【1級土木施工管理技士】火薬類取締法を徹底攻略!火薬庫・消費・火工所・発破のすべて

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1級土木施工管理技士 第一次検定対策

「火薬類取締法」を徹底攻略!
火薬庫・火薬類取扱所・火工所と発破のルールを1本で押さえる

最終更新: 2026.07.12 | 分野: 法規

1級土木施工管理技士の第一次検定では、「法規」から例年12問が出題され、そのうち8問を選択解答します。全問を解く必要がないぶん、「この法令なら絶対に落とさない」という得点源をいくつ作れるかが勝負になります。その筆頭候補が火薬類取締法です。

火薬類取締法からは、毎年1問が安定して出題されます。しかも問われる論点はほぼ固定で、① 火薬庫における貯蔵上の取扱い(法第21条・規則第21条)、② 消費場所における取扱い=火薬類取扱所・火工所(規則第51条〜第52条の2)、③ 発破のときの取扱い(規則第53条・第54条)、④ 許可権者(=都道府県知事)――この4点に集中しています。条文の言い回しがほぼそのまま選択肢になるので、「してはならない」と書いてある行為を覚えるだけで1点という、極めてコスパの高い分野です。

逆に、落とし穴もはっきりしています。最大のワナは「火薬と雷管を一緒に扱ってしまう選択肢」と、「火薬庫の中に持ち込んでよい物・悪い物」の入れ替え。そして「不発のときに何分待つのか」という数値です。この記事では、法の趣旨から定義、許可制度、貯蔵・消費・発破の各段階のルールまでを図と表で体系的に整理します。ひっかけ総まとめと一問一答10問まで通して読めば、火薬類取締法の1問は確実に拾えます。

1火薬類取締法の目的と「火薬類」の定義 ―「火薬・爆薬・火工品」

1-1 法の目的(第1条)

火薬類取締法の目的は、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱いを規制することにより、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することです。

ポイントは「災害の防止」と「公共の安全の確保」という2本柱です。つまりこの法律は、火薬類のライフサイクル(つくる → 売る → しまう → 運ぶ → 使う → 捨てる)のすべての段階に網をかけています。試験で問われるルールが「なぜそうなっているのか」を迷ったときは、「爆発させないため」「盗まれないため」のどちらかに必ず行き着きます。この2つの視点を持っていれば、初見の選択肢でも正誤が判断できます。

1-2 火薬類の定義(第2条)

この法律でいう火薬類とは、火薬・爆薬・火工品の3つをいいます。「火薬類=火薬」ではありません。この3分類は毎年のように選択肢に登場します。

火薬(かやく)
主として推進的爆発(ものを押し出す・飛ばす燃焼)の用途に使われるもの。黒色火薬、無煙火薬などが該当します。
爆薬(ばくやく)
主として破壊的爆発(ものを砕く爆轟)の用途に使われるもの。ダイナマイト、含水爆薬(スラリー爆薬・エマルション爆薬)、硝安油剤爆薬(ANFO)、カーリット、雷こう、アジ化鉛など。土木の発破で実際に岩を砕いているのは、この「爆薬」です。
火工品(かこうひん)
火薬・爆薬を加工して、特定の目的に使えるようにした製品工業雷管、電気雷管、導火管付き雷管、銃用雷管、実包、信号雷管、導爆線、導火線、電気導火線、信号焔管、信号火せん、煙火(花火)などが該当します。
「火薬類」= 火薬 + 爆薬 + 火工品(3つで1セット) 火 薬 類(法第2条) ① 火 薬 推進的爆発が主用途 黒色火薬 無煙火薬 ② 爆 薬 破壊的爆発が主用途 ダイナマイト 含水爆薬・ANFO ③ 火 工 品(加工した製品) 工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管 導爆線・導火線・電気導火線 信号焔管・信号火せん・煙火
図1 火薬類の3分類 ― 雷管・導爆線・信号焔管は「火工品」であって「爆薬」ではない
雷管は何か?」は超頻出。工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管・導爆線・導火線・信号焔管はすべて「火工品」です。「爆薬」に分類する選択肢は✕。
覚え方は「火薬類=カ(火薬)・バク(爆薬)・カコウ(火工品)」。そして「加工してあれば火工品」――雷管も導爆線も信号焔管も、すべて「製品」の形をしていますね。
「電気雷管および導爆線は、火薬類取締法上の爆薬に分類される」→ 火工品です。
硝安油剤爆薬(ANFO)は火工品である」→ 。これは爆薬加工品=火工品、素の爆発物=火薬・爆薬という切り分けで即答できます。

