3m以下、2階以上5m以下
    一戸建ての住宅や事務所は、特殊建築物である特殊建築物は学校・病院・劇場・共同住宅・工場・倉庫・自動車車庫など。一戸建て住宅・事務所は特殊建築物ではない

    10章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。「仮設で何が免除され、何が免除されないか」だけは、必ず言えるようにしましょう。

    1. 建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康および財産の保護を図ることを目的としている。
      答: ○ ― 第1条のとおり。「最低の基準」がキーワードです。「最高の基準」「望ましい基準」への書き換えは✕になります。
    2. 工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場などの仮設建築物には、建築確認の規定は適用されない。
      答: ○ ― 第85条第2項による適用除外です。建築確認・完了検査・接道義務・建蔽率・容積率・高さ制限・防火壁(26条)・避雷設備(33条)・非常用進入口等(35条)などが免除されます。
    3. 工事現場に設ける仮設建築物には、構造耐力に関する規定は適用されない。
      答: ✕構造耐力(第20条)は適用されます。第85条第2項の適用除外リスト(第6条〜第7条の6、第15条、第19条、第21条〜第23条、第26条、第31条、第33条、第34条2項、第35条、第37条、第3章 ほか)に第20条は入っていません「確認は不要、構造耐力は必要」――ここだけは絶対に落とさないでください。
    4. 主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根および階段をいい、基礎は含まれない。
      答: ○主要構造部(防火の概念)に基礎は含まれません。基礎が含まれるのは「構造耐力上主要な部分」のほう。逆に、構造耐力上主要な部分に階段は含まれません「防火は階段、構造は基礎」で覚えます。
    5. 建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、または移転することをいう。
      答: ○ ― この4つだけです。大規模の修繕・大規模の模様替は「建築」には含まれません(ただし建築確認の対象にはなります)。また、移転は同一敷地内での移動を指します。
    6. 大規模の模様替とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。
      答: ○「主要構造部の一種以上」×「過半」の2要件。過半=2分の1を超えるです。「2分の1未満」「一部」への書き換えが定番のひっかけ。
    7. 木造以外の建築物で2以上の階数を有するものの工事を行う場合は、その工事現場の周囲に、地盤面からの高さが1.8m以上の仮囲いを設けなければならない。
      答: ○仮囲いは1.8m以上(施行令第136条の2の20)。木造の場合は高さ13m超または軒高9m超のものが対象です。
    8. 工事現場において、高さ5m以上の場所から物を投下する場合は、ダストシュートを設けるなど、飛散防止の措置を講じなければならない。 答: ― 正しくは高さ3m以上です。「水平距離5m以内」の5mと混ぜてくるのが典型的なワナ。投下は3m・防護は7m・水平距離は5mと数字を整理しておきましょう。
    9. 建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない。 答: ○接道義務(第43条)。ただし工事現場の仮設建築物には、第85条第2項によりこの集団規定は適用されません
    10. 防火地域または準防火地域内にある仮設建築物で、延べ面積が50m²を超えるものの屋根は、政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。 答: ○ ― 第85条第2項ただし書。「仮設だから何でも免除」ではない点に注意します。

    建築基準法は、土木の第一次検定では「用語の定義」と「仮設建築物の緩和(第85条)」と「工事現場の危害の防止(第90条)」の3点に絞られます。主要構造部=階段○・基礎✕/構造耐力上主要な部分=基礎○・階段✕仮設は確認も接道も建蔽率も免除、でも構造耐力(第20条)は免除されない仮囲い1.8m以上・高さ3m以上からの投下はダストシュート等。この3つを覚えれば1問は確実に取れます。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の使い方など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ
  • 【1級土木施工管理技士】河川法を徹底攻略!河川区域・河川保全区域・許可が必要な行為のすべて

    BUILDNA
    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 河川法 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「河川法」を徹底攻略!
    河川区域・河川保全区域と「許可がいる行為」を体系で覚える

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。12問すべてを解く必要はないのですから、「範囲が狭くて、確実に取れる法令」から優先的に潰すのが合理的な戦略です。その代表格が河川法です。

    河川法からは、毎年1問が出題されます。範囲は建設業法や労働基準法に比べて圧倒的に狭く、問われる論点はほぼ2つだけ――① 河川管理者は誰か(一級/二級/準用河川)、② その行為に許可がいるのか、いらないのか。この2つを整理しきってしまえば、河川法はほぼ確実な1点になります。過去問の焼き直し率も法規の中で群を抜いて高く、10年分を眺めると同じ論点が繰り返し形を変えて出ているのが分かります。

    とはいえ、初学者がつまずくポイントもはっきりしています。「河川区域」と「河川保全区域」の違い、そして「河川区域内の民有地でも許可がいるのか」「地下や上空も許可がいるのか」といった空間のイメージです。この記事では、河川の断面図を使って空間を体で理解したうえで、条文(第23条〜第27条)を一気に整理します。ひっかけ総まとめと一問一答10問まで通せば、河川法の1問は取り切れます。

    1河川法の目的 ―「治水・利水・環境」

    河川法第1条は、その目的を次のように定めています。

    「この法律は、河川について、洪水、津波、高潮等による災害の発生が防止され河川が適正に利用され流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もつて公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することを目的とする。」

    この4つの柱を、教科書的には「治水・利水・環境」とまとめます。1997年(平成9年)の改正で「河川環境の整備と保全」が目的に加わったのが大きなトピックで、選択肢に「河川環境」が入っているかどうかが問われることがあります。

    内容具体例
    治水洪水・津波・高潮等による災害の発生の防止堤防、護岸、ダム、放水路、遊水地
    利水河川の適正な利用流水の正常な機能の維持取水(かんがい・上水道・工業用水)、水力発電、舟運
    環境河川環境の整備と保全(1997年改正で追加)魚道、多自然川づくり、河畔林の保全、親水空間
    河川法の根っこにある考え方は「河川は私有物ではなく、公共のもの(公物)」ということ。だからこそ、水を使う(占用)にも、土地を使う(占用)にも、砂利を取るにも、物を建てるにも、いちいち河川管理者の許可が要るのです。「河川は公共物 → だから許可が要る」――この一本の筋を通しておけば、条文を丸暗記しなくても解けます。

    2河川の種類と河川管理者 ―「大臣・知事・市町村長」

    2-1 4つの河川区分

    河川法上の「河川」は、一級河川と二級河川の2つだけです。そこに、河川法を準用する準用河川と、河川法の適用のない普通河川を加えた4区分で押さえます。

    種類指定する者河川管理者河川法の適用
    一級河川国土交通大臣が、国土保全上・国民経済上とくに重要な水系を指定し、その水系に係る河川を指定国土交通大臣
    ただし指定区間については、その管理の一部を都道府県知事に委任(政令指定都市の区域は市長)
    適用
    二級河川都道府県知事が、一級水系以外の水系で公共の利害に重要な関係があるものに係る河川を指定都道府県知事(政令指定都市の区域は市長)適用
    準用河川市町村長が指定市町村長準用(一級・二級河川に関する規定を準用)
    普通河川指定なし(上記以外の小河川・水路)市町村(条例で管理)適用なし
    水系(すいけい)
    本川・支川・派川・これらに接続する湖沼を、ひとまとまりの水の流れの系統としてとらえたもの。一級河川は「水系ごと」に指定される点が特徴です。大きな川の小さな支流でも、一級水系に属していれば一級河川になりえます。
    指定区間(一級河川)
    一級河川のうち、国土交通大臣が指定した区間で、その管理を都道府県知事が行う区間。上流部の比較的重要度の低い区間などが該当します。逆に、指定区間(=直轄区間)は国土交通大臣が直接管理します。
    河川管理者は「一級=大臣(指定区間は知事)/二級=知事/準用=市町村長」「ダイ・チ・シ(大臣・知事・市町村長)」と上から順に降りていくイメージで覚えます。
    重要なのは、一級河川でも「指定区間」なら知事が管理すること。「一級河川の管理者は常に国土交通大臣である」という選択肢はになります。
    「二級河川は、国土交通大臣が指定し、国土交通大臣が管理する」→ 。二級河川は都道府県知事が指定し、都道府県知事が管理します。大臣が出てくるのは一級河川だけです。
    「準用河川および普通河川については、河川法が適用される」→ 準用河川は河川法の規定が「準用」されますが、普通河川には河川法の適用がありません(市町村の条例で管理)。

