【1級土木施工管理技士】土工を徹底攻略!土質試験・土量計算・盛土・締固め・軟弱地盤対策のすべて

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1級土木施工管理技士 第一次検定対策

「土工」を徹底攻略!
土質試験・土量計算・盛土・締固め・軟弱地盤対策のすべて

最終更新: 2026.07.07 | 分野: 土木一般

土工は、1級土木施工管理技士 第一次検定の「土木一般」で毎年ほぼ5問前後が出題される、全分野の中でも最重要のテーマです。さらに第二次検定の学科記述でも毎年のように問われるため、ここを落とすと合格が一気に遠のきます

逆に言えば、土工は出題パターンが毎年ワンパターンで、過去問の焼き直しが非常に多い分野。この記事の内容を押さえれば、土工は「得点源」に変わります。専門用語はすべてその場で解説し、点線の用語リンクを押すと用語辞典に飛べます。初学者の方も安心して読み進めてください。

1土質調査と土質試験 ―「原位置試験」と「室内試験」を区別せよ

土工の最初の関門は、土質試験の分類です。試験で問われるのはたった1つの視点、「その試験は現場で行うのか、試験室で行うのか」。これだけです。

原位置試験とは

原位置試験(げんいちしけん)とは、土をその場から動かさず、現地でそのまま行う試験のことです。「原位置=土が元々ある位置」という意味です。土を採取して持ち帰る手間がなく、地盤のありのままの状態を調べられます。

代表的な原位置試験と、そこから「何が分かるか」をセットで覚えてください。試験名と求められる値・利用目的の組合せ問題が超頻出です。

原位置試験求められる値利用目的
標準貫入試験N値土の硬軟、締まり具合の判定
スウェーデン式サウンディング試験Wsw、Nsw小規模建築物の地盤調査
ポータブルコーン貫入試験コーン指数 qc建設機械のトラフィカビリティー判定
ベーン試験粘着力 c細粒土の斜面や基礎地盤の安定計算
平板載荷試験地盤反力係数 K値締固めの施工管理(工法規定)
現場透水試験透水係数 k透水関係の設計、地盤改良の検討
RI計器による密度測定湿潤密度・含水比盛土の締固め管理(その場で即測定)
砂置換法による密度測定土の密度締固めの品質管理(品質規定)
N値(エヌち)
標準貫入試験で、63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm打ち込むのに必要な打撃回数。数字が大きいほど地盤が硬い。砂質土でN値50以上なら非常に締まった地盤、粘性土でN値0〜2なら非常に軟らかい地盤の目安。
サウンディング
ロッド(棒)の先に付けた抵抗体を地中に貫入・回転・引き抜きして、その抵抗の大きさから地盤の性状を調べる方法の総称。標準貫入試験もサウンディングの一種。
トラフィカビリティー
建設機械が軟弱な土の上を走行できる度合いのこと。コーン指数 qc(kN/m²)で判定する。土が軟らかすぎるとブルドーザでも走れなくなる。
粘着力c・内部摩擦角φ
土のせん断強さを決める2大要素。粘土は粘着力が主体、砂は内部摩擦角が主体。せん断試験(室内)やベーン試験(原位置)で求める。

標準貫入試験を深掘りする ― N値はこうして生まれる

原位置試験の王様が標準貫入試験です。仕組みを知っておくと、関連問題がすべて解きやすくなります。手順は次のとおりです。

  1. ボーリング(機械で地面に縦孔を掘ること)で調査したい深さまで孔をあける。
  2. 孔の底に標準貫入試験用サンプラー(土を採取する筒)をセットする。
  3. 質量63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させて、サンプラーを打ち込む。
  4. 30cm打ち込むのに要した打撃回数がN値。同時にサンプラー内の土を試料として採取できる。

ポイントは2つ。①N値という「硬さの指標」と、②乱した試料(構造が崩れた土サンプル)の採取が同時にできる、という点です。採取した試料は粒度試験や含水比試験(室内試験)に回されます。つまり原位置試験と室内試験は現場でつながっているのです。