2許可・届出の体系 ―「原則すべて都道府県知事」

2-1 誰の許可を受けるのか

火薬類取締法でいちばん問われるのが「許可権者は誰か」です。結論から言うと、土木の現場で関わる手続は、ほぼすべて都道府県知事の許可です。ここを押さえるだけで、選択肢を1つ2つ切れます。

行為手続相手方
製造(火薬類を製造する)許可経済産業大臣
販売(火薬類の販売業を営む)許可都道府県知事
譲渡・譲受(火薬類を譲り渡す・譲り受ける)許可都道府県知事(住所地または譲受地を管轄する知事)
輸入許可都道府県知事
火薬庫の設置・移転・構造/設備の変更許可都道府県知事
消費(発破などで火薬類を使う)許可都道府県知事
廃棄(不要になった火薬類を捨てる)許可都道府県知事
運搬(車両等で運ぶ)届出(運搬証明書の交付)出発地を管轄する都道府県公安委員会
盗難・喪失届出警察官または海上保安官
許可権者の整理は「つくるのは大臣、あとは全部 知事。運ぶときだけ公安委員会」
土木施工管理の受験生が現場で関わるのは「譲受・消費・火薬庫・廃棄」の4つ。この4つはすべて都道府県知事です。「市町村長」「労働基準監督署長」「経済産業大臣」を混ぜた選択肢は、その時点で✕と判断できます。
「火薬類を消費しようとする者は、市町村長の許可を受けなければならない」→ 。正しくは都道府県知事の許可です。
「火薬庫を設置しようとする者は、経済産業大臣の許可を受ける」→ 火薬庫も都道府県知事。経済産業大臣の許可が要るのは製造だけです。

2-2 火薬類取扱保安責任者

火薬庫の所有者・占有者や、一定数量以上の火薬類を消費する者は、火薬類取扱保安責任者を選任しなければなりません。

火薬類取扱保安責任者
火薬類の取扱いに係る保安(安全管理)を統括する者火薬類取扱保安責任者免状(甲種・乙種)を持つ者のうちから選任し、都道府県知事に届け出ます。あわせて代理者も選任しておく必要があります。
取扱者の年齢制限
火薬類の取扱いには18歳未満の者を従事させてはなりません(法第23条・規則)。「16歳未満」ではありません。労働安全衛生法の年少者規制ともつながる、頻出の数値です。

3火薬庫と貯蔵上の取扱い ―「持ち込んでよい物・悪い物」

3-1 火薬庫の設置は知事の許可

火薬庫とは、火薬類を貯蔵するための専用の施設です。「火薬類は、火薬庫において貯蔵しなければならない」(法第11条)というのが大原則で、火薬庫以外の場所に長期間置いておくことはできません

火薬庫(かやくこ)
火薬類を貯蔵する専用施設。設置・移転、および構造・設備の変更をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません(法第12条)。火薬庫を「つくる」「動かす」「いじる」=すべて知事の許可と覚えます。

3-2 貯蔵上の取扱い【最重要・条文がそのまま出る】

法第21条と規則第21条は、火薬庫における貯蔵の技術上の基準を細かく定めています。第一次検定で最も出題頻度が高いのが、この一群のルールです。条文の言い回しがほぼそのまま選択肢になるので、丸ごと押さえてしまいましょう。