    2-2 河川管理者が持つ権限

    河川管理者は、河川の管理のために次のような権限を持ちます。試験に出る許可・承認の相手は、すべてこの河川管理者です。

    • 河川区域・河川保全区域・河川予定地の指定
    • 流水の占用、土地の占用、土石等の採取、工作物の新築等、土地の掘削等の許可
    • 河川管理施設の工事・維持・操作
    • 違反者に対する監督処分(工事の中止、工作物の改築・除却、原状回復の命令)

    3河川の空間を理解する ― 河川区域・堤内地・堤外地

    3-1 河川区域の3つの「地」

    河川法が規制をかける空間の中心が河川区域です。河川法第6条は、河川区域を次の3つで定義しています(通称:1号地・2号地・3号地)。

    区域やさしい言い換え
    1号地河川の流水が継続して存する土地および地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地河岸の土地を含み、洪水その他異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く)の区域水が流れているところ+その河原
    2号地河川管理施設の敷地である土地の区域堤防・護岸などの敷地
    3号地1号地に類する土地の区域のうち、河川管理者が指定した区域(堤外の民有地など)河川管理者が「ここも河川区域だ」と指定した土地
    河川区域
    河川法の規制が最も強くかかる区域。1号地・2号地・3号地から成ります。
    重要:河川区域内であれば、たとえその土地が民有地(私有地)であっても、土地の占用や工作物の設置には河川管理者の許可が必要です。「自分の土地だから自由にできる」は通用しません。
    堤外地(ていがいち)と堤内地(ていないち)
    堤外地=堤防をはさんで水が流れている側(=河川区域)。堤内地=堤防をはさんで人が住んでいる側(=守られている側)。
    直感と逆なので必ず混乱します。「堤防の側に守られて人が住む」=堤内地、「堤防の側で水が暴れる」=堤外地、と覚えましょう。昔、輪中(わじゅう)で集落をぐるりと囲んだときの「内」「外」が語源です。
    高水敷(こうすいじき)と低水路(ていすいろ)
    低水路=ふだん水が流れている部分。高水敷=洪水のときだけ水につかる、河川敷のグラウンドや公園になっている平らな部分。どちらも河川区域です。
    河岸(かがん)
    流水と接する土地の傾斜部分。河岸の土地は1号地として河川区域に含まれます
    河川の横断面 ― 河川区域と河川保全区域 低水路 堤外地(水が流れる側) 河川区域(堤外地) 河川保全区域 原則 50m 以内 保全区域 堤内地 (人が住む側) 堤防 堤防 ※ 河川区域は「堤防の敷地(2号地)」を含む。堤防のり尻から堤内地側に河川保全区域が広がる。 ※ 堤防に挟まれた水の流れる側が堤外地。低水路・河岸はいずれも河川区域で、民有地であっても許可が必要。
    図1 河川の横断面 ― 堤内地・堤外地・河川区域・河川保全区域の位置関係
    図で押さえるべきは3点だけ。
    河川区域=堤防の敷地を含む、水の側の空間(堤外地)。
    河川保全区域=堤防を守るために、堤内地側にはみ出して指定される帯(原則50m以内)。
    「堤内地」が人の住む側――ここを間違えると芋づる式に失点します。
    「堤外地とは、堤防によって洪水から守られている側の土地をいう」→ 。それは堤内地です。堤外地=水が流れる側(河川区域側)。毎年のように狙われる定番の入れ替えです。

    3-2 河川区域の「立体」性 ― 地下も上空も

    河川区域は、地表面だけの平面的な話ではありません。河川区域の地下や上空も河川区域です。したがって、

    • 河川区域内の地下に埋設する工作物(サイフォン、地下トンネル、地下埋設管、光ファイバーケーブルなど)
    • 河川区域内の上空を横断する工作物(送電線、電話線、橋、水管橋、ロープウェイなど)

    これらはいずれも、河川管理者の許可(第26条:工作物の新築等の許可)が必要です。「河原に足を着けていないから許可はいらない」というのは誤りです。

    「河川区域内の上空を横断して送電線を架設する場合、河川区域の土地を使用しないので、河川管理者の許可は不要である」→ 上空も河川区域です。許可が必要地下に埋設する場合も同様に許可が要ります。

    4河川保全区域・河川予定地 ―「原則50m以内」

    4-1 河川保全区域(第54条)

    河川保全区域
    河川管理者が、河岸または河川管理施設(堤防など)を保全するため必要があると認めるときに、河川区域に隣接する一定の区域を指定するもの。
    範囲:河川区域の境界から50mを超えてはならないのが原則(ただし、地形・地質等の状況によりとくに必要やむを得ないと認められる場合は、50mを超えて指定できる)。
    趣旨:堤防のすぐ裏で深い穴を掘られたり、大量に盛土されたりすると、堤防が壊れる(パイピング・すべり破壊)から。堤防を守るためのバッファゾーンです。
    河川予定地(第56条)
    将来、河川工事を行う予定の土地として河川管理者が指定する区域。指定されると、土地の掘削・盛土・切土、工作物の新築・改築に河川管理者の許可が必要になります(第57条)。「これから河川区域になる土地」を先に押さえておくイメージです。

    4-2 河川保全区域内で許可が必要な行為(第55条)

    河川保全区域で、次の行為をしようとする者は河川管理者の許可を受けなければなりません。

    行為許可
    土地の掘削、盛土または切土その他土地の形状を変更する行為必要
    工作物の新築または改築必要
    耕うん(田畑を耕すこと)不要(政令で許可を要しない行為とされている)
    地表から高さ3m以内の盛土(堤防に沿って行う盛土で、堤防に沿う部分の長さが20m以上のものを除く)不要
    地表から深さ1m以内の土地の掘削または切土不要
    河川管理施設の敷地から5m以上離れた土地における、地下に設ける工作物(不透水性材料で造られた貯水槽・水路等を除く)の新築・改築不要
    河川保全区域で許可が要るのは「土地の形状を変える行為」と「工作物の新築・改築」の2つだけ流水の占用も、土石の採取も、河川保全区域には出てきません(それらは河川区域の話)。
    そして、耕うんは許可不要。「畑を耕すたびに役所に許可を取りにいく」なんてありえない――と、常識で判断してください。
    「河川保全区域内において耕うんを行う場合は、河川管理者の許可を受けなければならない」→ 耕うんは許可不要です(河川法施行令で許可を要しない行為とされています)。この「耕うん=許可不要」は超頻出です。
    「河川保全区域は、河川区域の境界から100mを超えない範囲で指定される」→ 。原則50mを超えてはなりません(地形・地質等でとくに必要やむを得ない場合のみ、50mを超えて指定できます)。

    5許可が必要な行為① ― 流水の占用・土地の占用・土石の採取

    ここからが河川法の本丸です。第23条から第27条まで、条文番号と行為をセットで覚えます。すべて河川管理者の許可が必要です。

    条文行為具体例
    第23条流水の占用かんがい用水・上水道・工業用水の取水、水力発電のための取水
    第24条土地の占用河川区域内の土地を継続的に使用する(工事用道路、資材置場、駐車場、キャンプ場、電柱の設置場所)
    第25条土石等の採取砂利・砂・栗石・玉石・岩石の採取、竹木・あし・かや・埋没竹木等の採取
    第26条工作物の新築・改築・除却橋、堰、水門、樋門、取水塔、地下埋設管、送電線、仮設工作物(仮締切・工事用道路・足場・板囲い)
    第27条土地の掘削・盛土・切土その他土地の形状を変更する行為、竹木の栽植・伐採河川区域内の掘削、盛土、河畔林の伐採、樹木の植栽

    5-1 第23条 流水の占用

    河川の流水を占用しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。ここでいう流水の占用とは、流水を継続的・排他的に使用する(=独占する)ことです。

    流水の占用(第23条)
    河川の流水を排他的・継続的に使用すること。取水口を設けて水を引き込む行為が典型です。
    注意一時的にバケツで水を汲む、工事のための一時的な取水などは、社会通念上「占用」にあたらない場合があります。また、流水を占用する権利(水利権)は財産権として扱われます。