ボーリング
地盤に円筒状の孔を掘削すること。地下の土質の並び(柱状図)を直接確認でき、標準貫入試験や各種サンプリングの「入口」となる。
乱した試料・乱さない試料
土の構造が壊れた状態で採取したものが「乱した試料」(粒度・含水比などに使用)、構造を保ったまま採取したものが「乱さない試料」(一軸圧縮・圧密試験など強度・変形を調べる試験に必須)。シンウォールサンプラー等で採取する。
柱状図
ボーリング結果を深さ方向に整理した図。土質の種類、N値の変化、地下水位などが1本の柱のように描かれる。
N値から分かることは土質で異なる: 砂質土のN値→内部摩擦角や液状化の判定粘性土のN値→一軸圧縮強さ(硬軟)の推定。「N値が同じでも砂と粘土では意味が違う」と書かれていたら正しい記述です。

室内試験とは

室内試験は、現場で採取した土(試料)を試験室に持ち帰って行う試験です。土の「性質そのもの」を精密に調べるのに向いています。

室内試験求められる値利用目的
粒度試験粒径加積曲線土の分類、材料としての判定
含水比試験含水比 w土の基本的性質の把握
液性限界・塑性限界試験コンシステンシー限界細粒土の分類、安定判定
突固めによる土の締固め試験最大乾燥密度・最適含水比盛土の締固め管理の基準づくり
一軸圧縮試験・三軸圧縮試験せん断強さ支持力・斜面安定の検討
圧密試験圧密係数など粘性土地盤の沈下量・沈下時間の予測
CBR試験CBR値舗装厚さの設計、路床・路盤材料の判定
土質試験の分類(原位置試験と室内試験)
図1 土質試験の分類 ―「現場か、持ち帰りか」がすべての分かれ目

室内試験の中身をもう一歩 ― 「分類する試験」と「強さを調べる試験」

室内試験はさらに2グループに分けて理解すると整理しやすくなります。

①土を分類するための試験(物理試験): 粒度試験・含水比試験・液性限界/塑性限界試験など。土が「砂なのか粘土なのか」「水をどれくらい含むのか」という土の身分証明書をつくる試験です。

粒度試験と粒径加積曲線
ふるい分け(粗い粒)と沈降分析(細かい粒)で、土に含まれる粒の大きさの分布を調べる試験。結果をグラフ化したものが粒径加積曲線で、曲線がなだらか=いろいろな粒径が混ざる「粒度の良い土」→締固めに適する。曲線が急=粒径が揃った「粒度の悪い土」。日常語と逆で「良い/悪い」は締固めやすさの意味。
コンシステンシー限界(液性限界・塑性限界)
細粒土は含水比によって「液体状→塑性状(粘土細工の状態)→半固体→固体」と姿を変える。液体に変わる境目の含水比が液性限界wL、塑性を失う境目が塑性限界wP。両者の差(塑性指数Ip=wL−wP)が大きい土ほど粘土分が多く、水を含むと厄介な土。
自然含水比
現地の土が自然に含んでいる水の割合。自然含水比が液性限界に近い粘性土は、こねると急激に軟らかくなる(鋭敏な土)ため、盛土材料として要注意。

②強さ・変形を調べる試験(力学試験): 一軸圧縮・三軸圧縮・圧密・CBR・締固め試験など。設計や品質管理の「数値」を直接生み出す試験です。特に締固め試験(最大乾燥密度・最適含水比)は第4章の品質管理に直結するので、この後じっくり扱います。

過去問では「平板載荷試験は室内試験である」→ ✕(原位置試験)「CBR試験は原位置で行う」→ ✕(室内試験が基本。現場CBRという別試験もあるので問題文をよく読む)のように、原位置↔室内を入れ替えるひっかけが定番。迷ったら「土を持ち帰るか、その場か」で判断!
組合せ問題の正解率を上げる暗記のコツ: 「N値・コーン・ベーン・平板・透水・RIは現場」。それ以外の「〜試験」と付く精密そうなものはだいたい室内、と覚えると素早く消去法が使えます。