火薬庫における貯蔵上の基準(規則第21条)
火薬庫の境界内には、爆発し、発火し、または燃焼しやすい物を堆積しないこと(枯草・落葉・木材・油類など)
火薬庫の境界内には、必要がある者のほかは立ち入らないこと
火薬庫内には、火薬類以外の物を貯蔵しないこと
火薬庫の境界内には、火気を扱ってはならない。また火薬庫内には、照明・電灯(電気設備)を設けない。庫内で灯火を必要とするときは安全な携帯電灯(防爆構造の携帯電灯)を用いる
火薬庫内では、鉄類または鉄類を使った器具・工具を使用しないこと。使用する場合は銅(真ちゅう)製・木製・竹製の器具など、火花を発しないものを用いる
火薬庫内の温度は40℃以下に保つこと。夏季は特に換気・散水等の措置を講じる
火薬庫の出入口・窓には、鍵をかける(施錠する)こと。盗難防止のための措置を講じる
火薬庫の境界内には、見張人を配置するなど、盗難防止上有効な措置をとること
火薬庫の境界内には適当な消火設備を設けること
火薬類を収納した容器を火薬庫内に置くときは、乱暴に取り扱わないこと。積み重ねる場合は崩れないようにする
火薬庫内は、整理整とんし、清掃する。清掃には火花を発しない用具を用いる
火薬庫内では、荷造り・荷解き・開かん(かい開)をしないこと。これらの作業は火薬庫の外(火薬類取扱所等)で行う
火薬庫のルール ― ○ 持ち込んでよい / ✕ 持ち込んではならない ✕ 火薬庫に入れてはならない 照明・電灯などの電気設備 火気(マッチ・ライター・喫煙) 鉄類・鉄製の器具や工具 火薬類以外の物(資材・工具箱) 必要がある者以外の人の立入り 境界内に燃えやすい物を堆積 ○ 求められる措置 灯火は安全な携帯電灯のみ 器具は銅製・木製・竹製 庫内の温度は 40℃以下 出入口・窓は施錠する 消火設備・盗難防止措置 荷造り・荷解きは庫外で行う
図2 火薬庫における貯蔵上の取扱い(規則第21条)― 電灯は✕、携帯電灯は○
火薬庫のルールは、たった2つの原理から導けます。
「火花・火気・熱をゼロにする」→ 電灯を設けない(携帯電灯だけ)/鉄類を使わない(銅・木・竹)/火気厳禁/温度40℃以下/燃えやすい物を堆積しない。
「盗ませない・巻き添えを増やさない」→ 施錠する/必要のある者以外立ち入らせない/見張人/荷造り・荷解きは庫内でしない。
この2軸で考えれば、初見の選択肢でも判断できます。
「火薬庫内では作業に必要な明るさを確保するため、照明設備(電灯)を設ける」→ 火薬庫内には電灯・電気設備を設けてはなりません。灯火が必要なときは安全な携帯電灯を用います。「電灯」と「携帯電灯」を入れ替える、最頻出のひっかけです。
「火薬庫内では、作業の効率を高めるため鉄製の器具・工具を用いる」→ 。鉄は打ち当てると火花を発します。用いるのは銅製・木製・竹製など火花を発しない器具です。
「火薬庫内の温度は、50℃以下に保たなければならない」→ 。正しくは40℃以下。数値を1段上げるのが定番の書き換えです。

4運搬・譲渡譲受・盗難時の手続

4-1 運搬(法第19条)

火薬類を車両等で運搬しようとする者は、出発地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て、運搬証明書の交付を受けなければなりません。ここだけ相手方が「公安委員会」である点に注意してください。

項目内容
届出先出発地を管轄する都道府県公安委員会到着地ではありません
交付される書類運搬証明書。運搬中は車両に携帯する
運搬の方法公安委員会は、運搬の日時・経路・方法その他必要な事項について指示することができる
混載の禁止火薬・爆薬と、雷管等の火工品は、同一の容器に収納して運搬してはならない
「火薬・爆薬」と「雷管」は絶対に一緒にしない――これは運搬でも、存置(保管)でも、消費場所への持込みでも、すべてに共通する大原則です。雷管は「起爆装置」、爆薬は「爆発物」。両者が同じ箱にあれば、それはもう「爆弾」だからです。理由から覚えれば絶対に忘れません。

