1級土木施工管理技士 第一次検定対策
「河川・砂防」を徹底攻略!
「河川・砂防」を徹底攻略!
堤防・護岸・砂防えん堤のすべて
河川・砂防は専門土木で毎年3問前後。出題は「堤防の施工」「護岸の構造(3点セット)」「砂防えん堤の構造と施工順序」にほぼ集中しています。図の名称と数字を押さえれば安定して取れる分野です。
1河川堤防の施工 ― 名称と築堤のルール
図1 堤防の断面 ― 川側が「表」、住宅側が「裏」
- 表法面・裏法面(おもてのりめん・うらのりめん)
- 川の水が当たる側が「表」、守る側(住宅側)が「裏」。天端(てんば)は堤防の頂部。
- 腹付け・かさ上げ
- 既設堤防を太らせるのが腹付け(原則裏法面側に行う)、高くするのがかさ上げ。旧堤との接合面には段切りを設けてかみ合わせる。
- 築堤材料は透水性が低く、せん断強度が大きく、圧縮性の小さい土が望ましい(盛土材料と同じ発想)。
- 締固めは薄層(仕上り30cm程度以下)でまき出し、堤体全体を均等に締め固める。
- 施工中の堤体には横断方向に排水勾配を設け、雨水を溜めない。
- 樋門(ひもん)など構造物との接続部は小型機械で入念に締固め(ゆるみ・水みちが弱点)。
「腹付けは表法面側に行うのが原則」→ ✕(裏法面側)。「旧堤との接合面は平滑に仕上げる」→ ✕(段切りでかみ合わせる)。
2護岸 ― 「法覆工・基礎工・根固工」の3点セット
図2 護岸の構造 ― 天端工・法覆工(背面に裏込め材)・基礎・根固工
| 部位 | 役割 | 要点 |
|---|---|---|
| 法覆工(のりおおいこう) | 法面を被覆し流水から守る | コンクリートブロック張り・法枠など |
| 基礎工 | 法覆工を支える土台 | 天端は洗掘を考慮し計画河床より深く(埋戻す) |
| 根固工(ねがためこう) | 基礎前面の河床の洗掘を防止 | 異形ブロック等。基礎工とは絶縁し(一体化させず)、変形に追随できる構造 |
- 低水護岸の天端工・天端保護工は、洪水が越流した際の裏側からの侵食を防ぐ。
- すり付け工は護岸の上下流端に設け、河岸との間の侵食を防ぐ。
「根固工は基礎工と一体構造とする」→ ✕(絶縁して変形に追随させる)。「基礎工天端は計画河床と同じ高さ」→ ✕(洗掘を考慮して深く)。
3砂防えん堤 ― 構造名称と施工順序
構造図(水通し・袖・水叩き・副えん堤の配置)は国土交通省の公開資料が分かりやすい → 「砂防堰堤の働き」(国土交通省・PDF)/「砂防堰堤のはたらき」(北陸地方整備局 黒部河川事務所)。根入れは岩盤で1m以上・砂礫層で2m以上。
- 水通し(みずとおし)
- えん堤中央の越流部。流量を安全に流せる断面(台形)とする。
- 袖(そで)
- えん堤の両端部。洪水が乗り越えないよう両岸に向かって上り勾配とし、堅固な地山に嵌入させる。
- 前庭保護工(水叩き・副えん堤)
- 本えん堤を越えた水が下流の河床を洗掘するのを防ぐ設備。水叩き(コンクリート床)と副えん堤で構成。
- 基礎の根入れ: 岩盤で1m以上、砂礫地盤で2m以上。
- 施工順序: 本えん堤の基礎部 → 副えん堤 → 側壁・水叩き → 本えん堤の上部(下流の保護を先につくってから本体を仕上げる)。
- 砂防えん堤は原則岩盤に施工するのが望ましい。渓流保全では床固工・帯工で河床の低下を防ぐ。
「本えん堤を完成させてから副えん堤をつくる」→ ✕(基礎→副えん堤・水叩き→本体上部の順)。「袖は水平につくる」→ ✕(両岸へ上り勾配)。根入れ「岩盤2m・砂礫1m」の数字入れ替えにも注意(正: 岩1m・砂礫2m)。
4頻出ひっかけ総まとめ+一問一答
| ひっかけ文(すべて✕) | 正しい知識 |
|---|---|
| 腹付けは表法面側に行う | 裏法面側が原則 |
| 旧堤接合面は平滑に仕上げる | 段切りでかみ合わせ |
| 根固工は基礎工と一体化する | 絶縁し変形に追随 |
| 基礎工天端は計画河床と同高 | 洗掘考慮でより深く |
| 砂防えん堤の根入れは岩盤2m・砂礫1m | 岩盤1m・砂礫2m |
| 本えん堤完成後に副えん堤を施工 | 基礎→副えん堤・水叩き→本体上部 |
章末チェック ― 一問一答8問(○×)
- 堤防の締固めは、仕上り厚30cm程度以下の薄層で行う。
答: ○ - 既設堤防への腹付けは、原則として裏法面側に行う。
答: ○ - 築堤材料は、透水性の高い砂質土が最も望ましい。
答: ✕ ― 透水性は低いものが望ましい。 - 護岸の根固工は、基礎工前面の河床の洗掘を防止する。
答: ○ - 根固工は、基礎工と一体構造として強固に固定する。
答: ✕ ― 絶縁して変形に追随。 - 砂防えん堤の袖は、両岸に向かって上り勾配とする。
答: ○ - 砂防えん堤の基礎の根入れは、砂礫地盤で2m以上とする。
答: ○ ― 岩盤は1m以上。 - 前庭保護工は、えん堤上流側の堆砂を安定させる設備である。
答: ✕ ― 下流側の洗掘防止。
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