2土量の変化率(L・C)と土量計算 ― 計算問題の定番

土は掘るとほぐれて体積が増え、締め固めると体積が減ります。同じ土でも状態によって体積が変わるため、基準を決めて換算する必要があります。その基準が「地山(じやま)の土量」です。

地山土量
自然のまま、まだ掘っていない状態の土量。すべての計算の基準(=1.0)になる。
ほぐし土量
掘削してほぐれた状態の土量。ダンプで運搬する量はこれで考える。
締固め土量
盛土して締め固めた後の土量。できあがる盛土の量はこれで考える。

換算に使うのが土量の変化率LとCです。

  • L = ほぐし土量 ÷ 地山土量(Lは1より大きい。例: 1.2)→ 運搬計画に使う
  • C = 締固め土量 ÷ 地山土量(Cは1より小さい。例: 0.9)→ 配分計画に使う
土量の変化(地山・ほぐし・締固めとL・C)
図2 土量の変化 ― 地山を1.0としてLとCで換算する

例題で完全マスター

例題: 盛土(締固め後)を10,800m³つくりたい。L=1.2、C=0.9のとき、①必要な地山土量、②運搬すべきほぐし土量はいくらか。

  1. まず基準の地山に戻す: 地山土量 = 締固め土量 ÷ C = 10,800 ÷ 0.9 = 12,000m³
  2. 次にほぐしに換算: ほぐし土量 = 地山土量 × L = 12,000 × 1.2 = 14,400m³

手順はいつも同じで、「一度、地山に戻してから換算する」のが鉄則です。締固め土量にいきなりLを掛けるのは誤りです。

「ほぐし土量に C を掛けて締固め土量を出す」という選択肢は。Cは地山土量に掛ける係数です。ほぐし→締固めへ直接換算するなら「×C/L」。この「C/L」の形が正しい選択肢として出ることもあります。

応用: ダンプの運搬台数まで計算できるようにする

実際の試験や実務では、土量計算はダンプトラックの台数計算に発展します。ここまでできれば土量計算は完成です。

例題: 地山土量600m³を、荷台に積める土量(ほぐし土量)が6m³のダンプで運ぶ。L=1.2のとき、必要な延べ台数は?

  1. 運ぶのはほぐし土量: 600 × 1.2 = 720m³
  2. 台数 = 720 ÷ 6 = 延べ120台

ここでのワナは、地山600m³をそのまま6で割って100台としてしまうこと。ダンプの荷台に載っている土はすでに掘削されてほぐれた状態ですから、必ずLを掛けてから割ります。

例題(逆算): ある土を掘削したら、地山100m³がほぐし土量120m³になった。この土のLは? → L = 120 ÷ 100 = 1.2。変化率は実際に測って求めることもある、という出題です。なお変化率は土質によって異なり、岩ほどLが大きく(よくほぐれて膨らみ)、Cは小さくなります。

計算問題は毎回この3パターンだけ: ①締固め土量から地山・ほぐしを逆算 ②ダンプ台数 ③L・Cそのものの定義。「基準は地山」「運搬はほぐし」「出来形は締固め」の3原則ですべて解けます。単位(m³)を書きながら解くと取り違えが激減します。
変化率Lは土の運搬計画、変化率Cは土の配分計画に用いる ― この一文は語尾を入れ替えて何度も出題されています。「L=運搬」「C=配分」と呪文で暗記!

3盛土の施工 ― 敷均し・締固めの「数字」を暗記する

盛土(もりど)とは、土を盛り上げて道路や堤防などの地盤をつくることです。品質の良い盛土をつくる基本は、「薄く敷き均して、十分に締め固める」を繰り返すこと。ここでは試験に出る数字がはっきり決まっています。

敷均し厚さの基準値(暗記必須)

盛土の種類敷均し厚さ(1層)締固め後の仕上り厚さ
路体(ろたい)35〜45cm以下30cm以下
路床(ろしょう)25〜30cm以下20cm以下
路体・路床
道路の盛土の断面のうち、路床は舗装のすぐ下の約1mの仕上げ部分、路体はその下の大部分。上にあるほど交通荷重の影響が大きいので、路床の方が薄く敷き均して入念に締め固める
敷均し(しきならし)
運ばれてきた土をブルドーザなどで所定の厚さに平らに広げる作業。締固め効果を左右する最重要工程。
路体と路床の数字を入れ替えるひっかけが定番。「上(路床)ほど薄い」と覚えれば逆転しません。「路床の敷均し厚さは35〜45cm」ときたら!