4-2 譲渡・譲受(法第17条)

火薬類を譲り渡し、または譲り受けようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません(譲渡許可・譲受許可)。発破を行う施工業者は、火薬店から火薬類を買う(=譲り受ける)ときに、この譲受許可が必要になります。

4-3 盗難・喪失(法第46条)

火薬類を喪失し、または盗取された(盗まれた)ときは、遅滞なくその旨を警察官または海上保安官に届け出なければなりません。

「火薬類を紛失・盗難されたときは、遅滞なく都道府県知事に届け出なければならない」→ 。盗難・喪失の届出先は警察官または海上保安官です。「盗まれたら警察」――常識どおりですが、火薬類取締法は「何でも知事」の印象が強いため、引っかかりやすいポイントです。

5消費の許可と消費場所の3施設 ―「取扱所・火工所・発破場所」

5-1 消費の許可(法第25条)

火薬類を「消費」する――つまり発破や煙火の打上げのために火薬類を使うには、消費地を管轄する都道府県知事の許可(火薬類消費許可)が必要です。

火薬類消費許可
火薬類を爆発・燃焼させる(=使う)ための許可。許可権者は都道府県知事。申請書には消費の目的・場所・期間・数量、火薬類の種類、消費計画(発破の方法)、火薬類取扱保安責任者等を記載します。
例外1日あたりの消費数量が少量(火薬・爆薬1kg以下など、政令で定める数量以下)の場合や、鉱山保安法の適用を受ける場合など、政令で定める場合は許可が不要です。「例外はあるが、原則は知事の許可」と押さえます。

5-2 消費場所には「3つの場所」しかない

消費(発破)を行う現場では、火薬類を置いてよい場所が3つに限定されています。これが火薬類取締法の最重要フレームワークです。

場所何をするところか置ける火薬類
① 火薬類取扱所消費場所において火薬類の管理・出納(受払い)を行う場所。現場の火薬の「金庫兼帳場」1日の消費見込量以下
② 火工所薬包に雷管を取り付ける(親ダイをつくる)作業や、その包装作業を行う場所その日に親ダイをつくるのに必要な数量のみ
③ 発破場所実際に装てん・結線・点火を行う場所(切羽など)当該作業に必要な量を超えない

そして、法はこう定めます――「消費場所においては、火薬類取扱所、火工所または発破場所以外の場所に火薬類を存置してはならない」。つまり、現場のプレハブ、車の中、資材置場などに火薬類を置くことは一切できません

消費場所における火薬類の流れ ― 置いてよい場所は3つだけ 消費場所(工事現場) ① 火薬類取扱所 出納・保管の帳場 1消費場所に 1か所 1日の消費見込量以下 ② 火 工 所 薬包に雷管を取り付ける (親ダイづくり) 取扱所から離して設置 ③ 発破場所 装てん・結線・点火 必要量を超えて 携行しない この3か所以外に火薬類を存置してはならない
図3 消費場所における火薬類の流れ(火薬類取扱所 → 火工所 → 発破場所)
3施設の役割は「取扱所=しまう・記録する/火工所=つくる(親ダイ)/発破場所=使う」
火薬類は必ず「取扱所 → 火工所 → 発破場所」の一方通行で流れます。そして余ったら、取扱所または火工所に返送する――発破場所に置きっぱなしにはできません。この流れを図で覚えてしまえば、規則第51条〜54条の大半が解けます。

6火薬類取扱所と火工所の細則 ―「1消費場所に1か所」

6-1 火薬類取扱所(規則第52条)

