1級土木施工管理技士 第一次検定対策
「施工計画・建設機械・電気設備」を徹底攻略!
「施工計画・建設機械・電気設備」を徹底攻略!
事前調査・仮設・機械選定・工事用電力のすべて
施工計画は施工管理法の導入部で毎年3〜4問、これに建設機械1〜2問・電気設備(共通工学側)1問が加わります。出題は「事前調査の中身」「施工体制台帳のルール」「指定仮設と任意仮設」「機械の選定・組合せ」「工事用電力の区分」でほぼ固定。この記事で全論点を潰します。
出題分析 ― 何がどう出るか
| 論点 | 頻度 | 問われ方 |
|---|---|---|
| 施工計画の基本・事前調査 | 毎年 | 「過去の実績のみでよい」「現地調査だけでよい」等の✕肢を見抜く |
| 施工体制台帳・施工体系図 | 高 | 作成義務の条件・備置き/掲示場所の正誤 |
| 仮設備計画 | 毎年 | 指定仮設と任意仮設の性質の入れ替え |
| 建設機械 | 毎年 | コーン指数×機械、機種×作業の組合せ、組合せ作業能力 |
| 電気設備 | 中 | 契約電力と受電方式(50kW・2,000kW)、感電防止 |
この記事の目次
1施工計画の立案手順と事前調査
図1 施工計画の手順 ― 事前調査から管理計画まで
- 施工計画は安全を最優先に、品質・工期・経済性のバランスを取って立てる。過去の実績や経験だけに頼らず、新工法・新技術・改善の余地を検討する(定番の正答肢)。
- 複数の代替案を比較検討し、1つの計画に固執しない。個人の経験や技術に頼らず、全社的な高度の技術水準を活用する ― これも定番の正答肢。
- 事前調査は2本立て: 契約条件の調査(契約書・設計図書・数量・工期・かし担保の確認)+現場条件の調査(地形・地質・水文気象・近隣環境・支障物件・電力と用水・資機材の輸送経路・労力調達)。
- 発注者から示された工程が最適とは限らないため、受注者は自ら経済的な工程を検討する。
- 施工計画書(現場組織表・施工方法・工程/安全/品質/環境の管理計画等)を作成し、監督員に提出する。計画に変更が生じたらその都度変更計画書を提出。
「施工計画は過去の実績どおりに立てるのが最善」→ ✕(新技術・改善を検討)。「事前調査は現地調査だけで足りる」→ ✕(契約条件の確認も必須)。「発注者の示す工程が常に最適」→ ✕(受注者が経済性を検討)。
2施工体制台帳・施工体系図・届出
| 項目 | 試験に出るルール |
|---|---|
| 施工体制台帳の作成義務 | 下請契約の総額4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)で作成。公共工事は金額にかかわらず、下請契約を結べば作成 |
| 台帳の取扱い | 工事現場ごとに備え置く。公共工事では写しを発注者に提出 |
| 施工体系図 | 各下請負人の施工分担がわかる図。工事現場の見やすい場所(公共工事では公衆の見やすい場所にも)掲示 |
| 記載事項の変更 | 下請の追加・変更があれば速やかに台帳・体系図を修正 |
| 主な届出 | 道路使用許可=警察署長/道路占用許可=道路管理者/特定建設作業=市町村長/労基署への計画届(大規模工事)=労働基準監督署長 |
「公共工事でも下請総額が4,500万円未満なら台帳は不要」→ ✕(公共工事は金額不問)。「道路使用許可は道路管理者に申請」→ ✕(警察署長。管理者は占用許可)。使用=警察・占用=管理者は超定番。
3仮設備計画 ― 指定仮設と任意仮設
図2 指定仮設(発注者指定・変更は承諾必要)と任意仮設(施工者の裁量)
| 指定仮設 | 任意仮設 | |
|---|---|---|
| 定め方 | 発注者が設計図書で指定(大規模仮締切・仮橋など重要仮設) | 施工者の裁量・責任で計画 |