施工の重要ルール

  • 盛土材料は敷均し・締固めがしやすく、せん断強度が大きく、圧縮性が小さく、雨水などの浸食に強いものが望ましい。
  • 自然含水比が高い土はそのままでは締め固まらないため、ばっ気乾燥(天日で干す)や、石灰などを混ぜる安定処理で含水比を調整する。
  • 盛土面には4〜5%程度の横断勾配を付けて表面排水を確保しながら施工する(水を溜めないことが盛土の生命線)。
  • 構造物(橋台やカルバート)との接続部は沈下しやすいため、小型の締固め機械で入念に薄層で締め固める
  • 盛土の基礎地盤に極端な凹凸や段差がある場合は、あらかじめ平坦にかき均してから盛土する。
なぜ「薄く」敷き均すのか?→締固めエネルギーは深いところまで届かないから。厚く撒くと下半分が締まらず、後から沈下や崩壊の原因になる。理屈で覚えると忘れません。

盛土材料の適否 ― 「使える土・使えない土」

盛土材料の良否を判断する視点も頻出です。望ましい材料の条件を裏返すと、そのまま「使いにくい土」のリストになります。

望ましい性質理由
粒度分布が良い(いろいろな粒径が混在)小さい粒が隙間を埋め、よく締まる
せん断強さが大きい盛土がすべり破壊しにくい
圧縮性が小さい完成後の沈下が小さい
吸水による膨潤性が低い水を吸って膨らみ軟らかくなる土はNG
施工機械のトラフィカビリティーが確保できる機械が走れないと施工不能

ベントナイト・温泉余土・酸性白土・有機質土(腐植土)などは高含水比で膨潤性が高いため、盛土材料としては不適とされます。ただし近年は建設発生土の有効利用が原則なので、安定処理(セメント・石灰混合)や排水対策をすれば使える場合がある、という文脈で出題されることもあります。

構造物の隣接部と傾斜地盤 ― 沈下・すべりの弱点部

  • 構造物隣接部(裏込め・埋戻し): 橋台やボックスカルバートの背面は大型機械が入れず締固め不足になりやすい。→透水性が良く圧縮性の小さい材料(切込砕石など)を、小型機械で1層の仕上り厚20cm程度以下の薄層で入念に締め固める。さらに雨水が溜まらないよう地下排水溝を設ける。段差(構造物との取り合いの沈下差)を防ぐため踏掛版を設けることもある。
  • 傾斜地盤上の盛土: 地山の勾配が1:4より急な場合は、盛土がすべらないように段切り(だんぎり)を行う。段切りは高さ50cm・幅1m程度の階段状に地山を切って、新旧の土をかみ合わせる処置。
  • 高含水比地盤上の施工: まずサンドマット(厚さ0.5〜1.2m程度の敷砂)を敷いて排水層と作業足場を確保してから盛土を開始する。
「段切りは地山勾配1:10より急な場合に行う」のように数字を変えるひっかけあり。正しくは1:4程度より急。裏込め材に「圧縮性の大きい粘性土を用いる」→✕(透水性が良く圧縮性の小さい材料)も定番です。

4締固めの品質管理 ―「品質規定」と「工法規定」の違い

盛土がきちんと締め固められたかをどう確認するか。管理方式は2つあり、この2つの違いは毎年のように出題される超頻出テーマです。

① 品質規定方式 ― 「結果」で管理する

締め固めた土が満たすべき品質(乾燥密度など)を仕様書で規定し、締固め方法は施工者に任せる方式です。代表が締固め度による管理

締固め度(%) = 現場の乾燥密度 ÷ 室内試験の最大乾燥密度 × 100

ここで登場するのが、先ほど室内試験で出てきた突固めによる土の締固め試験です。土は含水比によって締固まりやすさが変わり、あるところで乾燥密度が最大になります。そのときの含水比を最適含水比(wopt)、密度を最大乾燥密度(ρdmax)と呼びます。

