【1級土木施工管理技士】安全管理を徹底攻略!管理体制・足場・クレーン・掘削・酸欠のすべて

執筆者:

カテゴリ:

BUILDNA
資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 安全管理 | 用語辞典
1級土木施工管理技士 第一次検定対策

「安全管理」を徹底攻略!
管理体制・足場・クレーン・掘削・酸欠のすべて

最終更新: 2026.07.08 | 分野: 施工管理法

安全管理は、第一次検定の「施工管理法」で毎年10問前後という圧倒的な出題数を誇る最大分野のひとつです。しかも出典はほぼすべて労働安全衛生法(安衛法)とその規則なので、数字と役割分担を正確に覚えた者勝ち。現場経験者ほど「実務の感覚」と「法律の数字」のズレでミスしやすい分野でもあります。

この記事では出題の8割を占める6テーマ ― 管理体制・足場・クレーン・掘削・土止め支保工・酸素欠乏 ― を数字中心に総整理します。

1安全管理体制 ― 「誰を選任するか」の役割分担

建設現場は元請と複数の下請が混在する「混在現場」。労働安全衛生法は、混在によって生じる災害を防ぐための管理体制を細かく定めており、「どの立場が・何人以上で・誰を選任するか」が毎年問われます。

特定元方事業者の体制(最重要)

元請(特定元方事業者)と下請を合わせた労働者数が常時50人以上(ずい道・圧気・一定の橋梁工事は30人以上)の現場では、次の体制をつくります。

  • 統括安全衛生責任者(元請が選任): 現場全体の統括管理のトップ。協議組織の設置・作業間の連絡調整・毎作業日の巡視などを統括する。
  • 元方安全衛生管理者(元請が選任): 統括安全衛生責任者の指揮を受けて技術的事項を管理する実務担当
  • 安全衛生責任者(下請が選任): 統括安全衛生責任者との連絡・調整役
混在現場の安全管理体制
図1 混在現場の安全管理体制 ― 元請は「統括・元方」、下請は「安全衛生責任者」
「安全衛生責任者は元請が選任する」→ ✕(下請が選任)。選任する側の入れ替えが定番のワナ。「統括」「元方」と名の付くものは元請、「安全衛生責任者」だけ下請と覚える。人数要件「50人(ずい道等は30人)」の数字替えにも注意。

単一事業場の体制(自社のみの場合)

選任するもの要件
総括安全衛生管理者建設業では常時100人以上
安全管理者・衛生管理者常時50人以上
産業医常時50人以上
安全衛生推進者常時10〜49人
混在現場(統括安全衛生責任者=50人)と単一事業場(総括安全衛生管理者=100人)は名前がそっくりで数字が違う。「トウカツ(統括)は現場50人、ソウカツ(総括)は会社100人」とセットで暗記!

2足場と墜落防止 ― 数字の宝庫

墜落・転落は建設業の死亡災害原因の第1位。だから足場の規定は数字だらけで、そのまま出題されます。

作業床の規定(高さ2m以上の足場)

項目規定値
作業床の幅40cm以上
床材間の隙間3cm以下
床材と建地との隙間12cm未満
手すりの高さ85cm以上(+中さん35〜50cm)
幅木(物の落下防止)10cm以上
つり足場の作業床隙間がないようにする
足場の作業床の法律(労働安全衛生規則)の図解
図2 足場の作業床の規定 ― 幅40cm・すき間3cm・手すり85cm・設置間隔2m以下

墜落防止の基本ルール

  • 高さ2m以上の箇所で作業する場合は作業床を設けるのが大原則。設けられないときは防網(ネット)を張り、墜落制止用器具(フルハーネス型が原則)を使用させる。
  • 高さ6.75mを超える箇所ではフルハーネス型の使用が義務(建設業では5mを超える箇所から推奨)。
  • 高さ3m以上から物を投下するときは、投下設備を設け監視人を置く。
  • 強風・大雨・大雪など悪天候時は高所作業を中止する。
  • 足場の組立て等の時期・範囲・順序を周知し、関係者以外の立入りを禁止。組立て・解体には足場の組立て等作業主任者を選任。
  • 足場はその日の作業開始前に点検。また強風・大雨・地震等の後と組立て・変更後は詳細点検し、記録を保存する。
数字替えのワナが濃厚: 「作業床の幅は30cm以上」✕(40cm)「手すり75cm以上」✕(85cm)「高さ1.5m以上で作業床」✕(2m)「物体投下は2mから投下設備」✕(3m)2m(作業床)・3m(投下)・40cm・85cm・10cmを呪文化して守り切る!

