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  • 【1級土木施工管理技士】建設業法を徹底攻略!許可・請負契約・主任技術者と監理技術者のすべて

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    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「建設業法」を徹底攻略!
    許可・請負契約・技術者制度を金額で押さえる

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。法規は全問を解く必要がないぶん、確実に得点できる法令を作っておくことが合否を分けます。その筆頭が建設業法です。

    建設業法は、法規の中でも毎年2問前後が出題される最重要科目です。しかも問われるのは、① 建設業の許可(一般と特定、金額要件)、② 請負契約(契約書面、一括下請負の禁止、下請代金の支払)、③ 主任技術者・監理技術者(配置と専任、職務)、④ 施工体制台帳・施工体系図の4テーマにほぼ限定されています。さらに、この4テーマは第二次検定(実地)の施工体制・品質管理の記述でもそのまま使えるため、学習効率が抜群です。

    ネックになるのは「金額」です。500万円・1,500万円・4,000万円・4,500万円・7,000万円・8,000万円――似た数字がずらりと並びます。しかも近年の法改正で金額要件が引き上げられているため、古いテキストの数字を覚えていると失点します。この記事では、2026年時点の現行制度の金額を、「何の金額なのか」の意味とセットで整理します。図・比較表・ひっかけ総まとめ・一問一答10問まで通して読めば、建設業法の2問は確実に拾えるようになります。

    1建設業法の全体像 ―「発注者の保護と施工の適正化」

    建設業法の目的(第1条)は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することです。

    ポイントは、守るべき相手が「発注者」だということ。工事の中身は目に見えにくく、手抜き工事をされても発注者には分かりません。そこで、「誰でも建設業を営めるわけではない(許可制)」「契約は書面で対等に」「現場には技術者を置け」というルールで、施工の質を担保しているのです。この趣旨を押さえておくと、細かい条文の意味が腑に落ちます。

    建設工事
    土木建築に関する工事で、建設業法別表第一に掲げるもの(29業種)をいいます。土木一式工事、建築一式工事のほか、とび・土工・コンクリート工事、舗装工事、しゅんせつ工事、水道施設工事 など。設計・調査・測量は建設工事に含まれません
    建設業
    元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいいます。
    発注者・元請負人・下請負人
    発注者=建設工事の注文者(他の者から請け負ったものを除く)。元請負人=下請契約における注文者で建設業者であるもの。下請負人=下請契約における請負人。
    「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない」(第18条)。この「対等」「誠実」というキーワードは、そのまま選択肢に出ます。

    2建設業の許可 ―「大臣・知事」と「一般・特定」

    2-1 許可が必要な工事・不要な工事

    建設業を営もうとする者は、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受けなければなりません(第3条)。ただし、軽微な建設工事のみを請け負う場合は許可不要です。

    軽微な建設工事
    次のいずれかに該当する工事。これのみを請け負う営業なら建設業の許可はいりません。
    ・建築一式工事以外:1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)
    ・建築一式工事:1件の請負代金が1,500万円未満、または木造住宅で延べ面積150㎡未満
    附帯工事
    許可を受けた建設業に係る建設工事に附帯する他の建設業に係る工事のこと。建設業者は、許可を受けた業種以外でも、附帯工事であれば請け負うことができます(第4条)。ただし、その附帯工事を施工する場合は、その業種の技術者を置くか、その業種の許可業者に施工させる必要があります。

    2-2 大臣許可と知事許可

    区分要件
    国土交通大臣の許可2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業する場合
    都道府県知事の許可1の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業する場合

    この区分は「営業所の所在地」だけで決まります工事を施工する場所(現場の所在地)とは無関係です。したがって、東京都知事の許可を受けた業者が、北海道や沖縄の工事を請け負うことはまったく問題ありません

    「都道府県知事の許可を受けた建設業者は、その都道府県の区域内でしか建設工事を施工することができない」→ 。許可の区分は営業所の設置状況で決まるだけで、施工できる区域に制限はありません。全国どこでも施工できます。

    2-3 一般建設業と特定建設業

    許可は一般建設業特定建設業に区分されます。この区分は、発注者から直接請け負った(=元請の)工事について、下請に出す金額で決まります。

    区分要件(発注者から直接請け負った1件の工事について)
    特定建設業下請契約の請負代金の額(複数の下請がある場合は合計額)が
    4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上
    となる下請契約を締結する場合
    一般建設業上記以外(下請に出さない、または下請金額が上記未満)
    建設業の許可 ― 判定フロー 建設工事を請け負う 軽微な工事のみ?(500万円未満/ 建築一式1,500万円未満・木造住宅150㎡未満) YES 許可は不要 NO 許可が必要(有効期間5年・更新制) 特定建設業 元請で下請合計 4,500万円以上(建築一式7,000万円以上) 一般建設業 上記以外(下請に出さない/金額未満) 大臣許可=2以上の都道府県に営業所 知事許可=1つの都道府県のみ
    図1 建設業の許可の判定フロー(軽微/一般/特定)
    特定建設業の判定で見るのは、「元請として下請に出す金額」だけです。請負代金(受注額)ではありません。10億円の工事でも、すべて自社施工なら一般建設業の許可で足ります。逆に、下請から仕事を受けた二次下請が、さらに下請に出す金額が大きくても、発注者から直接請け負っていないので特定建設業の許可は不要です。
    「請負代金の額が4,500万円以上の工事を請け負う場合は、特定建設業の許可が必要である」→ 請負代金ではなく下請契約の金額(合計額)で判断します。しかも発注者から直接請け負った(元請の)工事に限られます。

    2-4 許可の有効期間・その他

    項目内容
    有効期間5年。引き続き営業する場合は更新を受ける(許可の日から5年を経過したときは効力を失う)
    業種別許可許可は建設工事の種類(29業種)ごとに受ける。2以上の業種の許可を同時に受けることも可
    一般と特定の重複同一業種について、一般建設業と特定建設業の許可を同時に受けることはできない(業種が違えば、A業種は特定・B業種は一般、という組合せは可)
    変更の届出商号、営業所の名称・所在地、資本金、役員、営業所の専任技術者などに変更があったときは、30日以内(一部は毎事業年度経過後4か月以内)に届け出る
    許可の基準①経営業務の管理を適正に行う能力(経営体制)、②営業所ごとに専任の技術者を置くこと、③誠実性、④財産的基礎(特定建設業は資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上等)
    「建設業の許可は、3年ごとにその更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失う」→ 。正しくは5年です。「3年」「10年」に書き換えるのが定番のワナ。なお、同一業種について一般建設業と特定建設業の許可を同時に受けることはできません(これも選択肢に出ます)。

    3請負契約の原則と契約書面 ―「対等な立場」

    3-1 契約書面の記載事項(第19条)

    建設工事の請負契約の当事者は、契約の締結に際して次の事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければなりません。電子契約(電磁的措置)も認められています

    記載事項(主なもの)
    工事内容
    請負代金の額
    工事着手の時期および工事完成の時期
    工事を施工しない日または時間帯の定めをするときは、その内容
    請負代金の全部または一部の前金払または出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期および方法
    当事者の一方から設計変更または工事着手の延期、工事の全部・一部の中止の申出があった場合における工期の変更、請負代金の額の変更、損害の負担とそれらの算定方法
    天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担とその算定方法
    価格等の変動・変更に基づく請負代金の額または工事内容の変更
    工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担
    注文者が工事に使用する資材を提供し、または建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容および方法
    注文者が工事の全部または一部の完成を確認するための検査の時期および方法ならびに引渡しの時期
    工事完成後における請負代金の支払の時期および方法
    工事の目的物が種類・品質に関して契約の内容に適合しない場合における担保責任または責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結等の措置
    各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
    契約に関する紛争の解決方法/ほか

    この書面は、工事の着手前に交付するのが原則です。また、請負代金の額の変更や工事内容の変更があった場合も、その変更内容を書面に記載して相互に交付しなければなりません(第19条2項)。

    「請負契約の書面は、工事に着手した後、遅滞なく交付すればよい」→ 契約の締結に際して(=着工前に)交付します。口約束で着工し、あとから書面を作るのは違反です。

    3-2 現場代理人と監督員(第19条の2)

    請負人は、現場代理人を置く場合、その権限に関する事項および現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出方法を、書面により注文者に通知しなければなりません。注文者側も、監督員を置く場合は同様に通知が必要です。

    現場代理人
    請負人の代理として工事現場に常駐し、契約の履行に関する一切の事項を処理する者。建設業法上の資格要件はありません。主任技術者・監理技術者とは別の概念ですが、兼任は可能です。

    3-3 見積り(第20条)

    建設業者は、契約の締結に際して、工事の種別ごとに材料費、労務費その他の経費の内訳ならびに工事の工程ごとの作業およびその準備に必要な日数を明らかにして、建設工事の見積りを行うよう努めなければなりません

    そして、注文者は、請負契約の締結前に、下請負人となろうとする者に対して見積りをするための一定期間を与えなければなりません(第20条4項)。これが見積期間で、金額と日数の組合せが出題されます。

    工事の予定価格見積期間
    500万円未満1日以上
    500万円以上5,000万円未満10日以上
    5,000万円以上15日以上

    ※ やむを得ない事情があるときは、10日以上・15日以上の期間は5日以内に限り短縮することができます。

    見積期間は「1日・10日・15日」。境目の金額は「500万円・5,000万円」「ゴヒャク・ゴセン」で「イチ・ジュウ・ジュウゴ」と唱えて覚えましょう。なお、この期間は注文者が下請に与える期間であって、契約を結ぶまでの期間ではありません。

    4請負契約で禁止されること ―「一括下請負・不当に低い代金」

    4-1 一括下請負の禁止(第22条)

    建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはなりません。いわゆる丸投げの禁止です。

    一括下請負(丸投げ)
    請け負った工事の全部または実質的に全部を、一括して他の業者に請け負わせること。「実質的に関与していない」場合が該当します。実質的関与とは、元請が自ら施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、技術的指導等を行うことをいいます。単に現場に技術者を置いているだけでは実質的関与とは認められません
    工事の種類一括下請負
    公共工事(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に規定する公共工事)例外なく全面禁止(発注者の承諾があっても不可)
    民間の共同住宅の新築工事例外なく全面禁止
    上記以外の民間工事あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合に限り可
    「公共工事であっても、あらかじめ発注者の書面による承諾を得れば、一括して下請負に付すことができる」→ 公共工事と民間の共同住宅の新築工事は、発注者の承諾があっても一括下請負は禁止です。承諾で可能になるのはそれ以外の民間工事だけです。

    4-2 その他の禁止事項

    条文禁止内容ポイント
    第18条
    建設工事の請負契約の原則
    ―(原則規定)当事者は各々対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実に履行しなければならない
    第19条の3
    不当に低い請負代金の禁止
    注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない禁止されるのは注文者(発注者・元請)。「通常必要と認められる原価」がキーワード
    第19条の4
    不当な使用資材等の購入強制の禁止
    注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、使用する資材・機械器具、またはこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはならない「請負契約の締結後」が要件。契約前に仕様として指定するのは差し支えない
    第19条の5
    著しく短い工期の禁止
    注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない2020年施行の働き方改革関連の改正。元請が下請に対して行う場合も対象
    第23条
    下請負人の変更請求
    注文者は、請負人に対して、建設業者でない下請負人の変更を請求することができるただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については請求できない
    第24条の3
    下請代金の支払
    次章参照
    「不当に低い請負代金の禁止は、請負人が守るべき規定である」→ 。この規定の名宛人は注文者(発注者・元請)です。「自己の取引上の地位を不当に利用して」という文言から、立場の強い側への規制だと分かります。

    5元請負人の義務 ―「検査20日・支払50日・1か月」

    建設業法第24条の2以降には、元請負人が下請負人に対して負う義務が並びます。ここは数字(日数)がそのまま問われるので、表で叩き込みましょう。

    条文義務の内容期限
    第24条の2
    下請負人の意見の聴取
    元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ下請負人の意見を聴かなければならないあらかじめ
    第24条の3
    下請代金の支払
    元請負人は、出来形部分に対する支払または工事完成後における支払を注文者から受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、相応する下請代金を支払わなければならない注文者から支払を受けた日から1か月以内で、かつできる限り短い期間内
    第24条の3
    前払金の支払
    元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない―(義務ではなく「配慮」
    第24条の4
    検査および引渡し
    元請負人は、下請負人から工事完成の通知を受けたときは、その完成を確認するための検査を完了しなければならない通知を受けた日から20日以内で、かつできる限り短い期間内
    第24条の4
    引渡し
    検査によって工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに目的物の引渡しを受けなければならない直ちに(ただし、下請契約で定めた工事完成の時期から20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合を除く)
    第24条の6
    特定建設業者の下請代金の支払期日等
    特定建設業者が注文者となった下請契約における下請代金の支払期日は、下請負人から引渡しの申出があった日から起算して50日以内のできる限り短い期間内で定めなければならない50日以内(定めなかった場合は引渡しの申出日が支払期日とみなされる)
    第24条の6
    割引困難な手形の交付禁止
    特定建設業者は、下請代金の支払につき、一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない
    第24条の7
    施工体制台帳・施工体系図
    第8章参照
    下請代金をめぐる日数(元請負人の義務) 下請が完成を通知 元請の検査完了 引渡しの申出 下請代金の支払 20日以内に検査完了 確認後、申出があれば直ちに引渡し 50日以内に支払(特定建設業者) 注文者から支払 → 1か月以内
    図2 下請代金をめぐる日数(検査20日・支払50日・注文者からの支払後1か月)
    日数の3点セット:検査=20日以内/支払=引渡し申出から50日以内/注文者から支払を受けたら1か月以内。「ニジュウ・ゴジュウ・イッカゲツ」と唱えましょう。いずれも「かつ、できる限り短い期間内に」という文言が付く点も選択肢に出ます。
    「元請負人は、下請負人から工事完成の通知を受けたときは、通知を受けた日から1か月以内に検査を完了しなければならない」→ 。検査は20日以内です。「1か月以内」は注文者から支払を受けたときの下請代金の支払のほうです。
    「元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して前払金を支払わなければならない」→ 。前払金については「支払うよう適切な配慮をしなければならない」という配慮義務にとどまります(第24条の3第3項)。「支払わなければならない」という義務規定にすり替えるのが典型的なワナです。

    6技術者制度① ―「主任技術者と監理技術者」

    建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者として、主任技術者を置かなければなりません(第26条1項)。

    区分置くべき場合資格の例
    主任技術者すべての建設工事(元請・下請、請負金額の大小を問わない)2級土木施工管理技士、1級土木施工管理技士、実務経験者(指定学科卒+3〜5年 等)
    監理技術者発注者から直接請け負った(元請の)工事で、下請契約の請負代金の合計額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)となる場合(=特定建設業の許可が必要な場合)1級土木施工管理技士、技術士 等(監理技術者は主任技術者より上位の資格が必要)
    主任技術者・監理技術者の職務(第26条の4)
    工事現場における建設工事を適正に実施するため、①当該建設工事の施工計画の作成、②工程管理、③品質管理その他の技術上の管理、④当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行います。「原価管理」や「請負代金の変更交渉」は職務に含まれません(それは現場代理人などの役割)。

    さらに、工事現場における建設工事の施工に従事する者は、主任技術者または監理技術者がその職務として行う指導に従わなければなりません(第26条の4第2項)。下請の作業員も、元請の監理技術者の指導に従う義務があるということです。

    「下請」に監理技術者は不要です。監理技術者を置くのは、発注者から直接請け負った元請だけ。下請は、いくら大きな金額でも主任技術者を置きます。ただし、特定専門工事(型枠工事・鉄筋工事で下請金額が4,000万円未満のもの)では、元請等の主任技術者が下請の主任技術者の職務を併せて行うことで、下請の主任技術者の設置を不要とできる特例があります。
    「下請負人であっても、その下請契約の請負代金が4,500万円以上であれば監理技術者を置かなければならない」→ 。監理技術者を置くのは発注者から直接請け負った建設業者(元請)だけです。下請は金額にかかわらず主任技術者です。
    「主任技術者および監理技術者の職務には、請負代金の管理(原価管理)が含まれる」→ 。職務は施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理、施工に従事する者の技術上の指導監督です。技術上の管理が守備範囲であり、原価管理・契約管理は含まれません。

    7技術者制度② ―「専任」と「監理技術者補佐」

    7-1 専任が必要な工事

    次の工事に置かれる主任技術者・監理技術者は、工事現場ごとに専任の者でなければなりません(第26条3項)。

    要件内容
    工事の性格公共性のある施設もしくは工作物、または多数の者が利用する施設もしくは工作物に関する重要な建設工事(=国・地方公共団体の発注工事、鉄道・道路・上下水道、学校、病院、共同住宅 など。個人住宅を除くほとんどの工事が該当)
    金額請負代金の額が4,000万円以上建築一式工事は8,000万円以上
    専任
    他の工事現場に係る職務を兼務せず、常時継続的にその工事現場に係る職務にのみ従事すること。「現場に常駐する(一日中現場にいる)」という意味ではありません。合理的な理由があれば、発注者との打合せや資材の調達などで一時的に現場を離れることもできます。
    専任の金額は4,000万円(建築一式8,000万円)。監理技術者の金額(下請合計4,500万円/建築一式7,000万円)と数字が近くて紛らわしいのが最大の落とし穴です。
    監理技術者を置くか=「下請に出す額」で4,500万/7,000万
    専任にするか=「請負代金(受注額)」で4,000万/8,000万
    監理は下請4,500、専任は請負4,000」と切り分けて覚えましょう。

    7-2 監理技術者資格者証と講習

    専任の監理技術者は、監理技術者資格者証の交付を受けている者であって、監理技術者講習を受講した者のうちから選任しなければなりません。また、発注者から請求があったときは、資格者証を提示しなければなりません(第26条5項・6項)。

    「監理技術者は、発注者から請求があったときは、監理技術者資格者証を提示しなければならないが、主任技術者も同様に資格者証を提示しなければならない」→ 。資格者証の制度があるのは監理技術者だけです。主任技術者に資格者証はありません。

    7-3 監理技術者補佐(特例監理技術者)

    2020年の法改正により、専任が必要な工事であっても、監理技術者補佐を置けば、監理技術者は2つの現場を兼任できるようになりました。

    項目内容
    制度の内容専任の監理技術者を置くべき工事において、監理技術者の職務を補佐する者(監理技術者補佐)を専任で置く場合、その監理技術者は2つの現場まで兼任できる(この監理技術者を特例監理技術者という)
    監理技術者補佐の資格1級土木施工管理技士補(1級第一次検定の合格者)など、主任技術者の資格を有する者のうち、1級の技士補等
    注意点監理技術者補佐は現場ごとに専任で置く必要がある。兼任できるのは2現場まで(3現場以上は✕)
    1級の第一次検定に合格すると「1級土木施工管理技士補」の称号が得られ、監理技術者補佐になることができます。この記事を読んで第一次検定に受かること自体が、現場でのキャリアに直結する――これは近年の頻出テーマでもあります。
    「監理技術者補佐を専任で配置すれば、監理技術者は3つ以上の現場を兼務することができる」→ 。兼務できるのは2つの現場までです。