締固め曲線(最適含水比と最大乾燥密度)
図3 締固め曲線 ― 最適含水比のとき乾燥密度が最大になる

つまり品質規定方式では、最適含水比の付近に含水比を調整してから締め固めるのが最も効率的、ということになります。現場密度の測定には砂置換法RI計器を使います。

② 工法規定方式 ― 「やり方」で管理する

使用する締固め機械の種類・締固め回数・敷均し厚さなどの「工法そのもの」を仕様書で規定する方式です。品質のばらつきが少ない材料の場合や、岩塊など密度測定が難しい材料に向きます。近年はGNSS(衛星測位)やTS(トータルステーション)で転圧回数を面的に記録する情報化施工が普及しており、これも工法規定方式の一種として出題されます。

「品質規定方式は締固め機械の機種と転圧回数を規定する」→✕(それは工法規定)。逆パターンも出ます。品質規定=結果(密度)、工法規定=手段(機械・回数)。ここを入れ替えるのが試験委員の大好物です。

締固め機械の使い分け ― 土質との相性で覚える

締固め機械はそれぞれ得意な土質が決まっており、「機械名と適する土質の組合せ」は品質管理と並ぶ頻出問題です。

締固め機械締固めの原理適する土質
ロードローラ(マカダム・タンデム)鉄輪の静的重量路盤の仕上げ、粒調材料、砕石
タイヤローラ空気圧タイヤの接地圧(調整可)砂質土〜礫混じり土など適用範囲が広い
振動ローラ重量+振動で粒子を再配列粘着力の小さい砂質土・礫に最適。細粒の多い粘性土は苦手
タンピングローラ突起(フート)の集中荷重で深部まで硬い粘性土、風化岩の破砕・締固め
振動コンパクタ・タンパ小型・人力操作狭い場所、構造物の裏込め、法肩部
ブルドーザ履帯の接地圧法面や敷均しと兼用の補助的締固め

覚え方はシンプルに、「振動=砂」「タンピング=粘土」「タイヤ=オールラウンダー」。振動ローラは粒子を揺すって隙間に落とし込む原理なので、粒子同士がくっつく粘土には効きにくい ― 理屈とセットにすれば逆転しません。

「振動ローラは含水比の高い粘性土の締固めに最適」→ ✕。振動が効くのは砂・礫。粘性土に無理に振動をかけるとこね返し(オーバーコンパクション)で逆に強度低下を招きます。「締め固めるほど強くなる」とは限らない、が正しい理解。
締固め度の管理基準値もよく出ます: 道路盛土では一般に最大乾燥密度の90%以上(路床など上部ほど厳しく)が目安。また現場密度試験の頻度は「1,000m³に1回程度」など仕様書で定める、という文脈も押さえておくと安心。
締固めの目的もセットで頻出: ①土の空気間隙を少なくして透水性を低下させる、②水の浸入による軟化・膨張を小さくする、③荷重に対する支持力など強度を増加させる。「空気を減らし、水に強く、強度を上げる」の3点セット。

5軟弱地盤対策 ― 工法名と目的の組合せが狙われる

軟弱地盤とは、水分を多く含んだ粘土や緩い砂でできた、構造物を支える力が不足している地盤のこと。そのまま盛土すると沈下やすべり破壊を起こします。対策工法は数十種類ありますが、試験では「工法名 → 分類 → 主な効果」の組合せだけが問われ続けています。