3移動式クレーン・玉掛け

クレーン等安全規則からは、移動式クレーンの「やってはいけないこと」が繰り返し出題されます。

移動式クレーン作業の安全ルール
図3 移動式クレーン作業の安全ルール ― アウトリガー最大張出し・つり荷の下立入禁止・定格荷重厳守
  • 定格荷重を超える荷重をかけて使用してはならない。作業前に運転者・玉掛け者が定格荷重を確認できるよう表示する。
  • アウトリガー(車体を支える張出し脚)は最大限に張り出すのが原則。地盤が軟弱な場所では鉄板などで補強する。
  • つり上げた荷の下に労働者を立ち入らせてはならない
  • 一定の合図を定め、合図を行う者を指名する。
  • 荷をつったままで運転位置を離れてはならない
  • 強風のため危険が予想されるときは作業を中止する。
  • 移動式クレーンで労働者を運搬・つり上げてはならない(原則)。
定格荷重
クレーンの構造・材料、ジブの傾斜角や長さに応じて負荷させることができる最大の荷重から、フックなどのつり具の重さを除いた荷重。「つり上げ荷重(つり具込みの最大値)」との区別が問われる。
玉掛け
クレーンのフックに荷を掛けたり外したりする作業。つり上げ荷重1t以上のクレーンの玉掛けは技能講習修了者(1t未満は特別教育)。ワイヤロープは安全係数6以上、著しい損傷・キンクのあるものは使用禁止。
「アウトリガーは作業半径に応じて必要最小限に張り出す」→ ✕(最大限に張り出す)「合図が確認できれば荷の下での作業は可能」→ ✕(立入禁止)。実務の「ちょっとくらい」を許さないのが試験の世界です。

4明り掘削 ― 掘削勾配と点検

明り掘削(あかりくっさく)とは、トンネルではなく地上から行う掘削作業のこと。崩壊・埋没を防ぐための勾配基準と点検ルールが出題の中心です。

手掘り掘削の勾配基準(暗記必須)

手掘り掘削の勾配基準
図4 手掘り掘削の勾配基準 ― 砂は「35度・5m」、発破後は「45度・2m」
  • 岩盤・堅い粘土: 5m未満→90度以下、5m以上→75度以下
  • その他の地山: 2m未満→90度、2〜5m未満→75度、5m以上→60度以下
  • 砂からなる地山: 勾配35度以下 または 高さ5m未満
  • 発破等で崩壊しやすい状態の地山: 勾配45度以下 または 高さ2m未満

掘削作業のルール

  • 作業開始前に地山の点検(浮石・き裂・湧水・ガス等)を行う。大雨・中震(震度4)以上の地震の後も同様。
  • 掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削には地山の掘削作業主任者を選任する。
  • 埋設物(ガス管など)に近接して掘削するときは、つり防護・受け防護などの措置。ガス導管の防護作業には作業指揮者を置く。
  • 掘削機械の使用でガス導管等を損壊するおそれがあるときは機械を使用してはならない(手掘りに切り替え)。
  • 運搬機械の運行経路・土石の積卸し場所への出入りを明示し、誘導者を配置する。

5土止め支保工

深い溝を掘るときに壁の崩壊を防ぐのが土止め支保工(どどめしほこう)。切りばり・腹起しなどの部材で構成されます。

切りばり・腹起し
腹起し(はらおこし)は土止め壁に沿って水平に渡す部材切りばりは対面する腹起しの間に突っ張る部材。壁が受ける土圧を腹起し→切りばりの順に伝えて支える。
火打ち
切りばりと腹起しの接続部を斜めに補強する部材。隅角部の変形を防ぐ。
  • 組立てるときは、あらかじめ組立図を作成し、それに基づいて組み立てる。
  • 切りばり・腹起しは脱落しないよう矢板・杭等に確実に取り付ける。圧縮材(火打ちを除く)の継手は突合せ継手とする。
  • 切りばりの上に材料や機械を置いてはならない(集中荷重で座屈の危険)。
  • 点検は7日を超えない期間ごと中震以上の地震の後大雨等で地山が急激に軟弱化するおそれのある事態が生じた後に行う。
  • 切りばり・腹起しの取付け・取外し作業には土止め支保工作業主任者を選任する。
点検頻度「10日を超えない期間ごと」→ ✕(7日)。「継手は重ね継手とする」→✕(突合せ継手)。地味な数字・用語の置き換えが続く分野なので、表の丸暗記より「7日・中震・大雨」のトリガー3点で覚えると確実。

