1級土木施工管理技士 第一次検定対策
「基礎工」を徹底攻略!
「基礎工」を徹底攻略!
既製杭・場所打ち杭・土留めのすべて
基礎工は、第一次検定の「土木一般」で毎年2〜3問出題される分野。攻略のカギはただ1つ、「工法名と特徴(特に孔壁の守り方)の組合せ」です。細かい寸法よりも「どの工法が・何で孔壁を守り・何が長所短所か」の対応表が問われ続けています。
この記事の目次
1既製杭 ― 打込み工法と埋込み工法
既製杭(きせいぐい)は、工場でつくった杭(鋼管杭・PHC杭など)を現場で地中に沈める基礎。沈め方は大きく「たたき込む(打込み)」か「掘って据える(埋込み)」の2系統です。
図1 既製杭の2系統 ― 打込みは支持力確認しやすいが騒音大、埋込みは低公害
- 打込み工法(打撃・バイブロハンマ): 支持力の確認がしやすい(打止め管理)が、騒音・振動が大きく市街地では制約。
- 中掘り杭工法: 杭の中空部にオーガを入れ、先端の地盤を掘りながら杭を沈める。低騒音・低振動。先端処理は最終打撃/セメントミルク噴出攪拌/コンクリート打設の3方式。
- プレボーリング工法: 先に掘った孔に根固め液等を注入し杭を建て込む。
中掘り杭で「杭先端より先行して大きく掘る(先掘り)」「必要以上の拡大掘り」→ ✕(支持力低下のため原則行わない)。「中掘り工法は打撃工法より騒音が大きい」→✕(逆)。
2杭の打込み順序と施工ルール
図2 群杭は「中央から外側へ」― 締固め効果で後の杭が入らなくなるのを防ぐ
- 群杭(多数の杭)は中央部の杭から外側へ向かって打つ。先に外周を打つと、地盤が締まって中の杭が打ち込めなくなる。
- 一群の杭は連続して(中断せず)打ち込む ― 時間を空けると地盤が締まって打込み困難になる。
- 打撃工法では杭頭の損傷を防ぐためクッション材を用い、打込み中は杭の鉛直度(傾き)を常に確認する。
- 打止めは、1打あたりの貫入量やリバウンド量で支持力を確認して決める。
3場所打ち杭 ― 4工法を「孔壁の守り方」で覚える
場所打ち杭(ばしょうちぐい)は、現場で孔を掘り、鉄筋かごを入れてコンクリートを打つ大口径の杭。掘った孔の壁が崩れないように何で守るか ― これが4工法の違いのすべてです。
図3 場所打ち杭4工法 ― 「孔壁の守り方」の対応が毎年出る
| 工法 | 掘削 | 孔壁保護 | キーワード |
|---|---|---|---|
| オールケーシング | ハンマグラブ | ケーシングチューブ(鋼管) | 孔壁崩壊の心配が最も少ない |
| アースドリル | 回転バケット | 安定液(ベントナイト) | 機動性が高い・市街地向き |
| リバースサーキュレーション | 回転ビット | 自然泥水(スタンドパイプ内の水位を地下水位+2m以上) | 泥水を逆循環で排土 |
| 深礎(しんそ) | 人力・機械掘削 | ライナープレート等の土留材 | 直接支持層を確認できる |
組合せ入れ替えが最頻出: 「アースドリル工法はケーシングで孔壁を保護する」→ ✕(安定液)、「リバース工法は安定液を使用する」→ ✕(自然泥水・水頭差2m)。「オール=鋼管」「アース=安定液」「リバース=泥水2m」「深礎=土留材」と呪文で暗記!
4スライム処理と水中コンクリート(トレミー管)
- スライム
- 掘削中に孔の底に沈殿した土砂やくずの堆積物。杭の先端支持力を直接損なうため、コンクリート打設前に必ず除去(スライム処理)する(一次処理: 掘削直後/二次処理: 鉄筋かご建込み後)。
- トレミー管
- 水中(泥水中)にコンクリートを打つための縦管。管の先端を常にコンクリート中に2m以上挿入したまま連続して打ち込み、水と混ざるのを防ぐ。
「トレミー管の先端はコンクリート面より上に保つ」→ ✕(コンクリート中に2m以上挿入)。上に出すと水と混ざって品質が台無しに。「スライムは少量なら残してよい」→✕(除去が原則)。
5直接基礎
直接基礎は、良質な支持層が浅い位置にある場合に、フーチング(基礎版)で直接荷重を伝える基礎です。
- 支持層の目安: 砂質土でN値30以上、粘性土でN値20以上程度の良質な層。
- 基礎底面は支持層に密着させ、滑動抵抗を確保する(底面を粗にする・突起を設けるなど)。
- 基礎底面下の乱した地盤・緩んだ地盤は良質材で置き換えるか締め固める。岩盤では均しコンクリートで密着。
6土留めの掘削底面破壊 ― ヒービングとボイリング
土留め(山留め)をして深く掘ると、掘削底面から地盤が破壊することがあります。「どの地盤で・何が起きるか」の組合せが頻出です。