軟弱地盤対策工法の分類
図4 軟弱地盤対策工法の分類 ― 「何を狙う工法か」で整理する
圧密(あつみつ)
粘土地盤が荷重を受け、間隙の水がじわじわ絞り出されて長時間かけて沈下する現象。スポンジを押すと水が出て縮むイメージ。粘性土特有で、砂はすぐ沈むので圧密とは言わない。
サンドドレーン工法
軟弱粘土層に砂の柱(排水路)を多数打設し、水の逃げ道を短くして圧密沈下を早める工法。「ドレーン=排水」。
サンドコンパクションパイル工法
振動しながら砂を圧入して締め固めた砂杭をつくり、地盤の密度を上げる工法。名前は似ているがサンドドレーンは「排水」、サンドコンパクションは「締固め」で目的がまったく違う。
プレロード(盛土載荷重)工法
構造物をつくる前にあらかじめ盛土の重さをかけて沈下を先に済ませておく工法。「プレ=先に、ロード=荷重」。
深層混合処理工法
セメント系固化材を地中深くで原位置の土と攪拌混合し、柱状の改良体をつくる固結工法の代表格。
「サンドドレーン工法は地盤の密度を増大させる」→ ✕(圧密排水の促進)。サンド〇〇系の混同を狙う問題が最頻出。ドレーン=水抜き、コンパクション=締固めと機能で覚える。また「ウェルポイント工法は固結工法である」→✕(地下水位低下工法)も定番。
覚える優先順位: ①サンドドレーン ②サンドコンパクションパイル ③プレロード ④深層混合処理 ⑤ウェルポイント ⑥軽量盛土。この6つで組合せ問題の大半は解けます。

「砂の地盤」と「粘土の地盤」で対策は変わる

軟弱地盤対策を丸暗記でなく理解するコツは、対象の土質から考えることです。

  • 軟弱な粘性土の問題は「圧密沈下」(時間をかけてじわじわ沈む)。→水を早く抜く(サンドドレーン・ペーパードレーン)、先に沈ませる(プレロード)、固める(深層混合処理・石灰パイル)、荷重を軽くする(軽量盛土・緩速載荷)が有効。
  • 緩い砂質土の問題は「液状化」(地震時に水と砂が分離して地盤が液体状になる)。→密度を上げる(サンドコンパクションパイル・バイブロフローテーション)、水圧を逃がす(グラベルドレーン)、固める(深層混合処理)が有効。
液状化
地下水位の高い緩い砂地盤が地震動を受けると、砂粒子のかみ合わせが外れて間隙水圧が上昇し、地盤全体が一時的に液体のようにふるまう現象。「緩い砂+地下水+地震」の3条件で発生。マンホールの浮き上がりや噴砂が典型症状。
緩速載荷工法
地盤が破壊しない程度にゆっくり時間をかけて盛土を立ち上げ、圧密の進行で地盤の強度が増すのを待ちながら施工する方法。「対策工なしで粘り強く待つ」イメージで、工期に余裕がある場合に有効。
グラベルドレーン工法
砕石の柱を地中に造成し、地震時に発生する過剰間隙水圧をすばやく消散させて液状化を防ぐ工法。
「プレロード工法は地震時の液状化対策として最も有効」→。プレロードは粘性土の圧密沈下対策。液状化(砂)と圧密(粘土)の混同を誘う問題は毎年のように登場します。砂=液状化=締固め系、粘土=圧密=排水・載荷系と対で記憶!

6法面工と排水 ― 標準勾配と保護工

法面(のりめん)とは、切土や盛土でつくられる人工的な斜面のこと。法面の安定のポイントは「勾配」と「水」の2つです。

法面の各部名称と勾配1:n
図5 法面の各部名称と勾配の表し方 ―「1:n」のnが大きいほど緩い
法肩・法尻・小段
法面の一番上の縁が法肩、一番下が法尻。高い法面の中間に設ける水平な棚が小段(こだん)で、雨水の流速を弱め、点検の足場にもなる。
勾配 1:n
高さ1に対して水平距離n、という斜面の傾きの表し方。nが大きいほど緩やか(1:2.0は1:1.5より緩い)。盛土の標準は1:1.5〜2.0程度、切土(土砂)は1:0.8〜1.5程度が目安。
法面保護工
法面の浸食や風化を防ぐ工事の総称。植生工(種子吹付け・張芝など)構造物工(モルタル吹付け・法枠・石張りなど)に大別される。