    8施工体制台帳・施工体系図・標識の掲示

    8-1 施工体制台帳(第24条の8)

    施工体制台帳
    その工事に関わるすべての下請負人(二次・三次以下を含む)の商号、許可番号、工事内容、工期、主任技術者・監理技術者の氏名などを記載した台帳。重層下請構造の全体像を見える化し、施工責任の所在を明らかにするためのものです。
    施工体系図
    施工体制台帳の記載事項を、各下請負人の施工の分担関係が一目で分かるよう樹形図に表したもの
    項目民間工事公共工事
    作成義務特定建設業者が元請となり、下請契約の請負代金の合計額が4,500万円以上(建築一式7,000万円以上)となるとき下請契約を締結したとき(金額を問わない)=公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)による
    備置き工事現場ごとに備え置く
    発注者への対応発注者から請求があったときは閲覧に供するその写しを発注者に提出する(請求を待たずに提出)
    施工体系図工事関係者が見やすい場所(公共工事は加えて公衆が見やすい場所)に掲げる
    保存施工体制台帳(の写し)は、帳簿の添付書類として営業所ごとに5年間保存(発注者と締結した住宅の新築工事に係るものは10年間
    施工体制台帳は公共工事だけ扱いが厳しいと覚えましょう。公共工事=下請契約があれば金額を問わず作成、写しを発注者に提出、施工体系図は公衆が見やすい場所にも掲示。民間工事は4,500万円以上+発注者の請求で閲覧です。
    「公共工事において、施工体制台帳は発注者から請求があったときに閲覧に供すればよい」→ 。公共工事では請求の有無にかかわらず、その写しを発注者に提出しなければなりません(入契法第15条)。「閲覧に供する」のは民間工事です。
    「施工体制台帳には、一次下請負人のみを記載すればよい」→ 二次以下のすべての下請負人について記載します。全体の施工体制を明らかにするのが制度の目的です。

    8-2 標識の掲示(第40条)

    建設業者は、その店舗および建設工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、商号、代表者氏名、一般建設業/特定建設業の別、許可年月日・許可番号・許可を受けた建設業、主任技術者または監理技術者の氏名等を記載した標識(建設業の許可票)を掲げなければなりません。

    なお、この標識を掲げる義務があるのは、建設工事の現場については元請(発注者から直接請け負った建設業者)のみとされています(2020年改正)。

    8-3 帳簿の備付け・保存(第40条の3)

    建設業者は、営業所ごとに帳簿を備え、営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載し、保存しなければなりません。保存期間は5年間(発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものは10年間)です。

    8-4 建設業者の責務・その他

    • 建設工事の見積り:建設業者は、工事の種別ごとの内訳を明らかにして見積りを行うよう努める(第20条)
    • 著しく短い工期の禁止:注文者は、通常必要と認められる期間に比して著しく短い工期の契約を締結してはならない(第19条の5)
    • 工事現場の施工体制に関する監督:国土交通大臣・都道府県知事は、建設業者に対し指示・営業の停止(1年以内)・許可の取消しを行うことができる
    • 経営事項審査:公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は、その経営に関する客観的事項の審査(経審)を受けなければならない

    9頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    都道府県知事の許可を受けた建設業者は、その都道府県の区域内でのみ工事を施工できる許可の区分は営業所の所在地で決まる。施工できる区域に制限はない(全国で施工可)
    請負代金の額が4,500万円以上の工事を請け負う場合は、特定建設業の許可が必要である判定するのは元請として下請に出す金額(合計)。4,500万円以上(建築一式7,000万円以上)
    建設業の許可の有効期間は3年である5年。更新を受けなければ効力を失う
    建設業者は、許可を受けた業種以外の建設工事は、附帯工事であっても請け負うことができない附帯工事は請け負うことができる(第4条)
    請負契約の書面は、工事に着手した後、遅滞なく交付すればよい契約の締結に際して(着工前に)署名または記名押印して相互に交付する(第19条)
    公共工事でも、発注者の書面による承諾があれば一括下請負に付すことができる公共工事および民間の共同住宅の新築工事は、承諾があっても一括下請負は全面禁止(第22条)
    元請負人は、下請負人から工事完成の通知を受けた日から1か月以内に検査を完了しなければならない20日以内で、かつできる限り短い期間内(第24条の4)
    特定建設業者は、下請代金を、下請負人からの引渡し申出日から1か月以内に支払わなければならない50日以内のできる限り短い期間内(第24条の6)
    元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して前払金を支払わなければならない支払うよう適切な配慮をしなければならない(配慮義務であって支払義務ではない)
    下請負人であっても、下請金額が4,500万円以上なら監理技術者を置く監理技術者を置くのは発注者から直接請け負った元請のみ。下請は金額にかかわらず主任技術者
    主任技術者・監理技術者の職務には、請負代金の管理(原価管理)が含まれる職務は施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理、施工従事者の技術上の指導監督
    公共性のある工作物に関する重要な工事で、請負代金が4,500万円以上のものは、技術者を専任としなければならない専任は請負代金4,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)。4,500万円は監理技術者を置く下請金額
    監理技術者補佐を配置すれば、監理技術者は3つ以上の現場を兼務できる兼務できるのは2つの現場まで(特例監理技術者)
    主任技術者は、発注者から請求があったときは資格者証を提示しなければならない資格者証の制度があるのは監理技術者のみ
    公共工事では、施工体制台帳は発注者から請求があったときに閲覧に供すればよい公共工事は写しを発注者に提出する。閲覧に供するのは民間工事
    施工体制台帳には、一次下請負人について記載すればよい二次以下を含むすべての下請負人について記載する
    予定価格が5,000万円以上の工事の見積期間は、10日以上である15日以上。500万円未満=1日以上、500万〜5,000万円未満=10日以上(第20条)
    不当に低い請負代金の禁止は、請負人に対する規制である注文者(発注者・元請)に対する規制(第19条の3)
    注文者は、請負契約の締結前に資材の購入先を指定してはならない禁止されるのは契約締結後に取引上の地位を不当に利用して購入強制すること(第19条の4)
    軽微な建設工事とは、請負代金の額が1,500万円未満の工事をいう建築一式以外は500万円未満。1,500万円未満は建築一式工事の場合(ほかに木造住宅で延べ150㎡未満)

    10章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。金額の問題は、必ず「何の金額か」まで言えるようにしましょう。

    1. 2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて建設業を営もうとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
      答: ○ ― 大臣許可・知事許可の区分は営業所の所在地で決まります。施工できる区域には制限がなく、知事許可の業者も全国で施工できます。
    2. 発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の請負代金の総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)となる場合、監理技術者を置かなければならない。
      答: ○ ― 監理技術者を置くのは元請で、判断基準は下請に出す金額の合計です。下請負人は金額にかかわらず主任技術者を置きます。
    3. 公共性のある工作物に関する重要な建設工事で、請負代金の額が4,500万円以上のものについては、主任技術者または監理技術者を専任としなければならない。
      答: ✕ ― 専任が必要になるのは請負代金4,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)です。4,500万円は監理技術者を置くべき下請金額のほうで、混同を狙った定番のひっかけです。
    4. 公共工事を請け負った建設業者は、あらかじめ発注者の書面による承諾を得れば、その工事を一括して下請負人に請け負わせることができる。
      答: ✕公共工事および民間の共同住宅の新築工事は、発注者の承諾があっても一括下請負が全面禁止です(第22条)。承諾で可能になるのは、それ以外の民間工事だけです。
    5. 元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に検査を完了しなければならない。
      答: ○ ― 第24条の4のとおり。検査後、下請負人から申出があれば直ちに引渡しを受けます。
    6. 元請負人は、注文者から出来形部分に対する支払を受けたときは、その支払を受けた日から50日以内に、下請負人に相応する下請代金を支払わなければならない。
      答: ✕ ― 注文者から支払を受けたときは1か月以内で、かつできる限り短い期間内に支払います(第24条の3)。50日以内は、特定建設業者が下請負人からの引渡し申出日から支払期日までに設けられる上限です(第24条の6)。
    7. 建設業の許可は5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって効力を失う。
      答: ○ ― 有効期間は5年です。「3年」「10年」に書き換えるひっかけに注意しましょう。
    8. 主任技術者および監理技術者の職務には、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理および施工に従事する者の技術上の指導監督が含まれる。
      答: ○ ― 第26条の4のとおり。原価管理や請負代金の変更交渉は含まれません。工事現場の施工に従事する者は、技術者の指導に従う義務があります。
    9. 公共工事において、施工体制台帳を作成した建設業者は、発注者から請求があったときにこれを閲覧に供すればよい。
      答: ✕ ― 公共工事では、請求の有無にかかわらず施工体制台帳の写しを発注者に提出しなければなりません(入契法第15条)。また、公共工事では下請契約を締結すれば金額を問わず台帳の作成が必要です。
    10. 建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない。
      答: ○ ― 第18条「建設工事の請負契約の原則」です。この条文があるからこそ、不当に低い請負代金の禁止(第19条の3)や著しく短い工期の禁止(第19条の5)といった具体的な規制が導かれます。
    建設業法で覚えるべき数字を最後に一覧化します。許可不要=500万円未満(建築一式1,500万円未満/木造住宅150㎡未満)/許可の有効期間=5年/特定建設業・監理技術者=下請4,500万円以上(建築一式7,000万円以上)/専任=請負4,000万円以上(建築一式8,000万円以上)/見積期間=1日・10日・15日/検査20日・支払50日・注文者からの支払後1か月/帳簿・台帳の保存5年(住宅新築は10年)。試験直前はこの1行を見返せば十分です。

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    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ
  • 【1級土木施工管理技士】労働安全衛生法を徹底攻略!安全管理体制・作業主任者・計画届のすべて

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    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「労働安全衛生法」を徹底攻略!
    管理体制・作業主任者・計画の届出を数値で制する

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答する形式です。法規は満点を狙う分野ではなく、得意な法令で8問を確実に取りにいく分野です。その「得意」にすべき筆頭が、この労働安全衛生法(安衛法)です。

    労働安全衛生法は、法規の中で毎年2問前後が出題される定番分野です。しかも問われる論点は、① 安全衛生管理体制(誰を何人以上で選任するか)、② 作業主任者を選任すべき作業、③ 計画の届出(14日前・30日前)、④ 就業制限・安全衛生教育の4つにほぼ集中しています。第二次検定(実地)の安全管理の記述でも、統括安全衛生責任者や作業主任者の職務はそのまま使えるため、学習の費用対効果は法規の中で最強です。

    安衛法が難しく感じるのは、似た名前の管理者がずらりと並ぶからです。「統括安全衛生責任者」と「総括安全衛生管理者」、「元方安全衛生管理者」と「安全衛生責任者」――この区別さえ図で押さえてしまえば、あとは人数(100人・50人・30人・20人・10人)と日数(14日・30日)の暗記だけ。この記事では、体系図・比較表・ひっかけ総まとめ・一問一答10問で、そこまで一気に持っていきます。

    1労働安全衛生法の全体像 ―「事業者責任の法律」

    労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とした法律です(第1条)。もともとは労働基準法の第5章「安全及び衛生」でしたが、1972年に独立した法律になりました。したがって、労働基準法と一体的に運用されるのが基本です。

    事業者
    事業を行う者で、労働者を使用するものをいいます(第2条3号)。労働基準法の「使用者」より狭く、法人であれば法人そのもの、個人事業であれば事業主個人を指します。安衛法の義務は、原則としてこの「事業者」に課されます。
    労働災害
    労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、または作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、または死亡することをいいます(第2条1号)。
    元方事業者・特定元方事業者
    元方事業者とは、一の場所で行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもののうち、最も先次の請負契約における注文者(=元請)のことです。そのうち建設業・造船業を営むものを特定元方事業者といいます。

    安衛法の最大の特徴は、「重層下請構造」を前提に、元請に統括管理の責任を負わせた点です。建設現場では、元請の労働者と何社もの下請の労働者が同じ場所で混在して作業します。そのままでは「誰も全体を見ていない」状態になり、混在作業に起因する災害(上から物が落ちる、クレーンの旋回範囲に人が入る等)が防げません。そこで特定元方事業者に統括管理を義務づけたのです。この趣旨を理解しておくと、次章以降の丸暗記がぐっと楽になります。

    安衛法の条文は「事業者は~しなければならない」という形が基本ですが、統括管理の部分だけ「特定元方事業者は~」になります。主語が誰かを意識して読むだけで、選択肢の正誤がかなり見えるようになります。

    2事業場ごとの安全衛生管理体制 ―「100人・50人・10人」

    まずは1つの事業場(=会社の支店や1つの現場)の中で必要な体制です。建設業の場合の選任基準は次のとおりです。

    選任すべき者選任が必要な規模
    (常時使用する労働者数)
    資格・要件選任期限・報告
    総括安全衛生管理者100人以上当該事業場において事業の実施を統括管理する者(=所長・支店長など。資格要件はない)事由発生から14日以内に選任し、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告
    安全管理者50人以上厚生労働大臣の定める研修を修了した理科系の大学卒業+実務2年以上等、または労働安全コンサルタント
    衛生管理者50人以上衛生管理者免許を有する者、医師、歯科医師、労働衛生コンサルタント等
    産業医50人以上医師であって、厚生労働省令で定める要件を備えた者
    安全衛生推進者10人以上50人未満都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を修了した者等14日以内に選任。労基署長への報告義務はない(氏名を作業場の見やすい箇所に掲示等で周知)
    安全委員会50人以上(建設業)議長は総括安全衛生管理者等。委員の半数は労働者の過半数代表の推薦による毎月1回以上開催。議事録は3年間保存
    衛生委員会50人以上(全業種)同上同上
    総括安全衛生管理者
    その事業場のトップ(事業の実施を統括管理する者)が就く役職で、安全管理者・衛生管理者などを指揮し、危険・健康障害防止措置、教育、健康診断、労働災害の原因調査・再発防止対策などの業務を統括管理します。特別な資格や免許は不要です。
    安全衛生委員会
    安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならないときは、それぞれに代えて安全衛生委員会を設置することができます。建設業で常時50人以上なら、実務上はこの安全衛生委員会を置くのが一般的です。
    数字は「100・50・10」の3段階。100人=総括、50人=安全・衛生・産業医・委員会、10人=推進者。1つの事業場としてのピラミッドです。選任は「14日以内」、報告は「遅滞なく」――この組合せもセットで問われます。
    「安全衛生推進者を選任したときは、遅滞なくその旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない」→ 安全衛生推進者・衛生推進者には労基署長への報告義務がありません。報告が必要なのは総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医です。
    「総括安全衛生管理者は、労働安全コンサルタントなど一定の資格を有する者のうちから選任しなければならない」→ 。総括安全衛生管理者は当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者を充てます。資格要件はありません。資格が必要なのは安全管理者・衛生管理者です。

    3建設業の統括管理体制 ―「特定元方事業者」

    ここからが建設業の本丸です。1つの場所で元請と下請の労働者が混在して作業する場合、その場所全体の安全管理を統括するための体制が必要になります。これが統括安全衛生責任者を頂点とする体制です。

    選任者選任するのは誰か選任が必要な規模
    (元請・下請あわせた現場の労働者数)
    職務
    統括安全衛生責任者特定元方事業者
    (=元請)
    常時50人以上
    ずい道等の建設、圧気工法による作業、一定の橋梁(人口集中地区での道路・鉄道上の橋梁)の仕事は常時30人以上
    元方安全衛生管理者を指揮し、第30条の統括管理事項(協議組織の設置運営、作業間の連絡調整、作業場所の巡視 等)を統括管理する。当該場所において事業の実施を統括管理する者(=所長)をもって充てる
    元方安全衛生管理者特定元方事業者
    (=元請)
    統括安全衛生責任者を選任した事業者(=上と同じ規模)統括安全衛生責任者が統括管理すべき事項のうち技術的事項を管理する。その事業場に専属の者で、理科系の大学卒+実務3年以上等の資格が必要
    店社安全衛生管理者特定元方事業者
    (=元請の店社)
    統括安全衛生責任者の選任が不要な中小規模現場のうち、
    ずい道等の建設、圧気工法、一定の橋梁 = 常時20人以上30人未満
    主要構造部が鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建設 = 常時20人以上50人未満
    当該現場を毎月1回以上巡視し、労働者の作業状況を把握。協議組織に随時参加し、計画届に基づく工事の実施状況を確認する
    安全衛生責任者関係請負人(=下請)統括安全衛生責任者が選任された現場で、仕事を行う下請ごとに選任統括安全衛生責任者との連絡、連絡を受けた事項の関係者への連絡、当該事項のうち自社に係るものの実施の管理、後次の請負人の安全衛生責任者との作業間の連絡調整 など
    建設現場の統括安全衛生管理体制(常時50人以上/ずい道等は30人以上) 特定元方事業者(元請) 関係請負人(下請) 統括安全衛生責任者 =現場の所長(事業の実施を統括管理する者) 指揮 元方安全衛生管理者 技術的事項を管理/その事業場に専属 店社安全衛生管理者 小規模現場(20人以上)を月1回以上巡視 協議組織の設置・運営(元請が設置) 安全衛生責任者 下請ごとに選任(元請は選任しない) 職 長(職長・安全衛生責任者教育) 作業中の労働者を直接指導・監督 下請の労働者(作業員) 連絡 ※安全衛生責任者は「統責者との連絡」が中心の職務 ※下請は元方安全衛生管理者を選任しない
    図1 建設業の統括安全衛生管理体制(元請と下請の役割分担)
    名前が似ていて混乱する4つを、「誰が選任するか」で切り分けるのが最短ルートです。
    元請が選任=統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者・店社安全衛生管理者(「統括」「元方」「店社」は元請側)
    下請が選任=安全衛生責任者(「安全衛生責任者」だけが下請側)
    統・元・店は元請、責は下請」と唱えて覚えましょう。
    「安全衛生責任者は、特定元方事業者が選任しなければならない」→ 。安全衛生責任者は関係請負人(下請)が選任します。元請が選任するのは統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者です。
    「ずい道等の建設の仕事では、常時50人以上の労働者が従事する場合に統括安全衛生責任者を選任する」→ ずい道等の建設、圧気工法による作業、一定の橋梁の建設は「常時30人以上」です。危険性が高い工事は基準が厳しく(人数が少なく)なる、と理解しましょう。
    「店社安全衛生管理者は、現場を毎作業日に1回以上巡視しなければならない」→ 。店社安全衛生管理者の巡視は毎月1回以上です。毎作業日に1回以上巡視するのは特定元方事業者(作業場所の巡視)です。この2つの入れ替えは超頻出です。

