【1級土木施工管理技士】基礎工を徹底攻略|既製杭・場所打ち杭・土留めのすべて

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1級土木施工管理技士 第一次検定対策

「基礎工」を徹底攻略!
既製杭・場所打ち杭・土留めのすべて

最終更新: 2026.07.08 | 分野: 土木一般

基礎工は、第一次検定の「土木一般」で毎年2〜3問出題される分野。攻略のカギはただ1つ、「工法名と特徴(特に孔壁の守り方)の組合せ」です。細かい寸法よりも「どの工法が・何で孔壁を守り・何が長所短所か」の対応表が問われ続けています。

1既製杭 ― 打込み工法と埋込み工法

既製杭(きせいぐい)は、工場でつくった杭(鋼管杭・PHC杭など)を現場で地中に沈める基礎。沈め方は大きく「たたき込む(打込み)」か「掘って据える(埋込み)」の2系統です。

既製杭の施工法(打込みと埋込み)
図1 既製杭の2系統 ― 打込みは支持力確認しやすいが騒音大、埋込みは低公害
  • 打込み工法(打撃・バイブロハンマ): 支持力の確認がしやすい(打止め管理)が、騒音・振動が大きく市街地では制約
  • 中掘り杭工法: 杭の中空部にオーガを入れ、先端の地盤を掘りながら杭を沈める。低騒音・低振動。先端処理は最終打撃/セメントミルク噴出攪拌/コンクリート打設の3方式。
  • プレボーリング工法: 先に掘った孔に根固め液等を注入し杭を建て込む。
中掘り杭で「杭先端より先行して大きく掘る(先掘り)」「必要以上の拡大掘り」→ ✕(支持力低下のため原則行わない)。「中掘り工法は打撃工法より騒音が大きい」→✕(逆)

2杭の打込み順序と施工ルール

群杭の打込み順序
図2 群杭は「中央から外側へ」― 締固め効果で後の杭が入らなくなるのを防ぐ
  • 群杭(多数の杭)は中央部の杭から外側へ向かって打つ。先に外周を打つと、地盤が締まって中の杭が打ち込めなくなる。
  • 一群の杭は連続して(中断せず)打ち込む ― 時間を空けると地盤が締まって打込み困難になる。
  • 打撃工法では杭頭の損傷を防ぐためクッション材を用い、打込み中は杭の鉛直度(傾き)を常に確認する。
  • 打止めは、1打あたりの貫入量やリバウンド量で支持力を確認して決める。

3場所打ち杭 ― 4工法を「孔壁の守り方」で覚える

場所打ち杭(ばしょうちぐい)は、現場で孔を掘り、鉄筋かごを入れてコンクリートを打つ大口径の杭。掘った孔の壁が崩れないように何で守るか ― これが4工法の違いのすべてです。

場所打ち杭の4工法比較
図3 場所打ち杭4工法 ― 「孔壁の守り方」の対応が毎年出る
工法掘削孔壁保護キーワード
オールケーシングハンマグラブケーシングチューブ(鋼管)孔壁崩壊の心配が最も少ない
アースドリル回転バケット安定液(ベントナイト)機動性が高い・市街地向き
リバースサーキュレーション回転ビット自然泥水(スタンドパイプ内の水位を地下水位+2m以上)泥水を逆循環で排土
深礎(しんそ)人力・機械掘削ライナープレート等の土留材直接支持層を確認できる
組合せ入れ替えが最頻出: 「アースドリル工法はケーシングで孔壁を保護する」→ ✕(安定液)「リバース工法は安定液を使用する」→ ✕(自然泥水・水頭差2m)「オール=鋼管」「アース=安定液」「リバース=泥水2m」「深礎=土留材」と呪文で暗記!

4スライム処理と水中コンクリート(トレミー管)

スライム
掘削中に孔の底に沈殿した土砂やくずの堆積物。杭の先端支持力を直接損なうため、コンクリート打設前に必ず除去(スライム処理)する(一次処理: 掘削直後/二次処理: 鉄筋かご建込み後)。
トレミー管
水中(泥水中)にコンクリートを打つための縦管。管の先端を常にコンクリート中に2m以上挿入したまま連続して打ち込み、水と混ざるのを防ぐ。
「トレミー管の先端はコンクリート面より上に保つ」→ ✕(コンクリート中に2m以上挿入)。上に出すと水と混ざって品質が台無しに。「スライムは少量なら残してよい」→✕(除去が原則)