    5-2 第24条 土地の占用 ―「民有地でも許可がいる」

    河川区域内の土地(河川管理者が管理する土地に限る、という限定はありません)を占用しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。

    ここで最重要のポイント:河川区域内の土地であれば、それが民有地(私有地)であっても、占用には河川管理者の許可が必要です。

    「河川区域内の土地」には、国有地だけでなく民有地も含まれます。3号地(河川管理者が指定した区域)などは、登記簿上は民間の所有地であることが珍しくありません。それでも河川区域である以上、河川法の規制がかかる――これは河川法で最も頻繁に問われる論点のひとつです。
    「所有権があるかどうか」と「河川法の許可が要るかどうか」は別問題だと割り切りましょう。
    「河川区域内の土地であっても、民有地においては、その所有者は河川管理者の許可を受けずに占用することができる」→ 民有地であっても、河川区域内であれば許可が必要です。

    5-3 第25条 土石等の採取

    河川区域内の土地において土石(砂利を含む)を採取しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません。

    また、政令で定めるものとして、砂、竹木、あし、かや、埋没した流木・土石の採取も許可の対象です。

    第25条のキーワードは「土石+その他政令で定めるもの(砂・竹木・あし・かや)」砂利は「土石」に含まれます
    重要なのは、「土地の所有者が自分の土地の砂利を採る場合でも許可が必要」だということ。第24条と同じく、所有権と許可は別問題です。

    6許可が必要な行為② ― 工作物の新築等(第26条)

    河川法第26条は、河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、または除却しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならないと定めています。土木施工管理の試験で最も出題頻度が高い条文です。

    6-1 「除却」にも許可が要る

    まず驚くのがここ。工作物を「壊して撤去する(除却する)」場合にも許可が必要です。「新しく造るなら分かるけど、撤去するのになぜ?」と思うかもしれませんが、撤去工事も重機を入れ、掘り返し、水の流れを変える行為ですから、河川に影響を与えるのです。

    「河川区域内にある既設の工作物を除却する場合は、河川に新たな影響を与えないので、河川管理者の許可は不要である」→ 。第26条は「新築し、改築し、又は除却しようとする者」と明記しています。除却にも許可が必要です。

    6-2 「仮設の工作物」にも許可が要る

    次に重要なのが、仮設工作物も第26条の許可の対象だということです。

    工作物の例許可(第26条)
    橋、堰、水門、樋門、取水塔、護岸必要
    河川区域内の地下に埋設する工作物(サイフォン、地下埋設管、ケーブル)必要
    河川区域内の上空に架設する工作物(送電線、電話線、水管橋、ロープウェイ)必要
    仮締切、仮橋、工事用道路(工事用の仮設道路)必要
    足場、板囲い、資材の仮置き台、現場事務所(仮設建築物)必要
    河川区域内の土地に設ける工事用の仮設プラント必要
    「工作物」は恒久・仮設を問いません仮締切・工事用道路・足場・板囲い・現場事務所など、工事のために一時的に設けるものもすべて第26条の許可が必要です。
    現場感覚の落とし穴:「どうせすぐ撤去する仮設だから」と勝手に設置すると、河川法違反になります。仮設だから不要、という言い訳は通じないと覚えてください。
    「河川区域内に工事用の仮設道路や足場を設ける場合は、工事が完了すれば撤去する仮設のものであるから、河川管理者の許可は不要である」→ 仮設工作物も第26条の許可の対象です。「仮設だから不要」は毎年出るワナ

    6-3 許可不要となる「軽易な行為」

    ただし、河川法施行令には、河川管理者以外の者が行う場合でも許可を要しない行為が定められています。「河川の管理に支障を及ぼすおそれのない軽易な行為」という考え方です。

    許可不要となる主な行為根拠の考え方
    河川管理者が行う河川工事・維持そもそも許可を出す側なので、自分に許可は要らない
    河川区域内の土地の耕うん土地の形状変更にあたるが、軽易な行為として除外
    河川保全区域内での耕うん高さ3m以内の盛土(堤防に沿って延長20m以上のものを除く)、深さ1m以内の掘削・切土堤防に影響を及ぼさない軽微な範囲
    取水施設・排水施設の機能を維持するために行う取水口・排水口の付近に堆積した土砂等の排除維持管理のための最小限の行為
    河川区域内の堤外の土地における竹木の伐採のうち、政令で定める軽易なもの治水上支障がない範囲
    許可不要リストの「王様」が耕うんです。河川区域内でも河川保全区域内でも、耕うんは許可不要。これだけは絶対に覚えてください。
    逆に、「河川区域内の土地における竹木の栽植・伐採」は原則として第27条の許可が必要です(政令で定める軽易なものだけが除外)。「耕うんは不要、伐採は原則必要」と対比で記憶しましょう。

    7許可が必要な行為③ ― 土地の掘削等(第27条)と保全区域の制限

    7-1 第27条の対象行為

    河川法第27条は、河川区域内の土地において、土地の掘削、盛土もしくは切土その他土地の形状を変更する行為、または竹木の栽植もしくは伐採をしようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならないとしています。

    行為河川区域内(第27条)河川保全区域内(第55条)
    土地の掘削・盛土・切土(土地の形状変更)許可必要許可必要(深さ1m以内の掘削・切土、高さ3m以内の盛土などは不要)
    工作物の新築・改築許可必要(第26条。除却も必要許可必要除却は不要
    竹木の栽植・伐採許可必要規定なし(許可不要)
    流水の占用(第23条)許可必要対象外
    土地の占用(第24条)許可必要(民有地でも必要)対象外
    土石等の採取(第25条)許可必要対象外
    耕うん許可不要許可不要
    この表がこの記事のすべてです。
    河川区域=「水・土地・土石・工作物・形状変更・竹木」すべてに許可がかかるフルセット
    河川保全区域=「形状変更」と「工作物の新築・改築」の2つだけ
    保全区域は堤防を守るための区域だから、堤防を壊しかねない「掘る・盛る・建てる」だけを規制する――と趣旨から理解すれば、丸暗記は不要です。
    「河川保全区域内において、土石を採取する場合は河川管理者の許可を受けなければならない」→ 。土石の採取(第25条)は河川区域内の話です。河川保全区域の規制は「土地の形状変更」と「工作物の新築・改築」の2つ。ただし、採取のために土地を掘削すれば「土地の掘削」として許可が必要になる、という理屈は成り立ちます。

    7-2 許可を受けた後の手続 ― 完了の届出

    第26条や第27条の許可を受けて工事を行った者は、その工事を完了したときは、遅滞なく河川管理者に届け出なければなりません(河川法施行令等)。また、河川管理者は完了検査を行います。

    あわせて、次の点も押さえておきましょう。

    • 許可には条件(工事の時期、施工方法、出水期の作業制限など)を付すことができる
    • 許可を受けた権利(流水占用権・土地占用権)は、河川管理者の承認を受けて譲渡できる
    • 河川管理者は、河川法に違反した者に対し、工事の中止、工作物の改築・除却、原状回復等を命ずることができる(監督処分
    • 非常災害のため緊急を要する場合は、許可を受けずに応急の工事を行い、事後に遅滞なく河川管理者に届け出る

    8河川管理施設・兼用工作物・その他の実務論点

    8-1 河川管理施設とは

    河川管理施設
    ダム、堰、水門、堤防、護岸、床止め、樹林帯その他、河川の流水によって生ずる公利を増進し、または公害を除却・軽減する効用を有する施設のこと。
    重要な限定河川管理者以外の者が設置した施設については、その者の同意を得て河川管理者が管理するものに限り、河川管理施設となります。つまり、民間が勝手に造った堤防状のものは、自動的には河川管理施設になりません
    代表例:堤防・護岸・水門・樋門・樋管・床止め・堰・ダム・排水機場など。
    樋門(ひもん)・樋管(ひかん)
    堤防を横断して設けられる、堤内地の排水を河川に流すための施設。堤防に穴を開ける構造なので、洪水時に河川の水が逆流しないようゲート(ひ門)を閉じるのが役割です。河川管理施設にあたります。
    床止め(とこどめ)
    河床が洗掘されて下がっていくのを防ぐため、河床を横断して設ける施設。落差工・帯工などがあります。これも河川管理施設です。