    4特定元方事業者が講ずべき措置 ―「協議・連絡調整・巡視」

    安衛法第30条は、特定元方事業者が労働災害を防止するために講ずべき措置を列挙しています。第二次検定でもそのまま書けるので、6項目を丸ごと覚えてしまいましょう

    措置試験で問われるポイント
    協議組織の設置および運営特定元方事業者とすべての関係請負人が参加する組織を設置し、会議を定期的に開催する
    作業間の連絡および調整随時、特定元方事業者と関係請負人との間および関係請負人相互間で行う
    作業場所の巡視毎作業日に少なくとも1回行う(毎週1回ではない
    関係請負人が行う労働者の安全衛生教育に対する指導および援助教育を元請が代わって実施する義務ではない。教育の場所・資料の提供、講師の斡旋など「指導・援助」が義務
    仕事の工程に関する計画、作業場所における機械・設備等の配置に関する計画の作成、機械・設備等を使用する作業に関し関係請負人が講ずべき措置についての指導クレーンの配置計画など。関係請負人への「指導」まで含む
    その他労働災害を防止するため必要な事項クレーン等の運転の合図、事故現場等の標識、有機溶剤等の容器の集積箇所、警報の統一 等
    協議組織
    いわゆる「災害防止協議会(安全衛生協議会)」のこと。特定元方事業者およびすべての関係請負人が参加する組織で、元請が設置・運営し、定期的に会議を開催しなければなりません。下請は、この協議組織に参加する義務があります(第32条・関係請負人の義務)。
    関係請負人
    元方事業者の当該事業の仕事が数次の請負契約によって行われるときの、当該請負人の請負契約の後次のすべての請負人をいいます。一次下請だけでなく、二次・三次下請も含みます。

    また、注文者の義務として、建設物・設備・原材料等を、自ら使用させ、または請負人の労働者に使用させる場合は、労働災害を防止するための必要な措置を講じなければなりません(第31条)。足場や型枠支保工、くい打機、軌道装置などを下請に使わせる場合、その安全な状態を確保するのは注文者(元請)の義務です。

    数字だけ抜き出すと、作業場所の巡視=毎作業日1回以上店社安全衛生管理者の巡視=毎月1回以上協議組織の会議=定期的に開催作業間の連絡調整=随時。この4つの「頻度」の組合せ問題が定番です。

    5作業主任者 ―「免許か技能講習か」

    事業者は、労働災害を防止するための管理を必要とする作業で政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者または登録教習機関が行う技能講習を修了した者のうちから、作業主任者を選任しなければなりません(第14条)。

    作業主任者
    その作業に従事する労働者の指揮、器具・工具・要求性能墜落制止用器具等の点検、保護具の使用状況の監視などを行う者。事業者は、作業主任者の氏名およびその者に行わせる事項を、作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければなりません。労働基準監督署長への選任報告は不要です。

    土木施工で選任が必要な主な作業と、その資格区分は次のとおりです。「数値」と「免許/技能講習の別」が問われます。

    作業選任が必要となる規模資格
    高圧室内作業大気圧を超える気圧下の作業室・シャフト内部での作業免許
    ガス溶接作業アセチレン等を用いて行う金属の溶接・溶断・加熱免許
    地山の掘削作業掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削技能講習
    土止め支保工作業切りばり・腹起こしの取付け・取外し(高さの要件なし技能講習
    型枠支保工の組立て等型枠支保工の組立て・解体(高さの要件なし技能講習
    足場の組立て等つり足場・張出し足場、または高さ5m以上の構造の足場の組立て・解体・変更技能講習
    鋼橋架設等橋梁の上部構造(金属製の部材で構成)で、高さ5m以上のもの、または上部構造のうち支間30m以上である部分の架設・解体・変更技能講習
    コンクリート橋架設等上部構造(コンクリート造)で、高さ5m以上のもの、または上部構造のうち支間30m以上である部分の架設・変更技能講習
    コンクリート造の工作物の解体等高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体・破壊技能講習
    建築物等の鉄骨の組立て等高さが5m以上の金属製の部材で構成される建築物の骨組み・塔の組立て・解体・変更技能講習
    ずい道等の掘削等ずい道等の掘削、ずり積み、支保工の組立て、ロックボルトの取付け、コンクリート等の吹付け技能講習
    ずい道等の覆工型枠支保工の組立て、移動・解体、コンクリートの打設等技能講習
    採石のための掘削掘削面の高さが2m以上の採石法上の岩石の採取技能講習
    酸素欠乏危険作業ケーソン内部、井戸、マンホール、暗きょ、ピット等の内部での作業技能講習
    (第2種は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習
    はい作業(はいの高さ2m以上)はいのはい付け・はい崩しの作業技能講習
    木造建築物の組立て等軒の高さ5m以上の木造建築物の構造部材の組立て等技能講習
    石綿等を取り扱う作業石綿等の除去・封じ込め・囲い込み等技能講習
    有機溶剤・特定化学物質作業屋内作業場等での取扱い技能講習
    作業主任者の数値は「2m・5m・30m」の3つに集約されます。
    地山の掘削=2m以上(採石も2m以上)
    足場・鋼橋・コン橋・コンクリート造工作物の解体・鉄骨=5m以上
    橋梁の支間=30m以上
    そして土止め支保工と型枠支保工には数値要件がない(規模を問わず必要)――ここが最頻出のひっかけポイントです。
    「土止め支保工の切りばりの取付け作業では、掘削の深さが2m以上の場合に作業主任者を選任する」→ 土止め支保工の切りばり・腹起こしの取付け等には、規模(深さ)の要件はありません。作業を行う以上、必ず作業主任者が必要です。「2m以上」は地山の掘削のほうです。
    「作業主任者を選任したときは、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告しなければならない」→ 。作業主任者は氏名と職務を作業場の見やすい箇所に掲示する等により周知すれば足り、労基署長への報告は不要です。
    「地山の掘削作業主任者は、都道府県労働局長の免許を受けた者から選任する」→ 。地山の掘削は技能講習修了者です。免許が必要な作業主任者は、土木関係では高圧室内作業・ガス溶接くらいだと覚えておきましょう。

    6就業制限と安全衛生教育 ―「免許・技能講習・特別教育」

    6-1 就業制限(第61条)

    事業者は、クレーンの運転その他の業務で政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者、技能講習を修了した者等でなければ、当該業務に就かせてはなりません。当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他資格を証する書面を携帯しなければなりません。

    業務免許技能講習特別教育
    移動式クレーンの運転つり上げ荷重5t以上つり上げ荷重1t以上5t未満(小型移動式クレーン運転技能講習)つり上げ荷重1t未満
    クレーン・デリックの運転つり上げ荷重5t以上―(床上操作式は技能講習)つり上げ荷重5t未満
    玉掛けの業務つり上げ荷重1t以上のクレーン等の玉掛けつり上げ荷重1t未満
    車両系建設機械(整地・運搬・積込み用、掘削用、基礎工事用、解体用)の運転機体重量3t以上機体重量3t未満
    高所作業車の運転作業床の高さ10m以上作業床の高さ10m未満
    フォークリフトの運転最大荷重1t以上最大荷重1t未満
    ガス溶接ガス溶接作業主任者免許(作業主任者)ガス溶接技能講習(業務)
    発破の作業(せん孔、装てん、結線、点火 等)発破技士免許
    「運転」の資格は大きいものほど重い資格。移動式クレーンは5t以上=免許/1t以上5t未満=技能講習/1t未満=特別教育。車両系建設機械は3t、玉掛け・フォークリフトは1t、高所作業車は10mが境目です。「クレーン5t・重機3t・玉掛け1t・高所10m」で覚えましょう。
    「機体重量3t以上の車両系建設機械の運転業務は、免許を受けた者でなければ就かせてはならない」→ 。車両系建設機械の運転は、機体重量3t以上でも技能講習修了者で足ります。免許が必要なのはつり上げ荷重5t以上のクレーン・移動式クレーン等です。
    「車両系建設機械の運転技能講習を修了していれば、公道を走行することができる」→ 。安衛法の資格は現場内での作業(運転)に係るもの。公道の走行には道路交通法の運転免許(大型特殊等)が別途必要です。

    6-2 安全衛生教育(第59条・第60条)

    教育の種類対象ポイント
    雇入れ時の教育労働者を雇い入れたとき従事する業務に関する安全・衛生のための教育。日雇い労働者・パートも対象
    作業内容変更時の教育労働者の作業内容を変更したとき雇入れ時と同じ内容
    特別教育政令で定める危険・有害業務に労働者を就かせるときアーク溶接、つり上げ荷重1t未満のクレーン運転・玉掛け、機体重量3t未満の車両系建設機械の運転、酸素欠乏危険場所での作業、足場の組立て等の作業(作業主任者を除く)、フルハーネス型墜落制止用器具を用いた高さ2m以上の作業 など。特別教育の記録は3年間保存
    職長等の教育新たに職務に就くこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導・監督する者(作業主任者を除く)建設業は対象。教育事項=作業方法の決定・労働者の配置、労働者に対する指導・監督の方法、危険性・有害性等の調査(リスクアセスメント)、異常時等における措置 など
    「職長等の教育の対象には、作業主任者も含まれる」→ 。職長等の教育の対象からは作業主任者は除かれます(すでに技能講習等を受けているため)。

    7計画の届出 ―「14日前」と「30日前」

    安衛法では、危険・有害な仕事や機械の設置について、あらかじめ計画を届け出させる制度があります。届出先と日数の組合せが試験の中心です。

    計画の届出 ― 届出先と期限 厚生労働大臣へ 30日前まで 労働基準監督署長へ 14日前まで 労働基準監督署長へ 30日前まで 第88条2項(大規模) ・高さ300m以上の塔 ・堤高150m以上のダム ・長さ3,000m以上の ずい道等 など 第88条3項(工事の計画) ・高さ31m超の建築物 ・最大支間50m以上の橋梁 ・ずい道等の建設 ・掘削の高さ・深さ10m以上 第88条1項(機械等の設置) ・足場(高さ10m以上、  60日以上設置) ・型枠支保工(支柱高3.5m〜) ・つり足場、架設通路 など
    図2 計画の届出(大臣届30日前/署長届14日前/機械等設置届30日前)

    7-1 厚生労働大臣への届出(30日前)

    特に大規模な建設工事は、仕事の開始の日の30日前まで厚生労働大臣に届け出ます(第88条2項)。

    • 高さ300m以上の塔の建設
    • 堤高150m以上のダムの建設
    • 最大支間500m以上(つり橋は1,000m以上)の橋梁の建設
    • 長さ3,000m以上のずい道等の建設
    • 長さ1,000m以上3,000m未満のずい道等の建設で、深さ50m以上のたて坑(通路として用いるもの)の掘削を伴うもの
    • ゲージ圧力0.3MPa以上の圧気工法による作業を行う仕事

    7-2 労働基準監督署長への届出(工事の計画・14日前)

    次の仕事を行う事業者(=元請)は、工事の開始の日の14日前までに、所轄労働基準監督署長に計画を届け出ます(第88条3項)。

    工事規模
    建築物・工作物(橋梁を除く)の建設・改造・解体・破壊高さ31mを超えるもの
    橋梁の建設等最大支間50m以上(人口集中地区で道路・鉄道上空の場合は最大支間30m以上50m未満も対象)
    ずい道等の建設等規模を問わず(ただし、たて坑の深さ・掘削断面積が一定以下の小規模なものを除く)
    掘削の高さ・深さ10m以上の地山の掘削
    圧気工法による作業すべて
    石綿等の除去等の作業吹付け石綿の除去、石綿含有保温材等の除去 等
    廃棄物焼却炉の解体等ダイオキシン類のばく露のおそれのある解体・破砕作業
    坑内掘りによる土石の採取のための掘削すべて

    7-3 機械等の設置届(30日前)

    一定の機械等を設置・移転・変更しようとするときは、その工事の開始の日の30日前までに、所轄労働基準監督署長に届け出ます(第88条1項)。

    機械等届出が必要な規模
    足場つり足場・張出し足場以外の足場は高さ10m以上で、かつ組立てから解体までの期間が60日以上のもの
    型枠支保工支柱の高さが3.5m以上のもの
    架設通路高さ・長さがそれぞれ10m以上で、設置期間60日以上のもの
    クレーンつり上げ荷重3t以上(設置届)
    デリックつり上げ荷重2t以上
    エレベーター積載荷重1t以上
    建設用リフト積載荷重0.25t以上で、ガイドレールの高さが18m以上
    ゴンドラすべて(設置届)
    日数の覚え方:「工事の計画は14日前、モノ(機械等)は30日前、大臣は30日前」同じ労基署長宛てでも、工事の計画届は14日前、機械等設置届は30日前という点が、まさに狙われるポイントです。
    「型枠支保工の設置届は、工事開始の日の14日前までに所轄労働基準監督署長に提出する」→ 。型枠支保工は機械等の設置届(第88条1項)なので30日前までです。
    「掘削の高さまたは深さが5m以上の地山の掘削の作業を行う仕事は、労働基準監督署長への計画届が必要である」→ 。計画届が必要なのは掘削の高さ・深さが10m以上です。「5m」ではありません(なお、地山の掘削作業主任者2m以上で必要)。

    8健康診断・作業環境測定・報告 ―「事業者の義務」

    8-1 健康診断(第66条)

    種類対象・時期
    雇入時の健康診断常時使用する労働者を雇い入れるとき
    定期健康診断常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回
    特定業務従事者の健康診断深夜業、坑内労働などに常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際および6か月以内ごとに1回
    特殊健康診断高気圧業務、有機溶剤、特定化学物質、石綿、鉛、四アルキル鉛等の有害業務従事者に対し、6か月以内ごとに1回(一部は異なる)
    健康診断結果の報告常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期健康診断の結果を所轄労働基準監督署長に報告(特殊健康診断は人数にかかわらず報告)
    記録の保存健康診断個人票を作成し、5年間保存(特殊健診は種類により30年・40年)

    事業者は、健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、医師の意見を聴き、必要があると認めるときは就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等の措置を講じなければなりません(第66条の5)。また、健康診断を受けた労働者に対して、遅滞なくその結果を通知しなければなりません。

    8-2 作業環境測定(第65条)

    事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で政令で定めるものについて、必要な作業環境測定を行い、その結果を記録しなければなりません。土木で関係するのは次のようなものです。

    • 坑内の作業場:炭酸ガス濃度(1か月以内ごとに1回)、気温(半月以内ごとに1回)、通気量(半月以内ごとに1回)
    • 酸素欠乏危険場所:作業開始前に酸素濃度(第2種は硫化水素濃度も)を測定(酸素濃度18%以上、硫化水素濃度10ppm以下に保つよう換気)
    • 粉じんを著しく発散する屋内作業場:6か月以内ごとに1回
    • 高温・多湿の坑内などの気積・換気
    酸素欠乏の数値は「酸素18%以上・硫化水素10ppm以下」。ここは第二次検定の安全管理の記述でも頻出です。空気中の酸素濃度は通常約21%で、18%未満が酸素欠乏と定義されます。

    8-3 労働者死傷病報告・事故報告

    報告提出期限
    労働者死傷病報告(休業4日以上または死亡)遅滞なく所轄労働基準監督署長に提出
    労働者死傷病報告(休業4日未満四半期ごと(1~3月、4~6月、7~9月、10~12月分を、それぞれの期間の最後の月の翌月末日まで)に提出
    事故報告(人的被害がなくても、クレーンの倒壊、足場の崩壊、ずい道の落盤等)遅滞なく提出

    また、労働災害その他就業中の事故により労働者が死亡し、または休業したときは、事業者は遅滞なく報告しなければなりません。「労災保険の給付を受けたときに報告する」わけではありません

    「休業4日未満の労働災害については、労働者死傷病報告を提出する必要はない」→ 休業4日未満でも「四半期ごと」に報告が必要です。「不要」ではなく「まとめて出す」が正解です。

    8-4 安全衛生改善計画・危険性等の調査

    事業者は、建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、または作業行動その他業務に起因する危険性または有害性等を調査(リスクアセスメント)し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めなければなりません(第28条の2)。建設業では努力義務である点に注意しましょう(一定の化学物質については義務)。

    9頻出ひっかけ総まとめ

    過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章の形でまとめます。すべて誤りです。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    安全衛生責任者は、特定元方事業者(元請)が選任しなければならない関係請負人(下請)が選任する。元請が選任するのは統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者
    ずい道等の建設の仕事では、常時50人以上の場合に統括安全衛生責任者を選任するずい道等・圧気工法・一定の橋梁は常時30人以上(その他は50人以上)
    店社安全衛生管理者は、当該現場を毎作業日に1回以上巡視する店社安全衛生管理者は毎月1回以上毎作業日1回以上巡視するのは特定元方事業者(作業場所の巡視)
    特定元方事業者は、関係請負人が行う安全衛生教育を代わって実施しなければならない義務は「指導および援助」(場所・資料の提供等)であり、代行義務ではない
    作業間の連絡および調整は、毎週1回行わなければならない随時行う。定期的に開催するのは協議組織の会議
    土止め支保工の切りばりの取付け作業は、深さ2m以上の場合に作業主任者を選任する土止め支保工・型枠支保工の作業主任者に規模(数値)要件はない。2m以上は地山の掘削
    足場の組立て等作業主任者は、高さ2m以上の足場の組立て作業で選任するつり足場・張出し足場、または高さ5m以上の足場(2mは特別教育・安全帯等の基準)
    地山の掘削作業主任者は、免許を受けた者から選任する技能講習修了者。免許が必要な作業主任者は高圧室内・ガス溶接など
    作業主任者を選任したときは、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告する報告義務はない。氏名と職務を作業場の見やすい箇所に掲示等で周知する
    機体重量3t以上の車両系建設機械の運転業務には、免許が必要である技能講習修了者で足りる。免許が必要なのはつり上げ荷重5t以上のクレーン等
    つり上げ荷重が1t以上5t未満の移動式クレーンの運転には、特別教育で足りる小型移動式クレーン運転技能講習が必要。特別教育で足りるのは1t未満
    掘削の高さ・深さが5m以上の地山の掘削の仕事は、計画届の対象である10m以上(第88条3項)。5mではない
    型枠支保工(支柱の高さ3.5m以上)の設置届は、工事開始の14日前までに提出する機械等の設置届は30日前まで(第88条1項)。14日前は工事の計画届(同3項)
    高さ31m以上の建築物の建設の仕事は、計画届が必要である正しくは高さ31mを「超える」建築物。「以上」と「超える」の違いに注意
    安全衛生推進者を選任したときは、遅滞なく所轄労働基準監督署長に報告しなければならない安全衛生推進者に報告義務はない(掲示等により関係労働者に周知)
    総括安全衛生管理者は、常時50人以上の労働者を使用する建設業の事業場で選任する100人以上(建設業)。50人以上は安全管理者・衛生管理者・産業医・委員会
    労働者が休業4日未満の負傷をした場合、労働者死傷病報告は不要である四半期ごとにまとめて報告が必要。4日以上・死亡は遅滞なく
    酸素欠乏危険作業では、空気中の酸素濃度を16%以上に保つよう換気する18%以上(第2種は硫化水素10ppm以下も)
    元方安全衛生管理者は、関係請負人が選任し、技術的事項を管理する選任するのは特定元方事業者(元請)。その事業場に専属の者であることが必要
    就業制限業務に従事するときは、資格を証する書面を事業場に備え付ければよい従事する者は当該書面を携帯していなければならない(第61条3項)