| 構造変更 | 発注者の承諾が必要 | 施工者の判断で変更できる |
| 契約変更 | 変更は契約変更の対象 | 原則契約変更の対象にならない(創意工夫・コスト削減の余地) |
- 仮設備は直接仮設(工事用道路・支保工・足場など施工に直接必要)と共通仮設(現場事務所・宿舎など間接的なもの)に分けられる。
- 仮設材は繰返し使用(転用)を考慮し、規格品・市販品を活用する。
- 構造計算は使用目的・期間に応じた安全率でよいが、労働安全衛生規則等の法定基準は必ず守る。
「任意仮設の変更にも発注者の承諾が必要」→ ✕(施工者の責任で変更可)。「仮設だから安衛則の基準は適用されない」→ ✕(適用される)。「現場事務所は直接仮設」→ ✕(共通仮設)。
4建設機械① 選定 ― コーン指数と機種×作業
機械の問題は「この地盤で走れるか(コーン指数)」と「この作業に使う機械はどれか(機種×作業)」の2パターンがほぼすべてです。
走行に必要なコーン指数(kN/m²) ― 小さいほど軟弱地で走れる
「湿地ブル300 ⇔ ダンプ1200」の両端を覚えれば、間は「タイヤ系ほど大きい」で並べられる。
| 建設機械 | 必要コーン指数 |
|---|---|
| 湿地ブルドーザ | 300以上(最も軟弱地に強い) |
| 普通ブルドーザ(15t級) | 500以上 |
| 普通ブルドーザ(21t級) | 700以上 |
| スクレープドーザ | 600以上 |
| 被けん引式スクレーパ | 700以上 |
| 自走式スクレーパ | 1,000以上 |
| ダンプトラック | 1,200以上(最も硬い地盤が必要) |
| 機種 | 得意な作業(組合せで出る) |
|---|---|
| バックホウ | 機械位置より低い所の掘削。硬い地盤も可、法面仕上げ・溝掘りに適する |
| ローディングショベル | 機械位置より高い所の掘削(山の切崩し) |
| クラムシェル | 狭くて深い掘削(井筒・オープンケーソン内・基礎掘削) |
| ドラグライン | 機械位置より低く、広く浅い掘削(河川しゅんせつ・砂利採取)。硬い地盤には不向き |
| ブルドーザ | 掘削押土と短距離(60m以下)の運搬、敷均し |
| スクレーパ | 掘削・積込み・運搬・敷均しを1台で。中長距離(被けん引60〜400m/自走式800〜1,200m) |
| モーターグレーダ | 路面の精密な整形・敷均し(仕上げ) |
| タンパ・ランマ | 狭い場所・構造物際の締固め |
「バックホウは機械位置より高い所の掘削に適する」→ ✕(低い所。高い所はローディングショベル)。「ドラグラインは硬い地盤の掘削に適する」→ ✕(軟らかい地盤を広く浅く)。「ダンプトラックはコーン指数300で走行可」→ ✕(1,200以上)。
5建設機械② 組合せの原則と経済性
図3 機械の組合せ ― 全体の能力は「最小能力の機械」で決まる
- 組合せ作業の能力は最も能力の小さい機械に支配される(ボトルネック)。
- したがって主作業(例: 掘削・積込み)の能力を最大限発揮させるため、従作業(例: 運搬)の能力は主作業と同等以上に設定する。
- 作業能力の基本式はQ=q×n×f×E(1作業あたり量×時間当たり作業回数×土量換算係数×作業効率)。機械の必要台数=施工量÷1台の作業能力。
- 組み合わせる機械の作業能力の差は小さいほど効率がよい(遊び時間が減る)。
- 機械経費は機械損料(減価償却費・維持修理費)+運転経費(燃料・オペレータ)。標準的な機械・普及した機種ほど経済的で、特殊機械は割高。
- 騒音対策: 低騒音型・低振動型建設機械の使用、不必要な空ぶかし・高速走行を避ける、機械は点検整備して使う(整備不良は騒音増)。