試験に出る法面のルール

  • 切土法面で湧水がある場合は、植生工ではなく排水機能を持つ構造物工(法枠+水抜き、ふとんかごなど)を選ぶ。
  • 植生工の目的は「浸食防止・凍上崩落の抑制・緑化」。大きな崩壊を止める力はない(すべり抑止は構造物工やアンカーの仕事)。
  • 盛土法面の締固めでは、法肩に締固め機械が近づきすぎると危険なため、法面部はブルドーザの丁寧な締固めや振動コンパクタ等で仕上げる。
  • 法面排水: 法肩には法肩排水溝、小段には小段排水溝、縦方向には縦排水溝を設け、水を法面に流さない。
「モルタル吹付工は法面の緑化を目的とする」→✕(風化・浸食防止)。「植生工は湧水のある法面に適する」→✕(湧水には構造物工)緑化=植生、湧水=構造物で即断!

切土の施工 ― 「上から下へ」「水を切りながら」

盛土と対になる切土(きりど)(地山を切り取って地盤をつくること)にも、試験で問われる鉄則があります。

  • 切土は上部から下部へ順に切り下げるのが原則。下から切ると上部が不安定になり崩壊の危険。
  • 切土面に湧水や浸透水が見られたら、ただちに排水処理(素掘り側溝・地下排水溝など)を行い、水を法面に走らせない。
  • 長い法面は一気に仕上げず、数段に分けて施工し、切り下げのつど法面を保護していく。
  • 切土と盛土の境界部(切盛境)は地下水が集まり沈下・すべりの起きやすい弱点。地下排水溝を設け、境界部の盛土は入念に締め固める。
  • のり面の点検は降雨後・地震後に重点的に行う(浮石・亀裂・湧水の変化)。
地下排水溝(暗渠)
地中に埋めた透水管や砕石の排水路。目に見える表面水は側溝(明渠)で、地中に浸み込んだ水は暗渠で処理する。「明渠=表面水、暗渠=浸透水」の対応も選択肢の定番。
釜場(かまば)
掘削底面の一角に掘った水たまり用のくぼみ。湧水をここに集めてポンプで排水する、最も簡易な排水工法。

7建設機械の選定 ― コーン指数と運搬距離

土工に使う建設機械の問題は、「どの機械が、どんな条件で使えるか」の2軸で出題されます。

① トラフィカビリティー(コーン指数 qc)

軟らかい土の上を機械が走れるかどうかは、ポータブルコーン貫入試験で求めたコーン指数 qcで判定します。数字が小さい機械ほど軟弱地でも走れることを示します。

建設機械必要なコーン指数 qc(kN/m²)
湿地ブルドーザ300以上(最も軟弱地に強い)
普通ブルドーザ(15t級)500以上
普通ブルドーザ(21t級)700以上
スクレープドーザ600以上
被けん引式スクレーパ700以上
自走式スクレーパ1,000以上
ダンプトラック1,200以上(最も硬い地盤が必要)

全部の数字を暗記する必要はありません。「湿地ブル300」と「ダンプ1200」の両端、そして「タイヤ(ダンプ)はキャタピラ(ブル)より軟弱地に弱い」という原理を押さえれば、並べ替え問題は解けます。

② 運搬距離と機械の適合

建設機械適応する運搬距離
ブルドーザ60m以下(押土・短距離)
スクレープドーザ40〜250m
被けん引式スクレーパ60〜400m
自走式スクレーパ200〜1,200m
ショベル系掘削機+ダンプトラック100m以上(長距離はコレ)
「ブルドーザは100m程度の運搬に最適」→✕(60m以下)。ブルは「押す」機械なので長距離は苦手。短距離=ブル、中距離=スクレーパ、長距離=ダンプの3段構えで覚える。

③ 建設機械の作業能力 ― 計算式の意味を知る

機械の1時間あたりの作業量(施工能力)Qは、次の式で表されます。式そのものより各記号の意味が問われます。

Q = q × n × f × E(m³/h)