    10章末チェック ― 一問一答10問

    答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。10問中8問正解できれば、本試験でも安衛法は得点源になります。

    1. 建設業の事業場では、常時100人以上の労働者を使用する場合に総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
      答: ○ ― 建設業は100人以上です。総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者を充て、特別な資格は不要です。
    2. ずい道等の建設の仕事では、元請・下請あわせて常時50人以上の労働者が従事する場合に統括安全衛生責任者を選任する。
      答: ✕ずい道等の建設、圧気工法による作業、一定の橋梁の建設は「常時30人以上」です。危険性の高い工事ほど基準人数が少なくなります。
    3. 安全衛生責任者は、統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人(下請)が選任し、統括安全衛生責任者との連絡等を行う。
      答: ○ ― 安全衛生責任者は下請側の役職です。職務の中心は「統括安全衛生責任者との連絡」「連絡事項の関係者への連絡」「自社に係る事項の実施の管理」です。
    4. 特定元方事業者は、作業場所の巡視を毎週1回以上行わなければならない。
      答: ✕ ― 特定元方事業者の作業場所の巡視は毎作業日に少なくとも1回です。毎月1回以上なのは店社安全衛生管理者の巡視です。
    5. 掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削の作業では、地山の掘削作業主任者技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任しなければならない。
      答: ○2m以上・技能講習です。なお、土止め支保工作業主任者・型枠支保工の組立て等作業主任者には数値の要件がありません
    6. 高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体作業では、作業主任者を選任しなければならない。
      答: ○ ― コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習修了者から選任します。「5m」は足場・鋼橋架設・コンクリート橋架設・鉄骨の組立てとも共通の数値です。
    7. つり上げ荷重が1t以上5t未満の移動式クレーンの運転業務は、特別教育を修了した者を就かせることができる。
      答: ✕小型移動式クレーン運転技能講習の修了が必要です。特別教育で足りるのはつり上げ荷重1t未満です。
    8. 最大支間50m以上の橋梁の建設の仕事を行う事業者は、その計画を工事開始の日の14日前までに所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
      答: ○ ― 第88条3項の工事の計画届で、14日前です。ほかに、高さ31mを超える建築物、ずい道等の建設、掘削の高さ・深さ10m以上などが対象です。
    9. 支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工を設置する場合、工事開始の日の14日前までに所轄労働基準監督署長に届け出る。
      答: ✕ ― 型枠支保工は機械等の設置届(第88条1項)なので30日前までです。同じ労基署長宛てでも、工事の計画は14日前、機械等は30日前です。
    10. 労働者が労働災害により死亡し、または休業4日以上の休業をしたときは、事業者は遅滞なく労働者死傷病報告を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
      答: ○ ― 休業4日以上・死亡は遅滞なく。休業4日未満は四半期ごとにまとめて提出します(提出不要ではありません)。
    安衛法の暗記の骨格は、人数(100・50・30・20・10)/長さ・高さ(2m・5m・10m・31m超・50m)/日数(14日前・30日前)/頻度(毎作業日・毎月1回・随時・定期)の4本柱です。試験直前は、この4本柱だけを見返せば十分に戦えます。

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    読んでいて分からなかった用語や、現場での実際の使い方など、疑問はBUILDNAの「現場の質問広場」に投稿してください。現場経験者があなたの疑問に回答します。

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    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「労働基準法」を徹底攻略!
    契約・賃金・労働時間・年少者を数値で押さえる

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

    1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」の分野から例年12問が出題され、そのうち8問を選択して解答する形式になっています(年度により配置は多少前後します)。つまり、法規は「全部やる」必要はなく、得意な法令を確実に8問取りにいくのが正しい戦略です。そして、その8問の中核になるのが本記事のテーマである労働基準法です。

    労働基準法は、法規の中で毎年2問前後が安定して出題される定番分野です。しかも出題は徹底的に過去問の焼き直しで、問われる条文はほぼ固定されています。労働契約の期間、解雇予告、賃金支払の5原則、休業手当、割増賃金、労働時間と休憩・休日、年少者・妊産婦の就業制限、就業規則、災害補償 ―― 出るところはこれだけです。逆に言えば、出るところを外すと確実に落とすということでもあります。

    この記事では、条文の「趣旨(なぜそう決めたのか)」から入り、そのうえで試験で問われる数値と要件を表にして整理していきます。数字は理屈で覚えれば忘れません。最後に頻出ひっかけの総まとめ表と、一問一答10問を用意しました。読み終えるころには、労働基準法は「捨てる問題」ではなく「拾いにいく問題」に変わっているはずです。

    1労働基準法の全体像 ―「労働条件の最低基準」

    労働基準法は、労働条件の「最低基準」を定めた法律です。第1条では「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」とし、この基準は最低のものであるから、労働関係の当事者はこの基準を理由として労働条件を低下させてはならないと明記しています。ここが試験で狙われます。

    労働者(労基法第9条)
    職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます。正社員だけでなく、パート・アルバイト・日雇い労働者も含まれます。
    使用者(労基法第10条)
    事業主だけでなく、事業の経営担当者、その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者をいいます。つまり、現場代理人・監理技術者・職長も、その権限の範囲では「使用者」に当たります。
    賃金(労基法第11条)
    名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいいます。賞与・手当も賃金です。
    平均賃金(労基法第12条)
    算定事由の発生した日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った金額です。解雇予告手当・休業手当・災害補償の計算基礎になります。

    「平均賃金」は労働日数ではなく総日数(暦日数)で割るのがポイントです。ここを入れ替えるひっかけが実際に出ています。

    労働基準法 労働契約期間・明示・解雇 賃 金5原則・割増 労働時間8時間・40時間 休憩・休日45分・1時間 年少者・女性就業制限 災害補償療養・休業 共通ルール:この法律の基準は「最低基準」=下回る契約は無効 基準に達しない部分は無効 → その部分は労基法の基準による(第13条)
    図1 労働基準法の体系(第一次検定の出題範囲)
    労働基準法に達しない労働条件を定めた労働契約は、その部分についてのみ無効となり、無効となった部分は労働基準法の定める基準によります(第13条)。契約全体が無効になるのではありません。「一部無効・法定基準で置換」と覚えましょう。

    2労働契約 ―「期間の上限と5つの禁止事項」

    2-1 労働契約の期間

    期間の定めのある労働契約(有期労働契約)は、原則として3年を超える期間について締結してはなりません(第14条)。ただし、次の場合は5年まで認められます。

    区分契約期間の上限
    原則(期間の定めのある契約)3年
    専門的な知識・技術・経験を有する者(高度専門職)5年
    60歳以上の労働者との契約5年
    一定の事業の完了に必要な期間を定める契約(有期の建設工事など)上限なし(その事業の完了までの期間)
    期間の定めのない契約(正社員など)制限なし

    土木で重要なのは3行目の下、「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの」です。たとえば5年かかるダム工事に、その工事の完了までを期間とする契約を結ぶことは認められます。3年を超えるからダメ、ではありません。

    「土木工事のように有期的事業でも、労働契約の期間は3年を超えてはならない」→ 。正しくは、一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約は、その事業の完了に必要な期間まで(3年を超えても)締結できます

    2-2 労働条件の明示(第15条)

    使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して労働条件を明示しなければなりません。特に重要な事項(絶対的明示事項)は書面の交付(労働者が希望した場合はFAXや電子メール等でも可)で明示する必要があります。

    書面で明示(絶対的明示事項)口頭でも可(定めをした場合に明示)
    ① 労働契約の期間
    ② 有期契約を更新する場合の基準(通算契約期間・更新回数の上限を含む)
    ③ 就業の場所・従事すべき業務(変更の範囲を含む)
    ④ 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩、休日、休暇、交替制の事項
    ⑤ 賃金の決定・計算・支払の方法、締切・支払の時期、昇給に関する事項
    ⑥ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
    ・退職手当
    ・臨時に支払われる賃金、賞与
    ・労働者に負担させる食費・作業用品
    ・安全衛生
    ・職業訓練
    ・災害補償、業務外の傷病扶助
    ・表彰、制裁
    ・休職

    明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができます。さらに、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担しなければなりません(第15条3項)。

    明示違反で解除 → 帰郷旅費は「14日以内」。この14日は、労働安全衛生法の「計画届=14日前」と数字が同じなので、まとめて覚えると効率的です。

    2-3 労働契約に関する5つの禁止事項

    労働者を借金や貯金で職場に縛りつける「足止め策」を封じるための規定です。ここは毎年のように出ます

    条文禁止される内容ポイント
    第16条
    賠償予定の禁止
    労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない「実際に生じた損害の賠償請求」まで禁止されているわけではない(あらかじめ額を決めておくのが✕)
    第17条
    前借金相殺の禁止
    前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない貸すこと自体が禁止ではなく、賃金との相殺が禁止
    第18条
    強制貯金の禁止
    労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、または貯蓄金を管理する契約をしてはならないただし労働者の委託を受けた社内預金は、労使協定+労基署長への届出等の要件を満たせば可
    第5条
    強制労働の禁止
    暴行・脅迫・監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって労働を強制してはならない労基法で最も重い罰則(1年以上10年以下の拘禁刑等)
    第6条
    中間搾取の排除
    法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならないいわゆる「ピンハネ」の禁止。有料職業紹介事業など法に基づくものは適法
    「使用者は、労働者に対して前貸の債権(前借金)を貸し付けること自体が禁止されている」→ 。禁止されているのは前借金と賃金を相殺することであって、貸付そのものは禁止されていません。
    「労働者が現場の重機を壊した場合、使用者はその損害の賠償を請求することができない」→ 。禁止されているのはあらかじめ賠償額を予定しておくことです。現実に生じた損害について賠償を請求すること自体は妨げられません。

    3解雇 ―「予告30日と解雇制限」

    3-1 解雇の予告(第20条)

    使用者が労働者を解雇しようとする場合は、少なくとも30日前にその予告をしなければなりません。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。予告日数は、平均賃金を支払った日数分だけ短縮できます(例:10日分の平均賃金を支払えば、予告は20日前でよい)。

    解雇予告手当
    予告なしに即時解雇する場合に支払う手当。平均賃金の30日分以上です。「30日分の賃金」ではなく「30日分の平均賃金」である点に注意。

    ただし、次の場合は解雇予告が不要です。いずれも所轄労働基準監督署長の認定が必要です。

    • 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
    • 労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合

    3-2 解雇の制限(第19条)

    次の期間は、たとえ予告をしても解雇そのものができません。これが「解雇制限」です。

    解雇できない期間内容
    業務上の負傷・疾病その療養のために休業する期間+その後30日間
    産前産後の休業産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間+その後30日間

    ただし例外があり、① 使用者が打切補償(平均賃金の1,200日分)を支払う場合、② 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合(労基署長の認定が必要)は、解雇制限は適用されません。

    解雇まわりは「30」だらけです。予告30日前・予告手当30日分・解雇制限は休業期間+30日。そして打切補償だけが1,200日分。「サンジュウ×3、打切りだけ1200」と唱えて覚えましょう。
    「業務上の負傷で通院しているが休業していない労働者は、解雇制限の対象になる」→ 。解雇制限がかかるのは「療養のために休業する期間」です。休業していなければ解雇制限は及びません。
    「天災事変により事業の継続が不可能となった場合は、労働基準監督署長の認定がなくても即時解雇できる」→ 行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けなければなりません。

    4賃金 ―「支払5原則・休業手当・非常時払」

    4-1 賃金支払の5原則(第24条)

    賃金は、①通貨で ②直接労働者に ③その全額を ④毎月1回以上 ⑤一定の期日を定めて支払わなければなりません。これが有名な「賃金支払の5原則」で、法規の超頻出項目です。

    原則内容例外(認められる場合)
    ① 通貨払現金(日本円)で支払う。現物給与は原則✕法令・労働協約に別段の定めがある場合。労働者の同意があれば銀行口座振込み、資金移動業者の口座への資金移動(賃金のデジタル払い)も可
    ② 直接払労働者本人に直接支払う親権者・後見人・代理人への支払は✕。ただし使者(本人の病気により妻が受け取る等)への支払は可
    ③ 全額払控除せず全額支払う法令に定めがある場合(所得税・社会保険料)、または労使協定がある場合(社宅費・組合費等)
    ④ 毎月1回以上払毎月最低1回は支払う臨時に支払われる賃金、賞与、1か月を超える期間の精勤手当・勤続手当・能率手当
    ⑤ 一定期日払「毎月25日」など期日を特定する同上。「毎月第4金曜日」は日が動くので✕(「月末」は可)
    「未成年者の賃金は、親権者又は後見人がこれを受け取ることができる」→ 。第59条により、未成年者は独立して賃金を請求でき、親権者又は後見人は未成年者の賃金を代わって受け取ってはならないと明記されています。直接払の原則の徹底です。

    4-2 休業手当(第26条)

    使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業期間中、労働者に平均賃金の100分の60以上の手当(休業手当)を支払わなければなりません。

    使用者の責に帰すべき事由
    経営上の障害(資材が届かない、親会社の経営難による資金難、機械の故障、注文減による作業中止など)を含む広い概念です。一方、天災事変などの不可抗力による休業は使用者の責に帰すべき事由に当たらず、休業手当の支払義務はありません。
    「60%」は休業手当・休業補償・産前産後休業中に関連する各種給付で共通して出てくる数字です。ただし休業手当(第26条・使用者の都合)と休業補償(第76条・業務上災害)は条文も原因も別物。混同させるのが定番のひっかけです。

    4-3 非常時払(第25条)

    労働者が出産・疾病・災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合、使用者は支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければなりません

    ポイントは2つ。労働者の請求があることと、支払うのは「既往の労働に対する賃金」(=すでに働いた分)だけということです。まだ働いていない分の前払い(前借り)を強制されるわけではありません。

    「非常時払として、使用者は将来の労働に対する賃金も前払いしなければならない」→ 。支払義務があるのは既往の労働に対する賃金のみです。

    5割増賃金 ―「25%・35%・50%の使い分け」

    使用者が時間外労働・休日労働・深夜労働をさせた場合は、通常の労働時間または労働日の賃金の計算額に、次の率以上の割増賃金を支払わなければなりません(第37条)。

    時間外労働
    法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超える労働のこと。会社の所定労働時間(例:7時間)を超えても、8時間以内なら法律上の「時間外」ではありません(法内残業)。
    深夜労働
    午後10時から午前5時までの間の労働をいいます(厚生労働大臣が必要と認める地域・期間は午後11時~午前6時)。
    種類割増率備考
    時間外労働(法定労働時間を超える)25%以上2割5分以上
    1か月60時間を超える時間外労働50%以上中小企業にも適用済み
    休日労働(法定休日)35%以上3割5分以上
    深夜労働(22時~5時)25%以上2割5分以上
    時間外+深夜50%以上25%+25%
    休日+深夜60%以上35%+25%
    月60時間超の時間外+深夜75%以上50%+25%
    割増賃金率(第37条) 時間外 25%以上 月60h超 50%以上 休日労働 35%以上 深夜労働 25%以上(22時~5時) 時間外+深夜 50%以上(25+25) ※ 休日労働に対しては時間外の割増は重複しない(休日には法定労働時間の概念がないため)
    図2 割増賃金率の一覧(時間外・休日・深夜の組合せ)
    「法定休日に10時間労働させた場合、8時間を超えた2時間については35%+25%=60%の割増賃金を支払う」→ 法定休日の労働にはもともと「法定労働時間」の概念がないため、何時間働いても35%以上のままです(深夜になれば+25%)。

    6労働時間・休憩・休日・年次有給休暇

    6-1 法定労働時間と36協定

    使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間1日について8時間を超えて労働させてはなりません(第32条)。これを超えて働かせるには、36協定(サブロク協定)が必要です。

    36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)
    労基法第36条に基づく労使協定。事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(ないときは労働者の過半数を代表する者)と書面で協定し、所轄労働基準監督署長に届け出ることで、はじめて時間外・休日労働をさせることができます。締結しただけでは足りず、「届出」までして効力が生じます

    時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、年720時間以内、複数月平均80時間以内(休日労働含む)、月100時間未満(休日労働含む)、月45時間超は年6か月まで、という枠を超えられません。

    建設事業は上限規制の適用が猶予されていましたが、2024年4月1日から上限規制が適用されています(いわゆる「2024年問題」)。ただし、災害時における復旧・復興の事業については、月100時間未満・複数月平均80時間以内の規制は適用されません。

    36協定を結んでも「災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合」(第33条)は別ルートです。この場合は行政官庁の許可を受けて時間外・休日労働をさせることができ、事態急迫のため許可を受ける暇がない場合は、事後に遅滞なく届け出れば足ります

    6-2 休憩(第34条)

    1日の労働時間与えるべき休憩時間
    6時間以下不要
    6時間を超え8時間以下少なくとも45分
    8時間を超える少なくとも1時間

    休憩には3つの原則があります。①労働時間の途中に与える ②一斉に与える ③自由に利用させる。②の一斉付与は労使協定があれば例外とできます(また運輸交通業・商業・接客娯楽業などは適用除外)。

    「労働時間が8時間ちょうどの場合、1時間の休憩を与えなければならない」→ 。8時間ちょうどなら45分で足ります。「8時間を超える」場合に1時間です。

    6-3 休日(第35条)

    使用者は、労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければなりません。ただし、4週間を通じ4日以上の休日を与える場合(変形休日制)は、この限りではありません。

    なお「休日の振替」と「代休」は違います。休日の振替はあらかじめ休日と労働日を入れ替えるもので、振り替えた日は労働日となるため休日労働の割増(35%)は不要です。一方、代休は休日労働をさせた後で別の日に休ませるもので、休日労働の事実は消えず、35%の割増賃金が必要です。

    6-4 年次有給休暇(第39条)

    使用者は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働日の有給休暇を与えなければなりません。

    継続勤務年数0.5年1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年以上
    付与日数10日11日12日14日16日18日20日

    有給休暇は労働者の請求する時季に与えるのが原則です。ただし、請求された時季に有給を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、使用者は他の時季に変更することができます時季変更権)。

    時季変更権
    使用者が有給休暇の取得時季をずらす権利。「有給休暇を与えない(拒否する)権利」ではありません。あくまで「他の時季に与える」だけです。ここが定番のひっかけです。
    年5日の時季指定義務
    年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、使用者は年5日について、時季を指定して取得させなければなりません(2019年4月~)。

    有給休暇の請求権は2年で時効消滅します。また、業務上の負傷・疾病による療養のための休業期間、産前産後の休業期間、育児・介護休業期間は、出勤率の算定にあたり出勤したものとみなされます

