1級土木施工管理技士 第一次検定対策
「上下水道」を徹底攻略!
「上下水道」を徹底攻略!
管布設・管きょ基礎・推進工法のすべて
上下水道は専門土木で毎年2〜3問。「埋設の数字(1.2m・30cm)」「管きょ基礎×地盤の組合せ」「推進工法の分類」を押さえるのが最短です。
この記事の目次
1上水道管の布設 ― 土被りと離隔の数字
図1 埋設の数字 ― 土被り1.2m以上・他の埋設物と30cm以上
- 道路下に布設する場合の土被り(どかぶり)は1.2m以上が原則(やむを得ない場合0.6m以上)。
- 他の地下埋設物と30cm以上の離隔を確保する。近接・交差がやむを得ない場合は保護コンクリートや防護カバーで管を守る。
- 曲管部・T字部・栓止め部など不平均力が働く箇所は、コンクリートブロック等で防護(異形管防護)する。管径が大きいほど不平均力も大きい。
- 管の据付けは受口を高い方(高所側)へ向け、挿し口を低い方へ差し込むのが原則。管内に土砂・水が入らないよう、布設中断時は管端を必ず栓でふさぐ。
- 埋戻しは片埋めにならないよう左右均等に、一層ごとに締め固める。管の直上を重機で直接転圧しない。
- 道路内の埋設管には明示テープ(水道は青)や明示シートで管種・埋設年度を表示する。
布設後の手順も出る ― ①水圧試験で漏水の有無を確認 → ②管内洗浄 → ③消毒し、残留塩素を確認してから通水。「試験・洗浄・消毒を省略してよい」はすべて✕。
「土被りは0.9m以上が原則」→ ✕(1.2m)。「他の埋設物との離隔は10cmでよい」→ ✕(30cm以上)。「受口を低い方に向けて布設」→ ✕(受口は高所側)。数字と向きは絶対に落とさない。
2管種の特徴 ― ダクタイル・塩ビ・鋼・ポリエチレン
| 管種 | 長所 | 短所・注意点 |
|---|---|---|
| ダクタイル鋳鉄管 | 強度・じん性が大きい。継手に伸縮可とう性があり地盤変動に追随 | 重い。切断は切管専用機械で行い、切り口は防食処理(モルタルライニング等) |
| 硬質塩化ビニル管 | 軽量で施工性・耐食性がよい | 低温時の耐衝撃性が低い。紫外線・熱に弱い |
| 鋼管 | 強度大・じん性大。溶接継手で一体化でき、地盤変動に強い | 電食・腐食対策(塗覆装)が必須。溶接に時間がかかる |
| ポリエチレン管 | 軽量・耐食性大・可とう性大。融着継手で一体化 | 雨天時・湧水地盤では融着接合が困難。有機溶剤・熱に弱い |
「ダクタイル鋳鉄管の切断面は防食処理不要」→ ✕(必ず防食)。「ポリエチレン管は雨天でも融着できる」→ ✕(水分があると融着不良)。管種×弱点の組合せが選択肢の定番。
3下水道管きょの基礎 ― 地盤との組合せ
図2 剛性管の基礎 ― 地盤が悪いほど頑丈な基礎に
| 管の種類 | 地盤 | 基礎 |
|---|---|---|
| 剛性管 (鉄筋コンクリート管・陶管) | 硬質土・普通土 | 砂基礎・砕石基礎・コンクリート基礎 |
| 軟弱土 | はしご胴木基礎・コンクリート基礎 | |
| 極軟弱土 | 鳥居基礎・鉄筋コンクリート基礎 | |
| 可とう性管 (硬質塩化ビニル管・強化プラスチック複合管) | 原則すべて | 砂または砕石による自由支承の基礎(軟弱地盤では布基礎・ソイルセメント等を併用) |
- 覚え方は「地盤が悪いほど頑丈な基礎」。砂→はしご胴木→鳥居の順に「格上げ」される。
- 鳥居基礎は杭で支持する構造で、極軟弱地盤や湧水の多い場所に使われる。
- 下水道は自然流下が基本のため、勾配と管径のバランスが設計の要点。下流ほど管径は大きく、勾配は緩くなるのが原則。
- 管の布設は下流側から上流側へ向かって施工するのが原則(受口を上流に向ける)。
「極軟弱地盤には砂基礎が適する」→ ✕(鳥居基礎・鉄筋コンクリート基礎)。「下流ほど勾配を急にする」→ ✕(下流ほど緩く)。「布設は上流側から」→ ✕(下流側から)。
4管きょの接合・マンホール・伏越し
- 水面接合
- 上下流の計画水位を一致させて接合する方式。水理条件がよく、最も合理的とされる。
- 管頂接合
- 管の内面頂部の高さを一致させる方式。流水は円滑だが、下流ほど掘削が深くなり、ポンプ排水地区では不利。
- 管底接合
- 管の内面底部の高さを一致させる方式。掘削深さを抑えられるのでポンプ排水地区に有利だが、上流部の水理条件が悪い。
- 段差接合・階段接合
- 地表勾配が急な場合に、マンホールで段差を設けながら(段差接合)、または大口径管きょで階段状に(階段接合)接合し、管内流速を調整する。