項目基準
設置数1つの消費場所につき1か所とする(複数設けることはできません
位置通路・通路となる坑道・動力線・火薬庫・火気を取り扱う場所・人の出入りする建物等に対し、安全な距離を保つ
存置できる数量1日の消費見込量以下の火薬類
構造火薬類を存置する場所は、雨露を防ぎ、安全に保管できる構造とする。建物の内部は板張りとし、床面にはできる限り鉄類を表さない
温度内部の温度は40℃以下に保つ
立入制限定員(責任者・必要な作業者)以外の者を立ち入らせない
帳簿責任者を定め、火薬類の出納を行う火薬類の受払い・消費残数量を、その都度(そのつど)帳簿に記録する
掲示見やすい場所に取扱いに必要な法規・保安教育の内容を掲示する

6-2 火工所(規則第52条の2)

火工所は、薬包に雷管を取り付ける作業(=親ダイ/親ダイナマイトづくり)を専門に行う場所です。この作業を火工所以外でやってはいけない――これが最大のルールです。

火工所(かこうしょ)
消費場所において、薬包に雷管を取り付ける作業、およびこれに準ずる作業を行うために設ける場所。
主な基準
火薬類取扱所、他の火工所、火薬庫、火気を取り扱う場所、人の出入りする建物等に対し安全な距離を保ち、周囲に境界柵を設ける
火工所以外の場所において、薬包に雷管を取り付ける作業を行ってはならない
・存置できるのは、その日に作業に必要な量のみ。作業終了後、残った火薬類は火薬類取扱所に返送する
定員以外の者を立ち入らせない
内部は、床面にできる限り鉄類を表さない火薬類を存置する場所には、見張人を配置する
親ダイ(親ダイナマイト)
薬包(ダイナマイト等)に雷管を挿し込んだもの。発破の「起爆役」になる薬包です。これをつくる作業が、発破工事のなかで最も危険な瞬間のひとつ。だからこそ専用の場所(火工所)を設け、そこ以外での作業を禁じているのです。
火工所は「親ダイ工場」雷管と爆薬が初めて“合体”する危険な場所だから、
取扱所や他の火工所から離す(1か所が爆発しても連鎖しないように)
定員以外は立入禁止
火工所以外では絶対に雷管を取り付けない
という3点が要求されます。「火工所は1消費場所に1か所」とは限りません(複数設置できます)「1か所」に限定されるのは火薬類取扱所のほう――ここは強烈なひっかけです。
「火工所は、1つの消費場所につき1か所と定められている」→ 「1消費場所に1か所」なのは火薬類取扱所です。火工所は複数設けることができ、その場合は「他の火工所」との間に安全な距離を保つとされています(=複数あることが前提の条文です)。
「発破場所において、薬包に雷管を取り付ける作業を行った」→ 薬包に雷管を取り付ける作業は、火工所以外で行ってはなりません。「作業効率を上げるため切羽で親ダイをつくった」という選択肢は、必ず誤りです。

6-3 存置・運搬時の容器のルール

項目基準
容器の材質木製その他、電気火花を発しない材料でつくった容器を用いる(鉄製の容器は不可
容器の構造堅固で、かつ、蓋(ふた)のある容器とする
混包の禁止火薬・爆薬と、雷管(工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管)は、同一の容器に入れてはならない
持込量消費場所においては、必要な量以外の火薬類を持ち込まない
取扱者18歳未満の者は、火薬類の取扱いに従事させてはならない
「火薬類の運搬にあたり、能率を上げるため、爆薬と電気雷管を同一の容器に収めて運搬した」→ 火薬・爆薬と雷管は、絶対に同一の容器に入れてはなりません。この規定は運搬・存置の両方にかかります。火薬類取締法で最も出題頻度の高い1行と言っても過言ではありません。

7発破の取扱い ―「不発は電気5分・導火線15分」

7-1 装てん(規則第53条)