    「使用者は、事業の正常な運営を妨げる場合においては、労働者が請求した年次有給休暇を与えないことができる」→ 。与えないのではなく、「他の時季に与える」ことができるだけです。

    7年少者・妊産婦等 ―「就業制限の一覧」

    7-1 最低年齢と年齢証明書

    使用者は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで(=中学卒業まで)、児童を労働者として使用してはなりません(第56条)。

    また、使用者は満18歳に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書(住民票記載事項証明書)を事業場に備え付けなければなりません(第57条)。

    「使用者は、満18歳未満の者について、その年齢を証明する書面を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない」→ 。提出ではなく事業場に備え付けるです。

    7-2 年少者(満18歳未満)の就業制限

    項目内容
    深夜業(第61条)原則として午後10時~午前5時の間は使用禁止(交替制の満16歳以上の男性は例外)
    坑内労働(第63条)満18歳未満は坑内労働に就かせてはならない(例外なし)
    時間外・休日労働36協定による時間外・休日労働は(変形労働時間制も原則✕)
    危険有害業務(第62条)下表の業務に就かせてはならない
    帰郷旅費(第64条)満18歳未満の者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担(労働者の責めに帰すべき事由による解雇で、労基署長の認定を受けたときを除く)

    年少者に就かせてはならない危険有害業務(年少者労働基準規則第8条)のうち、土木施工でよく問われるものは次のとおりです。

    • クレーン、デリック、揚貨装置の運転の業務
    • クレーン、デリック、揚貨装置の玉掛けの業務(2人以上で行う玉掛けの補助業務を除く)
    • 最大積載荷重2t以上の人荷共用・荷物用エレベーター、高さ15m以上のコンクリート用エレベーターの運転の業務
    • 動力により駆動される土木建築用機械(車両系建設機械等)の運転の業務
    • 直流750V/交流300Vを超える充電電路の点検・修理等の業務
    • 足場の組立て・解体・変更の業務(地上・床上での補助作業を除く)
    • 土砂が崩壊するおそれのある場所、または深さ5m以上の地穴における業務
    • 高さ5m以上で墜落により危害を受けるおそれのある場所における業務
    • 胸高直径35cm以上の立木の伐採の業務
    • 火薬その他爆発性の原料を取り扱う業務、著しくじんあい・粉末を飛散する場所における業務
    • 強烈な騒音を発する場所における業務、さく岩機・鋲打機等身体に著しい振動を与える機械を用いて行う業務
    • 重量物を取り扱う業務(下表)
    年齢・性別断続作業の場合継続作業の場合
    満16歳未満12kg以上15kg以上8kg以上10kg以上
    満16歳以上18歳未満25kg以上30kg以上15kg以上20kg以上
    満18歳以上(女性)30kg以上20kg以上
    重量物の表は「断続 > 継続」「男 > 女」「年上 > 年下」という当たり前の大小関係になっています。丸暗記が苦しければ、満18歳以上の女性の継続作業=20kg以上は取り扱わせてはならないという1つの数値だけでも確実に押さえておきましょう。

    7-3 妊産婦等(女性)の就業制限

    妊産婦
    妊娠中の女性および産後1年を経過しない女性をいいます(第64条の3)。
    規定内容
    坑内業務(第64条の2)妊娠中の女性、および申し出た産後1年以内の女性は坑内業務に就かせてはならない。それ以外の女性も、人力による掘削等の坑内で行われる業務には就かせてはならない
    危険有害業務(第64条の3)妊産婦を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所の業務など妊娠・出産・哺育等に有害な業務に就かせてはならない
    変形労働時間制・時間外・休日・深夜(第66条)妊産婦が請求した場合は、時間外労働・休日労働・深夜業をさせてはならない
    産前産後(第65条)産前6週間(多胎妊娠は14週間)は請求した場合に就業させてはならない。産後8週間は原則として就業させてはならない(産後6週間経過後、本人が請求し医師が支障ないと認めた業務は可)
    軽易な業務への転換(第65条3項)妊娠中の女性が請求した場合、他の軽易な業務に転換させなければならない
    育児時間(第67条)生後満1年に達しない生児を育てる女性は、休憩時間のほか1日2回、各々少なくとも30分の育児時間を請求できる
    「妊産婦については、使用者は時間外労働・休日労働・深夜業をさせてはならない」→ 妊産婦が「請求した場合」に禁止されます(産前産後休業と違い、当然禁止ではありません)。「請求」の2文字を消すのが典型的なワナです。
    「産後8週間を経過しない女性は、いかなる場合も就業させることができない」→ 産後6週間を経過した女性が請求し、医師が支障ないと認めた業務には就かせることができます。

    8就業規則・災害補償・記録の保存・監督機関

    8-1 就業規則(第89条~第93条)

    常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。変更した場合も同様に届出が必要です。

    作成・変更にあたっては、労働者の過半数で組織する労働組合(ないときは労働者の過半数を代表する者)の意見を聴かなければなりません(第90条)。

    就業規則は「意見を聴く」だけでよく、同意を得る必要も、協議して決める必要もありません。「同意を得なければならない」と書いてあれば✕です。届出の際には意見書を添付します。

    就業規則の必要記載事項は次のとおりです。

    絶対的必要記載事項(必ず書く)相対的必要記載事項(定めをする場合は書く)
    ① 始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、交替制の場合の就業時転換に関する事項
    ② 賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切・支払の時期、昇給に関する事項
    ③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
    ・退職手当
    ・臨時の賃金(賞与)、最低賃金額
    ・食費、作業用品などの負担
    ・安全衛生
    ・職業訓練
    ・災害補償、業務外の傷病扶助
    ・表彰、制裁
    ・その他事業場の全労働者に適用される事項

    就業規則は、法令または当該事業場に適用される労働協約に反してはなりません。また、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効となり、就業規則の基準によります(第93条・労働契約法第12条)。効力の順序は法令 > 労働協約 > 就業規則 > 労働契約です。

    8-2 災害補償(第75条~第88条)

    労働者が業務上負傷し、または疾病にかかった場合、使用者は次の補償を行わなければなりません。使用者の過失の有無を問わない(無過失責任)のが特徴です。

    補償条文内容
    療養補償第75条使用者の費用で必要な療養を行い、または必要な療養の費用を負担する
    休業補償第76条療養のため労働できず賃金を受けない場合、平均賃金の100分の60を支払う
    障害補償第77条身体に障害が存する場合、障害等級に応じ平均賃金に所定の日数を乗じた金額を支払う
    遺族補償第79条労働者が死亡した場合、遺族に平均賃金の1,000日分を支払う
    葬祭料第80条葬祭を行う者に平均賃金の60日分を支払う
    打切補償第81条療養開始後3年を経過しても治らない場合、平均賃金の1,200日分を支払えば、その後は補償を行わなくてよい(解雇制限も解除)

    なお、労働者が重大な過失によって業務上負傷し、かつ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合には、休業補償および障害補償を行わなくてもよいとされています(第78条)。療養補償は免除されません

    「労働者が重大な過失によって業務上負傷した場合、使用者は療養補償を行わなくてもよい」→ 。免除されるのは休業補償と障害補償だけです。療養補償(治療費)は必ず行わなければなりません。
    災害補償の「日数」を整理:遺族補償1,000日分・打切補償1,200日分・葬祭料60日分。休業補償は60%。「イチセン(遺族)・イチニ(打切)・ロクジュウ(葬祭・休業%)」でリズムを付けて覚えましょう。

    8-3 記録の保存・報告

    書類内容
    労働者名簿(第107条)各事業場ごとに、各労働者(日日雇い入れられる者を除く)について調製。氏名・生年月日・履歴・従事する業務の種類・雇入年月日・退職年月日と事由・死亡年月日と原因など
    賃金台帳(第108条)各事業場ごとに調製。賃金計算の基礎となる事項、賃金の額などを賃金支払のつど遅滞なく記入
    記録の保存(第109条)労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・解雇・災害補償・賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間(当分の間3年間)保存

    8-4 監督機関と申告

    労働基準監督官は、事業場・寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿・書類の提出を求め、使用者・労働者に対して尋問を行うことができます(第101条)。また、労働基準法違反の罪について刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行います(第102条)。

    事業場にこの法律またはこれに基づく命令に違反する事実がある場合、労働者は行政官庁または労働基準監督官に申告することができます。使用者は、申告をしたことを理由として労働者に対し解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません(第104条)。

    9建設業の特例 ―「災害補償は元請負人を使用者とみなす」

    労働基準法には、建設業(土木・建築等の事業)だけに適用される特別な条文があります。第87条の「請負事業に関する例外」です。1級土木の第一次検定では、これが単独の選択肢として出てきます。

    請負事業に関する例外(第87条)
    土木・建築その他工作物の建設等の事業が数次の請負によって行われる場合災害補償については元請負人を使用者とみなすという規定です(第87条1項)。第87条が対象としているのは「災害補償」であって、賃金の支払ではありません。ここを「賃金についても元請が連帯責任を負う」と書き換える選択肢は誤りです(下請の賃金不払いに対する元請への勧告は、労基法ではなく建設業法第41条の制度です)。

    第87条を条文の順に整理すると次のようになります。

    内容
    第87条1項建設の事業が数次の請負によって行われる場合、災害補償については、その元請負人を使用者とみなす
    第87条2項元請負人が書面による契約で下請負人に補償を引き受けさせた場合は、その下請負人もまた使用者とする。ただし、2以上の下請負人に、同一の事業について重複して引き受けさせてはならない
    第87条3項2項の場合でも、その下請負人が補償を行わないときは、元請負人は災害補償を行わなければならない
    要するに、「災害補償の最終責任は元請にある」ということです。書面契約で下請に引き受けさせても、下請が補償しなければ元請が補償する。この「逃げられない」構造が試験の核心です。
    「建設の事業が数次の請負によって行われる場合、災害補償については、下請負人を使用者とみなす」→ 元請負人を使用者とみなします。
    「元請負人が書面による契約で下請負人に補償を引き受けさせた場合、元請負人は災害補償の義務を完全に免れる」→ 下請負人が補償を行わないときは、元請負人が行わなければなりません

    10頻出ひっかけ総まとめ

    ここまで学んだ内容を、過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章の形でまとめます。すべて誤りです。目で追うだけでなく、右列を隠して「どこが違うか」を言えるようにしてください。

    ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
    労働基準法の基準に達しない労働契約は、契約の全部が無効となるその部分についてのみ無効となり、無効となった部分は労働基準法の基準による(第13条)
    平均賃金は、算定事由発生日以前3か月間の賃金総額をその期間の労働日数で除した金額である総日数(暦日数)で除する(第12条)
    労働契約の期間は、いかなる場合も3年を超えてはならない高度専門職・満60歳以上は5年、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの(有期の建設工事等)は3年を超えてよい
    使用者は、労働者に前借金を貸し付けてはならない禁止されているのは前借金と賃金の相殺(第17条)。貸付自体は禁止されていない
    使用者は、労働者が現に会社に与えた損害の賠償を請求してはならない禁止されているのは賠償額をあらかじめ予定する契約(第16条)。現実の損害賠償請求は可能
    使用者は、解雇の予告をする場合、少なくとも14日前に予告しなければならない30日前。予告しない場合は30日分以上の平均賃金を支払う(第20条)
    業務上の負傷で通院中(休業していない)の労働者は、解雇してはならない解雇制限がかかるのは「療養のために休業する期間」+その後30日間(第19条)
    未成年者の賃金は、その親権者または後見人が代わって受け取ることができる親権者・後見人は未成年者の賃金を代わって受け取ってはならない(第59条)。未成年者は独立して賃金を請求できる
    使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の100分の80以上の休業手当を支払う100分の60以上(第26条)
    法定休日に8時間を超えて労働させた場合、超えた時間には35%+25%の割増賃金が必要である法定休日の労働は何時間でも35%以上のまま(深夜になれば+25%)
    1日の労働時間が8時間ちょうどの場合、1時間の休憩を与えなければならない8時間ちょうどなら45分。1時間必要なのは「8時間を超える」場合(第34条)
    使用者は、事業の正常な運営を妨げる場合、年次有給休暇を与えないことができる与えないのではなく、他の時季に与えることができる(時季変更権・第39条5項)
    使用者は、満18歳未満の者の年齢を証明する書面を労働基準監督署長に提出しなければならない事業場に備え付ける(第57条)
    満18歳未満の者でも、交替制であれば坑内労働に就かせることができる満18歳未満の坑内労働は例外なく禁止(第63条)。交替制の例外があるのは深夜業(満16歳以上の男性)
    使用者は、妊産婦に時間外労働・深夜業をさせてはならない妊産婦が請求した場合に禁止される(第66条)
    就業規則の作成・変更にあたっては、労働者の過半数代表者の同意を得なければならない意見を聴かなければならない(第90条)。同意までは不要
    就業規則は、常時5人以上の労働者を使用する使用者が作成・届出する常時10人以上(第89条)
    数次の請負による建設の事業では、災害補償について下請負人を使用者とみなす元請負人を使用者とみなす(第87条1項)
    36協定は、労使で書面により締結すれば、届け出なくても時間外労働をさせることができる所轄労働基準監督署長への届出をして初めて効力を生じる(第36条)
    打切補償の額は、平均賃金の1,000日分である1,200日分(第81条)。1,000日分は遺族補償(第79条)

    11章末チェック ― 一問一答10問

    ここまでの内容が定着しているか、○×で確認しましょう。答えを隠して解いてから、解説を読んでください。

    1. 労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、無効となった部分は労働基準法で定める基準による。
      答: ○ ― 第13条のとおりです。契約全体が無効になるのではない点がポイントです。
    2. 一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約であっても、その期間は3年を超えてはならない。
      答: ✕ ― 一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約は、3年の上限が適用されず、その事業の完了までの期間を定めることができます(第14条)。トンネルやダムのような長期工事を想定した規定です。
    3. 使用者は、労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。
      答: ○ ― 第20条のとおり。予告日数は、支払った平均賃金の日数分だけ短縮できます。
    4. 使用者は、労働者が業務上負傷し療養のために休業する期間およびその後14日間は、その労働者を解雇してはならない。
      答: ✕ ― 「14日間」ではなく30日間です(第19条)。なお、打切補償(平均賃金1,200日分)を支払う場合等は例外となります。
    5. 使用者は、労働者の親権者または後見人に対して、未成年者の賃金を支払うことができる。
      答: ✕ ― 未成年者は独立して賃金を請求でき、親権者・後見人が代わって受け取ることはできません(第59条)。賃金支払の「直接払の原則」の徹底です。
    6. 使用者の責に帰すべき事由により休業した場合、使用者は休業期間中、労働者に平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならない。
      答: ○ ― 第26条のとおり。天災事変等の不可抗力による休業は「使用者の責に帰すべき事由」に当たらないため、支払義務はありません。
    7. 使用者は、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合、労働時間の途中に少なくとも1時間の休憩時間を与えなければならない。
      答: ✕ ― 6時間超8時間以下は45分、8時間を超える場合に1時間です(第34条)。
    8. 使用者は、満18歳に満たない者を、地上または床上において行う足場の組立ての補助作業を除き、足場の組立て・解体・変更の業務に就かせてはならない。
      答: ○ ― 年少者労働基準規則第8条の危険有害業務のひとつです。同様にクレーンの運転・玉掛け、車両系建設機械の運転、深さ5m以上の地穴での業務、高さ5m以上の墜落のおそれのある場所での業務なども禁止されています。
    9. 使用者は、常時10人以上の労働者を使用する場合、就業規則を作成し、労働者の過半数代表者の同意を得て所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
      答: ✕ ― 「同意を得て」が誤りです。正しくは意見を聴かなければならない(第90条)。届出には意見書を添付します。
    10. 建設の事業が数次の請負によって行われる場合、災害補償については、元請負人を使用者とみなす。
      答: ○ ― 第87条1項のとおり。書面契約で下請負人に補償を引き受けさせても、その下請負人が補償を行わないときは元請負人が補償を行わなければなりません
    労働基準法は、覚えるべき数値が「3年・5年/30日/60%/25%・35%・50%/8時間・40時間/45分・1時間/10人/1,000日・1,200日」に集約されます。この数字リストを試験直前に見返せるようにしておけば、労働基準法の2問はほぼ確実に拾えます。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

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  • 【1級土木施工管理技士】環境保全・建設副産物を徹底攻略|リサイクル法・マニフェストのすべて

    【1級土木施工管理技士】環境保全・建設副産物を徹底攻略|リサイクル法・マニフェストのすべて

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    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「環境保全・建設副産物」を徹底攻略!
    リサイクル法・マニフェストのすべて

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 施工管理法

    環境保全・建設副産物は毎年3〜4問の安定出題。「特定建設資材の4品目」「マニフェストのルール」「騒音振動の数字(85dB・75dB・7日前)」「対策の優先順位」を押さえれば取り切れます。

    出題分析 ― 4つの法律から出る
    法律繰り返し問われる論点
    建設リサイクル法特定建設資材4品目・対象規模・届出
    資源有効利用促進法指定副産物・再生資源利用(促進)計画
    廃棄物処理法排出事業者=元請・マニフェスト・保管基準
    騒音・振動規制法特定建設作業・85dB/75dB・届出7日前(市町村長)

    1建設リサイクル法 ― 特定建設資材の4品目

    特定建設資材と対象規模
    図1 特定建設資材4品目 ― 「コン・コン鉄・木・アスコン」
    • 特定建設資材(4品目): ①コンクリート ②コンクリート及び鉄からなる建設資材 ③木材 ④アスファルト・コンクリート。対象工事では分別解体と再資源化が義務
    • 対象規模: 建築物の解体床面積80m²以上、新築・増築500m²以上、修繕・模様替1億円以上その他の工作物(土木工事等)500万円以上
    • 発注者は工事着手の7日前までに都道府県知事へ届出
    • 建設副産物のうち、建設発生土は廃棄物ではない(再生資源)。建設汚泥・がれき類などは産業廃棄物。
    「建設発生土は特定建設資材に含まれる」→ ✕(4品目に土は無い)「建設汚泥は特定建設資材」→ ✕(産業廃棄物)。4品目の暗記は「コン・コン鉄・木・アスコン」。

    2資源有効利用促進法 ― 指定副産物と利用計画

    • 指定副産物(再利用を促進すべきもの): 建設発生土・コンクリート塊・アスファルト・コンクリート塊・建設発生木材の4つ。建設リサイクル法の「特定建設資材」との違い(土が入るか)がひっかけどころ。
    • 再生資源利用計画(搬入側): 土砂1,000m³以上、砕石500t以上、加熱アスファルト混合物200t以上を搬入する工事で作成。
    • 再生資源利用促進計画(搬出側): 建設発生土1,000m³以上、コンクリート塊・アスコン塊・建設発生木材の合計200t以上を搬出する工事で作成。
    • 計画は元請業者が作成し、実施状況を記録して工事完成後も保存する。
    「建設発生土は指定副産物に含まれない」→ ✕(含まれる。含まれないのは特定建設資材の方)「特定建設資材に土は無い/指定副産物に土は有る」とセットで覚える。

