1級土木施工管理技士 第一次検定対策
「共通工学」を徹底攻略!
「共通工学」を徹底攻略!
測量・契約・設計図書のすべて
共通工学は毎年4問・全問解答(選択ではない)の必答分野。出題は「測量2問(TS・GNSS/水準測量)」「契約1問(公共工事標準請負契約約款)」「設計1問(設計図書・図面の読み方)」という構成がほぼ固定です。論点が少なく暗記中心なので、短時間で4問全取りを狙える「得点源」。この記事で全論点を潰します。
出題分析 ― 何がどう出るか
選択肢は「正しいものはどれか/適当でないものはどれか」形式。用語の入れ替え・数字の改変・主語のすり替えが定番の作りです。
| 分野 | 出題数 | 繰り返し問われる論点 |
|---|---|---|
| 測量 | 2問 | TS・GNSSの特徴/水準測量の誤差消去法/地盤高の計算 |
| 契約 | 1問 | 約款の基本ルール(設計図書の範囲・条件変更・工事材料・現場代理人) |
| 設計 | 1問 | 図面の読み方(擁壁・道路横断面の各部名称、鋼材記号) |
この記事の目次
1測量① 水準測量 ― 計算と誤差消去法
図1 水準測量 ― IH=GH+BS、GH=IH−FS(丁張計算と同じ)
- 計算は2本立て: 器械高 IH=既知点の地盤高GH+後視BS、求点の地盤高 GH=IH−前視FS。これだけで計算問題は解けます(BUILDNAの丁張計算ツールと同じ式)。
- 後視(BS)=既知点に立てた標尺の読み、前視(FS)=求点に立てた標尺の読み。「どちらが既知点か」の入れ替えに注意。
- 観測は往復観測とし、往復差が許容範囲を超えたら再測。標尺は2本1組で交互に使う。
誤差の消去法 ― 「何をすれば何が消えるか」の対応で出る
| 誤差 | 消去・軽減する方法 |
|---|---|
| 視準軸誤差(視準線とレベルの気泡管軸の不一致) | 後視と前視の距離を等しくする |
| 球差・気差(地球の曲率・大気の屈折) | 同じく後視と前視の距離を等しくする |
| 標尺の零点誤差(底面のすり減り) | レバー数(測点数)を偶数にする(出発点の標尺を到着点にも立てる) |
| 標尺の傾きによる誤差 | 標尺を前後にゆっくり動かし最小値を読む(または円形水準器) |
| 鉛直軸誤差 | 観測方法では消去できない ― 器械の点検調整で対処 |
「前視と後視の距離を等しくすれば零点誤差が消える」→ ✕(消えるのは視準軸誤差・球差気差。零点誤差はレバー数偶数)。「鉛直軸誤差は等距離で消去できる」→ ✕(観測方法では消去不可)。誤差と消去法の組合せ入れ替えが最頻出。
2測量② TS・GNSS・トラバース
図2 測量機器 ― TSは角度+距離、GNSSは衛星測位
| 機器 | できること | 試験に出る特徴 |
|---|---|---|
| トータルステーション(TS) | 角度と距離を同時に観測し、座標を自動計算 | 距離測定は光波(反射プリズム使用)。気温・気圧による気象補正が必要。トラバース測量・出来形管理に多用 |
| GNSS測量 | 衛星電波で位置(座標)を測定 | 受信機間の視通は不要だが上空の視界が必要。RTK法は基準局と移動局の2台で観測。天候・昼夜の影響を受けにくい |
| レベル(水準儀) | 高低差の精密測定 | 高さはレベルが最も高精度。TS・GNSSでも標高は求まるが精度は劣る |
- トラバース測量: 基準点から測線をつないで各点の位置を求める。精度は閉合比=閉合誤差÷全測線長で表し、値が小さいほど高精度。
- 閉合誤差は各測線の長さに比例して配分する(コンパス法則)のが一般的。
「GNSSは受信機間の視通が必要」→ ✕(視通不要。必要なのは上空視界)。「TSは気象補正が不要」→ ✕(光波のため気温・気圧補正が必要)。「閉合比は大きいほど高精度」→ ✕(小さいほど高精度)。
3契約 ― 公共工事標準請負契約約款の頻出条文
約款は発注者と受注者が対等な立場で交わす契約のルール集。試験では「約款に照らして正しい/誤っているもの」を選ばせます。頻出論点は下表の10個でほぼ全部です。
| 論点 | 試験に出るルール |
|---|---|
| 設計図書の範囲 | 図面・仕様書・現場説明書・質問回答書の4点。契約書は含まれない(超定番) |
| 一括下請負 | 全面禁止(丸投げ不可) |
| 現場代理人 | 工事現場に常駐し運営・取締りを行う(連絡体制が確保されれば常駐緩和あり)。請負代金の変更・受領など契約上の権限はない |
| 兼任 | 現場代理人・主任技術者(監理技術者)・専門技術者は互いに兼ねることができる |
| 条件変更等 | 現場と設計図書の不一致・図書間の食い違い・予期しない施工条件を発見したら、受注者は監督員に通知し確認を請求(勝手に判断して施工しない) |
| 工事材料の品質 | 設計図書に定めがなければ中等の品質。検査に直接要する費用は受注者負担 |