    8-2 兼用工作物(第17条)

    兼用工作物
    河川管理施設と、他の工作物(道路・鉄道・堤防道路など)とが、相互に効用を兼ねるもの。
    典型例:堤防の天端(てんば)が道路になっている(堤防道路)堰と道路橋が一体になっているなど。
    管理:河川管理者と、他の工作物の管理者(道路管理者など)が協議して、その管理方法を定めることができます。どちらか一方が単独で管理するのではなく、協議によって定めるのがポイント。
    兼用工作物のキーワードは「協議して管理方法を定める」「河川管理者が単独で管理する」という選択肢は✕。堤防の上の道路は、河川管理者と道路管理者の両方に関係する――それを協議で整理する、というシンプルな話です。

    8-3 その他の実務論点

    項目内容
    河川台帳河川管理者は、その管理する河川の河川台帳(河川現況台帳・水利台帳)を調製し、保管しなければならない
    河川管理施設等の操作ダム・堰等の操作規則を定め、洪水時には関係都道府県知事等への通知・一般への周知を行う
    河川保全立体区域・河川立体区域地下に河川(地下河川)を設ける場合など、立体的に区域を指定する制度がある
    洪水調節・洪水予報国土交通大臣は、気象庁長官と共同して洪水予報を行う(指定河川洪水予報)
    許可工作物の維持管理第26条の許可を受けて工作物を設置した者は、その工作物を良好な状態に維持管理する義務を負う
    工事完了の届出許可を受けた工事が完了したときは、遅滞なく河川管理者に届け出て、検査を受ける

    9頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    二級河川は、国土交通大臣が指定し、管理する二級河川は都道府県知事が指定・管理する。大臣は一級河川
    一級河川の管理は、すべて国土交通大臣が行う一級河川のうち指定区間の管理は都道府県知事に委任される
    準用河川および普通河川には、河川法が適用される準用河川は「準用」普通河川には河川法の適用がない(市町村の条例で管理)
    堤外地とは、堤防で洪水から守られている居住側の土地をいうそれは堤内地堤外地=水が流れる側(河川区域側)
    河川区域内の土地であっても、民有地であれば所有者は許可なく占用できる民有地であっても、河川区域内なら河川管理者の許可が必要(第24条)
    河川区域内の地下に埋設する工作物は、地表を使用しないので許可は不要である地下も河川区域許可が必要(第26条)
    河川区域の上空を横断して送電線を架設する場合、許可は不要である上空も河川区域許可が必要(第26条)
    工事のための仮設工作物(仮橋・仮締切・工事用道路・足場・板囲い)は、仮設なので許可は不要である仮設工作物も第26条の許可が必要
    河川区域内の既設の工作物を除却する場合は、許可は不要である第26条は「新築し、改築し、又は除却しようとする者」除却にも許可が必要
    河川保全区域は、河川区域の境界から100mを超えない範囲で指定される原則50mを超えてはならない(地形・地質等でとくに必要やむを得ない場合のみ超えられる)
    河川保全区域内で耕うんを行う場合は、河川管理者の許可が必要である耕うんは許可不要(河川区域内でも保全区域内でも)
    河川保全区域内において、土石を採取する場合は許可が必要である土石の採取(第25条)は河川区域内の規制。保全区域の規制は形状変更と工作物の新築・改築の2つ
    河川区域内で砂利を採取するのに許可がいるのは、国有地の場合だけである土地の所有関係にかかわらず許可が必要(第25条)
    河川区域内で竹木を伐採する場合、許可は不要である第27条により原則として許可が必要(政令で定める軽易なもののみ除外)
    兼用工作物(堤防道路など)は、河川管理者が単独で管理する河川管理者と他の工作物の管理者が協議して管理方法を定める(第17条)
    河川予定地においては、土地の掘削や工作物の新築を自由に行うことができる河川予定地でも土地の掘削・盛土・切土、工作物の新築・改築には許可が必要(第57条)
    河川法の目的は、洪水防御(治水)のみである治水・利水(適正な利用・流水の正常な機能の維持)・河川環境の整備と保全の総合的管理(第1条)
    河川管理施設とは、河川管理者以外の者が設置した施設すべてを含む河川管理者以外の者が設置した施設は、その者の同意を得て河川管理者が管理するものに限り河川管理施設となる

    10章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。「どの区域の話か」と「許可が要るか要らないか」の2点を、必ず言えるようにしましょう。

    1. 一級河川の管理は国土交通大臣が行うが、そのうち指定区間については都道府県知事が行う。
      答: ○ ― 一級河川=国土交通大臣(指定区間は都道府県知事に委任)、二級河川=都道府県知事、準用河川=市町村長。この3段階を確実に。
    2. 河川区域内の土地であっても、民有地であれば、その所有者は河川管理者の許可を受けることなく土地を占用することができる。
      答: ✕民有地であっても、河川区域内であれば河川管理者の許可が必要です(第24条)。所有権があることと、河川法の許可が要らないことは別問題です。
    3. 河川区域内の地下に工作物を埋設する場合、および河川区域の上空を横断して送電線を架設する場合は、いずれも河川管理者の許可を受けなければならない。
      答: ○河川区域は立体的な空間です。地下も上空も河川区域であり、いずれも第26条(工作物の新築等)の許可が必要です。
    4. 河川区域内に工事用の仮設道路や足場、板囲いを設ける場合は、工事完了後に撤去する仮設の工作物であるから、河川管理者の許可は不要である。
      答: ✕仮設工作物も第26条の許可の対象です。仮締切・仮橋・工事用道路・足場・板囲い・現場事務所、いずれも許可が必要。「仮設だから不要」は最頻出のワナです。
    5. 河川区域内にある既設の水門を撤去(除却)する場合は、新たに構造物を造るわけではないので、河川管理者の許可は不要である。
      答: ✕ ― 第26条は「新築し、改築し、又は除却しようとする者」と定めています。除却にも許可が必要です。
    6. 河川保全区域は、河岸または河川管理施設を保全するため、河川区域の境界から50mを超えない範囲で指定するのが原則である。
      答: ○ ― 原則50m以内。ただし、地形・地質等の状況によりとくに必要やむを得ないと認められる場合は、50mを超えて指定できます
    7. 河川保全区域内において耕うんを行う場合は、河川管理者の許可を受けなければならない。
      答: ✕耕うんは許可不要です。河川保全区域で許可が必要なのは、①土地の掘削・盛土・切土その他土地の形状を変更する行為、②工作物の新築・改築の2つ。なお、深さ1m以内の掘削・切土、高さ3m以内の盛土なども許可不要とされています。
    8. 河川区域内の土地において砂利を採取しようとする者は、その土地が自己の所有地であっても、河川管理者の許可を受けなければならない。
      答: ○ ― 第25条(土石等の採取)です。砂利は「土石」に含まれます。土地の所有関係にかかわらず許可が必要という点は、第24条(土地の占用)と共通の考え方です。
    9. 堤防と道路が一体となっている兼用工作物については、河川管理者が単独でその管理方法を定める。
      答: ✕河川管理者と他の工作物の管理者(道路管理者)が協議して管理方法を定めることができます(第17条)。「単独で」「河川管理者が優先して」といった書きぶりはすべて✕です。
    10. 河川法の目的には、洪水等による災害の発生の防止のほか、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持、および河川環境の整備と保全が含まれる。
      答: ○ ― 第1条の4本柱、すなわち治水・利水・環境です。「河川環境の整備と保全」は1997年(平成9年)の改正で加わりました。この語が抜けている選択肢は✕になります。
    河川法の要点を最後に1行で。目的=治水・利水・環境/管理者=一級は大臣(指定区間は知事)・二級は知事・準用は市町村長・普通は適用なし/堤外地=水の側/河川区域=立体(地下も上空も)・民有地でも許可要/第23条流水・第24条土地・第25条土石・第26条工作物(除却・仮設も)・第27条形状変更と竹木/河川保全区域=原則50m以内・形状変更と工作物の新築改築のみ許可・耕うんは不要。試験直前はこの1行を見返せば十分です。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の使い方など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ
  • 【1級土木施工管理技士】道路関係法令を徹底攻略!占用許可・車両制限令・道路使用許可のすべて