5直接基礎

直接基礎は、良質な支持層が浅い位置にある場合に、フーチング(基礎版)で直接荷重を伝える基礎です。

  • 支持層の目安: 砂質土でN値30以上、粘性土でN値20以上程度の良質な層。
  • 基礎底面は支持層に密着させ、滑動抵抗を確保する(底面を粗にする・突起を設けるなど)。
  • 基礎底面下の乱した地盤・緩んだ地盤は良質材で置き換えるか締め固める。岩盤では均しコンクリートで密着。

6土留めの掘削底面破壊 ― ヒービングとボイリング

土留め(山留め)をして深く掘ると、掘削底面から地盤が破壊することがあります。「どの地盤で・何が起きるか」の組合せが頻出です。

ヒービングの模式図
図4 ヒービング ― 軟らかい粘性土で、背面の土が回り込み底面が盛り上がる
ボイリングの模式図
図5 ボイリング ― 砂質土+地下水。水頭差による上向きの流れで砂が沸き立つ
盤ぶくれの模式図
図6 盤ぶくれ ― 難透水層の下の被圧水圧で掘削底面が持ち上がる
現象起きる地盤メカニズム主な対策
ヒービング軟らかい粘性土背面の土の重さで底面が盛り上がる根入れを深く、地盤改良、背面荷重の低減
ボイリング地下水位の高い砂質土上向きの浸透流で砂が沸き立つ根入れを深く、地下水位低下、止水
盤ぶくれ難透水層の下に被圧帯水層被圧水圧で底面が持ち上がるディープウェル等で減圧
「ヒービングは砂質地盤で発生する」→ ✕(粘性土)「ボイリングは粘性土地盤で発生する」→ ✕(砂質土+地下水)「粘土がヒーヒー(ヒービング)、砂がボコボコ(ボイリング)」で丸暗記。どちらも対策の第一手は「根入れを深くする」。

7頻出ひっかけ総まとめ ― 直前期はここだけ見直す

ひっかけ文(すべて✕)正しい知識
群杭は外側から中央へ打ち込む中央から外側へ
一群の杭は日を分けて少しずつ打つ連続して打ち込む
中掘り杭では先掘りを行い沈設を早める先掘り・拡大掘りは原則行わない
アースドリル工法はケーシングで孔壁保護安定液(ケーシングはオールケーシング)
リバース工法は安定液を注入する自然泥水・水頭差2m以上
スライムは打設前に除去しなくてよい必ず除去(支持力に直結)
トレミー管の先端はコンクリート面の上に保つコンクリート中に2m以上挿入
ヒービングは砂質土で発生する軟らかい粘性土(砂はボイリング)

章末チェック ― 一問一答10問(○×)

すべて過去問の論点ベース。8問以上正解で仕上がりです。

  1. 打撃工法は、埋込み工法に比べて杭の支持力の確認がしやすい。
    答: ○ ― 打止め管理ができる。騒音・振動は大きい。
  2. 中掘り杭工法では、杭先端部の地盤を先掘りして沈設を容易にするのがよい。
    答: ― 先掘りは支持力低下のため原則禁止。
  3. 群杭の打込みは、群の中央部から周辺に向かって行う。
    答: ○ ― 締固め効果で入らなくなるのを防ぐ。
  4. オールケーシング工法は、ケーシングチューブで孔壁を保護しながらハンマグラブで掘削する。
    答: ○ ― 「オール=鋼管」。
  5. アースドリル工法は、スタンドパイプ内の水位を地下水位より2m以上高く保って孔壁を保護する。
    答: ― それはリバース工法。アースドリルは安定液。
  6. 深礎工法は、ライナープレート等で土留めしながら人力等で掘削する工法である。
    答: ○ ― 支持層を直接目視確認できる。
  7. 場所打ち杭のスライムは、コンクリート打込み前に除去する。
    答: ○ ― 一次・二次処理。
  8. トレミー管の先端は、打ち込んだコンクリートの中に2m以上入れておく。
    答: ○ ― 水と混ぜないため。
  9. ボイリングは、軟らかい粘性土地盤の掘削底面で起きやすい。
    答: ― ボイリングは砂質土+地下水。粘性土はヒービング。
  10. ヒービング・ボイリングの対策として、土留め壁の根入れを深くすることは有効である。
    答: ○ ― 両者共通の第一手。

基礎工は「組合せ(工法×孔壁保護、地盤×破壊現象)」の分野。表を口に出して3回読めば、それだけで2問取れます。

不明な点があれば、Q&Aで質問してみよう

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