  • q: 1作業サイクルあたりの標準作業量(バケット容量など)
  • n: 時間あたりサイクル数(=3,600 ÷ サイクルタイム秒)。サイクルタイムが短いほど能力は上がる
  • f: 土量換算係数(ここでL・Cが再登場! 地山基準に直すための係数)
  • E: 作業効率(現場条件・土質・機械の状態で決まる。良い条件ほど大きい)

たとえばバックホウの掘削で、同じ機械でも硬い土や狭い現場では E が小さくなり施工能力が落ちる ― という定性的な理解があれば、計算問題も文章問題も対応できます。

リッパビリティも軽く押さえておくと安心: 硬い岩をブルドーザ後部のリッパで掘削できるかの判定は弾性波速度による。「トラフィカビリティ=コーン指数」「リッパビリティ=弾性波速度」の対で出ます。

8頻出ひっかけ総まとめ ― 直前期はここだけ見直す

ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
平板載荷試験は室内試験である原位置試験(K値→締固め管理)
変化率Cは運搬計画に用いるCは配分計画、Lが運搬計画
ほぐし土量×C=締固め土量Cは地山土量に掛ける(直接なら×C/L)
路床の敷均し厚さは35〜45cm路床は25〜30cm以下(上ほど薄い)
品質規定方式は機種・転圧回数を規定それは工法規定方式
締固めの目的は透水性の増加透水性の低下(空気間隙を減らす)
サンドドレーンは密度増大が目的圧密排水の促進(締固めはSCP)
植生工は湧水法面に適する湧水には構造物工
ブルドーザの運搬距離は100m程度60m以下
ダンプトラックは軟弱地盤に最も強い最も弱い(qc1,200以上必要)

章末チェック ― 一問一答10問(○×)

最後に理解度チェックです。すべて過去問の論点をベースにした○×問題。8問以上正解できれば土工は仕上がりです。

  1. 標準貫入試験では、質量63.5kgのハンマーを76cmの高さから落下させ、30cm貫入させるのに要した打撃回数をN値とする。
    答: ○ ― 数字3点セット(63.5kg・76cm・30cm)はそのまま暗記。
  2. ポータブルコーン貫入試験の結果は、盛土の締固め度の判定に用いられる。
    答: ― コーン指数はトラフィカビリティーの判定。締固め度は密度試験。
  3. 土量の変化率Lは、土の運搬計画を立てるときに用いられる。
    答: ○ ― L=運搬、C=配分。
  4. 地山土量1,000m³をL=1.25、C=0.8の条件で盛土すると、締固め土量は1,250m³である。
    答: ― 締固め土量=1,000×0.8=800m³。1,250はほぐし土量。
  5. 道路盛土の路床は、路体よりも1層の敷均し厚さを厚くしてよい。
    答: ― 上(路床)ほど薄く入念に。
  6. 工法規定方式は、使用する締固め機械の機種、敷均し厚さ、締固め回数などを仕様書に定める方式である。
    答: ○ ― 結果でなく手段を規定。
  7. 最適含水比とは、その土が最もよく締め固まり乾燥密度が最大となるときの含水比である。
    答: ○ ― 締固め曲線の頂点。
  8. サンドコンパクションパイル工法は、砂柱により圧密排水を促進する工法である。
    答: ― それはサンドドレーン。SCPは締固め
  9. 切土法面の施工は、原則として下部から上部に向かって切り上げる。
    答: 上から下へ切り下げる。
  10. 振動ローラは、粘着力の小さい砂質土や礫質土の締固めに適している。
    答: ○ ― 振動=砂。粘性土はタンピングローラ。

土工は「数字の暗記(敷均し厚さ・コーン指数・運搬距離)」「2択の区別(原位置↔室内、L↔C、品質↔工法、ドレーン↔コンパクション)」の2種類に整理すると、覚えることは意外と少ないことが分かります。過去問を解くたびにこのページへ戻り、間違えた行にあなた自身の赤ペンを足していってください。

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