    BUILDNA
    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 道路関係法令 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「道路関係法令」を徹底攻略!
    占用許可・車両制限令・道路使用許可を1本で押さえる

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。全問を解く必要がないぶん、「この法令なら絶対に落とさない」という得点源をいくつ作れるかが勝負です。その有力候補が道路関係法令です。

    道路関係法令からは、毎年1問が安定して出題されます。しかも、出題される論点は① 道路の占用許可(道路法第32条)、② 道路管理者以外の者が行う工事(第24条承認工事)、③ 道路の掘削・埋戻しなど工事の方法(道路法施行令)、④ 車両制限令の一般的制限値(幅2.5m・長さ12m・高さ3.8m・総重量20t…)、⑤ 道路使用許可(道路交通法第77条)との二重許可、の5つにほぼ固定されています。過去問の焼き直しが極めて多く、数字を覚えるだけで1点取れるコストパフォーマンス抜群の分野です。

    逆にいえば、落とし穴もはっきりしています。最大の混乱ポイントは「誰に許可をもらうのか」。道路法は道路管理者、道路交通法は警察署長――この2つがごちゃまぜになる選択肢が毎年のように仕込まれています。この記事では、条文の趣旨から数値、そして「誰に・何を・いつ」までを図と表で整理します。ひっかけ総まとめと一問一答10問まで通して読めば、道路関係法令の1問は確実に拾えます。

    1道路法の目的と道路の種類 ―「4種類+道路管理者」

    1-1 道路法の目的(第1条)

    道路法の目的は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定および認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することです。

    ここで大切なのは、道路法が守ろうとしているのが「道路そのものの構造」と「一般交通」だという点です。道路はみんなが自由に通行するための公共物ですから、そこに電柱を立てたり、管を埋めたり、掘り返したりする行為は、本来は道路の目的外の使用です。だからこそ「許可」が要る――この発想が分かっていれば、占用許可も承認工事も、条文を暗記せずに解けるようになります。

    道路(道路法上の道路)
    一般交通の用に供する道で、次の4種類をいいます。トンネル、橋、渡船施設、道路用エレベーター等の道路と一体となってその効用を全うする施設・工作物、および道路の附属物も道路に含まれます。私道・農道・林道・港湾道路は道路法上の道路ではありません
    道路の附属物
    道路の構造の保全、安全かつ円滑な道路の交通の確保、その他道路の管理上必要な施設・工作物。道路標識、道路情報管理施設、道路案内標識、さく・駒止、街灯、並木、防雪林、自動車駐車場・自転車駐車場、共同溝などが該当します。
    道路管理者
    道路の管理を行う者。道路の種類ごとに決まっています(下表)。占用許可・承認工事の許可・特殊車両通行許可を出すのは、すべてこの道路管理者です。

    1-2 道路の4種類と管理者

    道路の種類路線の指定・認定道路管理者(原則)
    高速自動車国道国土交通大臣が路線を指定国土交通大臣(実際の管理は高速道路会社に行わせる)
    一般国道政令で路線を指定国土交通大臣(指定区間)/都道府県知事・指定市の市長(指定区間外)
    都道府県道都道府県知事が路線を認定都道府県(知事)
    市町村道市町村長が路線を認定市町村(市町村長)
    道路は「高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道」の4種類だけ。「高・国・県・市」と唱えて覚えます。私道・農道・林道は道路法上の道路ではありません。この4種類以外を混ぜてくる選択肢は即座に✕にできます。
    「道路法上の道路には、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道のほか、農道および林道が含まれる」→ 農道・林道・私道は道路法の道路ではありません(農道は土地改良法、林道は森林法に基づく施設)。

    2道路の占用許可(第32条)―「土木で最頻出」

    2-1 占用とは何か

    道路法第32条は、道路に一定の工作物・物件・施設を設けて、継続して道路を使用しようとする場合は、道路管理者の許可を受けなければならないと定めています。これが道路の占用許可です。

    道路の占用
    道路に工作物・物件・施設を設けて、継続して道路を使用すること。「継続して」「物を設けて」の2つが要件です。許可権者は道路管理者(警察署長ではありません)。

    占用の対象となる物件は、条文にずらりと列挙されています。土木の試験で問われるのは次のとおりです。

    占用物件(第32条第1項)
    1号電柱、電線、変圧塔、郵便差出箱、公衆電話所、広告塔 その他これらに類する工作物
    2号水管、下水道管、ガス管 その他これらに類する物件
    3号鉄道、軌道、自動運行補助施設 その他これらに類する施設
    4号歩廊、雪よけ その他これらに類する施設
    5号地下街、地下室、通路、浄化槽 その他これらに類する施設
    6号露店、商品置場 その他これらに類する施設
    7号前各号に掲げるものを除くほか、道路の構造または交通に支障を及ぼすおそれのある工事用板囲、足場、詰所その他の工事用施設および土石、竹木、瓦その他の工事用材料

    土木施工管理の受験生にとって決定的に重要なのは7号です。工事のために道路上に置く工事用板囲・足場・詰所(現場事務所)・工事用材料の仮置きは、すべて占用許可の対象になります。「うちは道路に何も埋めないから占用許可は不要」ではないのです。

    占用許可が要るものの覚え方:「上に立てる(電柱・看板)/下に埋める(水道管・ガス管・下水道管)/道路上に置く(足場・板囲い・詰所・材料)」。この3パターンはすべて占用許可の対象です。共通するキーワードは「継続して」。一瞬通り過ぎるだけの行為は占用にはあたりません。

    2-2 占用許可の申請事項(第32条第2項)

    占用許可を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を道路管理者に提出しなければなりません。この7項目はそのまま選択肢になります。

    申請書の記載事項
    道路の占用の目的
    道路の占用の期間
    道路の占用の場所
    工作物、物件または施設の構造
    工事実施の方法
    工事の時期
    道路の復旧方法
    申請事項は「目的・期間・場所・構造・方法・時期・復旧」の7つ。「モク・キ・バ・コウ・ホウ・ジ・フク」とリズムで唱えると入ります。とくに「道路の復旧方法」が抜けている選択肢や、「工事に要する費用」「請負業者の商号」など条文にない項目を混ぜた選択肢が定番です。

    また、占用の場所が道路の敷地外に余地がなく、やむを得ない場合には、占用の許可基準が緩和されます(第33条)。逆にいえば、道路の敷地外に余地があれば、そちらに置くのが原則ということです。

    「道路の占用の許可を受けようとする者は、所轄警察署長に申請書を提出しなければならない」→ 。占用許可の申請先は道路管理者です。警察署長に出すのは道路使用許可(道路交通法第77条)のほう。この入れ替えは毎年のように出ます

    2-3 占用許可の変更・その他の手続

    場面手続
    占用の場所・期間・構造・工事方法などを変更しようとするときあらためて道路管理者の許可を受ける(第32条4項)
    占用工事を完了したとき道路管理者にその旨を通知(届出)し、道路管理者の検査を受ける
    占用期間が満了したとき/占用を廃止したとき工作物・物件・施設を除却し、道路を原状に回復しなければならない(第40条)。ただし原状回復が不適当な場合は道路管理者の承認を受けて別の措置
    非常災害による復旧工事等で緊急を要する場合あらかじめ道路管理者に申し出ることで、許可を受けずに占用できる(第35条の2等の特例)。ただし事後の届出は必要
    占用料道路管理者は、占用者から占用料を徴収することができる(国・地方公共団体等は免除される場合あり)

    なお、国の機関または地方公共団体が道路を占用しようとする場合は、許可ではなくあらかじめ道路管理者に協議し、その同意を得ることで足ります(第35条)。ここも「許可を受けなければならない」と書いた選択肢が✕になるポイントです。

    3占用許可の基準と工事の実施方法(施行令)

    3-1 占用の場所に関する基準

    道路法施行令には、占用物件を置いてよい場所の基準が細かく定められています。基本的な考え方は「道路の交通に支障を与えず、将来の道路工事の妨げにならない場所に置け」です。