- マンホールは管きょの起点・合流点・勾配や管径が変化する箇所・方向が変わる箇所に設置。直線部でも管径に応じた間隔で設ける。
- マンホール内で段差が0.6m以上になる場合は副管(ドロップ管)を設ける。
- 伏越し(ふせこし): 河川や地下埋設物の下をくぐらせる部分。伏越し内の流速は上流管きょより速くして土砂の堆積を防ぐ。伏越し室にはゲート(角落し)と泥だめを設ける。
「管頂接合は掘削が浅くて済む」→ ✕(下流ほど深くなる。浅いのは管底接合)。「伏越しの流速は上流より遅くする」→ ✕(速くする)。接合方式の長短の入れ替えが最頻出。
5推進工法と更生工法
図3 小口径管推進工法 ― 管に推進力を負担させるかで分類
- 推進工法
- 立坑から管をジャッキで押し込んで布設する非開削工法。交通量の多い道路や鉄道・河川の横断部で採用される。
- 更生工法
- 老朽管の内側に新しい管(ライニング)をつくって再生する工法。開削せずに管路の機能を回復できる。
| 小口径管推進の方式 | 推進力の伝達 | ポイント |
|---|---|---|
| 高耐荷力方式 | 管自体が推進力を直接負担 | 鉄筋コンクリート管・陶管など強い管を使用 |
| 低耐荷力方式 | 先導体の推進力は誘導管等が負担し、管には周面抵抗力のみ負担させる | 硬質塩化ビニル管など耐荷力の小さい管が使える |
| 鋼製さや管方式 | 鋼管を先に推進し、その中に本管を布設 | さや管が荷重を受けるため本管は保護される |
- 中・大口径の推進は切羽の安定方法で泥水式・土圧式・泥濃式等に分かれる(シールドと同じ発想)。玉石・湧水など地盤条件で選定する。
- 推進中は先導体の方向・勾配の精度管理と、滑材注入による周面抵抗の低減が重要。推進力が計画を超える場合は中押し装置を使う。
- 立坑内の作業は土留め・酸素欠乏対策など安全管理の規定に従う(安全管理の記事とリンク)。
- 更生工法の分類: 反転工法・形成工法(既設管内で管をつくる)/製管工法(部材を組み立てる)/さや管工法(新管を挿入)。いずれも既設管を活用する非開削工法。
「低耐荷力方式は管に推進力を全負担させる」→ ✕(それは高耐荷力方式)。「推進工法は開削工法の一種」→ ✕(非開削)。
6頻出ひっかけ総まとめ+一問一答
| ひっかけ文(すべて✕) | 正しい知識 |
|---|---|
| 水道管の土被りは0.9m以上が原則 | 1.2m以上 |
| 他の埋設物との離隔は10cm以上 | 30cm以上 |
| 受口を低い方へ向けて据え付ける | 受口は高所側・挿し口を低所側へ |
| 曲管部の防護は不要 | 不平均力が働くため防護必要 |
| ダクタイル管の切断面は防食不要 | 防食処理が必要 |
| 極軟弱地盤の剛性管は砂基礎 | 鳥居基礎・鉄筋コンクリート基礎 |
| 管頂接合は掘削深さを抑えられる | 浅く済むのは管底接合(管頂接合は下流ほど深い) |
| 伏越し内の流速は上流管きょより遅く | 速くする(土砂堆積防止) |
| 下水管きょは上流側から布設する | 下流側から布設 |
| 低耐荷力方式は管に推進力を全負担させる | それは高耐荷力方式 |
章末チェック ― 一問一答12問(○×)
- 道路下の水道管の土被りは、原則1.2m以上とする。
答: ○ - 水道管は、他の地下埋設物と30cm以上の間隔を確保する。
答: ○ - 管の据付けは、受口を高所側に向けて行う。
答: ○ - 曲管部には不平均力が作用するため、防護工を設ける。
答: ○ - 布設後の水圧試験は省略してよい。
答: ✕ ― 漏水確認のため実施。通水前は洗浄・消毒し残留塩素を確認。 - ポリエチレン管の融着接合は、雨天時でも支障なく行える。
答: ✕ ― 水分があると融着不良になる。 - 硬質土地盤の鉄筋コンクリート管には、砂基礎・砕石基礎が用いられる。
答: ○ - 極軟弱土の剛性管には、鳥居基礎や鉄筋コンクリート基礎が用いられる。
答: ○ - 可とう性管の基礎は、原則コンクリート固定基礎とする。
答: ✕ ― 原則砂等の自由支承。 - 水面接合は、上下流の計画水位を一致させる合理的な接合方式である。
答: ○ - 伏越し内の流速は、上流管きょより速くする。
答: ○ - 高耐荷力方式の小口径管推進は、管に推進力を直接負担させる。
答: ○
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