項目基準
携行量発破場所に携行する火薬類の数量は、当該作業に必要な量を超えないこと
込め棒装てん(込め)には、木製または竹製の込め棒を用いる。鉄類は使用しない
込め物装てん後の込め物(タンピング材)には、粘土・砂その他の発火性・燃焼性のないものを用いる。無煙炭など、燃えやすい物は用いない
残った火薬類装てんが終わり、火薬類が残った場合は、直ちに火薬類取扱所または火工所に返送する
存置発破場所に火薬類を残置・存置してはならない
装てんの3点セットは「必要量だけ持って行く/込め棒は木・竹/余ったら即返送」
「鉄の込め棒」は、摩擦火花で起爆するため厳禁。火薬庫の「鉄類禁止」と同じ発想です。この法律は一貫して「鉄と火薬は相性が悪い」と言い続けている、と覚えましょう。

7-2 電気発破と迷走電流(規則第54条)

電気雷管は、脚線に電流を流して起爆させます。したがって、意図しない電流(迷走電流・漏えい電流・静電気・雷)によって暴発する危険があります。

迷走電流(めいそうでんりゅう)
電車のレール、動力線、溶接機、変電設備などから大地に漏れ出して流れている電流。これが電気雷管の脚線に入り込むと、点火していないのに起爆してしまいます。
項目基準
迷走電流の測定電気雷管を使用するときは、あらかじめ迷走電流の有無を確認し、危険がある場合は電気発破を行わない
電気機器からの隔離電線路・電気機器・動力線から隔離する。近接する場合は電源を遮断する等の措置をとる
脚線電気雷管の脚線は、点火するまで短絡(ショート)させておく
導通・抵抗試験結線後、導通試験・抵抗試験を行う。試験は発破母線を電源から切り離し、人が安全な場所に退避してから行う
発破母線点火するまで、電源から切り離し、短絡させておく
雷が発生するおそれのあるときは、装てん・結線・点火を行わず、直ちに退避する

7-3 点火・退避・警戒

  • 発破に際しては、危険区域への立入りを禁止し、見張人(警戒員)を配置する
  • 点火前に警報を発し、退避を確認してから点火する
  • 点火は、発破の指揮者の合図によって行う
  • 導火線発破では、1人あたりの点火本数の制限があり、点火後は直ちに安全な場所に退避する

7-4 不発(残留爆薬)の処理【最重要の数値】

発破後、爆発しなかった(不発)可能性がある場合が最も危険です。すぐに近づくと、遅れて爆発(遅発)に巻き込まれます。そこで法は、発破後の一定時間は、発破場所に近づいてはならないと定めています。

発破の方式発破後、接近が禁止される時間
電気発破(電気雷管を使用)5分以上経過してからでなければ、発破場所に近づいてはならない
導火線発破(導火線・工業雷管を使用)15分以上経過してからでなければ、発破場所に近づいてはならない
発破後、何分たてば近づけるのか(不発・遅発への備え) 電気発破(電気雷管) 5 分以上 経過後でなければ近づけない 導火線発破(導火線) 15 分以上 経過後でなければ近づけない 導火線は「燃えている時間が読めない」から、3倍長く待つ
図4 発破後の接近禁止時間 ― 電気発破5分以上・導火線発破15分以上
数値の覚え方は「デンキ・ゴフン(電気5分)/ドウカセン・ジュウゴフン(導火線15分)」
理由も明快です。電気雷管は「電流を流した=その瞬間に起爆した/しなかった」がはっきりしますが、導火線はジリジリ燃え進むので、いつ火が届くか読めない。だから導火線のほうが3倍長く待つのです。
不発を発見した場合は、発破の指揮者(火薬類取扱保安責任者)の指揮のもとで、残留爆薬の所在を確認し、安全な方法で処理します。残った爆薬を掘り返して回収する行為は、原則として禁止されています。
「電気発破を行った場合、発破後15分以上経過してからでなければ発破場所に近づいてはならない」→ 電気発破は5分以上導火線発破が15分以上です。この2つの数値を入れ替えるのが最頻出のワナ。「電気は速い(5分)、導火線は遅い(15分)」と直感で結びつけましょう。