6酸素欠乏危険作業

マンホール・井戸・下水道・タンク内部などは酸素欠乏(さんそけつぼう)の危険場所。目に見えない災害のため、測定と換気の数字が厳密に決まっています。

酸素欠乏危険作業の基準と手順
図5 酸欠作業の基準 ― 酸素18%以上・硫化水素10ppm以下・純酸素換気は禁止
  • 酸素欠乏とは酸素濃度18%未満の状態。作業場所は酸素濃度18%以上(第二種は加えて硫化水素10ppm以下)に保つよう換気する。
  • その日の作業開始前に濃度を測定する。測定・換気・監視は酸素欠乏危険作業主任者の職務。
  • 換気には純酸素を使用してはならない(爆発・火災の危険)。
  • 換気できない場合や十分でない場合は空気呼吸器・送気マスク等を使用(防毒マスク・防じんマスクは不可!)。
  • 入場・退場時に人員を点検し、監視人を配置。転落のおそれがあれば墜落制止用器具を使用。
「酸素濃度16%以上に保つ」→ ✕(18%以上)「換気は純酸素で行う」→ ✕(禁止)「防毒マスクを使用させる」→ ✕(酸欠には無力。空気呼吸器・送気マスク)。3連コンボで毎年誰かが引っかかる鉄板ワナです。

7作業主任者のまとめ ― 「2m・5m」の基準で整理

作業主任者は、危険な作業ごとに技能講習修了者等から選任し、作業の直接指揮などを行わせる制度。「どの作業に必要か」「基準の数字」が問われます。

作業作業主任者基準
地山の掘削地山の掘削作業主任者掘削面の高さ2m以上
土止め支保工の切りばり等の取付け・取外し土止め支保工作業主任者すべて
型枠支保工の組立て・解体型枠支保工の組立て等作業主任者すべて
足場の組立て・解体・変更足場の組立て等作業主任者つり足場・張出し足場または高さ5m以上
コンクリート造工作物の解体コンクリート造の工作物の解体等作業主任者高さ5m以上
酸素欠乏危険場所での作業酸素欠乏危険作業主任者すべて
ざっくり整理→「掘削は2m、足場・解体は5m」。また作業主任者の選任は「免許または技能講習修了者」から。「作業主任者を選任すれば作業計画は不要」などの記述は✕(別の義務)。

8頻出ひっかけ総まとめ ― 直前期はここだけ見直す

ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
安全衛生責任者は元請が選任する下請が選任(元請は統括・元方)
統括安全衛生責任者は常時100人以上で選任50人以上(ずい道等は30人)
作業床の幅は30cm以上40cm以上(隙間3cm以下)
手すりの高さは75cm以上85cm以上(+中さん)
高さ1.5m以上の作業に作業床2m以上
アウトリガーは必要最小限に張り出す最大限に張り出す
荷をつったまま運転位置を離れてよい禁止
砂の地山は45度以下で掘削35度以下(または高さ5m未満)
土止め支保工の点検は10日ごと7日を超えない期間ごと
切りばりの上に材料を仮置きできる禁止
酸素濃度は16%以上に保つ18%以上
酸欠場所では防毒マスクを使用空気呼吸器・送気マスク

章末チェック ― 一問一答10問(○×)

すべて過去問の論点ベース。8問以上正解で仕上がりです。

  1. 特定元方事業者は、労働者数が常時50人以上の現場では統括安全衛生責任者を選任する。
    答: ○ ― ずい道等は30人以上。
  2. 安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者との連絡のために関係請負人(下請)が選任する。
    答: ○ ― 下請側の窓口。
  3. 高さ2m以上の足場の作業床の幅は30cm以上とする。
    答: 40cm以上
  4. 高さ3m以上の高所から物体を投下するときは、投下設備を設け監視人を置く。
    答: ○ ― 投下は3m。作業床は2m。
  5. 移動式クレーンのアウトリガーは、作業の支障がない範囲で最小限に張り出す。
    答: 最大限に張り出す。
  6. つり上げ荷重1t以上のクレーンの玉掛け作業は、技能講習修了者が行う。
    答: ○ ― 1t未満は特別教育。
  7. 砂からなる地山を手掘りで掘削するときは、勾配を35度以下とするか高さを5m未満とする。
    答: ○ ― 発破後は45度・2m。
  8. 土止め支保工の点検は、14日を超えない期間ごとに行う。
    答: 7日を超えない期間ごと。
  9. 酸素欠乏危険場所では、酸素濃度を18%以上に保つよう換気する。
    答: ○ ― 換気に純酸素は使用禁止。
  10. 掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削作業には、地山の掘削作業主任者を選任する。
    答: ○ ― 掘削2m・足場等5m。

安全管理は「数字(2m・3m・5m・40cm・85cm・7日・18%・50人)」「誰が選任するか(元請↔下請)」の2軸がすべて。実務感覚で答えず、法律の数字で答える意識を持てば安定して得点できます。

不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の運用など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

© 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ 03

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です