| 検査済み材料の搬出 | 検査に合格した工事材料を現場外へ搬出するには監督員の承諾が必要 |
| 支給材料・貸与品 | 引渡し場所は設計図書の定めによる(定めがなければ工事現場)。受領時は受注者立会いのうえ検査 |
| 工事の中止・設計変更 | 発注者の権限。必要があれば工期・請負代金を変更し、受注者に生じた増加費用・損害は発注者が負担 |
| 臨機の措置 | 災害防止等のため必要なときは、受注者はあらかじめ監督員の意見を聴いて臨機の措置をとる(緊急やむを得ないときは事後通知) |
「現場代理人は請負代金額の変更を行う権限を持つ」→ ✕(契約上の権限はない)。「材料検査の費用は発注者負担」→ ✕(受注者負担)。「定めのない材料は上等の品質とする」→ ✕(中等の品質)。主語(発注者/受注者/監督員)のすり替えに注意。
4設計 ― 設計図書と図面の読み方
図3 設計図書 ― 図面・仕様書・現場説明書・質問回答書(契約書は含まれない)
- 設計図書=図面・仕様書(共通/特記)・現場説明書・現場説明に対する質問回答書の4点。契約書・見積書は含まれない。
- 図書間に食い違いがある場合の優先順位は、一般に質問回答書→現場説明書→特記仕様書→図面→共通仕様書(発注機関の定めによる)。あとから出た情報・個別の情報ほど強いと覚える。
図面の読み方 ― 名称と記号はここだけ覚える
| テーマ | 試験に出る知識 |
|---|---|
| 逆T型擁壁の各部 | 壁の立上り=たて壁、前面側の底版=つま先版、背面側の底版=かかと版。付け根の補強=ハンチ。「つま先」と「かかと」の入れ替えが定番 |
| 道路の横断面 | 車道の外側=路肩、盛土法面の上端=法肩・下端=法尻。切土と盛土の境に小段。横断勾配は排水のため路面中央から外側へ下る |
| 鋼材の記号 | SS400=一般構造用圧延鋼材(引張強さ400N/mm²)/SM=溶接構造用/SD345=鉄筋コンクリート用異形棒鋼(降伏点345N/mm²)。数字の意味(引張強さか降伏点か)まで問われる |
| 寸法の単位 | 図面の寸法は原則mm表記(標高・測点はm)。φは直径、@はピッチ(間隔)、ctcは中心間隔 |
「擁壁の前面側底版をかかと版という」→ ✕(前面がつま先版・背面がかかと版)。「SS400の400は降伏点」→ ✕(引張強さ。SD345の345が降伏点)。
5頻出ひっかけ総まとめ+一問一答
| ひっかけ文(すべて✕) | 正しい知識 |
|---|---|
| 前視・後視を等距離にすれば零点誤差が消える | 消えるのは視準軸誤差・球差気差(零点誤差はレバー数偶数) |
| 鉛直軸誤差は観測方法で消去できる | 消去できない(器械の点検調整) |
| GNSSは受信機間の視通が必要 | 視通不要(上空視界が必要) |
| TSは気象補正が不要 | 気温・気圧の補正が必要 |
| 閉合比は大きいほど高精度 | 小さいほど高精度 |
| 契約書は設計図書に含まれる | 含まれない(図面・仕様書・現場説明書・質問回答書) |
| 図書の食い違いは受注者が判断して施工 | 監督員に通知し確認を請求 |
| 定めのない工事材料は上等の品質 | 中等の品質。検査費用は受注者負担 |
| 現場代理人と主任技術者は兼務不可 | 兼務できる |
| 現場代理人は請負代金の変更権限を持つ | 契約上の権限はない(現場の運営・取締り) |
| 擁壁の前面側底版はかかと版 | 前面=つま先版、背面=かかと版 |
| SS400の400は降伏点 | 引張強さ(SD345の345は降伏点) |
章末チェック ― 一問一答12問(○×)
- 水準測量では、後視と前視の距離をできるだけ等しくする。
答: ○ ― 視準軸誤差・球差気差の消去。 - 標尺の零点誤差は、レバー数(測点数)を偶数にすれば消去できる。
答: ○ - 鉛直軸誤差は、後視・前視を等距離にすれば消去できる。
答: ✕ ― 観測方法では消去不可。 - 器械高は「既知点の地盤高+後視」で求められる。
答: ○ - トータルステーションは、角度と距離を同時に観測できる。
答: ○ - GNSS測量では、観測点間の視通を確保しなければならない。
答: ✕ ― 視通不要(上空視界は必要)。 - トラバース測量の閉合比は、小さいほど精度がよい。
答: ○ - 設計図書には、図面・仕様書・現場説明書・質問回答書が含まれ、契約書は含まれない。
答: ○ - 設計図書と現場が一致しない場合、受注者は監督員にその旨を通知し確認を請求する。
答: ○ - 設計図書に定めのない工事材料は、中等の品質を有するものとする。
答: ○ - 現場代理人は、主任技術者を兼ねることができる。
答: ○ - 逆T型擁壁の前面側の底版を「つま先版」という。
答: ○ ― 背面側が「かかと版」。
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