    占用物件場所の基準(原則)
    電柱・電線・水道管・ガス管・下水道管など原則として歩道の地下・地上。歩道がない場合は車道以外の道路の部分。やむを得ない場合に限り車道に設ける
    地下に設ける管類の埋設深さ原則として、車道部では路面から管の頂部まで1.2m(工事実施上やむを得ない場合は0.6m)以下としない歩道部では0.5m(同0.3m)以下としない(電線・水管・ガス管等の類型により基準が異なる)
    工事用施設・材料(板囲い・足場・詰所)道路の構造または交通に支障を及ぼさない場所とし、交通に必要な幅員を確保する
    埋設深さの原則は「車道は1.2m、歩道は0.5m」。「浅く埋めると重い車の輪荷重で管が壊れる/将来の切削オーバーレイで傷つく」から深くする、と理由とセットで覚えると忘れません。

    3-2 工事実施方法の基準(施行令第13条)

    占用工事を行うときの施工方法にも、政令で明確な基準があります。ここは第一次検定で最も頻繁に問われるパートです。

    項目基準
    掘削の方法溝掘り、つぼ掘りまたは推進工法等とし、えぐり掘り(アンダーカット)をしてはならない
    沿道の建物・工作物への配慮湧水・汚水を路面に排出しないよう措置し、道路の排水を妨げないこと
    土砂の飛散防止掘削土砂の流出、飛散を防ぐ措置を講ずる
    覆工(ふっこう)道路の交通に支障を及ぼすおそれのある掘削部分には、原則として道路の交通を確保するための覆工を行う
    埋戻し掘削面積を最小限度にとどめ、埋戻しは、掘削した土砂を用いて厚さ30cm以下の層ごとに行い、各層ごとに十分に締め固める
    仮復旧原則として、当日の作業完了後(その日の工事終了後)に仮復旧を行い、一般交通に供する
    保安施設工事現場には、さく・覆い・道路標識・保安灯等を設け、夜間においても交通の危険を防止する。工事責任者の氏名等を記載した標示板を掲示する
    道路標識等の移設道路標識・区画線・道路の附属物を撤去・移設する必要がある場合は、あらかじめ道路管理者の指示を受ける
    えぐり掘り(アンダーカット)
    地表付近を残したまま、その下側だけを横に掘り進める掘り方。上部が庇(ひさし)状に残るため、崩落の危険が極めて高く、政令で明確に禁止されています。
    覆工(ふっこう)
    掘削した部分に覆工板(鋼製のふた)を架け渡して、その上を車や人が通れるようにすること。道路の交通を止めずに地下工事を進めるための手法です。
    仮復旧・本復旧
    仮復旧は、その日の工事が終わった時点で、通行できる状態に一時的に舗装を戻すこと。本復旧は、埋戻し土の沈下が落ち着いてから行う正式な舗装復旧。仮復旧の状態でも、路面の平坦性を確保して段差をつくらないのが原則です。
    「埋戻しは、掘削した土砂を用いて厚さ50cm以下の層ごとに行い、各層ごとに締め固める」→ 。正しくは30cm以下の層ごとです。「50cm」「1m」に書き換えるのが定番。「サンジュウ・ソウ・シメカタメ」と唱えましょう。
    「掘削は、埋設物の位置が不明な場合には、えぐり掘りにより周辺の地盤を残しながら慎重に行う」→ えぐり掘りは政令で禁止されています。掘削は溝掘り・つぼ掘り・推進工法で行います。

    4道路の掘削・埋戻し・仮復旧 ―「30cm以下の層ごと」

    4-1 一日の工事が終わったら仮復旧

    道路占用工事の大原則は、「その日の工事が終わったら、道路を通行できる状態に戻す」ことです。道路は市民の生活基盤ですから、何日も掘りっぱなしにしておくことは許されません。

    • やむを得ない理由により、工事をその日のうちに完了できない場合は、仮復旧を行って一般交通に供する
    • 仮復旧の路面は、周囲の路面と段差を生じないよう平坦に仕上げる
    • 掘削部分に埋設物があるときは、その保安に必要な措置を講じる(吊り防護・受け防護など)
    • 掘削部分に近接して水道管、下水道管、ガス管、電気・電話ケーブル等の埋設物があると認められるときは、道路管理者およびその埋設物の管理者と協議し、立会いを求める

    4-2 道路標識・保安施設

    工事現場には、交通の危険を防止するための保安施設を必ず設けます。夜間・悪天候でも視認できることが要件です。

    保安施設役割・基準
    さく(バリケード)・囲い工事区域と一般交通を物理的に分離する
    保安灯・回転灯夜間の視認性を確保する。夜間は赤色または黄色の灯火を用いる
    道路標識・道路標示・区画線迂回・徐行・幅員減少などを予告する。工事のために既存の標識・区画線を撤去・移設する必要がある場合は、あらかじめ道路管理者の指示を受ける
    工事標示板工事の内容、期間、工事責任者の氏名・連絡先、道路管理者名などを表示する
    交通誘導警備員片側交互通行や車両の出入りを安全に誘導する

    4-3 本復旧(舗装復旧)

    埋戻しが終わって沈下が落ち着いたら、本復旧として舗装をやり直します。復旧の範囲や構成(表層・基層・路盤の厚さ)は、道路管理者が定める復旧基準に従います。占用者は、道路管理者の承認を受けて自ら復旧するか、道路管理者に復旧を行わせて費用を負担するかのいずれかとなります。

    占用工事の流れ:①占用許可(道路管理者)+道路使用許可(警察署長)→ ②掘削(えぐり掘り禁止)→ ③埋設 → ④埋戻し(30cm以下の層ごと締固め)→ ⑤その日のうちに仮復旧 → ⑥本復旧 → ⑦完了の届出・検査。この一連の流れを頭に入れておけば、順序を入れ替えたひっかけにも対応できます。

    5道路管理者以外の者の行う工事(第24条承認工事)

    道路法第24条は、道路管理者以外の者は、道路管理者の承認を受けなければ、道路に関する工事または道路の維持を行ってはならないと定めています。これを承認工事(24条工事)といいます。

    承認工事(道路法第24条)
    道路管理者以外の者が、道路そのものを造ったり改築したりする工事を行うこと。道路管理者の承認が必要です。
    具体例:沿道の商業施設が来客用に歩道を切り下げて乗入口をつくる工事、開発事業者が交差点に右折レーンを増設する工事道路の拡幅・法面保護工事など。
    占用許可(第32条)との違い:占用は「道路に自分の物を置いて使う」、承認工事は「道路そのものを造り替える」。物件を置くのが占用、道路の構造をいじるのが承認工事です。
    比較項目占用許可(第32条)承認工事(第24条)
    行為の中身道路に物件を設けて継続使用する道路に関する工事・維持を道路管理者以外の者が行う
    手続道路管理者の許可道路管理者の承認
    電柱、水道管、ガス管、足場、板囲い、工事用材料の仮置き歩道の切下げ、乗入口の設置、右折レーンの増設、道路の拡幅
    費用占用料を徴収されることがある工事費用は原則としてその工事を行う者の負担
    許可」は占用(32条)、「承認」は工事(24条)。用語がきれいに使い分けられているので、「オクは許可、コウジは承認」で覚えます。なお、どちらも相手は道路管理者です。
    「歩道の切下げ工事(乗入口の設置)を行う場合は、道路管理者の占用許可を受けなければならない」→ 。歩道の切下げは道路の構造を変える工事なので、第24条の承認です(占用ではありません)。

    6車両制限令 ―「一般的制限値」を丸暗記する

    6-1 車両制限令とは

    車両制限令は、道路法第47条に基づく政令で、道路の構造を保全し、交通の危険を防止するため、道路を通行できる車両の大きさ・重さの限度を定めています。これを一般的制限値といいます。

    一般的制限値
    車両制限令が定める、道路を自由に通行できる車両の大きさ・重さの上限1つでも超えると「特殊車両」となり、道路管理者の特殊車両通行許可が必要になります。
    軸重(じくじゅう)・輪荷重(りんかじゅう)
    軸重=1本の車軸にかかる荷重(左右のタイヤの合計)。輪荷重=1つの車輪にかかる荷重。軸重10t、輪荷重5tと覚えれば、軸重=輪荷重×2の関係が自然に理解できます。舗装や橋の設計はこの軸重を基準にしています。