    3廃棄物処理法 ― 分類・マニフェスト・保管

    マニフェストの流れ
    図2 マニフェスト ― 交付は排出事業者(元請)、保存は5年
    • 廃棄物の分類: 家庭等の一般廃棄物と、事業活動に伴う産業廃棄物。建設現場の建設汚泥・廃油・廃コンクリート・がれき類・廃プラスチックは産業廃棄物爆発性・毒性・感染性のあるもの(廃石綿・PCB等)は特別管理産業廃棄物
    • 建設工事の産業廃棄物の排出事業者は元請業者(下請ではない)。処理責任も元請にある。
    • マニフェスト(産業廃棄物管理票)は排出事業者が交付し、収集運搬→処分の各段階で写しの返送により最終処分までの完了を確認する。
    • マニフェストの保存期間は5年。電子マニフェストの活用も進む。
    • 処理は許可を受けた業者(収集運搬・処分それぞれ)に委託し、委託契約は書面で。再生資源(がれき類→再生砕石など)への再資源化を優先する。
    • 現場での保管基準: 周囲に囲いを設け、掲示板(60cm角以上)で種類・管理者を表示。飛散・流出・地下浸透・悪臭を防止する。
    「産業廃棄物の排出事業者は実際に廃棄物を出した下請業者」→ ✕(元請)「マニフェストの保存は3年」→ ✕(5年)「建設汚泥は一般廃棄物」→ ✕(産業廃棄物)

    4騒音規制法・振動規制法 ― 数字で覚える

    項目騒音規制法振動規制法
    規制値(敷地境界)85dB以下75dB以下
    特定建設作業の例くい打機(もんけん除く)・びょう打機・削岩機・空気圧縮機・バックホウ等くい打機・鋼球破壊・舗装版破砕機・ブレーカ等
    届出元請業者が作業開始の7日前まで市町村長へ(災害等の緊急時は事後速やかに)
    作業時間(1号区域)19時〜翌7時は禁止・1日10時間以内・連続6日以内・日曜休日は禁止
    • 「特定建設作業」は作業が2日以上にわたる場合のみ規制対象(1日で終わる作業は対象外)。
    • 届出先の整理: 特定建設作業=市町村長/建設リサイクル法の届出=都道府県知事/道路使用=警察署長。主体の入れ替えに注意。
    「騒音の規制値は75dB」→ ✕(騒音85dB・振動75dB。「音の方が大きい」と覚える)「特定建設作業の届出は都道府県知事」→ ✕(市町村長)「もんけんを用いるくい打ちは特定建設作業」→ ✕(除外)

    5騒音・振動・水質などの環境対策

    環境保全対策の要点
    図3 環境対策 ― 発生源対策が最優先(低騒音型機械など)
    • 騒音・振動対策の優先順位は①発生源対策(低騒音・低振動型機械、工法選定) → ②伝搬経路対策(遮音壁・距離) → ③受音側対策
    • 国土交通省指定の低騒音型・低振動型建設機械、排出ガス対策型建設機械を使用する。機械は整備を良好に保ち、不要なアイドリング・空ぶかしをしない
    • 騒音・振動は発生時間が短くなるよう作業を計画し、高力ボルト施工や圧入工法など低騒音の工法を選定する。作業時間帯は近隣に配慮。
    • 運搬車両は規格・積載を守り、住宅地の通過ルート・時間帯を検討。過積載や高速走行は騒音振動の元。
    • 水質汚濁: 濁水は沈殿池等で処理してから放流。コンクリート洗い水などアルカリ排水はpH中和処理
    • 粉じん: 散水・シート養生・タイヤ洗浄。近隣対応: 着工前の家屋調査・事前説明がトラブル防止の基本。

    6頻出ひっかけ総まとめ+一問一答

    ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
    建設発生土は特定建設資材である4品目はコン・コン鉄・木・アスコン(土は指定副産物の方)
    建設発生土は指定副産物に含まれない含まれる(発生土・コン塊・アスコン塊・木材)
    排出事業者は下請業者である元請が排出事業者
    建設汚泥は一般廃棄物である産業廃棄物
    マニフェストの保存は3年5年
    騒音の規制値は敷地境界で75dB騒音85dB・振動75dB
    特定建設作業の届出は都道府県知事へ市町村長へ7日前まで(リサイクル法の届出が知事)
    もんけんによるくい打ちは特定建設作業除外されている
    騒音対策は遮音壁の設置が最優先発生源対策(低騒音型機械)が先
    濁水はそのまま放流できる沈殿処理・pH処理してから

    章末チェック ― 一問一答12問(○×)

    1. 特定建設資材には、コンクリート・木材・アスファルトコンクリートが含まれる。
      答: ○ ― 「コンクリート及び鉄」を加えて4品目。
    2. 建設発生土は、廃棄物処理法上の産業廃棄物である。
      答: ― 発生土は廃棄物ではない(汚泥は産廃)。
    3. 建設発生土は、資源有効利用促進法の指定副産物である。
      答: ○ ― 発生土・コン塊・アスコン塊・木材の4つ。
    4. 建設工事に伴う産業廃棄物の処理責任は、元請業者にある。
      答: ○
    5. マニフェストは、排出事業者が交付する。
      答: ○
    6. マニフェストは、返送された写しにより最終処分の完了を確認する。
      答: ○
    7. 産業廃棄物の現場保管では、囲いと掲示板を設ける。
      答: ○ ― 飛散・流出等の防止も。
    8. 特定建設作業の実施の届出は、作業開始の7日前までに市町村長に行う。
      答: ○
    9. 騒音規制法の特定建設作業の規制値は、敷地境界で85dBである。
      答: ○ ― 振動は75dB。
    10. 騒音対策としては、まず遮音壁を設け、次に低騒音型機械を検討する。
      答: 発生源対策が先
    11. コンクリート洗い水などのアルカリ性排水は、中和処理してから放流する。
      答: ○
    12. 近隣の家屋調査は、工事完了後に行うのが原則である。
      答: 着工前に実施。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

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    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ 17
  • 【1級土木施工管理技士】施工計画を徹底攻略|事前調査・仮設・建設機械・電気設備のすべて

    【1級土木施工管理技士】施工計画を徹底攻略|事前調査・仮設・建設機械・電気設備のすべて

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    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「施工計画・建設機械・電気設備」を徹底攻略!
    事前調査・仮設・機械選定・工事用電力のすべて

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 施工管理法

    施工計画は施工管理法の導入部で毎年3〜4問、これに建設機械1〜2問・電気設備(共通工学側)1問が加わります。出題は「事前調査の中身」「施工体制台帳のルール」「指定仮設と任意仮設」「機械の選定・組合せ」「工事用電力の区分」でほぼ固定。この記事で全論点を潰します。

    出題分析 ― 何がどう出るか
    論点頻度問われ方
    施工計画の基本・事前調査毎年「過去の実績のみでよい」「現地調査だけでよい」等の✕肢を見抜く
    施工体制台帳・施工体系図作成義務の条件・備置き/掲示場所の正誤
    仮設備計画毎年指定仮設と任意仮設の性質の入れ替え
    建設機械毎年コーン指数×機械機種×作業の組合せ、組合せ作業能力
    電気設備契約電力と受電方式(50kW・2,000kW)、感電防止

    1施工計画の立案手順と事前調査

    施工計画立案の手順
    図1 施工計画の手順 ― 事前調査から管理計画まで
    • 施工計画は安全を最優先に、品質・工期・経済性のバランスを取って立てる。過去の実績や経験だけに頼らず、新工法・新技術・改善の余地を検討する(定番の正答肢)。
    • 複数の代替案を比較検討し、1つの計画に固執しない。個人の経験や技術に頼らず、全社的な高度の技術水準を活用する ― これも定番の正答肢。
    • 事前調査は2本立て: 契約条件の調査(契約書・設計図書・数量・工期・かし担保の確認)現場条件の調査(地形・地質・水文気象・近隣環境・支障物件・電力と用水・資機材の輸送経路・労力調達)
    • 発注者から示された工程が最適とは限らないため、受注者は自ら経済的な工程を検討する。
    • 施工計画書(現場組織表・施工方法・工程/安全/品質/環境の管理計画等)を作成し、監督員に提出する。計画に変更が生じたらその都度変更計画書を提出
    「施工計画は過去の実績どおりに立てるのが最善」→ ✕(新技術・改善を検討)「事前調査は現地調査だけで足りる」→ ✕(契約条件の確認も必須)「発注者の示す工程が常に最適」→ ✕(受注者が経済性を検討)

    2施工体制台帳・施工体系図・届出

    項目試験に出るルール
    施工体制台帳の作成義務下請契約の総額4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)で作成。公共工事は金額にかかわらず、下請契約を結べば作成
    台帳の取扱い工事現場ごとに備え置く。公共工事では写しを発注者に提出
    施工体系図各下請負人の施工分担がわかる図。工事現場の見やすい場所(公共工事では公衆の見やすい場所にも)掲示
    記載事項の変更下請の追加・変更があれば速やかに台帳・体系図を修正
    主な届出道路使用許可=警察署長/道路占用許可=道路管理者/特定建設作業=市町村長/労基署への計画届(大規模工事)=労働基準監督署長
    「公共工事でも下請総額が4,500万円未満なら台帳は不要」→ ✕(公共工事は金額不問)「道路使用許可は道路管理者に申請」→ ✕(警察署長。管理者は占用許可)。使用=警察・占用=管理者は超定番。

    3仮設備計画 ― 指定仮設と任意仮設

    指定仮設と任意仮設
    図2 指定仮設(発注者指定・変更は承諾必要)と任意仮設(施工者の裁量)
    指定仮設任意仮設
    定め方発注者が設計図書で指定(大規模仮締切・仮橋など重要仮設)施工者の裁量・責任で計画
    構造変更発注者の承諾が必要施工者の判断で変更できる
    契約変更変更は契約変更の対象原則契約変更の対象にならない(創意工夫・コスト削減の余地)
    • 仮設備は直接仮設(工事用道路・支保工・足場など施工に直接必要)共通仮設(現場事務所・宿舎など間接的なもの)に分けられる。
    • 仮設材は繰返し使用(転用)を考慮し、規格品・市販品を活用する。
    • 構造計算は使用目的・期間に応じた安全率でよいが、労働安全衛生規則等の法定基準は必ず守る
    「任意仮設の変更にも発注者の承諾が必要」→ ✕(施工者の責任で変更可)「仮設だから安衛則の基準は適用されない」→ ✕(適用される)「現場事務所は直接仮設」→ ✕(共通仮設)

    4建設機械① 選定 ― コーン指数と機種×作業

    機械の問題は「この地盤で走れるか(コーン指数)」と「この作業に使う機械はどれか(機種×作業)」の2パターンがほぼすべてです。

    走行に必要なコーン指数(kN/m²) ― 小さいほど軟弱地で走れる
    建設機械必要コーン指数
    湿地ブルドーザ300以上(最も軟弱地に強い)
    普通ブルドーザ(15t級)500以上
    普通ブルドーザ(21t級)700以上
    スクレープドーザ600以上
    被けん引式スクレーパ700以上
    自走式スクレーパ1,000以上
    ダンプトラック1,200以上(最も硬い地盤が必要)
    「湿地ブル300 ⇔ ダンプ1200」の両端を覚えれば、間は「タイヤ系ほど大きい」で並べられる。
    機種得意な作業(組合せで出る)
    バックホウ機械位置より低い所の掘削。硬い地盤も可、法面仕上げ・溝掘りに適する
    ローディングショベル機械位置より高い所の掘削(山の切崩し)
    クラムシェル狭くて深い掘削(井筒・オープンケーソン内・基礎掘削)
    ドラグライン機械位置より低く、広く浅い掘削(河川しゅんせつ・砂利採取)。硬い地盤には不向き
    ブルドーザ掘削押土と短距離(60m以下)の運搬、敷均し
    スクレーパ掘削・積込み・運搬・敷均しを1台で。中長距離(被けん引60〜400m/自走式800〜1,200m)
    モーターグレーダ路面の精密な整形・敷均し(仕上げ)
    タンパ・ランマ狭い場所・構造物際の締固め
    「バックホウは機械位置より高い所の掘削に適する」→ ✕(低い所。高い所はローディングショベル)「ドラグラインは硬い地盤の掘削に適する」→ ✕(軟らかい地盤を広く浅く)「ダンプトラックはコーン指数300で走行可」→ ✕(1,200以上)

    5建設機械② 組合せの原則と経済性

    建設機械の組合せの原則
    図3 機械の組合せ ― 全体の能力は「最小能力の機械」で決まる
    • 組合せ作業の能力は最も能力の小さい機械に支配される(ボトルネック)。
    • したがって主作業(例: 掘削・積込み)の能力を最大限発揮させるため、従作業(例: 運搬)の能力は主作業と同等以上に設定する。
    • 作業能力の基本式はQ=q×n×f×E(1作業あたり量×時間当たり作業回数×土量換算係数×作業効率)。機械の必要台数=施工量÷1台の作業能力。
    • 組み合わせる機械の作業能力の差は小さいほど効率がよい(遊び時間が減る)。
    • 機械経費は機械損料(減価償却費・維持修理費)+運転経費(燃料・オペレータ)標準的な機械・普及した機種ほど経済的で、特殊機械は割高。
    • 騒音対策: 低騒音型・低振動型建設機械の使用、不必要な空ぶかし・高速走行を避ける、機械は点検整備して使う(整備不良は騒音増)。
    「組合せ能力は最大能力の機械で決まる」→ ✕(最小能力)「従作業の能力は主作業より小さくてよい」→ ✕(同等以上)

    6電気設備 ― 工事用電力と感電防止

    契約電力と受電方式 ― 数字の境目だけ覚える
    契約電力受電方式
    50kW未満低圧受電(電灯・小規模動力)
    50kW以上〜2,000kW未満高圧受電(6,600Vで受電し変圧器で降圧)
    2,000kW以上特別高圧受電
    • 受変電設備は負荷(使用場所)の中心付近に設置し、配線距離を短くする(電圧降下・電力損失の低減)。
    • 工事用の自家用電気工作物は電気主任技術者を選任して保安監督させる。電気工事の作業は電気工事士が行う。
    • 感電防止: 移動式・可搬式の電動機械には感電防止用漏電遮断器(高感度・高速形)を接続し、接地(アース)を施す。
    • 移動電線はキャブタイヤケーブル等の絶縁効力のあるものを使用し、通路面では損傷を受けないよう防護する。
    • 架空線近接作業では離隔距離の確保・監視人の配置・防護管(安全管理の記事とリンク)。
    「契約電力100kWは低圧受電」→ ✕(50kW以上は高圧)「受変電設備は現場の入口に置くのがよい」→ ✕(負荷の中心付近)

    7頻出ひっかけ総まとめ+一問一答

    ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
    施工計画は過去の実績のみで立てる新工法・改善も検討
    事前調査は現地調査のみでよい契約条件+現場条件の両方
    公共工事でも下請4,500万円未満なら台帳不要公共工事は金額不問で作成
    道路使用許可は道路管理者に申請警察署長(占用許可が道路管理者)
    任意仮設の変更は発注者の承諾が必要施工者の責任で変更可
    仮設に安衛則は適用されない適用される
    ダンプトラックはコーン指数300で走行可1,200以上(300は湿地ブル)
    バックホウは高い所の掘削に適する低い所(高い所はローディングショベル)
    組合せ能力は最大能力の機械で決まる最小能力の機械に支配される
    従作業の能力は主作業より小さくてよい同等以上
    契約電力100kWは低圧受電50kW以上は高圧受電
    受変電設備は現場入口に設置する負荷の中心付近

    章末チェック ― 一問一答12問(○×)

    1. 施工計画は、安全を最優先とし、品質・工期・経済性を総合的に検討して立てる。
      答: ○
    2. 事前調査には、契約書・設計図書の確認と現場条件の調査が含まれる。
      答: ○
    3. 施工計画の検討では、個人の経験だけでなく全社的な技術水準を活用する。
      答: ○
    4. 公共工事では、下請契約を締結した場合、金額にかかわらず施工体制台帳を作成する。
      答: ○
    5. 施工体系図は、工事現場の見やすい場所に掲示する。
      答: ○
    6. 指定仮設の構造を変更する場合、発注者の承諾は不要である。
      答: ― 指定仮設は承諾必要
    7. 湿地ブルドーザは、コーン指数300kN/m²程度の軟弱地盤でも走行できる。
      答: ○
    8. クラムシェルは、狭くて深い基礎掘削に適している。
      答: ○
    9. ドラグラインは、機械位置より低い所の広く浅い掘削に適する。
      答: ○
    10. 組み合わせた機械群の作業能力は、最大能力の機械によって決まる。
      答: 最小能力に支配される。
    11. 契約電力が50kW未満の場合は、低圧受電とするのが一般的である。
      答: ○
    12. 移動式の電動機械には、感電防止用漏電遮断器を接続する。
      答: ○

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

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    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ 16
  • 【1級土木施工管理技士】共通工学を徹底攻略|測量・契約・設計図書のすべて

    【1級土木施工管理技士】共通工学を徹底攻略|測量・契約・設計図書のすべて

    BUILDNA
    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 共通工学 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「共通工学」を徹底攻略!
    測量・契約・設計図書のすべて

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 共通工学

    共通工学は毎年4問・全問解答(選択ではない)の必答分野。出題は「測量2問(TS・GNSS/水準測量)」「契約1問(公共工事標準請負契約約款)」「設計1問(設計図書・図面の読み方)」という構成がほぼ固定です。論点が少なく暗記中心なので、短時間で4問全取りを狙える「得点源」。この記事で全論点を潰します。

    出題分析 ― 何がどう出るか
    分野出題数繰り返し問われる論点
    測量2問TS・GNSSの特徴/水準測量の誤差消去法/地盤高の計算
    契約1問約款の基本ルール(設計図書の範囲・条件変更・工事材料・現場代理人)
    設計1問図面の読み方(擁壁・道路横断面の各部名称、鋼材記号)
    選択肢は「正しいものはどれか/適当でないものはどれか」形式。用語の入れ替え・数字の改変・主語のすり替えが定番の作りです。