7-5 廃棄(法第27条)

不発の火薬類や、古くなって使えなくなった火薬類を廃棄しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。火薬類は「勝手に捨てる」ことができない――これも頻出です。

「不発となった火薬類は、危険なので直ちに現場で焼却して処分してよい」→ 廃棄には都道府県知事の許可が必要です(法第27条)。廃棄の方法も、規則で技術上の基準が定められています。

8頻出ひっかけ総まとめ

過去問で実際に「✕の選択肢」として出された文章です。すべて誤り。右列を隠して、どこが違うかを説明できるようにしてください。

ひっかけ文(すべて ✕)正しい知識
火薬庫内では、作業に必要な明るさを確保するため電灯(照明設備)を設ける火薬庫内には電灯・電気設備を設けてはならない。灯火が必要なときは安全な携帯電灯を用いる
火薬庫内では、作業能率を上げるため鉄製の器具・工具を用いる鉄類は火花を発するため使用禁止銅製・木製・竹製など火花を発しない器具を用いる
火薬庫内の温度は50℃以下に保つ40℃以下に保つ
火薬庫内には、火薬類のほか、発破に用いる工具や資材も一緒に貯蔵してよい火薬庫内には、火薬類以外の物を貯蔵してはならない
火薬庫の境界内には、火災の延焼を防ぐため土のうや木材を積み上げておく境界内には爆発・発火・燃焼しやすい物を堆積してはならない。木材は燃焼物
火薬類を消費しようとする者は、市町村長(または経済産業大臣)の許可を受ける都道府県知事の許可(法第25条)。火薬庫の設置・譲受・廃棄もすべて都道府県知事
運搬にあたっては、爆薬と電気雷管を同一の容器に収めてよい火薬・爆薬と雷管は、同一の容器に入れてはならない(存置・運搬の両方)
火薬類の運搬に用いる容器は、丈夫な鉄製の箱とする木製その他、電気火花を発しない材料でつくった、堅固で蓋のある容器を用いる
火工所は、1つの消費場所につき1か所とする「1消費場所に1か所」なのは火薬類取扱所火工所は複数設けられる(他の火工所と安全な距離を保つ)
作業効率を上げるため、発破場所(切羽)で薬包に雷管を取り付けた薬包に雷管を取り付ける作業は、火工所以外で行ってはならない
火薬類取扱所に存置する火薬類は、1週間分の消費見込量以下とする1日の消費見込量以下
火薬類の受払い・消費残数量は、1日の作業終了後にまとめて記録すればよいその都度(そのつど)帳簿に記録する
装てんには、鉄製の込め棒を用いる木製または竹製の込め棒を用いる。込め物は粘土・砂など発火性・燃焼性のないもの
装てん後に残った火薬類は、次の発破まで発破場所に置いておく直ちに火薬類取扱所または火工所に返送する。発破場所に存置してはならない
電気発破を行った場合は、発破後15分以上経過しなければ発破場所に近づいてはならない電気発破は5分以上導火線発破が15分以上
火薬類の取扱いには、16歳以上の者を従事させることができる18歳未満の者を火薬類の取扱いに従事させてはならない
火薬類を盗取されたときは、遅滞なく都道府県知事に届け出る警察官または海上保安官に届け出る(法第46条)
不発の火薬類は、危険なので現場で直ちに焼却して処分する廃棄には都道府県知事の許可が必要(法第27条)
電気雷管および導爆線は、火薬類取締法上の爆薬に分類されるいずれも火工品。火薬類=火薬・爆薬・火工品の3分類