図4 ヒービング ― 軟らかい粘性土で、背面の土が回り込み底面が盛り上がる

図5 ボイリング ― 砂質土+地下水。水頭差による上向きの流れで砂が沸き立つ

図6 盤ぶくれ ― 難透水層の下の被圧水圧で掘削底面が持ち上がる
| 現象 | 起きる地盤 | メカニズム | 主な対策 |
|---|---|---|---|
| ヒービング | 軟らかい粘性土 | 背面の土の重さで底面が盛り上がる | 根入れを深く、地盤改良、背面荷重の低減 |
| ボイリング | 地下水位の高い砂質土 | 上向きの浸透流で砂が沸き立つ | 根入れを深く、地下水位低下、止水 |
| 盤ぶくれ | 難透水層の下に被圧帯水層 | 被圧水圧で底面が持ち上がる | ディープウェル等で減圧 |
「ヒービングは砂質地盤で発生する」→ ✕(粘性土)。「ボイリングは粘性土地盤で発生する」→ ✕(砂質土+地下水)。「粘土がヒーヒー(ヒービング)、砂がボコボコ(ボイリング)」で丸暗記。どちらも対策の第一手は「根入れを深くする」。
7頻出ひっかけ総まとめ ― 直前期はここだけ見直す
| ひっかけ文(すべて✕) | 正しい知識 |
|---|---|
| 群杭は外側から中央へ打ち込む | 中央から外側へ |
| 一群の杭は日を分けて少しずつ打つ | 連続して打ち込む |
| 中掘り杭では先掘りを行い沈設を早める | 先掘り・拡大掘りは原則行わない |
| アースドリル工法はケーシングで孔壁保護 | 安定液(ケーシングはオールケーシング) |
| リバース工法は安定液を注入する | 自然泥水・水頭差2m以上 |
| スライムは打設前に除去しなくてよい | 必ず除去(支持力に直結) |
| トレミー管の先端はコンクリート面の上に保つ | コンクリート中に2m以上挿入 |
| ヒービングは砂質土で発生する | 軟らかい粘性土(砂はボイリング) |
章末チェック ― 一問一答10問(○×)
すべて過去問の論点ベース。8問以上正解で仕上がりです。
- 打撃工法は、埋込み工法に比べて杭の支持力の確認がしやすい。
答: ○ ― 打止め管理ができる。騒音・振動は大きい。 - 中掘り杭工法では、杭先端部の地盤を先掘りして沈設を容易にするのがよい。
答: ✕ ― 先掘りは支持力低下のため原則禁止。 - 群杭の打込みは、群の中央部から周辺に向かって行う。
答: ○ ― 締固め効果で入らなくなるのを防ぐ。 - オールケーシング工法は、ケーシングチューブで孔壁を保護しながらハンマグラブで掘削する。
答: ○ ― 「オール=鋼管」。 - アースドリル工法は、スタンドパイプ内の水位を地下水位より2m以上高く保って孔壁を保護する。
答: ✕ ― それはリバース工法。アースドリルは安定液。 - 深礎工法は、ライナープレート等で土留めしながら人力等で掘削する工法である。
答: ○ ― 支持層を直接目視確認できる。 - 場所打ち杭のスライムは、コンクリート打込み前に除去する。
答: ○ ― 一次・二次処理。 - トレミー管の先端は、打ち込んだコンクリートの中に2m以上入れておく。
答: ○ ― 水と混ぜないため。 - ボイリングは、軟らかい粘性土地盤の掘削底面で起きやすい。
答: ✕ ― ボイリングは砂質土+地下水。粘性土はヒービング。 - ヒービング・ボイリングの対策として、土留め壁の根入れを深くすることは有効である。
答: ○ ― 両者共通の第一手。
基礎工は「組合せ(工法×孔壁保護、地盤×破壊現象)」の分野。表を口に出して3回読めば、それだけで2問取れます。
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