    1測量① 水準測量 ― 計算と誤差消去法

    水準測量の計算例
    図1 水準測量 ― IH=GH+BS、GH=IH−FS(丁張計算と同じ)
    • 計算は2本立て: 器械高 IH=既知点の地盤高GH+後視BS求点の地盤高 GH=IH−前視FS。これだけで計算問題は解けます(BUILDNAの丁張計算ツールと同じ式)。
    • 後視(BS)=既知点に立てた標尺の読み、前視(FS)=求点に立てた標尺の読み。「どちらが既知点か」の入れ替えに注意。
    • 観測は往復観測とし、往復差が許容範囲を超えたら再測。標尺は2本1組で交互に使う。
    誤差の消去法 ― 「何をすれば何が消えるか」の対応で出る
    誤差消去・軽減する方法
    視準軸誤差(視準線とレベルの気泡管軸の不一致)後視と前視の距離を等しくする
    球差・気差(地球の曲率・大気の屈折)同じく後視と前視の距離を等しくする
    標尺の零点誤差(底面のすり減り)レバー数(測点数)を偶数にする(出発点の標尺を到着点にも立てる)
    標尺の傾きによる誤差標尺を前後にゆっくり動かし最小値を読む(または円形水準器)
    鉛直軸誤差観測方法では消去できない ― 器械の点検調整で対処
    「前視と後視の距離を等しくすれば零点誤差が消える」→ ✕(消えるのは視準軸誤差・球差気差。零点誤差はレバー数偶数)「鉛直軸誤差は等距離で消去できる」→ ✕(観測方法では消去不可)。誤差と消去法の組合せ入れ替えが最頻出。

    2測量② TS・GNSS・トラバース

    主な測量機器
    図2 測量機器 ― TSは角度+距離、GNSSは衛星測位
    機器できること試験に出る特徴
    トータルステーション(TS)角度と距離を同時に観測し、座標を自動計算距離測定は光波(反射プリズム使用)。気温・気圧による気象補正が必要。トラバース測量・出来形管理に多用
    GNSS測量衛星電波で位置(座標)を測定受信機間の視通は不要だが上空の視界が必要。RTK法は基準局と移動局の2台で観測。天候・昼夜の影響を受けにくい
    レベル(水準儀)高低差の精密測定高さはレベルが最も高精度。TS・GNSSでも標高は求まるが精度は劣る
    • トラバース測量: 基準点から測線をつないで各点の位置を求める。精度は閉合比=閉合誤差÷全測線長で表し、値が小さいほど高精度
    • 閉合誤差は各測線の長さに比例して配分する(コンパス法則)のが一般的。
    「GNSSは受信機間の視通が必要」→ ✕(視通不要。必要なのは上空視界)「TSは気象補正が不要」→ ✕(光波のため気温・気圧補正が必要)「閉合比は大きいほど高精度」→ ✕(小さいほど高精度)

    3契約 ― 公共工事標準請負契約約款の頻出条文

    約款は発注者と受注者が対等な立場で交わす契約のルール集。試験では「約款に照らして正しい/誤っているもの」を選ばせます。頻出論点は下表の10個でほぼ全部です。

    論点試験に出るルール
    設計図書の範囲図面・仕様書・現場説明書・質問回答書の4点。契約書は含まれない(超定番)
    一括下請負全面禁止(丸投げ不可)
    現場代理人工事現場に常駐し運営・取締りを行う(連絡体制が確保されれば常駐緩和あり)。請負代金の変更・受領など契約上の権限はない
    兼任現場代理人・主任技術者(監理技術者)・専門技術者は互いに兼ねることができる
    条件変更等現場と設計図書の不一致・図書間の食い違い・予期しない施工条件を発見したら、受注者は監督員に通知し確認を請求(勝手に判断して施工しない)
    工事材料の品質設計図書に定めがなければ中等の品質。検査に直接要する費用は受注者負担
    検査済み材料の搬出検査に合格した工事材料を現場外へ搬出するには監督員の承諾が必要
    支給材料・貸与品引渡し場所は設計図書の定めによる(定めがなければ工事現場)。受領時は受注者立会いのうえ検査
    工事の中止・設計変更発注者の権限。必要があれば工期・請負代金を変更し、受注者に生じた増加費用・損害は発注者が負担
    臨機の措置災害防止等のため必要なときは、受注者はあらかじめ監督員の意見を聴いて臨機の措置をとる(緊急やむを得ないときは事後通知)
    「現場代理人は請負代金額の変更を行う権限を持つ」→ ✕(契約上の権限はない)「材料検査の費用は発注者負担」→ ✕(受注者負担)「定めのない材料は上等の品質とする」→ ✕(中等の品質)。主語(発注者/受注者/監督員)のすり替えに注意。

    4設計 ― 設計図書と図面の読み方

    設計図書に含まれるもの
    図3 設計図書 ― 図面・仕様書・現場説明書・質問回答書(契約書は含まれない)
    • 設計図書=図面・仕様書(共通/特記)・現場説明書・現場説明に対する質問回答書の4点。契約書・見積書は含まれない
    • 図書間に食い違いがある場合の優先順位は、一般に質問回答書→現場説明書→特記仕様書→図面→共通仕様書(発注機関の定めによる)。あとから出た情報・個別の情報ほど強いと覚える。
    図面の読み方 ― 名称と記号はここだけ覚える
    テーマ試験に出る知識
    逆T型擁壁の各部壁の立上り=たて壁、前面側の底版=つま先版、背面側の底版=かかと版。付け根の補強=ハンチ。「つま先」と「かかと」の入れ替えが定番
    道路の横断面車道の外側=路肩、盛土法面の上端=法肩・下端=法尻。切土と盛土の境に小段。横断勾配は排水のため路面中央から外側へ下る
    鋼材の記号SS400=一般構造用圧延鋼材(引張強さ400N/mm²)/SM=溶接構造用/SD345=鉄筋コンクリート用異形棒鋼(降伏点345N/mm²)。数字の意味(引張強さか降伏点か)まで問われる
    寸法の単位図面の寸法は原則mm表記(標高・測点はm)。φは直径、@はピッチ(間隔)、ctcは中心間隔
    「擁壁の前面側底版をかかと版という」→ ✕(前面がつま先版・背面がかかと版)「SS400の400は降伏点」→ ✕(引張強さ。SD345の345が降伏点)

    5頻出ひっかけ総まとめ+一問一答

    ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
    前視・後視を等距離にすれば零点誤差が消える消えるのは視準軸誤差・球差気差(零点誤差はレバー数偶数)
    鉛直軸誤差は観測方法で消去できる消去できない(器械の点検調整)
    GNSSは受信機間の視通が必要視通不要(上空視界が必要)
    TSは気象補正が不要気温・気圧の補正が必要
    閉合比は大きいほど高精度小さいほど高精度
    契約書は設計図書に含まれる含まれない(図面・仕様書・現場説明書・質問回答書)
    図書の食い違いは受注者が判断して施工監督員に通知し確認を請求
    定めのない工事材料は上等の品質中等の品質。検査費用は受注者負担
    現場代理人と主任技術者は兼務不可兼務できる
    現場代理人は請負代金の変更権限を持つ契約上の権限はない(現場の運営・取締り)
    擁壁の前面側底版はかかと版前面=つま先版、背面=かかと版
    SS400の400は降伏点引張強さ(SD345の345は降伏点)

    章末チェック ― 一問一答12問(○×)

    1. 水準測量では、後視と前視の距離をできるだけ等しくする。
      答: ○ ― 視準軸誤差・球差気差の消去。
    2. 標尺の零点誤差は、レバー数(測点数)を偶数にすれば消去できる。
      答: ○
    3. 鉛直軸誤差は、後視・前視を等距離にすれば消去できる。
      答: ― 観測方法では消去不可。
    4. 器械高は「既知点の地盤高+後視」で求められる。
      答: ○
    5. トータルステーションは、角度と距離を同時に観測できる。
      答: ○
    6. GNSS測量では、観測点間の視通を確保しなければならない。
      答: ― 視通不要(上空視界は必要)。
    7. トラバース測量の閉合比は、小さいほど精度がよい。
      答: ○
    8. 設計図書には、図面・仕様書・現場説明書・質問回答書が含まれ、契約書は含まれない。
      答: ○
    9. 設計図書と現場が一致しない場合、受注者は監督員にその旨を通知し確認を請求する。
      答: ○
    10. 設計図書に定めのない工事材料は、中等の品質を有するものとする。
      答: ○
    11. 現場代理人は、主任技術者を兼ねることができる。
      答: ○
    12. 逆T型擁壁の前面側の底版を「つま先版」という。
      答: ○ ― 背面側が「かかと版」。

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    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ 15
  • 【1級土木施工管理技士】法規を徹底攻略|労基法・建設業法・騒音振動のすべて

    【1級土木施工管理技士】法規を徹底攻略|労基法・建設業法・騒音振動のすべて

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    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 法規 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「法規」を徹底攻略!
    労基法・建設業法・騒音振動のすべて

    最終更新: 2026.07.08 | 分野: 法規

    法規は第一次検定で12問中8問選択の大型分野(安衛法は安全管理の記事参照)。ここでは労基法・建設業法・道路法・河川法・騒音振動規制法の頻出数字をまとめて攻略します。

    1労働基準法 ― 年少者・賃金・労働時間

    年少者の就業制限
    図1 満18歳未満の就業制限 ― クレーン運転・玉掛け・足場組立・深夜業は不可
    • 年少者(満18歳未満): クレーン運転・玉掛け・足場の組立解体・坑内労働・深夜業(22時〜5時)は不可。年齢を証明する書面を事業場に備え付ける。満15歳到達年度末まで(義務教育中)は原則使用禁止
    • 賃金: 通貨で・直接・全額を・毎月1回以上・一定期日に支払う(賃金支払5原則)。未成年者の賃金を親が代わりに受け取ることは不可
    • 労働時間: 原則1日8時間・週40時間。時間外・休日労働には36協定の締結・届出が必要。
    • 解雇・災害補償: 解雇予告は30日前(または30日分以上の平均賃金)。療養補償・休業補償(平均賃金の60%)は使用者の義務。
    「満18歳未満でも技能講習を修了すれば玉掛け可能」→ ✕(年少者は不可)「未成年者の賃金は親権者に支払える」→ ✕(本人に直接)

    2建設業法 ― 主任技術者と監理技術者

    主任技術者と監理技術者
    図2 技術者の配置 ― 「4,500万(監理)・4,000万(専任)」の数字がカギ
    • 主任技術者: すべての工事現場に配置(元請・下請、金額を問わず)。
    • 監理技術者: 元請で下請契約の総額4,500万円以上(建築一式7,000万円以上)の場合、主任技術者に代えて配置。
    • 専任: 公共性のある重要な工事で請負代金4,000万円以上(建築一式8,000万円以上)は原則専任(監理技術者は監理技術者補佐を置けば2現場まで兼務可)。
    • 施工体制台帳・施工体系図: 下請契約総額が上記(4,500万円以上等)の元請(公共工事は金額に関わらず)が作成。
    • 現場には建設業許可票(標識)を掲示。一括下請負(丸投げ)は原則禁止。
    数字の混同を狙う: 「監理技術者は請負金額4,000万円以上で配置」→ ✕(下請総額4,500万円以上)「4,500万=監理(下請総額)」「4,000万=専任(請負代金)」と対で暗記。

    3道路法・河川法 ― 「許可」のキーワード

    • 道路占用許可(道路法): 道路に工事用の足場・仮囲い・埋設管などを設けるときは道路管理者の許可。水道・電気・ガス等の占用工事もこれに含む。
    • 特殊車両通行許可: 車両制限令の一般的制限値(幅2.5m・総重量20t・高さ3.8m等)を超える車両は道路管理者の許可が必要。
    • 河川法: 河川区域内での土地の占用・土石の採取・工作物の新築・土地の掘削などは河川管理者の許可。地表だけでなく上空(送電線)や地下(トンネル)も対象
    • 1級河川=国土交通大臣管理、2級河川=都道府県知事管理。
    「河川区域の上空に送電線を張るのは許可不要」→ ✕(上空・地下も許可対象)「一時的な足場は道路占用許可不要」→ ✕(必要)

    4騒音・振動規制法 ― 85・75・7日前

    特定建設作業の規制
    図3 特定建設作業 ― 騒音85dB・振動75dB・届出は7日前まで
    • 特定建設作業: くい打機・削岩機・バックホウ・ブルドーザ等を使用する、著しい騒音・振動を発生する作業(指定地域内)。
    • 規制値: 敷地境界において騒音85デシベル以下・振動75デシベル以下
    • 届出: 作業開始の7日前まで市町村長へ(緊急工事は例外)。
    • 夜間・深夜作業の禁止時間帯、1日の作業時間(区域により10時間/14時間以内)、連続6日以内、日曜・休日の作業禁止(1号区域等)も規定。
    数字の語呂: 「騒音ハコ(85)、振動ナゴ(75)、届けは1週間前(7日)」。届出先が「都道府県知事」ではなく市町村長である点もワナになります。

    5頻出ひっかけ総まとめ+一問一答

    ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
    年少者も講習修了で玉掛け可満18歳未満は不可
    未成年者の賃金は親が受領できる本人に直接
    監理技術者は請負4,000万以上で配置下請総額4,500万以上(4,000万は専任の基準)
    主任技術者は下請には不要すべての現場に必要
    河川上空の送電線は許可不要上空・地下も許可対象
    特定建設作業の届出は知事へ3日前市町村長へ7日前

    章末チェック ― 一問一答8問(○×)

    1. 満18歳未満の者を、クレーンの玉掛け業務に就かせてはならない。
      答: ○
    2. 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払うのが原則である。
      答: ○
    3. 解雇しようとする場合は、原則30日前に予告しなければならない。
      答: ○
    4. 主任技術者は、下請負人の工事現場には配置しなくてよい。
      答: すべての現場に配置。
    5. 元請で下請契約の総額が4,500万円以上の場合、監理技術者を配置する。
      答: ○ ― 建築一式は7,000万円。
    6. 河川区域内の地下を横断してトンネルを設ける場合、河川管理者の許可が必要である。
      答: ○
    7. 特定建設作業の騒音は、敷地境界で85デシベルを超えてはならない。
      答: ○ ― 振動は75dB。
    8. 特定建設作業の届出は、作業開始の3日前までに行う。
      答: 7日前までに市町村長へ。

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    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ 14
  • 【1級土木施工管理技士】上下水道を徹底攻略|管布設・管きょ基礎・推進工法のすべて

    【1級土木施工管理技士】上下水道を徹底攻略|管布設・管きょ基礎・推進工法のすべて

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    資格対策 > 1級土木施工管理技士 > 上下水道 | 用語辞典
    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「上下水道」を徹底攻略!
    管布設・管きょ基礎・推進工法のすべて

    最終更新: 2026.07.08 | 分野: 専門土木

    上下水道は専門土木で毎年2〜3問「埋設の数字(1.2m・30cm)」「管きょ基礎×地盤の組合せ」「推進工法の分類」を押さえるのが最短です。

    1上水道管の布設 ― 土被りと離隔の数字

    水道管の埋設(土被りと離隔)
    図1 埋設の数字 ― 土被り1.2m以上・他の埋設物と30cm以上
    • 道路下に布設する場合の土被り(どかぶり)は1.2m以上が原則(やむを得ない場合0.6m以上)。
    • 他の地下埋設物と30cm以上の離隔を確保する。近接・交差がやむを得ない場合は保護コンクリートや防護カバーで管を守る。
    • 曲管部・T字部・栓止め部など不平均力が働く箇所は、コンクリートブロック等で防護(異形管防護)する。管径が大きいほど不平均力も大きい。
    • 管の据付けは受口を高い方(高所側)へ向け、挿し口を低い方へ差し込むのが原則。管内に土砂・水が入らないよう、布設中断時は管端を必ず栓でふさぐ
    • 埋戻しは片埋めにならないよう左右均等に、一層ごとに締め固める。管の直上を重機で直接転圧しない。
    • 道路内の埋設管には明示テープ(水道は青)や明示シートで管種・埋設年度を表示する。
    布設後の手順も出る ― ①水圧試験で漏水の有無を確認 → ②管内洗浄 → ③消毒し、残留塩素を確認してから通水。「試験・洗浄・消毒を省略してよい」はすべて✕。
    「土被りは0.9m以上が原則」→ ✕(1.2m)「他の埋設物との離隔は10cmでよい」→ ✕(30cm以上)「受口を低い方に向けて布設」→ ✕(受口は高所側)。数字と向きは絶対に落とさない。

    2管種の特徴 ― ダクタイル・塩ビ・鋼・ポリエチレン

    管種長所短所・注意点
    ダクタイル鋳鉄管強度・じん性が大きい。継手に伸縮可とう性があり地盤変動に追随重い。切断は切管専用機械で行い、切り口は防食処理(モルタルライニング等)
    硬質塩化ビニル管軽量で施工性・耐食性がよい低温時の耐衝撃性が低い。紫外線・熱に弱い
    鋼管強度大・じん性大。溶接継手で一体化でき、地盤変動に強い電食・腐食対策(塗覆装)が必須。溶接に時間がかかる
    ポリエチレン管軽量・耐食性大・可とう性大。融着継手で一体化雨天時・湧水地盤では融着接合が困難。有機溶剤・熱に弱い
    「ダクタイル鋳鉄管の切断面は防食処理不要」→ ✕(必ず防食)「ポリエチレン管は雨天でも融着できる」→ ✕(水分があると融着不良)。管種×弱点の組合せが選択肢の定番。

    3下水道管きょの基礎 ― 地盤との組合せ

    下水道管きょの基礎と地盤の組合せ
    図2 剛性管の基礎 ― 地盤が悪いほど頑丈な基礎に
    管の種類地盤基礎
    剛性管
    (鉄筋コンクリート管・陶管)
    硬質土・普通土砂基礎・砕石基礎・コンクリート基礎
    軟弱土はしご胴木基礎・コンクリート基礎
    極軟弱土鳥居基礎・鉄筋コンクリート基礎
    可とう性管
    (硬質塩化ビニル管・強化プラスチック複合管)
    原則すべて砂または砕石による自由支承の基礎(軟弱地盤では布基礎・ソイルセメント等を併用)
    • 覚え方は「地盤が悪いほど頑丈な基礎」。砂→はしご胴木→鳥居の順に「格上げ」される。
    • 鳥居基礎は杭で支持する構造で、極軟弱地盤や湧水の多い場所に使われる。
    • 下水道は自然流下が基本のため、勾配と管径のバランスが設計の要点。下流ほど管径は大きく、勾配は緩くなるのが原則。
    • 管の布設は下流側から上流側へ向かって施工するのが原則(受口を上流に向ける)。
    「極軟弱地盤には砂基礎が適する」→ ✕(鳥居基礎・鉄筋コンクリート基礎)「下流ほど勾配を急にする」→ ✕(下流ほど緩く)「布設は上流側から」→ ✕(下流側から)