    6-2 一般的制限値の一覧【最重要・丸暗記】

    項目一般的制限値備考
    2.5 m
    長さ12.0 mセミトレーラ連結車・フルトレーラ連結車は別途の基準(最大16.5m/18m等)
    高さ3.8 m
    高さ指定道路では4.1 m
    高さ指定道路=道路管理者が指定した、4.1mまで通行可能な道路
    総重量20 t
    重さ指定道路では25 t
    高速自動車国道・重さ指定道路では最大25t(車両の長さ・軸距に応じる)
    軸重10 t1本の車軸にかかる重さ
    輪荷重5 t1つの車輪にかかる重さ
    隣接軸重隣り合う車軸の軸距により18 t または 20 t軸距1.8m未満は18t、1.8m以上は20t(一定条件で20t)
    最小回転半径12.0 m車両の最外側のわだちについて測定する
    車両制限令の一般的制限値(丸暗記の対象) 路面 総重量 20 t 高さ 3.8 m 長さ 12.0 m 軸重 10 t / 輪荷重 5 t その他 幅 2.5 m 最小回転半径 12.0 m 高さ指定道路 → 4.1 m 重さ指定道路 → 25 t
    図1 車両制限令の一般的制限値(幅2.5m・長さ12m・高さ3.8m・総重量20t・軸重10t・輪荷重5t・最小回転半径12m)
    一般的制限値の語呂は「ニコ(2.5)・ジュウニ(12)・サンパチ(3.8)・ニジュウ(20)・ジュウ(10)・ゴ(5)・ジュウニ(12)」
    2.5/長さ12/高さ3.8/総重量20/軸重10/輪荷重5/最小回転半径12
    そして指定道路の緩和は2つだけ:高さ指定道路=4.1m、重さ指定道路=25t。この2つは指定を受けた道路でしか使えません
    「車両の高さの一般的制限値は、4.1mである」→ 。原則は3.8mです。4.1mは高さ指定道路の場合。「原則」と「指定道路」を入れ替えるのが定番のワナです。
    「車両の輪荷重の一般的制限値は10tである」→ 輪荷重は5t、軸重が10tです。「輪(1つ)=5t、軸(2輪)=10t」とセットで押さえます。

    7特殊車両通行許可と制限外積載許可 ―「許可権者の違い」

    7-1 特殊車両通行許可(道路法第47条の2)

    一般的制限値を1つでも超える車両特殊車両となり、そのままでは道路を通行できません。ただし、道路管理者が、道路の構造を保全し交通の危険を防止する上でやむを得ないと認めるときは、必要な条件を付して通行を許可できます。

    特殊車両通行許可
    一般的制限値を超える車両(大型建設機械の輸送、長尺の橋桁・鋼材の運搬など)が道路を通行するための許可。
    ・許可権者:道路管理者警察署長ではありません
    ・通行する道路が2以上の道路管理者にまたがる場合は、いずれか1つの道路管理者に申請すれば足りる(一括申請)
    ・許可を受けた者は、通行時に許可証を車両に備え付けなければならない
    ・道路管理者は、通行の時間・経路・道路の補強、誘導車の配置等の条件を付すことができる

    7-2 制限外積載許可(道路交通法第57条)

    一方、積載物の重量・大きさ・積載方法の制限を超えて積載する場合は、道路交通法の世界です。この許可を出すのは出発地を管轄する警察署長です。

    許可の名称根拠法許可権者対象
    特殊車両通行許可道路法 第47条の2道路管理者一般的制限値(幅2.5m・長さ12m・高さ3.8m・総重量20t等)を超える車両の通行
    制限外積載許可道路交通法 第57条出発地を管轄する警察署長積載物の重量・大きさ・積載方法の制限を超える積載
    道路使用許可道路交通法 第77条所轄警察署長道路における工事・作業・工作物の設置
    道路占用許可道路法 第32条道路管理者道路に物件を設けて継続して使用すること
    許可権者の切り分けは「道路法=道路管理者、道路交通法=警察署長」法律名から許可権者が一発で分かるのがミソです。ただし例外的に、制限外積載許可だけは「出発地を管轄する警察署長」という点に注意。通行する道路の途中を管轄する署でも、目的地の署でもありません。

    7-3 積載の制限(道路交通法第57条・施行令)

    普通に走行する場合の、積載物の大きさの上限も出題されます。

    項目積載の制限(自動車の場合)
    長さ自動車の長さにその長さの10分の2(=1.2倍)を加えた長さを超えないこと
    自動車の幅にその幅の10分の2(=1.2倍)を加えた幅を超えないこと
    高さ3.8 m(高さ指定道路を通行する場合は4.1m)から、その自動車の積載をする場所の高さを減じたもの
    はみ出し(積載方法)長さは自動車の前後から車体の長さの10分の1まで、幅は左右から車体の幅の10分の1まで、はみ出してよい
    積載制限は「長さも幅も 1.2倍(10分の2増し)まで、高さは地面から3.8m」。高さは「荷物の高さ」ではなく「地面から荷物の頂部まで」である点に注意。荷台の高さがある車ほど、積める荷物の高さは小さくなります。

    7-4 過積載の禁止と使用者責任

    道路交通法では、過積載を厳しく規制しています。責任を負うのは運転者だけではありません。

    • 運転者:過積載をして車両を運転してはならない(第57条)
    • 車両の使用者(会社):運転者に過積載運転を命じ、または容認してはならない。警察署長は、使用者に対し過積載の再発防止措置を命ずる(使用者に対する指示)ことができる(第58条の5)
    • 荷主荷主が過積載を要求(下命・容認)した場合、警察署長は荷主に対し再発防止を命ずることができる(第58条の5第2項)
    • 警察官は、過積載の車両の運転者に対し、積載物の重量を測定するために必要な措置を命じ、応急の措置(積載物の一部を下ろすなど)を命ずることができる(第58条の2・第58条の3)
    「過積載の責任を問われるのは運転者のみであり、車両の使用者や荷主が責任を問われることはない」→ 使用者(会社)・荷主も規制の対象です。警察署長は使用者や荷主に対して再発防止措置を命ずることができます。

    8道路交通法との関係 ―「道路使用許可」との二重許可

    8-1 道路使用許可(道路交通法第77条)

    道路交通法第77条は、次の行為をしようとする者は所轄警察署長の許可を受けなければならないとしています。

    道路使用許可が必要な行為
    1号道路において工事もしくは作業をしようとする者、またはその請負人
    2号道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者
    3号場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする者
    4号道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする者で、公安委員会が定めるもの
    道路使用許可
    道路交通法第77条に基づき、道路上で工事・作業・工作物の設置等を行うために、所轄警察署長から受ける許可。目的は交通の安全と円滑の確保です。
    道路占用許可との違い:占用許可(道路法)は「道路という財産の目的外使用」を管理者が認めるもの、道路使用許可(道路交通法)は「交通への支障」を警察が審査するもの。目的が違うので、両方必要になります

    8-2 二重許可の関係 ―「両方いる」

    道路を掘削してガス管を埋める工事を考えてみましょう。この工事には、

    • 道路法第32条の占用許可(=道路にガス管という物件を設けて継続して使う)
    • 道路交通法第77条の道路使用許可(=道路上で工事という作業をする)

    両方が必要です。目的も根拠法も許可権者も違うので、どちらか一方で足りるということはありません

    ただし、手続を簡略化するしくみがあります。道路占用許可の申請書を道路管理者に提出する際に、あわせて道路使用許可の申請書を提出することができ、道路管理者がこれを警察署長に送付してくれるのです(道路法第32条第4項ほか)。逆に、道路使用許可の申請書を警察署長に提出する際に、占用許可の申請書を併せて提出し、警察署長から道路管理者に送付してもらうこともできます(道路交通法第78条第2項)。これは「窓口を1つにできる」という話であって、許可が1つで済むという話ではありません。

    道路工事に必要な「二重の許可」 道路を掘削して ガス管を埋設する工事 ① 道路占用許可 道路法 第32条 道路管理者 目的:道路という財産の管理 ② 道路使用許可 道路交通法 第77条 所轄警察署長 目的:交通の安全と円滑 → 両方とも必要(どちらか一方では足りない)
    図2 道路占用許可(道路管理者)と道路使用許可(警察署長)の二重許可
    「道路法の占用許可を受けていれば、道路交通法の道路使用許可を受ける必要はない」→ 両方必要です。根拠法・目的・許可権者がすべて異なります。「一方の申請書をもう一方の窓口に出せる(経由できる)」という手続の簡略化を、「片方で足りる」とすり替えるのが典型的なワナです。