「組合せ能力は最大能力の機械で決まる」→ ✕(最小能力)。「従作業の能力は主作業より小さくてよい」→ ✕(同等以上)。
6電気設備 ― 工事用電力と感電防止
契約電力と受電方式 ― 数字の境目だけ覚える
| 契約電力 | 受電方式 |
|---|---|
| 50kW未満 | 低圧受電(電灯・小規模動力) |
| 50kW以上〜2,000kW未満 | 高圧受電(6,600Vで受電し変圧器で降圧) |
| 2,000kW以上 | 特別高圧受電 |
- 受変電設備は負荷(使用場所)の中心付近に設置し、配線距離を短くする(電圧降下・電力損失の低減)。
- 工事用の自家用電気工作物は電気主任技術者を選任して保安監督させる。電気工事の作業は電気工事士が行う。
- 感電防止: 移動式・可搬式の電動機械には感電防止用漏電遮断器(高感度・高速形)を接続し、接地(アース)を施す。
- 移動電線はキャブタイヤケーブル等の絶縁効力のあるものを使用し、通路面では損傷を受けないよう防護する。
- 架空線近接作業では離隔距離の確保・監視人の配置・防護管(安全管理の記事とリンク)。
「契約電力100kWは低圧受電」→ ✕(50kW以上は高圧)。「受変電設備は現場の入口に置くのがよい」→ ✕(負荷の中心付近)。
7頻出ひっかけ総まとめ+一問一答
| ひっかけ文(すべて✕) | 正しい知識 |
|---|---|
| 施工計画は過去の実績のみで立てる | 新工法・改善も検討 |
| 事前調査は現地調査のみでよい | 契約条件+現場条件の両方 |
| 公共工事でも下請4,500万円未満なら台帳不要 | 公共工事は金額不問で作成 |
| 道路使用許可は道路管理者に申請 | 警察署長(占用許可が道路管理者) |
| 任意仮設の変更は発注者の承諾が必要 | 施工者の責任で変更可 |
| 仮設に安衛則は適用されない | 適用される |
| ダンプトラックはコーン指数300で走行可 | 1,200以上(300は湿地ブル) |
| バックホウは高い所の掘削に適する | 低い所(高い所はローディングショベル) |
| 組合せ能力は最大能力の機械で決まる | 最小能力の機械に支配される |
| 従作業の能力は主作業より小さくてよい | 同等以上に |
| 契約電力100kWは低圧受電 | 50kW以上は高圧受電 |
| 受変電設備は現場入口に設置する | 負荷の中心付近 |
章末チェック ― 一問一答12問(○×)
- 施工計画は、安全を最優先とし、品質・工期・経済性を総合的に検討して立てる。
答: ○ - 事前調査には、契約書・設計図書の確認と現場条件の調査が含まれる。
答: ○ - 施工計画の検討では、個人の経験だけでなく全社的な技術水準を活用する。
答: ○ - 公共工事では、下請契約を締結した場合、金額にかかわらず施工体制台帳を作成する。
答: ○ - 施工体系図は、工事現場の見やすい場所に掲示する。
答: ○ - 指定仮設の構造を変更する場合、発注者の承諾は不要である。
答: ✕ ― 指定仮設は承諾必要。 - 湿地ブルドーザは、コーン指数300kN/m²程度の軟弱地盤でも走行できる。
答: ○ - クラムシェルは、狭くて深い基礎掘削に適している。
答: ○ - ドラグラインは、機械位置より低い所の広く浅い掘削に適する。
答: ○ - 組み合わせた機械群の作業能力は、最大能力の機械によって決まる。
答: ✕ ― 最小能力に支配される。 - 契約電力が50kW未満の場合は、低圧受電とするのが一般的である。
答: ○ - 移動式の電動機械には、感電防止用漏電遮断器を接続する。
答: ○
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