    4管きょの接合・マンホール・伏越し

    水面接合
    上下流の計画水位を一致させて接合する方式。水理条件がよく、最も合理的とされる。
    管頂接合
    管の内面頂部の高さを一致させる方式。流水は円滑だが、下流ほど掘削が深くなり、ポンプ排水地区では不利。
    管底接合
    管の内面底部の高さを一致させる方式。掘削深さを抑えられるのでポンプ排水地区に有利だが、上流部の水理条件が悪い。
    段差接合・階段接合
    地表勾配が急な場合に、マンホールで段差を設けながら(段差接合)、または大口径管きょで階段状に(階段接合)接合し、管内流速を調整する。
    • マンホールは管きょの起点・合流点・勾配や管径が変化する箇所・方向が変わる箇所に設置。直線部でも管径に応じた間隔で設ける。
    • マンホール内で段差が0.6m以上になる場合は副管(ドロップ管)を設ける。
    • 伏越し(ふせこし): 河川や地下埋設物の下をくぐらせる部分。伏越し内の流速は上流管きょより速くして土砂の堆積を防ぐ。伏越し室にはゲート(角落し)と泥だめを設ける。
    「管頂接合は掘削が浅くて済む」→ ✕(下流ほど深くなる。浅いのは管底接合)「伏越しの流速は上流より遅くする」→ ✕(速くする)。接合方式の長短の入れ替えが最頻出。

    5推進工法と更生工法

    小口径管推進工法の分類
    図3 小口径管推進工法 ― 管に推進力を負担させるかで分類
    推進工法
    立坑から管をジャッキで押し込んで布設する非開削工法。交通量の多い道路や鉄道・河川の横断部で採用される。
    更生工法
    老朽管の内側に新しい管(ライニング)をつくって再生する工法。開削せずに管路の機能を回復できる。
    小口径管推進の方式推進力の伝達ポイント
    高耐荷力方式管自体が推進力を直接負担鉄筋コンクリート管・陶管など強い管を使用
    低耐荷力方式先導体の推進力は誘導管等が負担し、管には周面抵抗力のみ負担させる硬質塩化ビニル管など耐荷力の小さい管が使える
    鋼製さや管方式鋼管を先に推進し、その中に本管を布設さや管が荷重を受けるため本管は保護される
    • 中・大口径の推進は切羽の安定方法で泥水式・土圧式・泥濃式等に分かれる(シールドと同じ発想)。玉石・湧水など地盤条件で選定する。
    • 推進中は先導体の方向・勾配の精度管理と、滑材注入による周面抵抗の低減が重要。推進力が計画を超える場合は中押し装置を使う。
    • 立坑内の作業は土留め・酸素欠乏対策など安全管理の規定に従う(安全管理の記事とリンク)。
    • 更生工法の分類: 反転工法・形成工法(既設管内で管をつくる)/製管工法(部材を組み立てる)/さや管工法(新管を挿入)。いずれも既設管を活用する非開削工法。
    「低耐荷力方式は管に推進力を全負担させる」→ ✕(それは高耐荷力方式)「推進工法は開削工法の一種」→ ✕(非開削)

    6頻出ひっかけ総まとめ+一問一答

    ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
    水道管の土被りは0.9m以上が原則1.2m以上
    他の埋設物との離隔は10cm以上30cm以上
    受口を低い方へ向けて据え付ける受口は高所側・挿し口を低所側へ
    曲管部の防護は不要不平均力が働くため防護必要
    ダクタイル管の切断面は防食不要防食処理が必要
    極軟弱地盤の剛性管は砂基礎鳥居基礎・鉄筋コンクリート基礎
    管頂接合は掘削深さを抑えられる浅く済むのは管底接合(管頂接合は下流ほど深い)
    伏越し内の流速は上流管きょより遅く速くする(土砂堆積防止)
    下水管きょは上流側から布設する下流側から布設
    低耐荷力方式は管に推進力を全負担させるそれは高耐荷力方式

    章末チェック ― 一問一答12問(○×)

    1. 道路下の水道管の土被りは、原則1.2m以上とする。
      答: ○
    2. 水道管は、他の地下埋設物と30cm以上の間隔を確保する。
      答: ○
    3. 管の据付けは、受口を高所側に向けて行う。
      答: ○
    4. 曲管部には不平均力が作用するため、防護工を設ける。
      答: ○
    5. 布設後の水圧試験は省略してよい。
      答: ― 漏水確認のため実施。通水前は洗浄・消毒し残留塩素を確認。
    6. ポリエチレン管の融着接合は、雨天時でも支障なく行える。
      答: ― 水分があると融着不良になる。
    7. 硬質土地盤の鉄筋コンクリート管には、砂基礎・砕石基礎が用いられる。
      答: ○
    8. 極軟弱土の剛性管には、鳥居基礎や鉄筋コンクリート基礎が用いられる。
      答: ○
    9. 可とう性管の基礎は、原則コンクリート固定基礎とする。
      答: ― 原則砂等の自由支承
    10. 水面接合は、上下流の計画水位を一致させる合理的な接合方式である。
      答: ○
    11. 伏越し内の流速は、上流管きょより速くする。
      答: ○
    12. 高耐荷力方式の小口径管推進は、管に推進力を直接負担させる。
      答: ○

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    © 2026 BUILDNA ― 1級土木施工管理技士 分野別対策シリーズ 13
  • 【1級土木施工管理技士】鉄道・地下構造物を徹底攻略|軌道・近接工事・シールドのすべて

    【1級土木施工管理技士】鉄道・地下構造物を徹底攻略|軌道・近接工事・シールドのすべて

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    「鉄道・地下構造物」を徹底攻略!
    軌道・近接工事・シールドのすべて

    最終更新: 2026.07.08 | 分野: 専門土木

    鉄道・地下構造物は専門土木で毎年2〜3問「カントとスラックの区別」「営業線近接工事の担当者」「シールドの泥水式と土圧式」が3大頻出です。

    1軌道の構造 ― カントとスラック

    軌道の構造
    図1 軌道 ― レール・まくらぎ・道床バラスト・路盤
    道床バラスト
    まくらぎの下に敷く砕石の層。荷重の分散・排水・振動吸収が役割で、材料は硬質で角ばった(せん断に強い)砕石が適する。「丸みのある砂利がよい」は✕
    カント
    曲線部で遠心力に対抗するため外側のレールを内側より高くすること。
    スラック
    曲線部で車輪が通りやすいよう軌間(レール間隔)をわずかに広げること。
    「カントとは曲線部で軌間を拡大すること」→ ✕(それはスラック)「カント=高さ、スラック=幅」。この1点だけで毎年出ます。

    2営業線近接工事 ― 保安体制の担当者

    営業線近接工事の保安体制
    図2 保安体制 ― 工事管理者・軌道作業責任者・列車見張員
    • 工事管理者: 工事現場ごとに専任の者を配置(他の現場と兼任不可が原則)。
    • 軌道作業責任者: 作業集団ごとに配置し、作業を直接指揮。
    • 列車見張員: 列車の接近を監視し合図。配置の省略はできない
    • 列車接近時は作業を中断し、作業員・機械・材料を建築限界の外(支障しない位置)へ待避。
    • 重機械の使用や線路閉鎖工事などは、鉄道事業者との協議・手続きに従う。
    「見通しがよければ列車見張員は省略できる」→ ✕(省略不可)「工事管理者は複数現場を兼任できる」→ ✕(現場ごとに専任)

    3シールド工法 ― 泥水式と土圧式

    シールド工法の構造
    図3 シールド ― セグメント組立てと裏込め注入が品質のカギ
    シールド工法
    シールド機(鋼製の筒)で地山を守りながら掘進し、後方でセグメント(覆工のリング)を組み立ててトンネルをつくる工法。軟弱地盤の都市部トンネルに多用。
    泥水式/土圧式(密閉型)
    泥水式=加圧した泥水で切羽を安定させ、泥水を地上プラントで処理土圧式=掘削土砂そのもの(+添加材)の圧力で切羽を安定。「泥水式は地上に処理設備が必要」がキーワード。
    テールボイドと裏込め注入
    シールド機が進むとセグメントの外に隙間(テールボイド)ができる。放置すると地表沈下の原因になるため、すみやかに裏込め注入で充填する。
    「裏込め注入は全線掘進後にまとめて行う」→ ✕(すみやかに・同時が原則)「土圧式は泥水を地上で処理する」→ ✕(それは泥水式)

    4頻出ひっかけ総まとめ+一問一答

    ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
    カントは曲線部で軌間を広げることそれはスラック(カントは外側レールを高く)
    道床バラストは丸い砂利がよい硬質で角ばった砕石
    列車見張員は省略できる省略不可
    裏込め注入は後日まとめて行うすみやかに(地表沈下防止)
    土圧式シールドは地上の泥水処理設備が必要それは泥水式

    章末チェック ― 一問一答8問(○×)

    1. 道床バラストには、硬質で角ばった砕石が適している。
      答: ○
    2. カントとは、曲線部で外側レールを内側レールより高くすることである。
      答: ○
    3. スラックとは、曲線部で軌間をわずかに拡大することである。
      答: ○
    4. 営業線近接工事の工事管理者は、複数の現場を兼任するのが原則である。
      答: ― 現場ごとに専任
    5. 列車接近時は、作業を中断し建築限界外へ待避する。
      答: ○
    6. 泥水式シールドは、加圧泥水で切羽を安定させ、泥水を地上で処理する。
      答: ○
    7. セグメント外周の隙間には、すみやかに裏込め注入を行う。
      答: ○
    8. シールド工法は、硬岩地山の山岳トンネルに最も適する。
      答: 軟弱地盤の都市部向き(硬岩はNATM等)。

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  • 【1級土木施工管理技士】工程管理を徹底攻略|工程表・ネットワーク・クリティカルパスのすべて

    【1級土木施工管理技士】工程管理を徹底攻略|工程表・ネットワーク・クリティカルパスのすべて

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    1級土木施工管理技士 第一次検定対策

    「工程管理」を徹底攻略!
    工程表・ネットワーク・クリティカルパスのすべて

    最終更新: 2026.07.12 | 分野: 施工管理法

    工程管理は、第一次検定の「施工管理法」で毎年4〜5問出題。中身は「各種工程表の長所短所」と「ネットワーク式工程表の計算」の2本柱で、特にネットワーク計算は解き方さえ覚えれば満点が取れる「作業ゲー」です。数学が苦手でも足し算だけでOK。

    1工程管理の基本 ― 工程・原価・品質の関係

    工程管理はただ「早くする」ことではなく、品質・原価・安全と釣り合う最適な速度で工事を進めること。試験ではこの三者の関係がグラフ問題として出ます。

    工期・原価・品質の関係
    図1 工期・原価・品質の関係 ― ①最適工期で原価最小 ②急ぐほど品質低下 ③品質を高めるほど原価増
    • 施工速度が遅すぎると固定費(仮設・管理費)がかさみ原価は上がる。
    • 速すぎる(突貫工事)と残業・手戻り・機械増強で原価は急上昇する。
    • 最も原価が安くなる速度=経済速度。また一般に品質を高めようとすると原価は上がり、工程(速度)を上げると品質は低下しやすい ― この定性関係も頻出。
    • 工程管理では、計画と実施の差を常に比較検討し、遅れの原因を早期に発見して是正(フォローアップ)する。進捗はやや余裕を持たせた計画が望ましい。
    突貫工事で原価が急増する理由(記述の正誤で出る) ― ①時間外・深夜手当など労務費の割増、②手待ち・手戻りなど作業効率の低下、③機械・仮設の追加投入、④材料の割高調達。「突貫すれば原価は下がる」はもちろん✕。

    工程計画の立て方 ― 手順も問われる

    • 手順: 工種分類→施工手順の決定→各作業の施工期間の見積り→工期内に収まるよう調整→工程表の作成
    • 工程計画は季節(降雨・降雪)・休日・地元行事など作業不能日を見込んで立てる。
    • 管理サイクルは計画(Plan)→実施(Do)→検討(Check)→処置(Action)のPDCA。工程会議等で定期的にフォローアップする。

    2各種工程表の比較 ― 長所・短所の組合せ

    各種工程表の比較
    図2 工程表の比較 ― 「何が分かって、何が分からないか」で整理
    工程表分かること分からないこと
    バーチャート(横線式)各作業の開始・終了・所要日数。作成が容易作業の相互関係
    ガントチャート各作業の達成度(%)工期・所要日数・相互関係
    斜線式(座標式)距離と時間の関係(トンネル・道路など線状工事)複雑な工事の全体像
    曲線式(出来高累計)全体の出来高進度個々の作業の遅れ
    ネットワーク式作業の相互関係・重点管理箇所(クリティカルパス)―(作成に手間がかかるのが短所)
    「バーチャートは作業の相互関係が明確」→ ✕(不明確。明確なのはネットワーク)「ガントチャートで工期が分かる」→ ✕(達成度だけ)。「◯◯が分かる/分からない」の語尾入れ替えがこの分野のワナの9割です。

    3工程管理曲線(バナナ曲線)

    時間経過率(横軸)と出来高率(縦軸)で全体進捗を管理する図。上下の許容限界に挟まれた形がバナナに似ているのでバナナ曲線と呼ばれます。

    バナナ曲線
    図3 バナナ曲線 ― 予定進捗はバナナの帯の中に収める
    • 実施工程曲線が下方許容限界を下回ったら「遅れ」 → 直ちに工程計画を見直す(突貫の検討)。
    • 上方許容限界を上回るのも要注意 → 必要以上に速い=原価・品質に無理がある疑い。
    • 出来高累計曲線は一般にS字カーブを描く(序盤・終盤は遅く、中盤に進む)。

    4ネットワーク式工程表の用語

    ネットワーク式工程表の用語
    図4 用語 ― ○がイベント、→がアクティビティ、点線がダミー(日数0)
    アクティビティ(→)
    時間を要する作業そのもの。矢線の上に作業名、下に所要日数を書く。
    イベント(○)
    作業と作業の結合点。番号を付け、同じ番号の組のアクティビティが2本以上あってはならない。
    ダミー(点線→)
    所要日数ゼロで、作業の順序関係だけを示す矢線。「ダミーにも日数がある」は✕の定番。
    最早開始時刻・最遅完了時刻
    最早開始時刻(EST)=その作業を最も早く始められる時刻(前からの足し算・合流点は最大値)。最遅完了時刻(LFT)=工期を守るために遅くとも完了すべき時刻(後ろからの引き算・分岐点は最小値)。

    5クリティカルパスの計算 ― 例題で完全マスター

    クリティカルパスとは、開始から終了までの経路のうち最も日数が長い経路のこと。この経路上の作業が1日遅れると工期全体が1日遅れるため、重点管理の対象になります。

    クリティカルパスの計算例
    図5 計算例 ― すべての経路の日数を足し、最大の経路がクリティカルパス

    解き方は3ステップ

    1. 開始から終了までの経路をすべて洗い出す(ダミーも経路として通るが日数は0)。
    2. 各経路の所要日数を足し算する。
    3. 最大の日数=工期、その経路=クリティカルパス

    図5の例: ルート①A→C→E=3+4+3=10日、ルート②B→D→E=5+4+3=12日 → クリティカルパスは②で、工期は12日。A・Cには2日の余裕(フロート)があることも同時に分かります。

    最早開始時刻・最遅完了時刻の計算規則

    • 最早開始時刻(EST): スタートから前へ足し算していく。経路が合流する結合点では最大値を採る(遅い方に合わせないと始められない)。
    • 最遅完了時刻(LFT): 工期から後ろへ引き算していく。経路が分岐する結合点では最小値を採る(早い方に間に合わせる)。
    • 覚え方: 「前から足して大きい方・後ろから引いて小さい方」。EST=LFTとなる結合点を結ぶとクリティカルパスになる。
    クリティカルパスの性質も頻出: ①フロート(余裕)が0の経路である、②複数存在することがある、③ダミーが含まれることもある、④クリティカルパス以外の作業でも、フロートを使い切ると新たなクリティカルパスになる。すべて「○」の記述として出ます。

    6フロートと山積み・山崩し

    トータルフロート(TF)
    その作業で使える最大の余裕時間TF=最遅完了時刻−(最早開始時刻+所要日数)。使い切ると後続作業の余裕がなくなる(TF=0の作業の連なりがクリティカルパス)。
    フリーフロート(FF)
    使っても後続作業に一切影響しない余裕時間FF=後続作業の最早開始時刻−(最早開始時刻+所要日数)。FFはTF以下(FF≦TF)。
    ディペンデントフロート(DF)
    使うと後続作業の余裕に影響するフロート。TF=FF+DFの関係。
    山積み・山崩し
    日ごとの必要人員・機械を棒グラフ化するのが山積み、フロートの範囲で作業をずらして資源を平準化するのが山崩し。山崩しはクリティカルパス以外の作業(余裕のある作業)で行う。
    「フリーフロートはトータルフロートより大きい」→ ✕(FF≦TF)「クリティカルパス上の作業にはフロートがある」→ ✕(フロート0)。フロート2種の大小関係は毎年のように問われます。

    7頻出ひっかけ総まとめ ― 直前期はここだけ見直す

    ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
    バーチャートは作業の相互関係が明確不明確(明確なのはネットワーク式)
    ガントチャートで工期が分かる分かるのは達成度のみ
    斜線式は複雑な工事の管理に適するトンネル等の線状工事向き
    実施曲線は上方限界を超えるほど良い超過は原価・品質に無理の疑い
    ダミーには所要日数を与えるダミーは日数0(順序のみ)
    クリティカルパスは最短の経路最長の経路(=工期)
    クリティカルパスは1本しか存在しない複数あり得る
    フリーフロートはトータルフロートより大きいFF≦TF

    章末チェック ― 一問一答10問(○×)

    すべて過去問の論点ベース。8問以上正解で仕上がりです。

    1. 工程管理では、実施工程が計画工程よりやや上回る程度に管理するのがよい。
      答: ○ ― 余裕を持った進捗が理想。
    2. 一般に施工速度を上げるほど、原価は常に安くなる。
      答: ― 速すぎると突貫コストで上昇(最安点=経済速度)。
    3. バーチャートは作成が容易で、各作業の所要日数が分かりやすい。
      答: ○ ― ただし相互関係は不明確。
    4. ガントチャートは、各作業の達成度を把握するのに適している。
      答: ○ ― 工期は分からない。
    5. 実施工程曲線が下方許容限界を下回った場合は、工程計画を見直す必要がある。
      答: ○ ― 遅れのサイン。
    6. ネットワーク式工程表のダミーは、所要時間を持たない。
      答: ○ ― 順序関係のみを示す。
    7. クリティカルパスとは、開始から終了までの最短経路である。
      答: 最長経路。
    8. クリティカルパス上の作業が1日遅れると、工期も1日遅れる。
      答: ○ ― フロート0だから。
    9. フリーフロートは、トータルフロートより大きくなることはない。
      答: ○ ― FF≦TF。
    10. 山崩しとは、フロートの範囲で作業をずらして日々の資源量を平準化することである。
      答: ○ ― 山積み(見える化)とセット。
    11. 最早開始時刻の計算では、経路が合流する結合点で最小値を採用する。
      答: 最大値(後ろ向き計算の分岐点が最小値)。
    12. 突貫工事では、労務費の割増や作業効率の低下により原価が急増する。
      答: ○

    工程管理は「表の長所短所」と「足し算(クリティカルパス)」だけ。過去問のネットワーク計算を3問解けば、本番でも確実に得点できます。

    不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

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