9章末チェック ― 一問一答10問

答えを隠して○×で解き、そのあと解説を読んでください。「鉄と火は禁止」「火薬と雷管は別々」「数値」の3点を、必ず言えるようにしましょう。

  1. 火薬類取締法上の「火薬類」とは、火薬、爆薬および火工品をいい、電気雷管や導爆線は火工品に分類される。
    答: ○火薬類=火薬+爆薬+火工品工業雷管・電気雷管・導火管付き雷管・導爆線・導火線・信号焔管はすべて火工品です。ダイナマイト・含水爆薬・ANFOは爆薬
  2. 火薬庫を設置し、または移転しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
    答: ○ ― 火薬庫の設置・移転・構造や設備の変更は、すべて都道府県知事の許可です(法第12条)。経済産業大臣の許可が必要なのは製造だけ。
  3. 火薬庫内では、作業に必要な照明を確保するため、防爆型の電灯を火薬庫内に設置しなければならない。
    答: ✕火薬庫内には照明・電灯(電気設備)を設けてはなりません。灯火が必要なときに使えるのは安全な携帯電灯だけです。あわせて庫内の温度は40℃以下鉄類の器具は使わず銅・木・竹製を用います。
  4. 火薬庫の境界内には、必要がある者のほかは立ち入らせてはならず、また爆発・発火・燃焼しやすい物を堆積してはならない。
    答: ○ ― どちらも規則第21条の基本です。加えて消火設備の設置、盗難防止措置(施錠・見張人)庫内で荷造り・荷解きをしないことも押さえましょう。
  5. 火薬類を消費しようとする者は、原則として、消費地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
    答: ○ ― 法第25条の火薬類消費許可です。ただし1日の消費数量が政令で定める少量(火薬・爆薬1kg以下など)の場合は許可不要という例外があります。
  6. 消費場所においては、火薬類取扱所、火工所または発破場所以外の場所に火薬類を存置してはならない。
    答: ○ ― 火薬類を置いてよいのはこの3か所だけ。現場事務所や車両内への保管は認められません。火薬類取扱所は1消費場所に1か所、存置量は1日の消費見込量以下です。
  7. 薬包に雷管を取り付ける作業は、作業の効率を考慮して、発破場所において行うことができる。
    答: ✕火工所以外の場所で、薬包に雷管を取り付ける作業を行ってはなりません。火工所は火薬類取扱所・他の火工所・火気を扱う場所から安全な距離を保ち、定員以外の者を立ち入らせないことが求められます。
  8. 火薬類を存置し、または運搬するときは、火薬・爆薬と工業雷管・電気雷管を、同一の容器に収納してはならない。
    答: ○火薬類取締法で最も重要な1行です。容器は木製など電気火花を発しない材料で、堅固で蓋のあるものを用います。鉄製の容器は不可
  9. 装てんが終わって火薬類が残った場合は、次回の発破に備えて発破場所に保管しておく。
    答: ✕直ちに火薬類取扱所または火工所に返送しなければなりません。そもそも発破場所に携行する火薬類は、当該作業に必要な量を超えてはならないと定められています。装てんには木製・竹製の込め棒を用います。
  10. 導火線発破を行ったときは、発破後5分以上経過してからでなければ、発破場所に近づいてはならない。
    答: ✕導火線発破は15分以上です。5分以上は電気発破のほう。「電気=5分、導火線=15分」と、数値を入れ替えるのが最頻出のひっかけです。不発の処理は、火薬類取扱保安責任者(発破の指揮者)の指揮のもとで行います。
火薬類取締法の要点を最後に1行で。火薬類=火薬・爆薬・火工品(雷管は火工品)/製造は経済産業大臣、それ以外(販売・譲渡譲受・輸入・火薬庫・消費・廃棄)は都道府県知事、運搬は公安委員会、盗難は警察官/火薬庫は電灯✕(携帯電灯○)・鉄類✕(銅木竹○)・40℃以下・施錠・荷造り荷解きは庫外/消費場所は「火薬類取扱所(1か所・1日の消費見込量以下・その都度記録)→ 火工所(親ダイ・ここ以外で雷管を付けない)→ 発破場所(必要量のみ・余ったら返送)」/火薬と雷管は同一容器に入れない/不発は電気5分・導火線15分/18歳未満は取扱い禁止。試験直前はこの1行を見返せば十分です。

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