    8-3 その他の道路交通法の論点

    項目内容
    道路使用許可の条件警察署長は、許可に道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るために必要な条件を付すことができる。条件に違反した場合は許可の取消し・条件の変更がありうる
    工事等の届出(第80条)道路管理者が道路に関する工事を行おうとするときは、あらかじめ所轄警察署長に通知しなければならない(道路管理者自身が行う工事は「許可」ではなく「通知」)
    交通規制信号機・道路標識等による交通規制は都道府県公安委員会が行う(警察署長ではない)
    沿道区域(道路法第44条)道路管理者は、道路の構造に及ぼすべき損害を防止するため、道路の区域外の一定の区域を沿道区域として指定できる(道路の境界から20mを超えない範囲)。沿道区域内の土地・工作物の管理者は、損害を防止する義務を負う
    「道路管理者やる工事」なら警察署長への通知、「道路管理者以外がやる工事」なら警察署長の許可。役所どうしは「通知」で足り、民間は「許可」を要する――役所と民間の非対称性が、道路関係法令の随所に出てきます(占用も、国・地方公共団体は「協議・同意」で足りましたね)。

    9頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    道路の占用許可の申請書は、所轄警察署長に提出する占用許可(道路法第32条)の申請先は道路管理者。警察署長は道路使用許可(道路交通法第77条)
    道路占用許可を受けていれば、道路使用許可は不要である両方必要。根拠法・目的・許可権者がすべて異なる(片方の窓口で申請書を経由できるだけ)
    占用許可の申請書には、占用の目的・期間・場所・物件の構造を記載すればよく、道路の復旧方法は記載不要である記載事項は目的・期間・場所・構造・工事実施の方法・工事の時期・道路の復旧方法の7つ
    道路の掘削は、埋設物を傷つけないようえぐり掘りで慎重に行うえぐり掘りは政令で禁止溝掘り・つぼ掘り・推進工法による
    埋戻しは、掘削した土砂を用いて厚さ50cm以下の層ごとに締め固める30cm以下の層ごとに、各層ごとに十分に締め固める
    掘削工事は、工事が完了するまで掘削したまま放置し、工事完了後に一括して復旧すればよい原則としてその日の工事終了後に仮復旧を行い、一般交通に供する
    歩道の切下げ工事を行う場合は、道路管理者の占用許可を受ける道路の構造を変える工事なので、道路法第24条の承認(承認工事)
    車両の高さの一般的制限値は4.1mである原則3.8m。4.1mは高さ指定道路を通行する場合
    車両の輪荷重の一般的制限値は10tである輪荷重は5t軸重が10t
    車両の総重量の一般的制限値は、すべての道路で25tである原則20t。25tは高速自動車国道・重さ指定道路の場合
    車両の最小回転半径の一般的制限値は10mである12m(車両の最外側のわだちについて測定)
    特殊車両の通行許可は、警察署長が行う特殊車両通行許可(道路法第47条の2)は道路管理者。警察署長は制限外積載許可(道路交通法第57条)
    制限外積載の許可は、到着地を管轄する警察署長に申請する出発地を管轄する警察署長
    通行する道路が2以上の道路管理者にまたがる場合、それぞれの道路管理者から個別に特殊車両通行許可を受けるいずれか1つの道路管理者に申請すれば足りる(一括申請)
    過積載の責任を問われるのは運転者のみである車両の使用者(会社)・荷主も規制の対象。警察署長は再発防止措置を命ずることができる
    道路法上の道路には、農道・林道が含まれる道路は高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道の4種類のみ
    工事用の板囲い・足場・材料置場を道路上に設ける場合、占用許可は不要であるこれらは第32条第1項7号の占用物件占用許可が必要
    占用期間が満了したときは、物件をそのまま残しておいてよい占用者は物件を除却し、道路を原状に回復しなければならない(第40条)

    10章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。「誰に許可をもらうのか」と「数値」の2点を、必ず言えるようにしましょう。

    1. 道路に電柱、水管、ガス管、下水道管を設けて継続して道路を使用しようとする者は、道路管理者の許可を受けなければならない。
      答: ○ ― 道路法第32条の占用許可です。許可権者は道路管理者。警察署長ではありません。
    2. 道路の占用の許可を受けようとする者が道路管理者に提出する申請書には、道路の占用の目的、期間、場所、工作物等の構造、工事実施の方法、工事の時期、道路の復旧方法を記載しなければならない。
      答: ○ ― この7項目がそのまま条文です。とくに「道路の復旧方法」を落とした選択肢がよく出るので、必ずセットで覚えましょう。
    3. 道路を掘削する場合、埋戻しは掘削した土砂を用いて、厚さ50cm以下の層ごとに行い、各層ごとに十分に締め固めなければならない。
      答: ✕ ― 正しくは30cm以下の層ごとです。50cmや1mに書き換えるひっかけが定番。また、掘削の方法は溝掘り・つぼ掘り・推進工法とし、えぐり掘りは禁止されています。
    4. 道路占用工事において、やむを得ない理由により工事を当日中に完了できない場合は、工事が完了するまでの間、掘削部分をそのまま囲っておけばよい。
      答: ✕ ― 原則としてその日の工事終了後に仮復旧を行い、一般交通に供する必要があります。仮復旧の路面は周囲と段差を生じないよう平坦に仕上げます。
    5. 道路管理者以外の者が、沿道の店舗の乗入口をつくるために歩道を切り下げる工事を行おうとする場合は、道路管理者の承認を受けなければならない。
      答: ○ ― 道路法第24条の承認工事です。道路の構造そのものを造り替える行為なので、占用許可(32条)ではなく承認となります。
    6. 車両制限令が定める車両の幅の一般的制限値は2.5m、長さは12m、高さは3.8mである。
      答: ○ ― 加えて総重量20t、軸重10t、輪荷重5t、最小回転半径12m。高さは高さ指定道路では4.1m、総重量は重さ指定道路・高速自動車国道では25tまで緩和されます。
    7. 一般的制限値を超える特殊な車両を通行させようとする者は、あらかじめ出発地を管轄する警察署長の許可を受けなければならない。
      答: ✕特殊車両通行許可を出すのは道路管理者(道路法第47条の2)です。「出発地を管轄する警察署長」は制限外積載許可(道路交通法第57条)の許可権者。2つの許可を入れ替えた、最頻出のひっかけです。
    8. 道路上で工事を行おうとする者は、道路管理者から道路占用許可を受けていれば、所轄警察署長の道路使用許可を受ける必要はない。
      答: ✕両方必要です。占用許可(道路法・道路管理者)は道路という財産の管理、道路使用許可(道路交通法・警察署長)は交通の安全と円滑を目的としており、審査する内容が違います。ただし、一方の窓口に両方の申請書を出して経由してもらうことはできます。
    9. 自動車の積載物の長さは、自動車の長さにその長さの10分の2を加えた長さを超えてはならない。
      答: ○長さ・幅ともに1.2倍まで(10分の2増し)。高さは地上から3.8m(高さ指定道路は4.1m)から積載場所の高さを引いた値までです。これを超える場合は出発地を管轄する警察署長の制限外積載許可が必要になります。
    10. 過積載をした車両の運転者に対しては罰則があるが、その車両の使用者や荷主が過積載を要求した場合であっても、使用者・荷主が是正の措置を命ぜられることはない。
      答: ✕使用者・荷主も規制対象です。警察署長は、過積載を下命・容認した使用者に対する指示、および荷主に対する再発防止命令を行うことができます(道路交通法第58条の5)。
    道路関係法令の要点を最後に1行で。占用=道路管理者の許可(目的・期間・場所・構造・方法・時期・復旧)/道路工事=24条は承認/掘削はえぐり掘り禁止・埋戻し30cm層・当日仮復旧/一般的制限値=幅2.5・長さ12・高さ3.8(指定4.1)・総重量20t(指定25t)・軸重10t・輪荷重5t・回転半径12m/特殊車両通行許可=道路管理者、制限外積載=出発地の警察署長、道路使用=所轄警察署長。試験直前はこの1行を見返せば十分です。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

    読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の使い方など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